お宝映画・番組私的見聞録 -191ページ目

影なき声

1958年は、松本清張ブームだったようだ。前項に書いたとおり東映では「点と線」、大映では「共犯者」、松竹では「張込み」「眼の壁」、そして日活では「影なき声」と各社がこぞって清張作品を映画化している。
で、マイティジャックつながりになるが、「点と線」は南廣、「影なき声」は二谷英明が主演なのである。というわけで「影なき声」である。
二谷の他、宍戸錠、金子信雄、芦田伸介、高品格などが出演しているが、俗に言う日活アクションとはちょっと違いサスペンスドラマで、監督は鈴木清順である。
正確には主役となるのは南田洋子である。南田演じる電話交換手が誤って殺人現場に電話してしまい、犯人の声を聞いてしまう。その声が夫(高原駿雄)の会社の青年社長(宍戸錠)の声に似ていることに気付く。しかしその宍戸錠も死体で発見される…といったようなストーリー。
二谷は当時定番の事件記者の役で、この事件を追っかける。芦田伸介といえば刑事のイメージが強いが、本作では悪役である。前述の「張込み」にも出演しているが、そちらでは警察のお偉いさん(捜査課長)の役である。この年に交通事故で重傷を負い、失語症にもなったらしいが、翌年には復帰している。それでも、この58年は10本ほどの映画に出ている。
他の出演者は、内藤武敏、植村謙二郎、近藤宏、柳谷寛、野呂圭介など、あと新人で石塚みどりという人が出ているが、この人はこれを含めて2本しか映画には出演していないようだ。
前項では、出演者がみんな亡くなっていたが、こちらは宍戸錠や内藤武敏は健在である。主役コンビの二谷英明や南田洋子も健在ではあるが、二人とも同じような状態に陥っているようだ。

本作も今月あと何回かはCS(707ch)で放送される。

点と線

「マイティジャック」といえば南廣。その南廣が主演の映画が今、CSで放映されている。松本清張原作の「点と線」(58年)である。原作は非常に有名な作品で、自分も確か小学生の時に読もうとしたのだが、何だかよくわからなかったという記憶がある。何度か映画化されているのかと思いきや、この1回だけのようである。テレビでも2年ほど前にビートだけし主演でやったものがあるくらいである。
南廣は当時30歳であったが(新人)が付いていた。南廣とサウスメンのドラマーから東映俳優に転身したばかりだったのである。本作で注目を浴び、翌年から「特ダネ三十時間」シリーズで主演を務めることになる。
南演じる三原警部補と一緒に捜査にあたる博多の鳥飼刑事に加藤嘉、三原の上司・笠井係長が志村喬(東宝)、捜査課長に「七人の刑事」の堀雄二。堀は当時「警視庁物語」シリーズ(56~64)では部長刑事役で出演していたが、南も翌年からこのシリーズで刑事役を演じることになる。そこでは刑事役の神田隆や花沢徳衛も顔を見せているが、ここではたいした出番はない。
ちなみに冒頭で死体となって発見されるのは小宮光江と「ウルトラセブン」のロボット長官・成瀬昌彦である。
さて、犯人となるのは南と並びトップにクレジットされている高峰三枝子、そしてその夫役の山形勲である。高峰三枝子が犯人といえば「犬神家の一族」(76年)が思い出される。劇中での28才という設定には無理があるように感じた(当時40才)。美人ではあるが、若く見えるタイプではない。
「点と線」は一度しか映画化されてないと書いたが、特急列車がカギとなる本作では、新幹線が登場し、飛行機も一般的になってしまった時点で、時代に合わなくなったということもあるのだろう。
50年経過していることもあるが、ここに挙げている役者(ビートだけしを除く)は全員故人となっている。

