お宝映画・番組私的見聞録 -196ページ目

一寸法師(55年版)

新年である。その一発目は新年とは何の関係もなく、江戸川乱歩の「一寸法師」(55年)である。
まあ最近DVDで見たのだが、内容が内容だし、てっきりDVD化などされていないと思っていたら、普通にされていた。
ご存知かと思うが、一寸法師とはここでは小人の比喩である。それで江戸川乱歩で新東宝ときたら、それはもうエログロどころではない不気味な世界が、と思ってしまうのだが実はそうでもない。よく考えるとまだ大蔵貢体制ではない頃の新東宝である。確かに小人で顔も醜い(もちろんメイク)一寸法師がちょこまかとかなり身軽に動き回る姿は不気味ではあるけれども、実は純朴な性格という役どころ。演じるのは和久井勉という人で、以前取り上げた「女吸血鬼」にも出演していた。
警察か探偵のように事件を追うのが宇津井健、いつもどおり正義の人ではあるが、かなり差別的でもある。彼の本職は作家で、探偵として登場するのは二本柳寛。キャストでは先頭なので彼が主役ということになるのだろう。しかし、何故か原作のように明智小五郎ではなく旗竜作という。天知茂は旗の助手という役である。ところで、旗竜作ってどこかで聞いたことある名前だと思っていたが、「ナショナルキッド」が素顔の時に名乗っていた名前が同じであった。他にも丹波哲郎、細川俊夫、安西郷子など名のあるところも登場する。どこに出ていたかはよくわからないが、池内淳子もチョイ役で出ているようだ。
宇津井の声が「ガードマン」の頃の野太い声ではなく、70を越えた現在の声に近く聞こえる。セリフで<奴>のことを<きゃつ>といってるのが気になった(間違いではないが)。
「一寸法師」はこれが三度目の映画化で、最初は27年、二度目は48年である。27年版の詳細は不明だが、48年版は明智小五郎を藤田進、一寸法師を酒井福助が演じている。55年版以降は題材的にも映像化されることはないだろうと思っていたら、01年に石井輝男が「盲獣VS一寸法師」という形で映画化した。一寸法師を演じたのはリトル・フランキーというミゼット・レスラー(この表現は初めて聞いた)であった。しかしこの翌年に亡くなっている。ちなみに宇津井が演じた小説家の役はリリー・フランキーが演じていた。


ところで、映画というテーマの部分を会社別に分けることにした。自分でも何をやったか忘れていたりするので、検索しやすくするためもある。300以上あったので、全部変更するには、もうしばらくかかりそうである。

