◆.P会員特別取材レポ◆《第15回》リスペクトマインド株式会社様
匠BANK.P インタビュー企画 第15回リスペクトマインド株式会社武内 臣介 社長第15回の今回は、〝コト視点の価値づくり〟をキーワードに経営コンサルタント、人材育成の研 修などを行う、リスペクトマインド株式会社の代表、武内臣介社長にお話を伺いました。〝モテる〟をキーワードに、相手を思いやり価値を提供することを大切にし、愛される企業・人材を作ることを目指すサービスを提供する同社。人として襟を正す想いになるお言葉を伺えました。=========================匠BANK.P(以下 匠)この度はお時間をいただきまして誠にありがとうございます。まずは、現在に至るまでの経歴をお伺いできますでしょうか。武内社長(以下 武内)僕は新卒で日拓さんに入社しました。生まれは名古屋ですが、小学校6年生から鹿児島に住んでおり、工業高校に入りました。機械関係へ進もうと思っていたのですが、修学旅行で工場見学へ行ったら、それが嫌になってしまって…。なのでサービス業で職を探していたところ、大阪のホテルと日拓の2社しかなくて、迷った結果日拓を選びました。匠> その後独立されて、事業をなさったのですよね。武内> はい、通販事業をやろうと思って起業したのですが、うまくいかなくなり、1年で再就職しました。匠> 起業や独立を意識されたタイミングやきっかけはありましたか?武内> 18歳ぐらいから意識していました。父が電気工事の会社をやっていたのですが、その姿を見ていたせいか、小さい頃からなんとなく自分で事業をやりたいという想いはあったと思います。匠> 実際一歩踏み出した時は、何かきっかけはあったのですか?武内> 平成8年~9年くらいでしたが、ちょうどインターネットが盛んになりだした時期だったのと、政府が旅行者を増やす計画を立てていたので、日本の工芸品・民芸品を主体にインターネット事業をやったら波に乗れるかなと思いました。普通のお土産屋さんでは扱わない本物を取り扱いたかったのです。結局は、政府がインバウンドを本格的に誘致したのはここ10年くらいだったので…。時代を先取りしすぎましたね(笑)匠> 起業する事に対して、何か想いはありましたか?武内> 自分でどこまでできるのか、挑戦したいという気持ちがありました。また、リスペクトマインドを設立した時は、自分が学んだ事を一人でも多くの人に伝えてお役に立ちたいという気持ちでしたね。匠> 御社の事業内容について改めてお伺いできますでしょうか。武内> メインはホール様の業績向上支援です。お客様の業績を上げることに加え、勝つための戦略家を育成することに焦点をあてています。その中で〝コト視点の価値づくり〟を通してお店を差別化し、価値を作ることのお手伝いをさせていただいています。またモテ人材の育成支援も行なっています。〝モテる〟という言葉をよく使っているのですが、お店が価値を提供した結果ファンを増やす=お店がお客様に〝モテる〟という事なんですよね。そのようにモテる組織・人材を作るという事を同時にやっています。匠> 〝モテる〟という表現は非常に面白いですね。武内> 異性からモテるということだけではなく、上司だったら部下から慕われる・憧れられるとか、夫婦関係ならお互いが大切な存在として接する事ができるとか、お店や会社のファンになるというのも、「価値があってその場所に足を運ぼうと思う」「何かしら魅力的に感じて選んでもらう」という事の原理は一緒ですので、それらを全て〝モテる〟と表現しています。匠> それらのサービスを形にするまでに試行錯誤された点などはありますか?武内> 『勝つ』ことの再現性を高めるために、どんな立場のホールでも活用できて、現場で使えるフレームワークが必要なのですが、それを形にするのが大変でした。頭の中に感覚的にあるものを論理的にする必要があるんです。例えば、なんとなく「こういう事やったらモテるよね」という事は、心理学などを勉強したら理論的に書いてあるはずですが、どこの本に書いてあるんだとか、何が足りなくてどう学んだら良いのかなど、とにかく探すのが大変でした。ひたすらたくさん本を読みましたね。匠> 今の会社を立ち上げてから、思い出深いことや印象に残っていることはありますか?