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私が経験したオーディオ改造に関する記事を書き留めています。
初心者ですので、一緒に勉強していただける方向け。
Twitter ID @tearicase

はじめに


*自己責任でお願いします。

*間違いがあるかもしれません。必ずご自身でもお調べになって下さい。

*間違いがあればこっそり教えて下さい。

*何よりも安全第一で

*はんだごてによる火傷、家事には気を付けて!

*部品交換後の試聴は要らないイヤホンで

*短絡(ショート)させないように養生はしっかりと

*巷で良いとされる音よりも好みの音を目指して


私は電気に詳しいわけでも回路に詳しいわけではありませんが、オーディオが好きで、独学でやっております。サラリーマンのお小遣いからですので、金額も知れています。

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ZiShan DSDs ES9038版の改造ポイントをまとめました。

改造ははじめて…という方はZ3改造のSTEP1~6を読んでいただくと大体何をするのか分かるかと思います。

 

まずはアナログ側の基板から。

①カップリングコンデンサ、最終段オペアンプ

お好きなのをどうぞ。ただ、Phone Outを使わないのであれば無視して良いです。

 

②LPFオペアンプ

これもお好きなので良いですが、元から載っているOP275GとES9038の相性が結構良いように思えます。私は載せ替えてから結局OP275Gに戻しました。

 

③外部クロック

DSDs ES9038は外部クロックモードで動作していますが、このクロックを高精度品に載せ替えることにより、ESSらしい広がりのある空間に一変します。ここを交換しただけのDSDsでも私は満足できるほど。真っ先に交換をお勧めしたいのですが…おすすめのCrystekのクロックが市場から急激に在庫が無くなっている気がします。

Crystek CCHD-950-25-100.000 これを書いている現在、在庫が無いようです。

https://www.mouser.jp/ProductDetail/crystek/cchd-950-25-100000/?qs=SZbbnLfOXtbuC9IKo91wAw==&countrycode=JP&currencycode=JPY

Crystek CCHD-950X-25-100.000 こちらなら在庫がありますが、ちょっと高いです。動作温度が広いモデル。

https://www.mouser.jp/ProductDetail/Crystek-Corporation/CCHD-950X-25-100000?qs=L4klnTtkofObrfUJUtC8ig%3D%3D

まぁ、どちらも高いのですが…外部クロック高精度化は相当おすすめです。

大きめのクロックなので、配線して接続してください。(分かる方は電源を独立LDOにするのもおすすめ)

注意点!!上記のCrystekのクロックは筐体が通電します。必ず絶縁テープなどで短絡しないよう養生してください。試聴だからとデジタル基板と繋いで電源を入れると、基板間が狭いために簡単にショートします。現に私は1台壊しました。

 

④各LDO

赤丸が大元になる5VのLDOです。下流の3.3VのLDOに影響しますので高精度品に変えてやりましょう。

 

黄色丸、右側はデジタル系、左側はアナログ系の3.3V LDOです。是非両側とも交換しましょう。

 

 

次にデジタル側の基板。

実はそのままでも良いです。無改造でもOK。

DACへのクロックはアナログ側基板の外部クロックが優先されているので、クロックを交換してもあんまり変わりません。交換したらしたで何かしら音質影響があるのかもしれませんが、私にはあんまり分かりません。交換するならこちらの⑤を参照。

 

 

各3.3VのLDOは交換するならしても良いかな、くらいです。一番効果を感じたのはSDカードスロット向けのLDOかな。そういえば違うかも…程度の差ですので、無理して変えなくても良いです。

注意!赤のバツ印のLDOは交換しないで下さい。液晶向けの電源なのですが、電源の質が変わると液晶がチラついたりノイズが入ったりして不安定になります。

私が購入、改造したZiShan製品の特長を書いておきます。

どれを買ったら良いか分からない、悩むな、というのであれば参考にして頂ければと思います。

(翌朝追記:AKM DAC供給停止について言及していますが、2021/6/6現在での状況です)

 

①Z3について

Z3は最も安価で、ZiShan改造スタートにもってこいです。バッテリーが貧弱なのが弱点ですが、ポータブルアンプ併用を前提とするなら小型なこともあって、おすすめです。3.5mmフォンアウトと3.5mmラインアウトが備わっています。AK4490、AK4493、CS43198、ES9038Q2M版がありますが、AK版はDAC供給が止まっている都合上、入手困難です。