ザ・ガードマン その3

引き続き「ザ・ガードマン」である。ゲストに目を向けてみると、正確には数えていないが、おそらく最多出演は今井健二ではないだろうか。他にはジェリー藤尾、成田三樹夫、南原宏治、田口計、戸浦六宏、長谷川哲夫、藤木孝、上野山功一、女性では中原早苗、緑魔子、松岡きっこ、稲野和子、高林由紀子(林千鶴)、夏圭子あたりが多かったように思う。意外なところでは、中村敦夫、野際陽子、宍戸錠、田中邦衛、露口茂、田村高広などもゲストで登場したことがある。70年には美空ひばり、江利チエミ、ミヤコ蝶々といったところが相次いで登場。
中でも目だっていたのは第236話「喜劇・いらっしゃい集団万引様」(69年)というエピソード。この回のゲストは中村メイコ、左卜全、金子信雄、南原宏治、今井健二、藤村有弘、花沢徳衛、大辻伺郎、上田吉二郎、藤木孝、大泉滉、曽我町子など割と名のある役者がずらりと並んでいた。200回記念とか年末年始とかならわかるが、特になにもなさそうな時なので不思議な気がした。
宇津井健がらみでいえば、俳優座の同期生である中谷一郎や佐藤慶、新東宝時代の同僚であった天知茂、沼田曜一、御木本伸介、江見俊太郎なども顔を見せている。
そして350話つまり最終回「さよならガードマン!また逢う日まで」。349話が「16歳の花嫁に夫が二人?」なのだが、実はこれは前後編である。サブタイトルだけ見たらまずわからないであろう。最終回らしくガードマンたちが海外(リスボン)で活躍する。ゲストが池部良、関根恵子(現・高橋恵子)、入川保則、川口恒、長谷川哲夫、そして今井健二である。サブタイにある16歳の花嫁は当然、関根恵子だが彼女は当時本当の16歳であった(そうは見えないが)。それでいて、いきなりパンツ1枚で登場し、見事な脱ぎっぷりを見せてくれる。このシーンの記憶はあったのだが、何の番組だったかはすっかり忘れていた。
関根恵子は中学卒業後すぐに大映入りし、デビュー作(高校生ブルース)でヌードになるという荒業をを披露している。今だったら不可能であろう。この最終話の半年後にはあの「太陽にほえろ」にレギュラー出演するのだが、当時17歳だったとは今さらながら驚いてしまう。
さて、最終話の放映日は71年のクリスマスイブであった。神山繁を除く6人がリスボンに集結。事件を解決した後、アムステルダムでイブを過ごす池部良と関根恵子の前に7人のサンタが現れる。当然ガードマンたちだが、そこには神山もいる。と思いきやラストシーン、馬車に引かれてこちらに向かって手を振っているメンバーはよく見ると6人しかいない。つまり神山だけ別撮りだったということだろう。アップショットしかなかったし。クレジット順はいつもとちょっと変わっており、宇津井健→倉石功→中条静夫→川津祐介→稲葉義男→神山繁→藤巻潤となっていた。「七年の長い間、いつも愛して下さってありがとうございました。また逢う日まで」というようなテロップが出て「ザ・ガードマン」は幕を閉じた。
というわけで、大晦日である。本ブログの更新は幕を閉じずに来年も続けていく、と思う。

ザ・ガードマン その2

唐突だが、「ザ・ガードマン」(65年~71年)である。2ヶ月くらい前だが、CSファミリー劇場での放送が最終回を迎えた。全350話を週1話ペースだったので、当然本放送と同じ約7年にわたる放送となった。このブログがスタート(3年前)してすぐに取り上げているが、今回改めて見直してみたい。
全350話のうち第39話「私は人殺しなの」は放送が飛ばされている。まあ現在の地上波では放送できない内容の話なのだが、少し遅れて放送をスタートしたTBSチャンネルでは放送されたし、DVDにも収録されているので、ファミ劇でも放送してよかったんじゃないかなと思う。まあ、結局1話も封印されているエピソードがないのは意外なような気もする。
サブタイトルは第1話「黒い猫」をスタートに「黒い微笑」「黒いアスファルト」「赤いエレベーター」と簡潔なものが続いていたのだが、終盤70年代に入ると「高校生奥さんのハレンチ作戦」とか「ハレンチ夫婦の幽霊殺人」とか「ハレンチ奥さんの完全犯罪」とか「セクシー娘、お色気捕物帖」とか「ドッキリ喜劇、ヌード売ります」とか、もはや何の番組だかわからなくなっている。まあ、初期と後期で大きな内容の変化は感じないのだけれども。
初期の頃はOPにもレギュラーの名前が出ていた。番組タイトルにも「東京警備指令」がついていた。宇津井健(高倉キャップ)→藤巻潤(清水)→川津祐介(荒木)→稲葉義男(吉田)→倉石功(杉井)→中条静夫(小森)→清水将夫(三原チーフ)の順であった。このうち清水将夫は通算4回ほど登場して、自然消滅し、代わりに第2話から榊警部としてセミレギュラー的に登場していた神山繁が、第45話より唐突に転職してきてレギュラー入りし、お馴染みの七人となり、番組タイトルから(47話より)「東京警備指令」がとれた。