武内> 私の研修を受けてくれた方々から「夫婦関係が良くなった」「人間関係が良くなった」「彼氏・彼女ができた」「親子関係が改善された」など、仕事の場面だけでなく、プライベートでも効果が上がったというお声をたくさんいただけたことですね。ちゃんと実践してくれたんだなっていう嬉しさもありますし、お役に立てたのだと思うと嬉しいですよね。匠> 人として魅力的になるというのと、企業や店舗が愛されるというのは一緒なんですね。武内> 会社というのは、お客様にお役立ちをした結果でしかお金をもらえないんですよね。お役立ちというのは価値を提供することです。お客様が欲しいもの、求めているものをどうやって他社より高いレベルで提供できるかが重要です。人間も全く一緒でお互いに望んでいるものを満たしてくれる相手に対しては魅力を感じます。人間的な価値と商品サービスの価値の二軸がありますが、人間的価値の根本は相手の存在を認めてあげようという思いやりにつながるものです。実はこれ、2,500年前から古典の中でもずーっと同じ事が言われてきたんですよ。匠> 古典に関してもすごく勉強なさっているそうですね。武内> 古典はかなり勉強しました。元々は日拓の会長の影響で読むようなったのですが、日拓の経営指針には古典がたくさん引用されているんです。まずはその中に引用されているものから読んで、それに関連のあるものまで広げて、かなり読みました。私と同世代の会社社長を招いて勉強会などもやっているくらいです。昔から書かれているものも、マーケティングの視点でいうと同じなんですよね。例えば孔子の論語は、世の中をよくするために弟子が残したものですが、盛り込まれている内容は思いやりでありマーケティングだと思います。僕自身もいろんな失敗をしてきましたが、基本は会社も人対人も、相手をどう喜ばせるか、という視点が大事だと感じています。モテない人はそういう思考が一切なくて、自分を満たすというのが一番にありますよね。自分を大事にするかのごとく、相手も大事にすることが必要です。匠> 事業内容に社内戦略家育成とありますが、人材育成にも力を入れていらっしゃるのですか?武内> はい。ただコンサルティングをしてアイディアを提供するのではなく、勝てる思考ができる人材を社内に育成することを重視しています。私が居なくなっても、自分たちで問題を見つけ、勝てる戦略を考えられる状態にすることが、本当の意味で先方のお役に立てることだと思っていますので。匠> どのような研修をされているのですか?武内> 大きく分けて3つあります。まずは『勝ち方の戦略』を学んでもらいます。競争戦略は色々ありますが、一番体系化されているのがランチェスター戦略なので、それを学んでもらいます。〝弱者だろうが強者だろうが自分なりの勝ち方があるよ〟というようにどんな組織でも応用できるんですよね。その次は『差別化』です。相対的により魅力のある状態をつくる、ということを〝コト視点の価値づくり〟として学んでもらいます。〝コト視点〟〝モノ視点〟という言葉がありますが、モノを消費するということは、<モノを利用した際の体験>を消費しているので、モノとコトのウェイトの違いはあれど、結局は全てコト視点でできているんですよね。その体験の差別化をしていかなくてはいけないんです。また、店舗さん限定になりますが『増客プロセス設計』というのがあります。その市場で単純に集客とリピートがあるだけではなくて、市場に住んでいるお客様からいい印象で知ってもらうというところからプロセスは始まっていて、たとえばお店のアルバイトさんが外に行ってお買い物をする時に元気よく挨拶するだけで「あのお店の子って良い子だね」っていう話になって、そのように地域に愛される事から増客は始まっています。また、シェアの質が高いお客様を作り、リピートを強化するためには、関係性を深めていく必要がありますよね。要は現場で実践するものはなんですか?というところですよね。匠> 戦略部分から、現場での動きまで網羅されているんですね。武内> そうですね、戦略を実践で活用するのは人ですので、人が力を発揮できる状態にすることが重要です。勝てる考え方、モテる考え方、自分自身を高めていける人材を作っていきます。組織で仕事をするにもチームワークとリーダーシップのポイントがあるので、そのあたりを勉強してもらいます。研修を受けてくれる方には、結果を出すために前向きな姿勢を持ち、人に対して好ましい影響力を発揮する人材として、自ら燃えて、人の心にも火を付けることができる『火種人材』というタイプを提案しています。