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私が経験したオーディオ改造に関する記事を書き留めています。
初心者ですので、一緒に勉強していただける方向け。
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最も出口に近い部品なので体感変化が大きいです。アルミ電解コンデンサやフィルムコンデンサ,タンタルコンデンサなど種類が沢山あります。種別や容量、メーカーによって音質が変化します。厳密に言えば必要静電容量は計算の上決定するのですが、Z3のスペースだと精々470uF程度です。

 

タンタルコンデンサなどを使う場合には注意して下さい。故障した時に短絡状態になるので、他の部品を巻き込んで壊してしまう可能性があります。自信が無ければアルミ電解コンデンサなどの故障したときにショート状態にならないものを選んでください。(絶対に巻き込んで壊れないという意味ではありません)

 

おすすめは音響用アルミ電解コンデンサなど。一般的にフィルムコンデンサが高音質とされていますが、静電容量が稼ぎにくい為、アルミ電解コンデンサとフィルムコンデンサの並列接続も面白いです。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05037/

https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=3AMD-MTHS

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05327/

 

コンデンサには極性があるものと無いものがあります。リード線に長い短いがあるものは、長い方が+です。角型の面実装タイプは片端が面取りしてあるものは面取り側が+ど。極性を間違えると破損させますので、必ず事前に確認して下さい。メーカーが公開しているデータシートや通販サイトに記載されているメーカー公開情報を良く確認して下さい。

 

コンデンサを含め、部品交換前の素の基板をカメラで撮るなどして記録しておいて下さい。後から元の状態を確認できます。

 

外し方は基板液晶側からはんだを溶かして外します。スルーホールで基板に穴が開いており、コンデンサ側から液晶パネル側まで貫通しています。液晶側はパネルに被っていますので、上からそーっと両面テープで貼ってあるパネルを剥がしていきます。下側はフィルム配線がつながっているので、下側からは絶対剥がさないで下さい。また、剥がしたあとははんだごてでフィルム配線を痛めないように注意して下さい。

 

コツは慣れるしか無いのですが、片脚をはんだごてで熱して溶けたらそのままコンデンサを傾けて片脚を浮かせて下さい。冷えたら逆側、そのまた逆側と外れるまで続けて下さい。取り外すコンデンサが不要であれば脚をニッパーでカットしてしまっても良いです。無理に引き抜こうとするとランド(基板パターン)を剥がしてしまうので注意して下さい。一気に抜こうとせず、少しずつ抜いてください。

 

抜けてた穴がはんだで埋まっていたらはんだ吸取り線で除去するのですが、慣れないとランドをさらに痛めてしまいますので、はんだ吸取り器(スッポン)も便利です。

 

はんだ吸取り器が無くても、はんだを溶かしてすぐさま爪楊枝を刺して除去する、という手もあります。はんだが溶けにくい場合は上からはんだを少し盛ってみて下さい。

 

また、最初はソケットピン化することもおすすめできます。容易に種別比較ができます。

 

ここからは個人的に感じている事ですが、アルミ電解コンデンサを使ったカップリングコンデンサの場合、容量が不足しているとボヤけた音だったり低音が痩せたような音がします。容量が大きすぎると膨らんだ音がします。極端でなければ好みで決めてしまって良いと思ってます。

 

時折上級者の方の改造で見かけるカップリングレスは最初はおすすめしません。何らかの故障の際にイヤホンも壊してしまう可能性があります。私は今でもカップリングレスにはしていません。最初は安全性を重視して下さい。

Z3の最終段オペアンプを交換します。出口に近い部分なので音の変化が容易に楽しめます。

 

オペアンプの外し方は真上に引き抜くだけですが、取り付けには向きがあります。写真のように必ずマーキングに合わせるようにして下さい。

初めてDIPオペアンプを外す際は固いのでピン曲げに注意。専用工具などありますが、要は慎重に少しづつ抜く事です。力を入れると絶対にピンを曲げてしまいます。特に外れる瞬間に注意。

 

 