 

②DSDについて

バッテリーが強化され、2.5mmデュアルアンプ出力と3.5mm同軸デジタル出力が追加で備わっていますが、3.5mmラインアウトがありません。DACのAK4497の供給が止まった都合上、入手が難しいです。中古市場では物凄いプレミア価格になっていたりしますが、AK4497はしっかりと改造してやらないと半端な鳴り方しかしませんので、高値を出してまで買う必要はないと思います。

 

③DSDsについて

3.5mmフォンアウト、2.5mmバランスアウト、3.5mmラインアウト、3.5mm同軸デジタル出力が備わっており、出力端子が充実しています。AK4497デュアル、AK4499は入手困難なので割愛しますが、他にCS43198デュアル版とES9038Q2Mデュアル版があります。

 

④AKM製DAC搭載品について

入手性が悪かったりプレミア価格が付いていますので、高額を出してまで買う必要はありませんが、少し特徴を書いておきます。AK~は全般的にDACへ供給する電源に音質が大きく影響を受ける印象です。ZiShanにおいては電源回りを改造する度に音質が向上していくので、そういった意味では非常に楽しいDACです。

 

⑤ CIRRUS LOGIC製CS43198について

低電圧でモバイル向けに作られていることから、消費電力や発熱の低いDACです。ZiShanにおいてはLPFオペアンプが無い都合上、両電源の排除が可能です。ポータブルアンプとの組み合わせを前提とするなら、オールリニア電源の上流となります。Z3、DSDs共に最も改造の手数を少なくしっかり鳴らすことができますが、頭打ちが早い、とも言えます。とは言え、あまりに簡単に良く鳴るので、手っ取り早く高音質で聴きたいならCS~をおすすめします。

 

⑥ESS製ES9038Q2Mについて

無改造だとあまり特徴的では無いですが、クロック周りを改善するとESSらしさが出ます。聴きなれない方には少し癖のある鳴り方に感じるかもしれませんが、オケに包まれるような、透明感のある独特な空間に感じます。ZiShanはCS43198版もあまり出回らなくなってきていることから、2021年6月現在ではZ3、DSDs共に最も入手のしやすいZiShan製品になります。

 

他にもZiShan製品がありますが、私は入手していませんので割愛します。

ZiShan Z3 ES9038Q2M版の改造ポイントをまとめます。

ノーマルだと凡庸な音ですが、クロック周りに手を入れると一気にESSらしい音質へと変わります。

 

①クロックMEMS化

右上、ノーマルクロックと右側2か所のセラコンを撤去、MEMS化します。やり方、必要な部品は以前のZ3と同様です。

ES9038Q2Mは外部クロックを用いる方法もありますが、この記事内の改造程度なら、難易度であったりその後の手間を考えるとMEMS化の方をおすすめします。詳細は最後に書きますが、MEMS化でもかなりESSらしい音になり、不満はありません。

 

②3.3V LDO交換

左側3.3V LDOと前後のセラコン1uF交換です。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14180/

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13583/

以前のZ3と同様の改造です。

 

 

ちなみに3.3V LDO下のセラコン1つは無条件で撤去して下さい。ノイズしか生まないパスコンです。

 

その他コンデンサ、オペアンプなどはお好みで良いと思います。

 

③外部クロック導入について

ES9038Q2Mは単独のクロックを設置することができます。これが特徴的で、電源改善など、大幅な改造や音質向上を狙うのであればZ3でもこれが可能(厳密に非同期モードで動作しているか不明)です。ただし、これから紹介するMEMSを使って外部クロック化を行った場合、ダンピング抵抗の調整が必須となります。

 

参考:

 

そのままだと96kやDSDがまともに再生されません。Z3基板側のクロックをMEMS化した場合はダンピング調整を行わなくても、すべてのフォーマットがすんなり再生されますので、手間を考えると基板側クロックのMEMS化を選ぶのもひとつの方法です。

参考までに…今回使用したMEMSを外部クロックに用いた場合、300Ωのダンピング抵抗を入れることによってDSDまで綺麗に再生できました。

 

