刑事さん
話が前後してしまうのだが、64年に終了した「警視庁物語」シリーズの続編というかテレビ版が「刑事さん」(67年)である。松本克平、神田隆、花沢徳衛、今井健二といった面々が映画版と同じ役柄で登場するらしい。らしいというのは当然見たことがないからだ。正確にはOPのみ見たことがあるが、固定OPではなく冒頭のシーンにテロップがかぶるというものだった。どうやらキカイダー01こと池田駿介がメンバーに加わっているようだ。何故か9回で終わってしまうのだが、翌68年に新たに13回放映されている。この「PART2」の存在は新たな発見であった。主なゲストは67年のほうは大川栄子、江原真二郎、富士真奈美など、68年のほうは村井国夫、中田博久、千秋実といったところである。映画のほうもだが、こちらのテレビ版のほうも是非みてみたい番組ではある。ところで、「さん」が「くん」になるだけで全然違う番組になってしまうので注意しよう。
ポルノの帝王・失神トルコ風呂
梅宮辰夫の主演シリーズはまだあったりする。それが70年にスタートする「帝王」シリーズである。今回は「不良番長」と同様に山城新伍とのコンビで、「夜遊びの帝王」「女たらしの帝王」(70年)、「未亡人殺しの帝王」「ポルノの帝王」そして「ポルノの帝王・失神トルコ風呂」(71年)の五作が存在する。個人的には、多分1作も見たことがないと思う。あらすじや解説などによると今までの女を食い物にする梅宮シリーズとは異なり、多少純愛色が強いとなっている。役名は全作、梅宮が松○浩、山城が金○政雄となっており、○の部分だけ毎回違う。ちなみに梅宮が松原、松永、松山、松村、松宮で、山城が金山、金田、金井、金本、金子となっている。メインとなる女優は「夜遊び」が富士真奈美、「女たらし」が富士と山城の元妻である花園ひろみ、「未亡人殺し」が八代真智子、「ポルノ」が真山知子、「トルコ風呂」がまた花園ひろみである。
山城と花園は東映第4期ニューフェースの同期生で、65年に結婚しているので、この時点では夫婦であった。二度結婚し二度離婚しているが、同居は続けているらしい。山城は東映の他、松竹のニューフェースにも合格したらしいが、出演料が東映のほうが五百円高かったという理由で東映入りしたということである。梅宮は山城と同じ38年生まれだが、こちらは第5期ニューフェースである。ちなみに二人とも医者の息子だったりする。山城は最近テレビで見かけないと思ったら、糖尿病で入院しているとのことだ。かなり痩せてしまったらしい。梅宮もかつて肺種痬にかかったが、こちらは3ヶ月で完治している。
夜の歌謡シリーズ
梅宮辰夫の夜の盛り場シリーズは、前項の作品以降は「夜の悪女」「夜の牝犬」「赤い夜光虫」と続いたが、68年の「柳ヶ瀬ブルース」をきっかけとしたヒット歌謡曲をベースにして夜の盛り場を描いた作品がシリーズ化された。それが「夜の歌謡」シリーズである。ちなみにこの68年には「不良番長」シリーズもスタートし、梅宮の第2絶頂期が訪れたという感じである。
このシリーズは、69年までに計8本が作られたが「柳ヶ瀬ブルース」なら美川憲一というようにその歌を歌っている歌手が当然のように顔を出す。しかし後の7本は「港町ブルース」「おんな」なら森進一、「長崎ブルース」「伊勢佐木町ブルース」なら青江三奈とこの二人が交代で顔を出す。しかし青江、森、美川と夜の盛り場が似合う面々である。計8本と書いたが、73年になって何故か思い出したように「夜の歌謡シリーズ・女のみち」が作られている。当然ぴんからトリオも登場するが、この歌の人気が凄かったので急遽企画を復活させたのかもしれない。確か「およげ!たいやきくん」に次いで歴代売り上げ2位だったはずである。勿論、CDではなくレコードだが。
ひも
第二東映が発足した60年、東映は合わせて165本もの映画を製作した。しかし現場はたまったものではなく、この体制に対する反対運動が起こっていた。先頭にたって批判していたのは片岡千恵蔵だったという。それに加えてテレビの普及は予想以上に映画から客を奪っていったこともあり、翌61年二年足らずで東映の二系統体制は幕を閉じた。