マイティジャック その3

さて、続けて「マイティジャック」(68年)のゲストについて触れてみたい。
第1話で目立つのは「マグマ大使」のカミさんモルこと応蘭芳くらいか。第2話はベテラン龍崎一郎や近藤宏など。第3話はこの六年後には参議員となる山東昭子。第4話は「そーうなんです」でお馴染みとなる山本耕一、そして南原宏治。第5話は中村主水の妻というイメージが定着してしまった白木マリ、渋い声の方が有名な森山周一郎。第6話は藤尾ではなくジェリー伊藤。第7話は意外と特撮ドラマに出演してる神田隆、こういったドラマではだいたい博士役の松本朝夫。第8話はウルトラシリーズの顔的存在の佐原健二、そして藤木悠という東宝コンビ。他にも北村総一郎が顔を見せている。第9話はやはりウルトラシリーズの顔的存在である桜井浩子、東宝特撮ではお馴染みの伊藤久哉、真屋順子の旦那となる高津住男。このエピソードでは桜井と二瓶正也という「ウルトラマン」の科特隊コンビが活躍する。第10話にはつい先日亡くなった佐竹明夫。第11話はレギュラーとなる睦五郎と真理アンヌがメインゲストのようなもの。第12話には大映で活躍していた高毬子、今回は悪役ではなく冒頭で殺される上野山功一、「光速エスパー」ではお父さん役だった細川俊夫、そのエスパーで科学者役で出ていた巽千太郎などが出演。そして最終話には松岡きっこ、「マグマ大使」でマモル母役の八代万智子、新東宝ではスターの一人だった沼田曜一、そして二谷と対決する悪役として平田昭彦が登場する。
当時はまだ日活に所属していた二谷英明には初共演となる面々が多かったと思われる。
応蘭芳、八代万智子、高毬子はいずれも翌69年にスタートする「プレイガール」のメンバーとなっている。
さて、20年ほど前に見た時はつまらないと感じた本作だが、今回見直してみると、やっぱりつまらない回が多い。第8話などは佐原健二、藤木悠がメインゲストで期待させるが南廣を加えた三人芝居が延々続くといった感じ。全体的に間延びしており一時間が長く感じてしまうのである。30分でも十分だったのではと個人的には思ったりした。
ところで二谷英明だが、数年前に脳梗塞で倒れ現在も療養中とのことである。

マイティジャック その2

順番が逆になったが、「戦え!マイティジャック」とくれば、「マイティジャック」(68年)である。
これも以前取り上げているのだが、こっちもレンタルで全部見直してたので、改めて。といっても、初見のエピソードも結構あったのだが。
主演は日活スター・二谷英明(当時38歳)、東映スター・南廣(40歳)、新東宝スター・久保菜穂子(36歳)の三人を主軸に、天本英世(42歳)、春日章良(47歳)、福岡正剛(39歳)とまあ、大人向け特撮を目指したというだけあって、出演者たちは年齢も高いし、なんというか渋い。他に二瓶正也、池田和歌子、井上紀明、田中清隆、大屋満と総勢11人のレギュラーだが、はっきり言って多すぎ。
わずか1クールのドラマながら、全員が揃ったのは第1話のみで、主役の二谷でさえ4話ほど欠席している。久保も10話でフェードアウト。13話フル出場は池田和歌子のみである。
最も影の薄い田中と大屋が11話で殉職ということになるが、この回の大屋はずっと後ろ姿のみでセリフもなし。要するに本人は出演してないのだろう(名前はクレジットされ、2~3秒顔が映るシーンもあるが)。代わりに登場したのが睦五郎(当時34歳)と真理アンヌだ。睦は3回だけとはいえ、それなりに目だっていたが、真理アンヌは12話は顔見せ程度で、13話は出演せず。何のために出てきたのか不明であった。
OPは3話までインストゥルメンタルだが、これは歌入れが遅れたのか、そのつもりがなかったのかは不明だ。ちなみに4話と6話は何故か二番が使われている。アニメ「鉄腕アトム」のOPも最初は歌がなかったようだが、これは間に合わなかったということのようだ。
ウルトラシリーズではお馴染みの隊員服にヘルメット姿が途中から見られなくなるのは、二谷の要請によるものだという。要するに嫌がったのである。それで、戦闘中でも青い背広姿でいるようになったのだが、スターの力(わがまま)を見せ付けた感じである。
番組が長続きしなかったのは、低視聴率だったのが第一だろうが、こういった裏も一因となっていると思われる。