外部クロックを導入する場合、下の写真、丸印のランド/ビアがDACの外部クロック入力に繋がっていますので、今回はMEMSを使用して外部クロック化してみます。

このビアをやすりなどで削り、ランドを出します。

ここにMEMSのOutputを配線、はんだ付けします。

MEMSの電源、VDDの3.3Vは最寄りの3.3V LDO出力のパスコンから取ります。ふたつ並んでいるLDOの下がデジタル側に供給しているところなので、こちらから取ります。GNDはカードスロットの脚あたりから。できるだけ変動が少ないところの方が良い気がするので、こちらから。

 

ちなみに分かる人は、クロックの電源を最寄りのLDOから取るのではなく、LDOをクロック専用で追加するのも効果的です。

 

今回使用したMEMSはこちら。ES9038Q2Mのデータシートでは20MHz~100MHzと記載がありますが、市販品が100MHzを使用していることが多いので、100MHzを選んでいます。

https://www.mouser.jp/ProductDetail/abracon/asvmb-100000mhz-ly-t/?qs=dIxESgyDOri5Mv0HVRZIQw==&countrycode=JP&currencycode=JPY

 

また、高価な部品になってしまいますが、Crystekのクロックでも同じように導入可能です。

https://www.mouser.jp/ProductDetail/crystek/cchd-950-25-100000/?qs=SZbbnLfOXtbuC9IKo91wAw==&countrycode=JP&currencycode=JPY

DSDs ES9038Q2Mの外部クロックをこちらに変更したところ、ダンピング調整無しですべてのフォーマットが再生されました。いずれZ3にも導入してみたいと思いますが、Z3は本体の安さも魅力なので、無理して買う必要は全然ありません。(翌朝追記:Crystekクロック、やはりダンピング抵抗無しで96k、DSD音源再生できました)コストパフォーマンスの観点では良いと言えません。

小ネタです。
 
ダンピング抵抗によりクロック振幅の調整方法を簡単に説明します。
クロック出力に抵抗を直列に入れるだけです。これを調整することにより、より繊細な空気感が出るようになります。ただ、どれだけの抵抗値を入れるか…が難しいのですが、同じ周波数クロックでも使用するクロックや電源環境によって違うようです。(私も試行錯誤中)
 
写真はZ3 AK4490版ですが、私が使用したMEMSでは10Ω~20Ωの間が良さそうです。
増やしていくとくっきりした輪郭の音、空間表現がより繊細になっていき…適正量を過ぎるとぼんやりした音になっていきます。なお、細かく抵抗値を刻む場合は直列で2つの抵抗を入れても良いです。最終的に1つの抵抗にするにしても、先に大体の適正値を探しましょう。
 
ES9038Q2Mの外部クロック (非同期モード) でも同様に調整できます。Z3 ES9038で100MHzのMEMSを使った際は…抵抗なしだと96kのFLACがブツブツ音でまともに再生できませんでしたが、30Ωを超えたあたりでたまにプツプツ言いながらも何となく再生できるようになり、50Ω~60Ωで綺麗に再生できるようになりました。
 
注意点として、あともうちょっと…という時は我慢して聴き続けてみて下さい。エージング?が進むことにより、訂正範囲に収まる場合があります。

ZiShan DSDs CS43198の改造をポイントだけまとめておきます。

 

はじめて改造する方は”はじめに”をお読みください。

 


道具などはこちら。

 


何となくの改造の流れを知りたい方はZ3改造記事のSTEP-1から読んでみてください。

 

 

※2021.05.09 誤記修正、一部追記

 

Z3同様、お手軽でありながらバランスDAPとしては優秀です。単体で比較するとZ3 CS43198とはあまり優劣はありませんが、優れたバランスアンプと組み合わせた場合、シングルエンドのZ3とバランスアウトのDSDsとで開きが出る感じです。

 

①アナログ側基板 DAC向け1.8Vレギュレーター交換

4VK4 (DC=E2Hの場合もあり) と書いてあるレギュレーターが1.8Vです。

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14105/

 Z3同様、ここの効果が大きいです。ついでにセラコンを1uF高精度品に変えておきましょう。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13583/

 

②アナログ側基板 3.3Vレギュレーター交換

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14180/

DE=A1Dと書いてあるのが3.3Vレギュレーターです。

ついでにセラコンを1uF高精度品に変えておきましょう。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13583/

 

③アナログ側基板 カップリングコンデンサ、オペアンプ交換

お好みで良いですが、カップリングレスにする場合はDC漏れにご注意。

安全を取るなら残しておいてください。

※2021.05.09 写真のコンデンサ静電容量が間違っておりましたので

 差し替えました。

 

