海外で楽しく日本語育児/教育

海外で楽しく日本語育児/教育

ドイツ在住、元英語教師、現こども日本語講師&補習校講師がお伝えする、海外日本語育児/教育応援ブログです。海外で子育てする親御さんたちの日本語育児が楽しくなるように、子どもたちが日本語学習を楽しいと思える環境作りを応援しています! 

前々回の記事で、「海外で子育てしている国際結婚家庭のお悩み」について書きましたが、やはり子供の言語教育は、一番の悩みだと思います。

 

 

もちろん現地語はできるようになってほしいけど、やはりきちんとした日本語も話せるようになってほしい!話したり、聞いたりだけでなく、読んだり書いたりできる、もちろん漢字も覚えてほしい・・・と親の願いは果てしなく広がっていきます。

 

ただ、やはり海外に住んでいて、現地語はもちろん、日本語も日本の学年と同様の力をつけていこうとなると、親も子も相当な努力と工夫を要します。やり方を間違えると、双方ともに疲弊し、親は「あなたのためにこんなに一生懸命しているのに!」とヒステリックになったり、子どもは「もう日本語なんか勉強したくない!!」と反抗的になったりします。

 

このようにお互いギスギスした親子関係では、生活全てにおいて支障をきたします。

 

言語を習う一番の目的はやはりコミュニケーション!まずは、日本語でのコミュニケーションが楽しいと思える環境作りが大切

 

特にお子さんが小さいうちは無理やり何かを教え込もうとするのではなく、一緒に遊んだり、工作したり、本を読んだり、料理や片付けをしたり、お出かけしたり…とにかく子供の興味、関心を中心にした活動をする中で、自然に日本語を習得できるようにしていってほしいと思います。

 

それができれば苦労はしないよ・・・という声も聞こえてきそうですが。

 

私は、子ども(2歳くらい)とよくかるたをしていました。

 

どうぶつなぞなぞかるた ([かるた])

 

特に息子は、このなぞなぞかるたが大好きで、何度もやりたいとせがみました。繰り返しかるた遊びをすることで、特に次の5つの能力が育ちます。

 

1.記憶力

2.言語力

3.集中力

4.反射神経

5.空間認識能力 ←これ結構大切!どこ(上下左右前後横、物との距離感など)に何があるのかを認識する力って、実生活でもとても役に立ちます。(必要な物がどこにあるか分かり、すぐに見つかる。障害物にぶつかりにくい。道にあまり迷わない…など。)

 

もちろん、一緒に取り組んでくれるお友達がいれば、社会性や積極性、コミュニケーション能力も伸ばしてくれます。そうはいっても海外に住んでいると一緒に遊んでくれるお友達が近くにいるとは限らないので(というか、大体の場合、みな遠くに住んでいる…泣き笑い)、兄弟で取り組んだり(上の子にはちょっとハンデをつける)、パパと取りっこ(もちろん、適度に負けてもらうウインク)することによって、家族で楽しみながら取り組めます。

 

もちろん外遊び、工作(季節のものを多く取り入れる、今だったら栗拾い🌰をして、人形を作ったり、ネックレスを作ったりできますね~)、絵本の読み聞かせ(何度も読んでとせがんでなかなか寝てくれないので大変)もたくさんしました。

 

 

特にお子さんが興味を示したことを日本語で解説するように話してコミュニケーションするのが、子どもの話したいという意欲を育てるのに役立ちます!

 

お子さんが文字に興味を持ちはじめたら、栗(ドイツには至る所に栗の木があり、栗が落ちてる!)で「く」と字を作ってみたり、クッキーを作る際に、生地で字を作ってみたりするのもおすすめですよ! 

 

 

すてきな ひらがな [ 五味 太郎 ]

 

五味さんの「すてきなひらがな」を参考にしてみてください~。「へら」を二つ使って、「へ」の字を作ったりと素敵なアイデアがたくさん詰まってますよ!