この中で宇津井、藤巻、中条、倉石は大映の俳優であり、宇津井、藤巻はスター的存在であったが、中条はほぼ無名の大部屋俳優、倉石は<ミスター平凡グランプリ>の経歴を引っさげて大映ニューフェース入り(16期、藤巻は11期)したわりには、パッしていない状態が続いていた。川津は松竹の役者としてそれなりの実績があったが、当時はフリーの状態で64年くらいから大映作品にも登場しはじめていた。神山は文学座出身で、60年頃は日活アクションに登場し、63年くらいから大映作品に登場。宇津井や藤巻ともよく共演していた。番組レギュラー入り後は何故か大映ではなく東宝作品への出演が増えている。稲葉は「七人の侍」(54年)の五郎兵衛役が有名で、エキストラ出演していた宇津井とはある意味共演していたことになる。
全体を通してみると、やはり宇津井と藤巻が主役となる話が断然に多かった。アクション場面が多いのでどうしても若手の活躍が多くなるのだが、中条、稲葉のベテラン勢も頑張っていた。この番組でレギュラー陣は全員人気を得たが、一番<出世>したのは中条静夫ではないだろうか。番組終了後の活躍は際立っていた。逆に藤巻潤、倉石功の若手はあまりパッとしなくなっていった気がする。
89年ごろ、この7人が十数年ぶりに集結したサントリー「ウイスキー&ソーダ」のCMが流れた。その時の順番は川津→神山→中条→藤巻→倉石→稲葉→宇津井となっていた。7人中の4、5番目というのは一番目立たないポジションといえる。ちなみにサントリーは当時のスポンサーでもあった。次回に続く。

ぶらり信兵衛道場破り

またリクエストを頂いた。高橋英樹繋がりで「ぶらり信兵衛道場破り」(73年)を取り上げてみたい(必ずリクエストに応えるというわけではないけれども)。以前、高橋英樹のネタを続けたことがあったが、この番組には触れていなかった。どうせ「桃太郎侍」的な、英樹がバッタバッタと悪人を切り倒す番組だろうと勝手に思って、あまり興味がなかったのだが、どうやら全然違うようである。チャンバラといえるシーンはほとんどなく、ましてや人を斬ることなど全くない番組のようである。最近CSでも放送され、自分も1話と最終話くらいは録画したような気がするのだが、結局見ないまま忘れていたようだ(結構そのパターンは多い)。
まあタイトル通り、道場破りをするのだが、金を稼ぐため勝つのではなくわざと負けようとするのが通常のようだ。もちろん、実際は腕が立つため勝ってしまうこともあるという。この番組の熱心な研究家によると12勝19敗4分けだそうである。結構ファンも多い番組のようだ。
他の出演者は浜木綿子、デン助こと大宮敏充、その娘役の武原英子、渡辺篤史、池内淳子と一年足らずで離婚した柳沢真一、「十手無用」でも英樹と共演する深江章喜と木田三千雄、オレンジファイターこと新山真弓、トリオザスカイラインの小島三児、当時人気の漫才コンビ東京二・京太などである。この中で親子役の大宮と武原は2クールで降板し、それぞれ藤原釜足、葉山葉子に交代している。葉山葉子は専ら舞台を中心に活動しており、杉良太郎の舞台では常連のようだ。新山真弓は笛真弓という名で「トリプルファイター」に出演していた人である。
見たとおり喜劇畑の人が多く、大宮敏充はこの前年(72年)まで「デン助劇場」が放送されていた。約13年放送されていたらしいが、おそらく一度も見たことがないし、デン助自体も見た記憶がない。東京二・京太は85年に解散し、現在はそれぞれ別の相方と漫才を続けているらしい(京太は夫婦漫才)。ちなみに東京一は初期ウルトラシリーズ主題歌の作詞家、つまり円谷一のペンネームなので間違えないようにしよう。
ゲストも植木等、ハナ肇、谷啓のクレージーキャッツ勢をはじめ、宍戸錠、高城丈二、栗塚旭、津川雅彦、和泉雅子、草笛光子といったところが出演している。
個人的には、何十人も人をぶった斬る時代劇は好みではないが、全くないのもどうかという気がする。結局未見なので微妙ではあるけれども。

