ZiShan Z3改造 ES9038Q2M版 | tearicase@blog

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ZiShan Z3 ES9038Q2M版の改造ポイントをまとめます。

ノーマルだと凡庸な音ですが、クロック周りに手を入れると一気にESSらしい音質へと変わります。

 

①クロックMEMS化

右上、ノーマルクロックと右側2か所のセラコンを撤去、MEMS化します。やり方、必要な部品は以前のZ3と同様です。

ES9038Q2Mは外部クロックを用いる方法もありますが、この記事内の改造程度なら、難易度であったりその後の手間を考えるとMEMS化の方をおすすめします。詳細は最後に書きますが、MEMS化でもかなりESSらしい音になり、不満はありません。

 

②3.3V LDO交換

左側3.3V LDOと前後のセラコン1uF交換です。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14180/

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13583/

以前のZ3と同様の改造です。

 

 

ちなみに3.3V LDO下のセラコン1つは無条件で撤去して下さい。ノイズしか生まないパスコンです。

 

その他コンデンサ、オペアンプなどはお好みで良いと思います。

 

③外部クロック導入について

ES9038Q2Mは単独のクロックを設置することができます。これが特徴的で、電源改善など、大幅な改造や音質向上を狙うのであればZ3でもこれが可能(厳密に非同期モードで動作しているか不明)です。ただし、これから紹介するMEMSを使って外部クロック化を行った場合、ダンピング抵抗の調整が必須となります。

 

参考:

 

そのままだと96kやDSDがまともに再生されません。Z3基板側のクロックをMEMS化した場合はダンピング調整を行わなくても、すべてのフォーマットがすんなり再生されますので、手間を考えると基板側クロックのMEMS化を選ぶのもひとつの方法です。

参考までに…今回使用したMEMSを外部クロックに用いた場合、300Ωのダンピング抵抗を入れることによってDSDまで綺麗に再生できました。

 

外部クロックを導入する場合、下の写真、丸印のランド/ビアがDACの外部クロック入力に繋がっていますので、今回はMEMSを使用して外部クロック化してみます。

このビアをやすりなどで削り、ランドを出します。

ここにMEMSのOutputを配線、はんだ付けします。

MEMSの電源、VDDの3.3Vは最寄りの3.3V LDO出力のパスコンから取ります。ふたつ並んでいるLDOの下がデジタル側に供給しているところなので、こちらから取ります。GNDはカードスロットの脚あたりから。できるだけ変動が少ないところの方が良い気がするので、こちらから。

 

ちなみに分かる人は、クロックの電源を最寄りのLDOから取るのではなく、LDOをクロック専用で追加するのも効果的です。

 

今回使用したMEMSはこちら。ES9038Q2Mのデータシートでは20MHz~100MHzと記載がありますが、市販品が100MHzを使用していることが多いので、100MHzを選んでいます。

https://www.mouser.jp/ProductDetail/abracon/asvmb-100000mhz-ly-t/?qs=dIxESgyDOri5Mv0HVRZIQw==&countrycode=JP&currencycode=JPY

 

また、高価な部品になってしまいますが、Crystekのクロックでも同じように導入可能です。

https://www.mouser.jp/ProductDetail/crystek/cchd-950-25-100000/?qs=SZbbnLfOXtbuC9IKo91wAw==&countrycode=JP&currencycode=JPY

DSDs ES9038Q2Mの外部クロックをこちらに変更したところ、ダンピング調整無しですべてのフォーマットが再生されました。いずれZ3にも導入してみたいと思いますが、Z3は本体の安さも魅力なので、無理して買う必要は全然ありません。(翌朝追記:Crystekクロック、やはりダンピング抵抗無しで96k、DSD音源再生できました)コストパフォーマンスの観点では良いと言えません。