前回の記事で、「海外で子育てしている国際結婚家庭のお悩み」について書きましたが、やはり子供の言語教育は、一番の悩みだと思います。

 

 
「現地語と日本語、二つ(以上)の言語をどうやって教える?」かは 国際家庭の場合、特に難しい問題ですよね。
 
もちろん正解はないのですが、とにかく子供が小さいうちは、日本語と現地語をうまく使い分けることが成功のカギをにぎっています。
 
日本人の永住家庭の場合は、家庭では常に日本語、外では現地語と、うまく場所で二つの言語を使い分けができる環境ができますが、国際家庭の場合は、親のどちらかが現地語を話す場合が多いので、どうしても幼稚園以降は、現地語でのインプットの割合が高くなってしまいます。
 
家の場合、父(ドイツ人、日本語はあまりできない)、母(日本人、ドイツ語はB2~C1程度)、普段の家庭での共通言語はドイツ語(昔は英語だった)なので、子どもたちは、父親から話しかけられるときは常にドイツ語、母親から話しかけられるときは、日本語でした。
 
というのがあり、バイリンガルの発達過程①第1段階(誕生から2歳ごろ)②第2段階(2歳から3歳6か月)③第3段階(3歳6か月から9歳)のうち、特に①の第1段階では、父親と母親がそれぞれ異なった言語で話しかけるとよい。とされている。もちろん、この原則に対する批判もあるが、おおよそこの原則にのっとれば、子どもは異なる言語でも、問題なく習得できる。私たちもその原則にのっとって子育てをしてきました。
 
子どもたちが小さいとき(幼稚園に行く3歳まで)は、私は子どもたちに常に日本語で話しかけました。(もちろん、旦那はドイツ語で話しかける。ドイツ語を話すお友達と会うときは、ドイツ語で話をする。)この時は、私は専業主婦だったので、こどもたちと話す時間のほぼすべてが日本語でした。もちろん子どもたちの日本語はとても強かったです。
 
つまり3歳までは、日本語の接触量>ドイツ語の接触量の環境で育ったので、その時期までは日本語の方が優勢でしたが、幼稚園に行き始めたら、逆転現象が起こり、あっという間にドイツ語が優勢になってしまいました。ドイツ語の接触量>日本語の接触量)
 
そしておそろしいことに、日本語の問いかけにドイツ語で返す現象が発生します!滝汗
子どもたちは、幼稚園で聞いたドイツ語を日本語にすることができない(なんていうか分からない)ため、ドイツ語で説明しだします。この時、親がドイツ語を知っていれば、子どもに「それは〇〇だね。そう、今日は〇〇をして遊んだの~。」と、日本語に置き換えて話してあげることができます。
 
幸い、私はドイツに数年住んである程度ドイツ語ができるようになってから出産・育児を始めたため(というか、現地語ができないまま子ども産むのは恐怖でしかなかった…)、この置き換えを使い、相手がドイツ語を話そうが、根気強く日本語で返すことができました。
 
もちろん、それだけでなく、日本人のお友達と会う機会を作ったり、補習校に幼児部から通わせたり、毎晩寝る前に日本語の読み聞かせをしたり、日本語の歌を聞いたり一緒に歌ったり…と常に日本語に触れる環境を作りました。
 
途中、母親もドイツ語が使えると分かった息子は、楽をしようと、ほぼドイツ語になりそうな時期もありました。兄弟間ではドイツ語の方が簡単なので、本当に日本語を使うのは母親とのみ。圧倒的にインプットが少ない時期もありました。
 
子どもたちが大きくなった今では、子どもたち自身が、できるだけ母親とは日本語で話そうと努力してくれています。が、やはりドイツ語での授業の全てを日本語にすることは難しいので、分からない時はドイツ語で説明したりするので、私もドイツ語の勉強だと思って、まずは話を聞いてあげるようにしています。
 
日本語だろうが、多言語だろうが、言語はやはりコミュニケーションの手段なので、子どもの間違いを指摘しすぎたり、直させて話させたり、日本語で全てを話さないことにイライラしたりせずに、良好な親子関係を築いていってほしいと思います。音譜
 
【バイリンガル育児の秘訣!まとめ】
 
1.人による使い分け【1人1言語の原則】…異なる言語を話す国際家庭の場合、それぞれの母語で話す。※特にお子さんが小さいとき。
少し大きくなって、現地語が優勢になってきた時も
2.時間による使い分け…何時まで/以降は日本語で話す(過ごす)。
3.曜日による使い分け…〇曜日は日本語デー。(日本語を話すお子さんたちと遊ぶ、日本語サークルに参加、補習校やオンラインレッスン等)
 

国際結婚して海外に住んでいると、日本にいた時とは異なる悩みが目白押し。泣き笑い

 

自分自身は最初はカルチャーショックを受けるものの時と共に移住先の文化や言語にもある程度慣れてきて、それなりに楽しく生活できるようになるけれど、子どもが生まれるとほんといろんな面で悩み始めます。

 

 

特に次の3つがやはりメインの悩みでしょう。

 

1.言語:現地語と日本語、二つ(以上)の言語をどうやって教える?