秩父水滸伝シリーズ

前項でちょこっと触れたが、「○○水滸伝」というタイトルの映画の中から日活の「秩父水滸伝」シリーズ(二作だが)を取り上げてみる。一作目が「秩父水滸伝 必殺剣」(65年)。
タイトルどおり、明治の秩父が舞台。主演は高橋英樹で、個人的にはあまり興味の無い任侠物かなと思っていたのだが、ちょっと違うようである。この時代には剣術興業で稼ぐ"剣士”が存在していたという。高橋英樹は小野派一刀流の剣士で、師匠と仰ぐのは芦田伸介。敵役は二谷英明で甲源一刀流の剣士で、その弟分が杉江弘で、二谷はヤクザの親分である山田弾二とも繋がっている。「赤胴鈴之助」にも登場する北辰一刀流が「水戸黄門」こと佐野浅夫である。芦田伸介といえば「七人の刑事」の部長刑事、二谷は「特捜最前線」の課長、山田弾二も「特別機動捜査隊」では係長と刑事ドラマで偉い役をやっている人が多い。
ヒロイン役は松原智恵子で、他にも垂水悟郎、小沢昭一、深江章喜、弘松三郎、子役として「笛吹童子」の内田喜郎、「ジャイアントロボ」の金子光伸なども顔を出している。
二作目が「秩父水滸伝 影を斬る男」(67年)。
主演の高橋英樹はもちろん、佐野浅夫は前作と同じ役で登場。その娘である女剣士は古賀京子から山本陽子に替わっている。杉江弘、深江章喜、弘松三郎などは前作とは違う役で登場している。
前作で倒れた二谷の兄として登場する葉山良二や警察一の剣術使い安部徹などと英樹が戦うようだ。二谷と葉山は、実際は二谷が2つ上である。見た目も二谷が上に見えるし葉山は弟という設定でも良かった気がする。
他の出演者は水島道太郎、平田大三郎、南廣、山田真二など。平田大三郎は顔もよく知らないが、60年代に日活で活躍していた役者で、父の平田未喜三も主に日活で活躍した俳優である。水島道太郎は叔父にあたるという。南廣は東映、山田真二は東宝でそれぞれ活躍しており、共に日活作品への出演は珍しく、三本づつしかないようだ。南は本作が日活初出演となる。平田大三郎と山田真二は、共に翌68年には映画界を去っており実業界に転身している。山田は歌手として59年の「紅白歌合戦」に出場したこともあり、ずっと六本木でパブをやっていたらしい。昨年70歳で亡くなっている。