戦え!マイティジャック その3

前項に引き続き「戦え!マイティジャック」である。
1クールまでは、前作から引き続きのQの他、ブラック、AZ団、R、キルなどの秘密組織や犯罪組織などと戦っていたMJだが、第14話に登場したのは大ダコである。「ウルトラQ」に登場した大ダコはスダールという名前がついていたが、こちらは単なる大ダコのようだ。これ以降、ミイラ、植物怪人、恐竜、宇宙人、巨大ロボットと何でもこざれ路線に転換していった。
「ウルトラセブン」などからの流用が目立ち、16話のモノロン星人はゴース星人、20話のドロン星人はシャプレー星人をそれぞれ流用したものであった。
コメディタッチの話も数回あり、17話「逃げたぞそれ行けつかまえろ」とかタイトルだけで、そういう回だとわかる。22話などは主役メカMJ号が登場せず、隊員たちは地上で巨大ロボット・ビッグQと戦ったりする。このロボットなどはよく出来ていると思う。
ゲスト陣に目をむけると14話に小川隊員(渚健二)の父親役で植村謙二郎が、15話に三條美紀と細川俊夫、松本朝夫の新東宝コンビ、17話に久万里由香、19話に浮田佐武郎、22話に世志凡太といったところが主なメンツである。
12,13話でモロボシ・ダンこと森次晃嗣がゲスト出演していたが、セブンからはアマギ隊員の古谷敏、ソガ隊員の阿知波信介もそれぞれ21、25話にゲストで登場。しかし古谷は死者の役だし、阿知波も登場したと思ったら直ぐに殺される役であった。この二人はやはりセブンが代表作だったといえよう。
何度か登場しているのが上西弘次。この人はウルトラセブン、スペクトルマンの文字通り'中の人’だった役者である。ちなみに古谷敏はウルトラマンの'中の人’である。
最終回「希望の空へ飛んで行け」は前後編、脚本は初期ウルトラシリーズを支えた金城哲夫。翌年、円谷プロを退社してしまうが、放送順的にはこれが在席時における最後の脚本になる(後に「帰ってきたウルトラマン」に1本だけ頼まれて書いている)。

渚健二扮する小川隊員はヒッピーを助けようと撃たれて殉職。「あんな奴らのために」と悲しんでいるところに二人の嬉しそうな新隊員(片岡光雄、寺尾信義)が加入して物語は終わる。片岡光雄とは片岡五郎のこと。前にも書いたが、最近お笑いコンビ品川庄司の品川祐の母親と結婚して話題になった。
子供には、やはり後半の「怪獣路線」の方が面白いだろうなと思う。オッサンな自分が見ても変化があって悪くはないと思ったりした。

戦え!マイティジャック その2

予告どおり国産ドラマに戻るのだが、その第一弾は「戦え!マイティジャック」(68年)。
何故かといえば、最近DVDレンタルも解禁になり、おそらく初めて見ることができたからである。三年ほど前にも未見の状態で取り上げたこともあり、若干ネタがかぶるかも知れないが了承願いたい。
そもそも、何故一度も見たことがなかったのか?裏番組が「巨人の星」だったからかもしれないが(何の迷いもなく見ていた)、我が地方(北海道)では放送されてなかったのかもしれない。当時はまだフジテレビ系の局がなかったし。前作の「マイティジャック」はやっていたような気がするのだが、とにかく子供の頃のことではっきりしない。
出演者は前作から引き続きの南廣、二瓶正也に加えて山口暁、渚健二、江村奈美の若手三人が登場するが、山口と渚は共に「忍者部隊月光」(64~66年)のメンバーだった役者だ。番組プロデューサーの新藤善之は「月光」のプロデューサーでもあったので、その関係で二人を呼んだということだ。
本作で10話分の監督を務めた土屋啓之助は「マグマ大使」「怪獣王子」「スペクトルマン」と円谷のライバルともいえるピープロ作品を手がけてきた人だが、「月光」でも監督を務めている。もう一人4話分を監督する福原博も「月光」に参加しており、彼らも新藤が呼んだものと予想される。つまり、全然ジャンルは違うが「忍者部隊月光」色が強い作品なのである。
OPだが、5話くらいまではテロップが天田隊長、源田隊員というような漢字表記だったのが、何故かカタカナ表記(アマダ隊長、ゲンダ隊員)に変わった。それに伴い何故か山口と渚の順番(3,4番目)が入れ替わっている。
内容だが、前半の13話目までは前作の雰囲気を引き継いでいる。ゲストでは二本柳寛、今井健二、久松保夫、永山一夫、万里昌代といった渋いメンツに加え、藤村俊二やオリーブことシリア・ポール、後のバロム1・高野浩幸などが顔を見せる。そして12、13話の前後編にはウルトラセブンの森次晃嗣(当時・浩司)が登場するのである。
その「ウルトラセブン」は、本作と並行して放送されていたが、10話の時点で最終回を迎えている。つまり森次は番組終了直後のゲスト出演だったのである。弾超七と名乗り正体不明のまま去っていく、謎の青年を演じた。
さて、2クール目に入ると番組の雰囲気はガラリと変わる。長くなったので次回に続く。