   例)周りに日本人がいないので、親(母親)としか話す機会がない。

     現地の幼稚園に入ったら、日本語に現地語を混ぜて話したり、

     おかしな文法で話し始めた。現地語ばかり話すようになってしまった!

     

2.教育:幼稚園や学校の教育システムやカリキュラムの違いに戸惑う!

   例)幼稚園では自由遊び(放任されてる?)ばかり。

     意見を言うことが重んじられる。 

     算数のやり方や考え方が日本と違う!

 

3.文化:文化の違い(ドイツは個人主義が強い!)に慣れない!

   例)集団で何かを協力して行う機会が少ない。

     お友達との交流がうまくいかない。

 

私の子どもたちが幼稚園や小学校に通っていた時も、やはり私自身が親になるもの初めて、ましてや海外で子育てするのも当然初めてなわけで・・・上の子の時は初めての経験ばかりでかなり戸惑いました。

 

母親にべったりだった娘は、幼稚園(3歳になってから)に行くのを嫌がり、毎日のように別れるときは大泣きし(3か月以上続きました)、ドイツ語でうまく意思疎通できず、しかも、自由遊びの多いドイツの幼稚園では、人見知りも激しかったのでなかなかお友達ができない…など、最初は心配事ばかりでした。

 

幸い、近所に住んでいる同じ年の子どもを持ったお母さんとは仲が良かったので、相談したり、子どもを預けたり預かったり、もちろん、子どもたちも仲良しだったので、かなり救われました。そのうちママ友もできて、子どもも幼稚園が楽しくなり、半年後にはどんどんドイツ語を話し始め、あっという間にドイツ語の語彙が増え、日本語で話しているのにドイツ語で返事が返ってくる!とか、日本語が脅かされるうになってきました!ガーンガーン

 

そこで、ちょっと遠くてもできるだけ日本人のママと子どもサークルのようなところに参加したり、できるだけ毎年日本に帰るようにしたり(じじばばやおばおじ、いとこたちと日本語で話す機会を作る、おいしいものを食べる!絵本やCD、教材を買って来る…一時帰国できるのは嬉しいけど出費が痛い)、土曜日の補習校に幼児部から通わせたり、毎晩読み聞かせをしたり…と、子どもたちの日本語の習得&維持&向上に努めました。でもこれができたのは、自分が週1くらいでゆるりと働いていたから。平日毎日フルで働いていたら、きっとそこまではできなかった…。

 

国際結婚家庭や海外永住家庭が増えてきた今、当時の私と同じようなお悩みを抱えている人も多いのでは?

 

そんなご家庭のお役に立てる情報を親として、補習校講師&日本語講師として今後もお伝えしていく予定です。

 

【私の海外日本語育児・バイリンガル教育バイブル本】

 

 

 

 

 

下記サイトで「 母語と継承語」 「継承語の特徴」(例、 アンバランスな語学力 )「継承語教育実践上の問題」(教師、学習者、教授法の問題)など、本にも書かれていることを知ることができますよ!

 

 

前回の記事で、

 

ドイツで幼稚園の先生/保育士になるには? | 海外で楽しく日本語育児/教育 (ameblo.jp)

 

 

と紹介しましたが、結局、日本で幼稚園の先生とか、保育士とかだった人や、教育関係の免許ないんじゃ難しいんじゃん!と思った人もいたのではないかと思います。

 

たしかにそうなんですが、もし、

ドイツ語の能力がB2以上であって、

短大や大学を卒業していて(もちろん、その証明書が必要)、

警察に捕まるような悪さをしていなくて、滝汗

麻疹の予防接種をしてる人(証明が必要、又は、麻疹の免疫があることの証明でもOK)

であれば、学校に通いながら、週に2・3回の実習を幼稚園ですることによって、29か月で幼稚園の先生になれる!というDirekteinstieg Kita!という新しい制度ができました。

Direkteinstieg KITA – Ihr Weg zur pädagogischen Fachkraft | Agentur für Arbeit Stuttgart (arbeitsagentur.de)

 

本来なら、3・4年間、学校に通わなくてはいけないところを最短の2年と5か月で幼稚園の先生になれてしまうという画期的な制度です!