この頃第二東映(ニュー東映)での主演が多かった梅宮辰夫だが、一つに戻り必然的に主演作は減ってしまった。しかし65年、その梅宮主演となったのが「夜の青春」シリーズである(夜の盛り場シリーズとも言われる)。第1作「ひも」を皮切りに、「いろ」「ダニ」「かも」とこの年だけで四本が作られている。全作梅宮の演じるキャラは別人だが、まあ同じようなものだし、女優も緑魔子は3作に、大原麗子は2作に登場するので、はっきりいってややこしい。タイトルも全部かな二文字だし、まあどれがどれなんだか見分けのつきづらいシリーズである。このあたりから梅宮の出る映画が正統派アクションや任侠物から変わっていき、あの「不良番長」シリーズへと繋がっていく。と勝手に分析しているのである。
殺られてたまるか
拳銃を磨く男シリーズ
特ダネ三十時間シリーズ
まだ俳優に転向してまもなかった南廣が主演の映画が「特ダネ三十時間」シリーズで、59年~61年にかけて全10作が制作されている。まあ正直いうとこのシリーズに関しては、その存在すら知らなかったので当然未見だが、当時人気だったドラマ「事件記者」の影響もあってか、社会部記者清水浩平(南)を主人公としたシリーズだ。調べていた思ったのだが、このシリーズにはややこしい問題がある。まあ昔の映画ではよくある話だが、出演者の顔ぶれはほぼ一緒なのだが役名が途中で変わるのである。しかもその役名を他の役者が引き継いでいるのだ。まあネット上にある映画サイトの記述が正しいと仮定しての話ではある(たまに違っていることもある)。具体的にいうと南廣は全作清水浩平だが、やはり全作に登場する神田隆は谷村デスクから部長へと変わる(谷村部長ではない)。その谷村の役は1,2作目では森、5,6作目では井上だった成瀬昌彦が引き継ぐといった具合だ。わかりやすく書いてみると、部長:三島雅夫→神田隆、谷村:神田隆→成瀬昌彦、森:成瀬昌彦→関山耕司、斎藤:大木史朗→佐原広二→清村耕次、飯島:関山耕司→大木史朗→ 佐原広二、木内:冨田浩太郎→南川直、宮田:長谷部健→北峰有二→長谷部健ってな感じである。まあテレビシリーズと違って、映画を見ている方には主役以外はそれほど気にならないかも知れないけれども、いきあたりばったりで決めていたとしか思えないのである。
戦え!マイティジャック
「マイティジャック」とくれば、次は「戦え!マイティジャック」(68年)であるが、私はこの番組をとんと見た記憶がない。子供の頃目にしたことはあるような気もするが、少なくても30年以上は見ていないはずである。再放送はされなかったし、ソフトが出ていたかどうかは不明だが、レンタル屋に並ぶことはなかった。今年になってDVDが発売されたらしいが、買ってまで見る気はないので、レンタルあるいはCSで放映される日を待とう(もうされたかもしれないが私が加入してからはない)。
さて前項でも書いたとおり、子供向けの30分番組へとリニューアルした本番組だが、レギュラーも11人から5人へと減り、年齢も若返った。ウルトラマンやセブンで馴染みのあった南廣と二瓶正也のみ残留し、「忍者部隊月光」で名月を演じた山口暁と月影を演じた渚健二のコンビ、そして役名をそのまま芸名にした江村奈美が新加入した。山口暁といえばその月光でデビューし、「ライダーマン」や「電人ザボーガー」としても有名で、特撮の人というイメージがある。86年に41歳の若さで亡くなったが、晩年は豪久と名乗っていたようだ。やはり暁のほうがしっくりくる。渚健二で印象に深いのは、やはり「仮面ライダー」の第3話。本郷(藤岡弘)の友人として登場するが実は蠍男であったという役である。江村奈美は他に出演作があるのか探してみると、同じ円谷プロ制作の「恐怖劇場アンバランス」の「猫は知っていた」の回に登場しているようだ。この回には渚も出演しているが、実はこの二人その後に結婚したそうである。めでたし、めでたし。そういえば山口暁も、以前書いたと思うが「マグマ大使」にチョイ役で出演した際、そのアベック役だった女優さんと結婚したという。見事な職場結婚である。ちなみに「猫は知っていた」には忍者部隊月光こと水木襄も出演している。なんか月光の話題のほうが多くなってしまった気がする。