水滸伝 その2

続いて「水滸伝」である。前項で挙げた以外にも、梁山泊に入りそうで入らない佐藤允(楊志)、峰岸徹(黄信)や丹波哲郎(呼延灼)なども登場、そして一番の悪役として登場するのが佐藤慶(高求)である。ちなみに佐藤慶と佐藤允は俳優座の四期生(他に宇津井健、仲代達矢など)である。
印象に残るエピソードとしては、やはり前後編となる13~14話、21話~22話であろうか。どちらのエピソードにも悪役として父親とその息子である兄弟キャラが登場する。
13~14話に悪役として登場するのは下條正巳(祝朝奉)と、その長男(祝竜)・五味龍太郎、次男(祝虎)・佐藤京一、三男(祝彪)・黒部進というなかなか強烈な兄弟である。五味と佐藤京一は顔は似ていないが、腕の立つ悪人という共通のイメージがある。黒部進はご存知ウルトラマン、その隊長であった小林昭二も他のエピソードで悪役で登場している。下條正巳はやはり「男はつらいよ」のイメージが強く悪人のイメージがないが、おいちゃん役は74年から、つまり本作直後からである。
そして、21~22話に登場するのは安部徹(曹狼)とその息子なんと五兄弟。上から千波丈太郎(曹塗)、伊吹新(曹魁)、亀石征一郎(曹索)、柳瀬志郎(曹密)、剛達人(曹昇)という面々。千波と亀石は知的タイプで、後の三人はアホっぽいキャラである。千波は主に大映で活躍、「仮面ライダーV3」のドクトルGが有名。伊吹はよく知らないが、専ら東宝作品への脇役出演が多い。黒沢明の「赤ひげ」や「どですかでん」にもちょこっと出ているようだ。亀石は東映ニューフェイス出身、悪役も多いが「特別機動捜査隊」の矢崎主任など善玉もこなす。柳瀬は日活の脇役俳優で、数多くの日活アクションに出演している。四男の役だが、おそらく一番年長(当時43才)と思われる。剛達人は「飛び出せ青春」の片桐君で有名、本作では一人だけ前編で死亡する。こう並べると大映、東宝、東映、日活とそれぞれ違う会社で活躍していた面々が兄弟役というのが面白い。このエピソードで山形勲演じる晁蓋は曹索に矢で射られ死亡する。

主題歌「夜明けを呼ぶもの」を歌うのはピートマック・ジュニア。アニメ「ルパン三世(新)」のテーマのボーカルバージョンを歌っている人である。この人は黒人とのハーフで、「キクとイサム」(59年)という映画で、主演の混血児イサム少年を演じた人だったりする。当時の芸名は奥の山ジョージで、ちなみに本名は藤原喜久男というらしい。重度のアルコール依存症となり若くして亡くなったらしいのだが、いつ頃亡くなったのかは不明である。
日本で「水滸伝」は映画もテレビも本作以外には制作されていないようだが(「○○水滸伝」というのはよくある)、この前年である72年に香港で映画が制作されている。日本からは本作にも出演している丹波哲郎と黒沢年男が参加している。本当は三船敏郎と仲代達矢を呼びたかったらしいが、スケジュールの都合でダメだったといことだ。

水滸伝 その1

珍しくリクエストを頂いたので、早速やってみたい。個人的にも何度かやろうと思いながらも、何故か頓挫していた「水滸伝」(73年)である。これは日本テレビ開局20周年記念番組として、当時としては破格の6億円をかけて制作されている。
自分はまだ小学生であったが、リアルタイムで見ていた。実家には「世界の文学」という30巻の全集があり、その中に「水滸伝」もあったので読んでみたのを覚えている。しかし、OPで原案・横山光輝とクレジットされているように横山の漫画版を軸に用いているようだ。こちらは読んだことはないが、「三国志」の60巻に対してこちらは全8巻である。
5千万円をかけて中国の街のオープンセットを作り、出演者も当然豪華である。しかし、さすがに108人も出すわけにはいかないし、放送期間も半年だし、結局梁山泊のメンバーとして登場したのは20人くらいであろうか。主演は中村敦夫(林冲)で、「木枯し紋次郎」で人気を得た直後である。原作では主役というわけではない林冲が何故か主役である。その妻(小蘭)が松尾嘉代で、早い段階で死んでしまう。女性レギュラーは土田早苗(扈三娘)のみで、毎回登場するのは中村と土田くらい。後は入れ代り立ち代りで、多い回でも8人くらい、平均5、6人であろうか。
梁山泊側として登場するのは、あおい輝彦(史進)、長門勇(魯達)、ハナ肇(武松)、原田大二郎(花栄)、黒沢年男(載宗)、寺田農(公孫勝)、長谷川明男(張順)大林丈史(宋江)、大前均(鉄牛)、品川隆二(阮小二)、常田富士男(阮小五)、渡辺篤史(阮小七)、若林豪(関勝)、山形勲(晁蓋)といったところ。ハナ肇は前半のみで、後半は出てこないし、若林豪は108人目ということで、最後の方に登場するだけである。山形勲の晁蓋は梁山泊の首領であるが、二三度しか登場せず、あっさりと殺される。