Z3DIPソケット2回路オペアンプを使用しています。注意点はSOPではなくDIPタイプを買う事、2回路入りを買う事、入力電源電圧の規格が適合している事。Z3の標準状態は±12V設計です。

 

最初から高額なオペアンプを買う必要はありません。現に私が良く使っているのはNJM5532DNJU77902など安価なものばかりです。定番はMUSESシリーズなど。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-05418/

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-03706/

 

 

道具・材料

 

●はんだごて(温度調整付き)

こて先1.2~1.6D程度 D型がおすすめ。ICを外す場合には2本ある方が良い(1本は安物で構わない)です。温度は300~せいぜい350度程度が良いです。それ以上の温度はサッとはんだ付けできる人が限られた状況で使用する以外、基板を痛めてしまいます。共晶はんだが180度程度から溶けますが、はんだごてを基板に当てると熱が逃げます。状況や取り付けパーツにもよりますが、-100度くらいで計算すると…共晶はんだではんだ付けする場合は300度~あれば共晶はんだではんだ付けできる事になります。

 

 

 

●共晶はんだ(鉛入りはんだ)

いわゆる普通のはんだです。はんだは最初、高いものを買う必要はありません。共晶はんだが溶けやすくて扱いやすいです。はんだ選びよりもしっかりとはんだ付けできることの方がよっぽど重要です。糸はんだがあると細かいはんだ付けに重宝します。必要以上にはんだが流れることがありません。

 

 

●はんだごて台

安全の為にも、ちゃんとはんだごて台を買いましょう。こての先端を覆うものが安全です。また、クリーナー付きがおすすめ。

 

 

●フラックス

はんだの乗りが良くなります。刷毛で基板に塗布して使います。サッとはんだができる分、基板を痛めにくいです。

 

 

●はんだ吸取り線

基板から余分なはんだを吸取らせて除去します。特に基板に搭載されている部品を交換する際、余分に付いてしまったはんだを除去するのに便利です。

 

 

●ケミカルペースト

こて先が酸化するとはんだがうまく溶けません。はんだが溶けなかったりはじいたりしたらはんだごての電源を入れたままこて先を当てます(独特な煙と臭いが出ますので換気して)。付着したこて先をハンダクリーナー(特にワイヤーがおすすめ)で拭って除去し、はんだを溶かして再メッキします。こて先は消耗品ですが、うまくメンテナンスすると長持ちします。

 

 

●あると便利

フラックスリムーバー:ヤニで汚れた基板の掃除ができます。

 

 

作業ルーペ:細かなところまでしっかり確認できます。積層セラミックコンデンサやチップ抵抗の確認など。

はんだ補助アーム:はんだ付けしたいパーツの仮固定ができます。

 

 

逆作用ピンセット:ちょっとした部品の仮固定に。パーツの予備はんだに便利。

 

 

ヒートクリップ,絶縁テープなど

 

 

 

 

はじめに

 

*自己責任でお願いします。

*間違いがあるかもしれません。必ずご自身でもお調べになって下さい。

*間違いがあればこっそり教えて下さい。

*何よりも安全第一で

*はんだごてによる火傷、火事には気を付けて!

*部品交換後の試聴は要らないイヤホンで

*短絡(ショート)させないように養生はしっかりと

*巷で良いとされる音よりも好みの音を目指して

 

私は電気に詳しいわけでも回路に詳しいわけではありませんが、オーディオが好きで、独学でやっております。サラリーマンのお小遣いからですので、金額も知れています。

 

有識者からするとセオリーから外れていたり、時には馬鹿げたことをやっているかもしれません。他人に教えられるような立場では無いのですが、多くの方に教えていただいたり、相談に乗っていただいたりしてここまで来られましたので、何もわからないけどオーディオ機器の改造をしてみたい、やってみたいけど不安…という方の後押しになれれば、と思っています。これまでの恩を多少でもおすそ分けできれば、と思っています。

 

もっと良い案、方法などありましたら是非教えてください。間違いがあれば教えてください。

安全第一で、お小遣いでできる範囲で楽しいオーディオライフを。