2つの姿勢(自己責任と自己決意)と3つの考え方(感謝・利他・植福)を習慣化するだけで、自然と自分の力を引き出し、人の役に立つことに喜びを感じる人材になることができます。火種人材以外にも、自燃型、消化型、など複数のタイプに分けることができます。あの人はこのパターンだなとか、自分はこのパターンだな、と組織内で共有しているだけでも、良くないパターンにならないよう注意しながら仕事ができるので、良いですよ。匠> 新しいビジネスをする上で、見極めるポイントや軸としているものはありますか?武内> まずは、ニーズがあるかどうか。現在ニーズがない場合は、気づいてもらえたら良いと思う価値のレベルになっているかどうか。そして、既に世の中にある物の場合は圧倒的な価値(価格といいサービス)を提供できるかどうか。という3点ですね。また、それに加えて〝新しい価値の創造〟というのを大事にしています。一番良いのは、誰かが困っている事で、誰もそれを解決できていない物ですね。簡単なものだとすぐに真似されてしまうので、それは注意が必要ですが。匠> では、ご自身が普段経営をする中で意識しているのはどのような点ですか?武内> お客様にお役立ちすることと、新しい価値を創造することです。お客様のお役に立つというのは基本中の基本ですが、常に持っていなきゃいけない視点が〝新しい価値の創造〟なんですね。既存の価値をさらに進化させていくような、ホールがエンドユーザーに対してどういう新しい価値提案ができるのかという点を常に考えていかないと、見放されてしまうと思います。今取り組んでいるのは、お客様が機械を見たときに、この機械ってどういう機械なんだろう、打ってみたいよね、と思える「大当たりフローチャート」という台ポップを提供しています。今の機械はスペックが複雑になっているのに、お客様に伝えるツールが進化していないんですよ。それではファンを増やすための新しい価値の創造なんてできないですからね。お客様が何に困っているのかをちゃんと見ることによって、新しい価値提供ができるのだと思います。匠> 今後の目標や展望を教えていただけますか。武内> 今後12年間で【真面目なモテ理論(魅力理論)】を日本全国に広めていき、一人一人が自らの周囲でお役立ちしていく社会を目指すことです。今私は48歳で、60歳になるまでにやりたいと思っています。要は、魅力的な人を増やしていきたいのです。例えば、学校の部活指導にモテ理論を応用すれば、先生が子供たちに慕われるようになり、子供たちにまでモテ理論=相手を思いやる心が広まれば、いじめなども減るのではないかと思います。離婚率も減ったりするんじゃないでしょうか。例えば、学校の部活指導にモテ理論を応用すれば、先生が子供たちに慕われるようになり、子供たちにまでモテ理論=相手を思いやる心が広まれば、いじめなども減るのではないかと思います。離婚率も減ったりするんじゃないでしょうか。これは、遊技業界に限らずやっていきたいなと思っていることです。匠> 社長を目指していたり、新しいことをしようとしている方へアドバイスをお願いいたします。武内> すごくシンプルですが、お金の計画を立てた方が良いですね。例えば、独立しようと思ったら、いつまでにいくら必要かは当然計画をしておきますよね。起業をできる人とできない人にはいくつかパターンがあって、できる人は勢いでやる人や、会社員のうちにビジネスを形にしておく人などが居ます。そしてできない人の多くは、単純にお金の計画が立てられないんです。やりたいことがありながらお金を貯めてないとどうしようもないですから、資金の問題を現実的にみていかないといけないですね。10億円の宝くじ当たったら、ビジネスを始めますよね?お金に余裕が出るからです。もっとかっこいいことを言いたかったんですが(笑)、やはり単純にそこだと思います。勇気よりお金!余裕と安心が必要です。僕は一度失敗していますが、再就職する決断には結局お金がポイントとなりましたので、よりそのように思います。匠> どのような時にやりがいを感じますか?武内> やはりお客様が結果を出した時や、喜んでくれたときですね。仕事以外でも、やりがいというか楽しく感じるのは、その場の人たちが楽しそうにしてくれている時ですね。周りが楽しいと自分も楽しいので、その場が楽しくなるように振る舞います。