その後の首領となるのが宋江だが、それを演じる大林丈史は出番は多いがこの中ではかなりマイナーな存在だろう。俳優座の16期生(同期に峰岸徹、古谷一行など)で、中村敦夫の後輩となり親しい間柄のようである。中村主演の時代劇にはほぼ必ずゲストで出演している(だいたい悪役だが)。その関係での抜擢かもしれない。必殺ファンには「仕置屋稼業」の最終回で印玄(新克利)と共に屋根から転落して死ぬ悪人、特撮ファンには「ウルトラマンレオ」のブラック司令などといえば、わかりやすいかも。
鉄牛役の大前均(キンと読む)はスキンヘッドの大男で、名前を知らなくても、見たらすぐにわかると思う。阮三兄弟は「焼津の半次」でお馴染みの品川とこの翌年から「カリキュラマシーン」に出演することになる常田と渡辺というキャスティングどおり、コメディリーフ的な存在である。彼らの活躍場面も多い。二、五、七以外に一、三、四、六がいないのかどうかは不明である。
長くなってきたので、次回に続く。

恋の大冒険

もう一つ、ピンキーとキラーズの映画で「恋の大冒険」(70年)を取り上げてみたい。松竹、日活と来て、本作は東宝の作品だ。当時のピンキラが映画会社から引っ張りだこだったということだろう。
今回は名実ともにピンキーが主役である。ただしキラーズはどうでもよい扱いになっている。穴を掘る男(ジョージ)、ビラは貼る巡査(パンチョ)、走り続ける男(エンディ)、靴を磨く男(ルイス)といった具合である。
毎度のことだが完全に見たわけではなく、動画サイトでOP、EDのそれぞれ数分間を見たに過ぎないのだが、それだけでもかなり波天荒なミュージカルタッチの作品であることはわかる。ピンキーの後ろでヤング101やキューティQやハット・ダンサーズとかが歌って踊るのである(ヤング101しか知らんが)。佐良直美や由紀さおり、「黒ネコのタンゴ」の皆川おさむといった当時の人気歌手も登場する。
悪役として登場するのが青島幸男や大橋巨泉と並ぶマルチタレント放送作家の前田武彦。「夜のヒットスタジオ」(劇中のテレビに映る)の司会をしていた頃だ。その部下が「TVジョッキー」の司会だった土居まさる、ピンキーの憧れの人に扮するのは二代目若大将こと大矢茂。ちょっと見た限りでは本職俳優ではない前田や土居のほうが大矢よりうまい気がした。まあ大矢も元々はランチャーズのギタリストだが。
本作にはアニメのカバが登場するが、ピンキーがアテレコに挑戦する場面などもあるようだ。熊倉一雄(ゲゲゲの鬼太郎の歌)、山田康雄(ルパン三世)、平井道子(魔法使いサリー)、加藤みどり(サザエさん)など主にテアトル・エコー所属の声優陣が登場したようである。本作ではヤング101のメンバーだった一城みゆ希は後にテアトル・エコーに所属する。前田武彦が座付き作家だったこともあり、彼が司会の「ゲバゲバ90分」に熊倉や太田淑子(リボンの騎士)などテアトルのメンバーが出演したりもした。ちなみに現在の代表取締役は熊倉である。
本作の監督(脚本も)は羽仁進。ドキュメンタリーのイメージが強いので、とても意外な気がした。
ピンキーは大柄で髪も短いので中性的な感じ、佐良も同様だし、由紀さおりも微妙な感じで、美女分が不足している作品だといっては失礼だろうか。あくまでも個人的な好みだけれども。

