テキーラツアー3日目の最後の目的地、
ロスアルトス地区のアランダスに移動。
テキーラ造りの名門である、カマレナ一家に誕生した、
ドン・フェリペ・カマレナが創業者のラ・アルテニャ蒸留所は、
メキシコ革命紛争で破壊されてしまった場所から、
1937年に、アランダスに再建し、現在は息子・孫に受継がれ、
今も、「エル・テソロ」「タパティオ」「パラディソ」など、個性的なテキーラを造り続けています。
まずは、オフィスにお伺いさせていただき、
スタッフの方と一緒に、蒸留所へ。
アランダスは、鉄分を多く含んだ赤土が特徴で、
バジェス地区とはまだ違った畑が続いています。
実は、テキーラ協会のロゴの色も、この赤土をイメージしています。
広い敷地からは、一面アガベ畑が眺められ、美しい景色が広がります。
山に囲まれ、近くには清流が流れ、素晴らしい場所。
早速、製造過程を見学させていただきます。
ひとつひとつ丁寧に並べられたアガベを蒸し上げ、
また、人の手で大切に取り出します。
製法の特徴としては、栽培年数の長い10年以上育てたアガベを使用し、
「エルテソロ」では、搾汁にタオナ(石臼)を使います。
以前は、ロバで石臼をまわしていましたが、現在は機械を採用。
ただ、非常に時間のかかる作業のため、タオナを使っている蒸留所は少ないため、
昔ならではの製法を大切にしているところにこだわりを感じます。
カジュアルラインの「タパティオ」には、シュレッダーを使用してアガベを搾汁。
発酵の過程では、バガス(アガベの絞りかす)を使用します。
アガベの香りが強くなり、テキーラらしい味わいのものができます。
発酵槽は、大きな木樽。
蒸留の過程では、加水を最小限にするため、
低いアルコール分を目指して蒸留していることで、
アガベ本来の味・香りを、蒸留過程でも残るように工夫されています。
樽熟成にもこだわりがあり、テキーラ通に人気の「パライソ」では、
コニャックの中古樽、フレンチオークの新樽、バーボンの中古樽の3種類を使い、
複雑で華やかな香りを作り出しています。
古典的な製法を使用して、歴史と伝統を大切にする姿勢が素晴らしく、
さすがテキーラの名門と納得の蒸留所でした。
ここまで育てるのに、約10年かかります。
テキーラの原材料は、サボテンであると誤解されていますが、
サボテンとは全く無関係の植物がアガベです。
テキーラの原料となるアガベ・アスール(ブルーアガベ)は、
数百種類あるリュウゼツランの中でもたった一種。
名前の通り、「青い」葉が鋭く生えたアガベが並ぶ畑は、とても美しく世界遺産に指定されています。
ロスアルトス地区では、アガベの成長を早めるための、
尖った葉の先を選定する作業(バルベオ)をしているところはほとんどなく、
長い年月をかけて、大切に育てられます。
美しい自然に囲まれた、一面のアガベ畑は、
本当に感動的な場所です。
時間を忘れ、ゆっくり夕陽が沈んでいくのを眺めていました。
~フリオ・ベルメホ氏との出会い・メキシコ最後の夜編~ に続く
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