ドイツの幼稚園はKindergarten(Kinder子ども+Garten庭)といい、日本とほぼ同じ年齢の子どもたち(3歳~6歳)が通います。
公立、私立、教会などの団体が運営している幼稚園がありますが、やはり数が多いのは公立(町や市が運営する)です。
私立では、シュタイナーやモンテッソーリ、バイリンガルなど、保護者主体では、森の幼稚園など、いろいろ特徴のある幼稚園がありますが、詳しいことは専門家にお任せして、今回はちょっと日本と異なるドイツの幼稚園(公立)についてレポートします。
シュタイナー幼稚園の遊びと手仕事: 生きる力を育む7歳までの教育
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日本と違う~ドイツの幼稚園
①入園する時期
日本のようにみな一斉に入園するわけではないので、入園式などはない。2歳から入る子もいれば、4歳から入る子もいる。空きがあれば入れるし、なければなかなか入れないのは日本と同じ!? (大体年長さんが卒園すると、空きができるので、9月から入る子が多い。)
②登園時間
園にもよるが、大体7時から8時までの間に子どもを連れていけばよい。お迎え時間も12時、13時、14時とか家庭によってまちまち。
③私服
制服や体操着、帽子など、おそろいの物は一つもない!
Matschhose(どろんこ用ズボン)という優れものがある。雨が降った後の公園や、冬の寒くて湿った時期などにズボンの上から履くと、ズボンも濡れたり汚れたりしない!
④基本的に自由保育
もちろん、みんなで一緒に行うMorgenkreis(朝の会的なもの)や工作の時間などもあるが、基本、自分の好きなところに行って、好きなもので遊ぶ。レゴで遊びたい子はいつもレゴ。(家の息子ちゃんがそうだった迎えに行くたびにレゴで遊んでた。たまには他のもので遊んで~と何度思ったことか。)
→個人の興味関心を大切にする。好きなことに集中する力がつく。(が、協調性はあまり育たない⁉
)
⑤朝ごはんの時間がある
Vesperboxの中に生野菜やサンドイッチなどの軽食を入れて子どもに持たせる。家で朝食をとってこない子が多いのか、8時半くらいから朝食の時間。もちろん、食べたくない子は食べなくてよい。自由に遊んでよい。
⑥年齢混合グループ
縦割りのグループにしている幼稚園がやや多い印象。大きい子たちが小さい子の面倒を見たり、小さい子たちは、大きい子たちから学んだりできるので、メリットも多い。
また、兄弟姉妹が同じグループに入ることができるので、親としても保護者会の参加など、1回で済むというメリットがある。(大きい子たちが面倒を見ない、小さい子たちが遊びたくても遊ばせてあげない…などの問題もある!?)
まだまだ違いはいろいろありますが、子どもたちはどの幼稚園に通おうが、はじめは日本語が通じず、いやいやだったのが、あっという間に幼稚園に慣れ、それほど熱心にドイツ語を教えてくれているわけでもないのに、ドイツ語を覚えて話し始めます。
日本語とドイツ語を混ぜて話し始めたり(特に遊具などの名前はすべてドイツ語)するので、ついつい話をしている最中にさえぎって直してしまったりしがちですが(私は時々やってしまって、娘に「話したい事、わすれちゃった!」と怒られました)、話し終わるまでじっとこらえて、終わってから「それは(遊具の名前)日本語で〇〇っていうんだよ~」と教えてあげると、子どもも満足して、ドイツ語と並行して日本語でも新しい言葉を覚えていけると思います。
(私は子供の言っているドイツ語のおもちゃやゲームの名前が分からなかったりしたので、かなり苦労しましたが…。)
私もそうですが、ドイツ語の間違いを話しているそばから指摘されると、話したいことも話せなくなってしまいます。子どもだって同じですよね。
親がいい聞き役になることも、日本語育児の成功の秘訣です。(詳細は、バイリンガル教育研究の第一人者である、中島和子先生の著「バイリンガル教育の方法」を参照)
完全改訂版 バイリンガル教育の方法ー12歳までに親と教師ができること アルク選書シリーズ
とにかく、現地の幼稚園に通い出すと一気にドイツ語モードになる子どもたちの日本語を維持するためにも、子どもとかるたやカード遊びをする、読み聞かせや物語を音声で聞かせる、日本語を話すお友達を見つけて遊ばせる、日本のおじいちゃんおばあちゃんとビデオチャットする…など、お家でできることをたくさんして、両方の言語をバランスよく伸ばしていきましょう~。