④デジタル側基板 クロック向け3.3Vレギュレーター交換

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14180/

セラコン1uFも高精度品へ交換

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13583/

 

⑤デジタル側基板 クロックMEMS化

Z3のように別基板を用意することなく交換だけでMEMS化できます。

Z3と違い、DSDsは2種類のクロックが載っています。

45.1584MHz (44.1KHz系統)

 

ざっくりと上記ポイントを押さえればDSDs CS43198はグッと良くなります。

ZiShan Z3 CS43198の改造をポイントだけまとめておきます。

AK449Xモデルより簡単に鳴る(頭打ちが早い、とも言えます)ので、改造ベースの小型DAPとしては決定版と言えそうです。

 

①クロックMEMS化

交換方法はZ3 449Xと同じです。

 

赤色マーキング箇所、上の赤四角のセラコンと下のクロックを撤去し、別基板で作ったMEMSを赤丸に供給します。3.3Vは下の赤丸レギュレーターからで良いかと思います。GNDはカードスロット基部でもどこでも。

 

②レギュレーター交換

黄色四角、1.8Vレギュレーターです。品質の良いものに交換します。

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14105/

ここのレギュレーターが一番効果が大きいです。

 

白四角のレギュレーターは3.3Vです。こちらも交換。

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14180/

 

基本的に上記の改造だけで合格点が与えられます。他のコンデンサやシリーズ抵抗など、お好みで良いと思います。

 

この企画、最終章です。Z3のクロックを発信子から高精度な10PPM MEMS(発信器)に交換します。ABRACON ASDMB-11.0592MHZ-LY-Tに交換します。周波数と規格が合っていれば別メーカーでも良いですが、Z3のクロックに合う11.0592MHzで、適合した都合の良いものが簡単に手に入りません。MOUSERなどで注文します。(到着まで日数がかかります)

https://www.mouser.jp/ProductDetail/ABRACON/ASDMB-110592MHZ-LY-T?qs=sGAEpiMZZMthpjdTR%2Fy6DmQ79NOVy9ze

 

写真のクロックとコンデンサをすべて除去し、MEMS用の回路を別基板で作ります。

汎用基板の小型のもの、もしくはカットして小さいものを準備して下さい。写真ではスルーホールを使ってますが、平面実装用の方が作りやすいと思います。(私は手元にスルーホール基板が沢山あるので…)

 

回路…というより簡単に分かる絵を作りました。

 

0.1uFの積層セラミックコンデンサは高精度品を。このコンデンサはMEMSのノイズ除去になります。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00349/

 

MEMS基板ができたら周辺とショートしないよう、絶縁テープでMEMS基板をくるんで下さい。基板が完成したら配線材でZ3基板に配線して下さい。

配線できたら…いよいよ電源オンです。私は初めて有名メーカーのDAPを聴いた時「知っている曲なのに聴いた事の無い音がする」と思いましたが、高精度LDOを取り付けた時とこのMEMSを付けた時に「聴いた事の無い音がする」と都度思いました。それほど細かな音を拾い、空間が一気に広がります。STEP-5まで改造したら、是非MEMS搭載もやってみて下さい。

他の細かい改造ポイントもありますが、ここまでの6ステップで相当良い音になります。後は好みのオペアンプ、イヤホンに交換してZiShan Z3を楽しんで下さい。

以上、お疲れさまでした。

デジタル部3.3V LDOを高精度、低ノイズ品に交換します。ここまでやると、大体の方が「これでも十分」と思うかもしれません。それほど音質に変化があります。空間の作り方がとても繊細になり、細かな音がしっかり拾えているような音に変わります。ノーマルと比べると空間がとても広くなったように感じます。しかも、とても自然に聴こえます。

おすすめはADP151。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14180/


最近ブームのLT-3042は別基板を用意したり、多少の知識が必要なので最初は載せ替えだけで済むADP151をおすすめします。

 

取付け、取り外しはLPFオペアンプと同様ですが、バッテリーは外して短絡させないように気を付けて下さい。外したバッテリーケーブルも先端養生をしっかりと。ここでZ3を壊してしまうと残念どころではありませんので。

 