意外な吹き替え役者大全

今回は吹き替えのほうに注目。いわゆる声優ではなく、顔出し役者のイメージが強い人、へえ吹き替えなんてやってたんだという感じの人を主観でピックアップしてみたい。
小林昭二、田口計、小池朝雄、瑳川哲朗などのように顔もよく見かけるが、吹き替えも数多くこなしている役者もいるし、映画の吹き替えなどでは、その時旬なタレントや芸人が声をあてることもあるが、60~70年代の海外ドラマに限らせてもらう。
「フォー・ジャストメン」(59年)…芦田伸介、永井智雄、田島義文、舟橋元。芦田伸介は「ピーター・ガン」(61年)でも主演。「陽気なネルソン」(60年)…大滝秀治。「サンセット77」(60年)…園井啓介。「テキサス決死隊」(60年)…天津敏。「ライフルマン」(60年)…中谷一郎。「ジェット・パイロット」(61年)…織本順吉。「第三の男(TV)」(61年)…安部徹。「ビル船長」(61年)…堀雄二。「サーフサイド6」(61年)…石浜朗、馬渕晴子。「じゃじゃ馬億万長者」(62年)…森川信。「87分署」(62年)…西村晃。「ディック・パウエル」(63年)…山村聡。「壮烈!西部遊撃隊」(63年)…菅原謙次。「わが家はいっぱい」(63年)…島崎雪子。「ロデオ」(63年)…永山一夫。「どらねこ大将(アニメ)」(63年)…谷幹一、三遊亭歌奴、長門勇、立川談志。「ラレード 西部の三匹」(66年)…川津祐介。「かわいい魔女ジニー」(66年)…中村晃子。中村晃子は「チャーリーズ・エンジェル」(77年)のファラ・フォーセット役もやっていた。「インベーダー」(67年)…露口茂。「爆撃命令」(67年)…御木本伸介。「0022アンクルの女」(67年)…野際陽子。野際陽子は「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバー役もやっている。「弁護士ジャッド」(68年)…南原宏治。「警部マクロード」(71年)…宍戸錠。宍戸錠は映画の吹き替えは意外とやっているようだ。「ドクター・ウェルビー」(71年)…根上淳。「わが家は11人」(73年)…宇津井健。「猿の惑星(TV)」(75年)…植木等。「刑事バレッタ」(76年)…中尾彬。「警部マクミラン」(76年)…若林豪。とまあ大体の人は主役であったと思う。結構吹き替えをやっている人もいるかもしれないが、あくまで個人的なイメージである。
さて、四月からはまた国産ドラマ・映画に戻るつもりだが、海外ドラマも思いつきで入れていこうと思う。

人気スターその後

日本で放送された海外テレビドラマにおいて、複数の番組に出ている俳優は勿論沢山いるが、レギュラー出演に限り、割合有名な人をピックアップしてみた。
デヴィット・マッカラム…「0011ナポレオン・ソロ」(64~68年)のイリヤ役が有名だが、その後は「コルディッツ大脱走」(72~73年)に準主演、「透明人間」(75~76年)には主演したが、その後は地味な脇役にまわったという。
デヴィット・ジャンセン…「逃亡者」(63~67年)の主役リチャード・キンブルで有名。それ以前は「名探偵ダイヤモンド」(57~60年)に主演、以後も「秘密捜査官オハラ」(71~72年)や逃亡者と真逆なタイトルの「追跡者」(74~76年)では主役を演じた。80年に死去。
バート・レイノルズ…アクション映画スターとして有名になったが、スタートはテレビで「ガンスモーク」に62~65年まで出演、「夜間捜査官ホーク」(66年)や「警部ダン・オーガスト」(70~75年)では主役を演じた。一度はトップスターに登りつめたが、急速に人気が下降し、テレビで建て直しを図った。離婚裁判で巨額な慰謝料を請求され、破産を申請している。
ロジャー・ムーア…「007シリーズ」の3代目ジェームス・ボンドで(73~85年)有名だが、それ以前は「アイバンホー」(57~58年)や「マーベリック」に60~61年まで出演、「セイント/天国野郎」(61~68年)の怪盗探偵で人気を得て、「ダンディ2・華麗な冒険」(71~72年)にも出演していた。ボンド以降は役に恵まれていないようだ。
デニス・ウィーバー…「警部マクロード」(70~77年)が有名だが、バート・レイノルズ同様「ガンスモーク」に55~64年まで出演、「ハロー王ちゃん」(64~65年)や「クマとマーク少年」(67~69年)では主役を演じている。スピルバーグのテレビ映画「激突」(71年)も印象深い。06年に死去。
リック・ジェイスン…「コンバット!」(62~67年)のヘンリー少尉でお馴染み。それ以前は「危険を買う男ロビン・スコット」(60年)で主役を演じていた。「コンバット!」がスタートした62年には、最初の妻と離婚し、二人目、三人目と結婚離婚を繰り返し、四人目の妻と結婚するという離れ業を演じている。しかし64年には離婚し、以後20年近く独身で83年に五度目の結婚をしている。00年に「コンバット!」再開の集いが行われ、亡くなった軍曹(ビック・モロー)を除く他のキャスト(ケーリー、カービー、リトルジョン、ビリーなど)と出演しているが、既に末期ガンに冒されており、この年に拳銃自殺している。

