パパは何でも知っている/うちのママは世界一 | お宝映画・番組私的見聞録

パパは何でも知っている/うちのママは世界一

アメリカンホームドラマというやつに目を向けてみよう。自分はほとんど見ていないジャンルだが、代表的なものを挙げると「パパは何でも知っている」(54~63年)、「うちのママは世界一」(58~66年)といったところであろうか。
「パパは何でも知っている」は日本では58年に日本テレビ系でスタート。アンダーソン一家5人の物語で、父親ジムをロバート・ヤング、母親マーガレットをジェーン・ワイアットが演じている。声の出演はジムを小池朝雄、マーガレットを樺島とし子、三人の子供を八代駿、白銀道子、武藤礼子が演じていた。小池朝雄は顔出しでは、とんでもない悪役が多いが、吹き替えではそのイメージとは真逆な刑事コロンボとか本作とかいい役を演じている。
「うちのママは世界一」は日本では59年にフジテレビが開局と同時にスタートさせている。この番組は原題を「ドナ・リード・ショー」というくらいだから、ママ役のアカデミー賞女優ドナ・リードが完全主役といった感じである。こちらは夫と子供二人の4人家族で、娘役のシェリー・フェブレーは63年に降板するが、その後はエルビス・プレスリーの相手役女優に成長している。声の出演はママ役を富永美沙子、パパ役は北町史郎→松宮五郎が演じた。北町史郎(現・嘉朗)は天知茂の盟友といった存在で、天知の出演番組には必ずといっていいほど顔を出していた(目立たないが)。富永美沙子は専ら顔出しの女優だが、吹き替えではソフィア・ローレンの声をあてたこともあった。しかし、75年に札幌で男性と心中してしまった。まだ41歳であった。
この二番組は関東では同じ日曜日に放送されており、時間も「ママ」が20時、「パパ」が20時半であった。
日本で放映されたパパママ物には「パパはヒーロー」「パパ大好き」「パパは年中苦労する」「パパはメロメロ」「ママは太陽」「ママと七人の子供たち」「ママは副社長」「ママは大学一年生」等、沢山あったりするのである。