交換したらLDO上下にある積層セラミックコンデンサを高精度品の1uFに交換してください。ADP151のデータシートにも記載がある推奨コンデンサ容量です。高精度品はEIA規格のX5Rなど。X7Rでも問題ありませんが、ムラタ製などの品質の良いものを選んで下さい。このコンデンサはADP151を活かす肝となりますので、是非良いものを選んで下さい。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13583/

 

「届いたコンデンサ、すっごい小さくて基板のランドに届かないんだけど」

この場合、要らないリード線などで繋いでも良いのですが、力業でランドにはんだを多く盛り、予備はんだしたコンデンサをはんだ付けします。

ちょうど良いサイズが見つかれば良いのですが、1608や2012など、サイズについては検索して調べてみて下さい。(1.6mm x 0.8mmなど)

https://www.technoveins.co.jp/develop/eagle/smdsize.htm

 

なお、コンデンサを交換したら、どんなに少なくとも5~6時間は鳴らしこんでください。最初はモコモコしたいまいちな音がしますが、早まってパーツ交換などせず、本来の音が出るまで変化を楽しむつもりで鳴らしこんでください。

初段のオペアンプに当たります。ラインアウトの音はLPFオペアンプを経由した音が出ます。最終段オペアンプは経由しません。SOP型を選ぶ必要がありますので、DIP型に比べて種類が豊富ではありませんが、2回路入りを選んで下さい。

 

好みの音で選んでも良いですが、個人的には味付けよりも広い帯域、フラットに近い特性のものを選んだ方が良い気がします。味付けは最終段オペアンプやイヤホンでいくらでも味付けできますので。ポタアンとの併用を考えても、癖が少ない方が合わせやすい気がします。

おすすめはOPA1612と言いたいのですが、諸事情から入手しづらくなっています。他のおすすめはLME49860MAXなど。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-13458/

 

外し方は一度それぞれの脚のはんだがスムーズに溶けるか確認。冷ましたのち、2本のはんだごてで外してください。周りに影響が無いように、養生はしっかりと。外しにくい場合には一度はんだを盛って脚同士をはんだで繋げる技もあります。つながっているとはんだで溶かしたときにまとめて溶けるんですね。Youtubeでも動画がありますので、一度見て下さい。

取付けはSOPオペアンプの脚に少しだけはんだを溶かして付ける、予備はんだをするとスムーズです。この時に逆作用ピンセットやはんだ補助アームなどでSOPオペアンプを固定するとやりやすいです。基板側もほんの少しだけはんだを残した状態で、汚れていたらリムーバーで掃除、フラックスを塗布してオペアンプの脚を1本だけ仮付けしてください。位置に問題が無いか確認して問題なければ糸はんだで少量づつ全ての脚をはんだ付けしてください。取り付け終わったらルーペなどで脚が浮いていたりしないか確認してください。

 

脚がはんだで繋がってしまっても、焦らずはんだ吸取り線で除去してください。」あまり連続作業になりながら、時折冷ましてからはんだごてを当てて下さい。

Z3の両電源は±12Vですが、小型バッテリーでのバランスを考えると7V程度が良いようです。また、Z3に限って言えば本当に多少ですが、バッテリーが長持ちします。STEP-3でこの記事を書いているのは、STEP-4でのLPFオペアンプを交換した際に発熱トラブルに見舞われる事が少なくなることもあります。結果、バッテリーにも優しくなります。バッテリーは熱に弱く、40度を超えると途端に劣化します。

 

初期状態の写真右側、100kΩのチップ抵抗を75kΩにすると10V程度、56kΩにすると7V程度になります。ついでに…抵抗左の積層セラミックコンデンサは除去してください。ノイズ除去に付いているようですが、容量がでたらめな為、これが原因で不安定になります。両電源の調整をしなくとも、ここは是非外してください。

抵抗やコンデンサを剥がす際は2本のはんだごて(通称おはし)で外すことをおすすめします。1本でやろうとすると難しいです。無理しますとランドを痛めます。はんだごてを当てる時間はせいぜい3秒程度にして下さい。短時間だとしても連続作業をすると当然ランドを痛めますので、良く冷ましてから作業してください。

 

基板上のチップ抵抗に104や472など数字が記入してありますが、これは規格に基づいた数字が入っています。(10*10^2など)詳しくは検索してみて下さい。すぐに情報が出てきます。チップ抵抗を購入する際はサイズと抵抗値に注意してください。

https://www.systemgear.jp/item/reg_3.html

https://www.marutsu.co.jp/pc/i/138600/