マイティジャック
最近このブログに登場した南廣や福岡正剛に共通した作品といえば「マイティジャック」(68年)。というわけで、久々に特撮の話題である。この作品、円谷プロもかなり力を入れていたのはわかる。30分が普通であるテレビ特撮において、豪華俳優陣を使い1時間ドラマに挑戦したのだが、結果はご存知の方も多いと思うが惨敗に終わった。13回で終了し、結局通常の30分子供向けである「戦え!マイティジャック」への路線変更を余儀なくされる。大人向けということで、子供が見ても面白くなかったのは当然かもそれないが、大学生くらいになってレンタルビデオかなんかで見たときもあまり面白くなかった。それ以来未見なので、また改めて見てみたい気もするのである。
さて、その豪華俳優陣に目を向けると主演の二谷英明、「死神博士」こと天本英世、「イデ隊員」こと二瓶正也などはまあ説明不要であろう。副長役の南廣は元々は「渡辺晋とシックスジョーズ」のドラマー。渡辺晋は渡辺プロの社長となったが、南は「南廣とザ・サウスメン」を結成し、58年頃から俳優に転向したという経歴の持ち主だ。驚いたのは二谷(30年生)よりも年上(28年生)であったこと。89年に亡くなったが、60歳と聞いて驚いた記憶がある。若く見えるタイプだったと思う。福岡正剛や春日章良も二谷より年長で、共に地味で印象に残りにくい。春日は「春日俊二」の名で活躍していたが、この頃は本名の章良を名乗っている。夏目俊二という俳優もいてややこしかったからかどうかは知らない。久保菜穂子はかつての主演女優とはいえ、この頃既に36歳でちょっとおばさんに見えた。井上紀明はこれ以外には丹波哲郎主演の「ジキルとハイド」の刑事役くらいしか知らない。若い方の女性隊員池田和歌子もよく知らないが意外に長い女優生活を送っていたようだ(現役かもしれない)。残る二人は11話で殉職する田中淑隆と大屋満だが、やはりよくわからない。大屋は「とんま天狗」など喜劇系に出ていた人のようなので、あまり若くないだろう。その代わりに登場するのがずっとネームバリューのある睦五郎と真理アンヌだが、3回目にして番組が終了してしまうのである。
こう改めて書くといかに地味なメンバーだったかがわかる。しかもレギュラー11人中、設定はさておき35歳以上が7人というのはやはり多すぎるだろう。この配役で刑事ドラマだったら良かったと思うのだけれども。
学生五人男
最近このブログによく登場する波島進だが、そのデビュー当時についてちょっと調べてみた。デビュー当時は本名の小倉正則でほぼ助演であった。53年の「早稲田大学」という映画の役名である波島晋から波島進を名乗るようになる。そして54年の3部作「学生五人男」あたりから主演役者として活躍するようになる。姿三四郎役や明智小五郎役も50年代に演じている。
というわけで「学生五人男」だが、当然メインは五人(波島進、山本麟一、福岡正剛、杉義一、船山汎)いる。これがデビューとなる山本麟一だが、彼は東映ニューフェースの1期生(同期に南原宏治、中原ひとみ等)で、悪役のイメージが強いが、「警視庁物語」の項でも触れたとおり、全作刑事役として登場している。福岡正剛は演出家を志して50年に太泉映画に入ったが、役者が足りないという理由でそのまま役者となる。結局波島などとは同期ということになるのだろうか。名前は良くみかけるのだが、いまいち顔のイメージが湧いてこない。円谷の特撮「マイティジャック」では隊員の一人であったが、やはりあまり印象にない。杉義一も名前は見かけるが、顔がよくわからない。杉狂児(よく知らないが)の息子だそうだ。船山汎は全く聞いたことがないが、50年代の終わりには引退してしまった人らしい。ちなみに汎はひろしと読むのだが、誰も読めないからかどうかは不明だが、55年に船山裕二と改名しており、歌手としてレコードも出している。読み方といえば福岡正剛は「せいごう」だが本名は「まさたけ」と読み、杉義一は「ぎいち」と読むが本名は「よしかず」である。名前とは難しいものである。