 

幼稚園の先生に必ずしもならなくてよいのであれば、Aushilfe(補助業務をするパートさん)などもすることは可能です。私の日本人の知り合いも何人かやっている人がいます。

 

他にも、BFD(Bundesfreiwilligendienst)と言って、年齢の制限なく(27歳以上)参加できる社会奉仕プログラムに参加するという手もあります。(27歳未満だとFSJという制度がある)

BFD für Ausländer in Deutschland 🥇 Guide 2024 (life-in-germany.de)

 

契約期間は半年単位。

 

幼稚園、保育園、小学校、青少年施設、スポーツクラブ、病院、老人ホーム、障がい者施設など、希望の職種を選ぶことができます。
 

労働時間はフルタイム契約で週40時間、パートタイムは週20時間。

 

お小遣い程度の給与ももらえます。

 

私は実際にこの制度を使って働いたことはないけれど、知り合いにこの制度を使って老人ホームで働いている人がいます。そして実習をした幼稚園にFSJで働いていた若者(16歳!)がおりました!

 

いずれにしても、ドイツ語ができないとかなり厳しいですが、BFDは、ドイツ語を実践で使わなければならないため、ドイツ語がかなり上達すること間違いなし! 興味のある人はお試しあれ!

 

幼稚園の先生のことは、ドイツ語でErzieher/in[エアツィーア(男)/エアツィーアリン(女)] といいます。保育士はKinderpfleger/in。ちなみに園長先生は、Kitaleiter/in。

 

ドイツの幼稚園でも、場所によっては深刻な人手不足で、外国人(主にEU)の幼稚園の先生や保育士たちが(現地では余ってるみたい)、働いているのをニュースやらでもよく聞く。実際、私が実習をしていた幼稚園でも、今年の9月からスペイン人の保育士二人が働き始めたようだし、私の学校(Weiterbildung-一種の職業教育)の知り合いですでに書き換えできた人も、一人はイタリア人、もう一人はガーナ人。二人ともすでにドイツの幼稚園で働いている。

 

自国で幼稚園の先生の資格や保育士の資格を持っていれば、ドイツに来て資格の書き換えをRegierungspräsidium Stuttgartという所に申請すれば、以前と比べれば比較的簡単に認めて(一部だけど)もらえるようになった。グッ

 

申請しても、もちろんすぐにはドイツと同様の免許とは認めてもらえず、ドイツ語の能力(ヨーロッパ言語共通参照枠(GER)にもとづく6段階の共通評価レベルでB2以上)が必要だったり、6か月から1年(フルで働く)、実際に幼稚園で働いて、レポート提出したりして、それらが通れば晴れてドイツの幼稚園の先生としての資格がもらえる。

 

ベルリンでは、幼稚園の先生たちの組合によるストライキが、ちょくちょく起こっている。(実は今週からも無期限でストをする予定だった)

Arbeitsgericht untersagt unbefristeten Kita-Streik in Berlin | rbb24

 

毎回労働環境の改善を訴えているが、実際問題として、人手不足な中、一人当たりの担当園児の数を減らせ~だの、賃金を値上げしろ~だの言ったところで、状況はあまり変わらないのでは…と思うけど、皆さん懲りずにやっている。(私が子供を預けている親だったら、しょっちゅう幼稚園が先生のストで閉まっていたら、かなりストレスだろうなちょっと不満

 

そんなこんなで、日本人でも、ドイツ語の能力(B2レベル以上)と自国での養護教諭や保育士の資格や職業経験があれば、今は幼稚園の先生になりやすい、チャンスと言える‼

 

もちろん、ドイツ語ができなければ無理だし、免許の書き換えにもいろんな書類が必要(その説明もすべてドイツ語で書かれてる泣き笑いけど、卒業証明や成績証明書などの提出は英語でもOK)なので、直ぐというわけにはいかないけど。

 

日本の過酷な労働環境でもきめ細やかな指導で、何よりも素敵な笑顔で働いている幼稚園の先生/保育士さんには、是非ドイツで働いていただきたい~。