パパは何でも知っている/うちのママは世界一

アメリカンホームドラマというやつに目を向けてみよう。自分はほとんど見ていないジャンルだが、代表的なものを挙げると「パパは何でも知っている」(54~63年)、「うちのママは世界一」(58~66年)といったところであろうか。
「パパは何でも知っている」は日本では58年に日本テレビ系でスタート。アンダーソン一家5人の物語で、父親ジムをロバート・ヤング、母親マーガレットをジェーン・ワイアットが演じている。声の出演はジムを小池朝雄、マーガレットを樺島とし子、三人の子供を八代駿、白銀道子、武藤礼子が演じていた。小池朝雄は顔出しでは、とんでもない悪役が多いが、吹き替えではそのイメージとは真逆な刑事コロンボとか本作とかいい役を演じている。
「うちのママは世界一」は日本では59年にフジテレビが開局と同時にスタートさせている。この番組は原題を「ドナ・リード・ショー」というくらいだから、ママ役のアカデミー賞女優ドナ・リードが完全主役といった感じである。こちらは夫と子供二人の4人家族で、娘役のシェリー・フェブレーは63年に降板するが、その後はエルビス・プレスリーの相手役女優に成長している。声の出演はママ役を富永美沙子、パパ役は北町史郎→松宮五郎が演じた。北町史郎(現・嘉朗)は天知茂の盟友といった存在で、天知の出演番組には必ずといっていいほど顔を出していた(目立たないが)。富永美沙子は専ら顔出しの女優だが、吹き替えではソフィア・ローレンの声をあてたこともあった。しかし、75年に札幌で男性と心中してしまった。まだ41歳であった。
この二番組は関東では同じ日曜日に放送されており、時間も「ママ」が20時、「パパ」が20時半であった。
日本で放映されたパパママ物には「パパはヒーロー」「パパ大好き」「パパは年中苦労する」「パパはメロメロ」「ママは太陽」「ママと七人の子供たち」「ママは副社長」「ママは大学一年生」等、沢山あったりするのである。

カメラマン・コバック

誰もが知っている映画スターのテレビ作品といえば、クリント・イーストウッドなら「ローハイド」(59~64年)、スティーブ・マックイーンなら「拳銃無宿」(58~59年)、ロバート・ボーンなら「0011ナポレオン・ソロ」(64~68年)と、誰でも知っているような作品が並ぶんでいるが、意外と知られていなさそうなのがチャールズ・ブロンソンの「カメラマン・コバック」(58~60年)である。
自分くらいの世代なら、ブロンソンを知ったのはマンダムのCMだったという人が多いのではないだろうか。この時代の海外ドラマでも検索すれば、動画の一つや二つは見つかるものだが、この「カメラマン・コバック」に関しては発見できなかった(画像も少しだけ)。
本作はブロンソン扮する元従軍カメラマンのマーク・コバックが、ニューヨークを舞台に警察に協力して、事件の解決にあたるというようなお話。日本的にいえば事件記者ということである。使用しているカメラは名前の似ているコダックではなく、ライカである。フラッシュがやたらとでかく見える。
日本では60年に放送され、声をあてたのは大塚周夫でも森山周一郎でもなく、かなり声のイメージが異なる佐藤慶であった。佐藤の映画でのデビューが59年なので、ほとんど無名の役者だった時代である。
その後役者として売れたせいか、吹き替えはあまりないようだが、「知られざる世界」などではナレーターを務めている。
さて、ブロンソンは60年に「荒野の七人」において、前述のマックイーン、ボーンとともに七人のガンマンの一人に抜擢されることになる。そして、スター街道を驀進していくのである。