涙の季節

ピンキーとキラーズの主演映画第2弾が「涙の季節」(69年)である。「恋の季節」と混同しそうだが、これもピンキラのシングル曲のタイトルで「恋の季節」の次にヒットした曲である。どんな曲だったか思い出せなかったので、ネット上で探してみると確かに聞いたことのある曲ではあった。
「恋の季節」は松竹の作品だが、本作は日活の作品である。未見なので何ともいえないのだが、あらすじを読んだかぎりでは、実質的な主役は浜田光夫、和泉雅子のコンビのようである。ピンキーこと今陽子は浜田の妹、キラーズのメンバーはそれぞれルパン(パンチョ加賀美)、カポネ(ジョージ浜野)、ゴエモン(ルイス高野)、ジロキチ(エンディ山口)といった泥棒の名前がついているとおり、四人組の泥棒といった設定のようだ。
他の出演者は、てんぷくトリオ、左卜全、毒蝮三太夫、林家こん平、水垣洋子など。水垣洋子はDJや声優(「鉄腕アトム」のウラン、「オバケのQ太郎」のP子など)として知られるが顔出しの出演も結構あった。現在でいうアイドル声優的な存在だったといえる。深江章喜、木浦祐三、野呂圭介、高品格といったお馴染みの日活勢も登場している。
個人的には「涙の季節」といえば、キャンディーズの4枚目のシングルを思い出す(涙はひらがなである)。あまりヒットせず、ファンでなければ知らない曲であろう。この次のシングルがセンターを田中好子(スー)から伊藤蘭(ラン)に切り替えて、大ヒットした「年下の男の子」である。時代差が結構あるようなイメージだったのだが、キャンディーズのデビューは本作から四年後の73年のことである。今陽子と伊藤蘭も3歳しか違わないというのは意外な感じがするのである。

恋の季節

今回も本日、CSで放送された作品から「恋の季節」(69年)を取り上げてみたい。「恋の季節」といえば、誰もが知っているピンキーとキラーズの大ヒット曲。68~69年にかけて通算17週にわたって1位に輝くというオリコン史上1位の記録を持っている。
本作はもちろんピンキーとキラーズの主演映画なのだが、事実上の主役は奈美悦子である。ピンキラはそのままピンキラの役でピンキーこと今陽子は奈美の友人という設定で、出番はそれほど多くない。奈美を中心に入川保則、松岡きっこ、そして(新スター)とクレジットされているデビューまもない森田健作との恋愛模様を描いた作品である。
奈美悦子は大人びて見えるが、当時は設定とほぼ同じ19歳、現在も活躍中だ。入川保則は悪役のイメージが強いが当時は二枚目路線であった。森田はこれがデビュー二作目。奈美の妹役で早瀬久美が出ており、「おれは男だ!」が始まる二年前に既に二人は共演していたのである。父親役の牟田悌三も「おれは男だ!」に出演している。
デビュー曲が大ヒットしてしまうと、後が続かないケースは結構あるが、ピンキラも「涙の季節」のようなヒットはあったが、四年程で今陽子が抜けてしまう。その後、女性ボーカル二人を入れてニューキラーズが結成されたが結局二年ほどで解散している。
ところでキラーズといえば、だいたいの人は一番小柄なパンチョ加賀美のことを思い浮かべ、他の三人(ジョージ浜野、エンディ山口、ルイス高野)は区別がつかないという人が多いのではないだろうか。私もそうである。
今年の夏に三十数年ぶりの再結成が実現している。今が脱退したのはキラーズを足手まといと感じていたからだそうだ。しかし今は元々は全く売れてなかったソロ歌手であり、そのままソロでは売れていなかった可能性もあったと思う。キラーズは全員60歳を越えているがみんな健在のようである。パンチョは芸能活動をやっていたようだが、他の三人はどうしていたのだろうか。