あとは、人が挑戦していないものをやる時などはモチベーションも上がりますし、やりがいを感じます。匠> 仕事の際に一番大切にしている事はなんですか? 武内> 〝相手が大事にしているものを大事にする〟事ですね。相手が大事にしているものを大事にして寄り添わないと、何を求められているかがわからないんですよね。たとえば、会社の方が僕らに依頼をしてくれる目的は、基本的には業績の向上です。ただ、もっと他の部分で困っていることや、譲れない部分があるかもしれないので、しっかりと寄り添って自分に求められているものを把握するようにしています。会社もエンドユーザーが本当に求めているものをしっかり把握しないといけない、という事と一緒ですよね。匠> 苦労話や失敗談などがあれば教えてください。武内> 集客や、自分のことを知ってもらう事にいつも苦労しています。知っている人から商品説明を受けるのと、知らない人から受けるのでは全然違いますからね。これから何かはじめようと言う人には、自分を知ってもらう努力は必要だと伝えています。ブログを3000日以上毎日書いているのですが、これは初めて会った時に覚えてもらう為にとても役立っています。メルマガもずっと前から毎日アップしています。たとえば名刺交換をする時に、「ブログ3000日書いてます」っていうと、覚えてもらえるんですよね。このように覚えてもらえるネタを作っておくのはオススメです。「ホール関係でランチェスター戦略のインストラクター資格を持っているのは僕だけです」とか、「僕の研修受けたらモテますよ(笑)」って印象的な事を言ったりもします。匠> 遊技業界の現在と今後について感じる点などありましたお願いいたします。武内> 全てのビジネス・業界で何が起こっているかというと適正化です。エンドユーザーが増えれば業界は一時的に大きくなりますが、人口が減少し、パチンコ参加率の高かった団塊の世代は定年退職して、団塊ジュニアも子育て世代になると、遊技人口が減るというのは当然で、適正化が起きただけです。増える時とは違う生き残り競争が起きます。これは社会背景上当たり前のことなんです。人口が増える時はたいした努力をしなくてもお店は潤います。けれど、今は努力をしないと生き残れないですし、過去に努力してきた分はそれが今実ってきていると思います。スーパーだって、野菜がそのままでは売れないから、生産者の写真を載せてみるなど工夫をしていますよね。同じように、新台が出たら「この台打ってみたい」と思わせる工夫をしないとだめです。あとは今、社会背景的にお母さんはパチンコ店に行きづらい雰囲気があります。そういう人にも安心して息抜きに来てもらえるお店作りも必要かもしれません。この業界は、他の業界が当たり前にやっていることを、変えていく必要があると思います。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇<匠BANK.Pインタビュー恒例!きいてみようのコーナー>同じ質問を色んな方に聞いてみることによって、インタビューでは伝わりきらない人柄や個性を感じ取れるこのコーナー。第15回の武内社長は、日頃から思いやりの心を大事にし、気遣いを忘れないお人柄が感じられる回答です!=========================Q:平成最後の日には何をしたいですか?A:そんなに大それたことじゃなくて、子供がみんな平成生まれなので、「生まれてからどうだったよね」みたいな話をしたいですね。Q:歴史上の人物と勝負できるとしたら誰?A:諸葛孔明ですかね。武力勝負というよりも戦略勝負をしてみたいですね。孫子でもいいですね!仕事でも、他のコンサルさんには、戦略では負けたくないなと思っています。Q:一番のストレス発散方法はなんですか?A.うちのかみさん天然なんで、本当によく笑わされるんですが、笑うとストレス発散になります。子供たちもよく笑っていますよ。話し方のイントネーションがおかしかったり、変なコメント言ったり、家族総出でツッコミ入れています(笑)Q:一番怖いものは?A.自己中な自分です。自己中な他人も怖いですね。そういう方って、自分が満たされないからといって人を攻撃することがあるので、怖いです。自分もそうならないように日々気をつけています。Q:生まれ変わったら何になりたいですか?A.一旦疲れ気味なので、とりあえず石になっとこうかな(笑)あとは女性になってみたいですね。とりあえず今とは違うものになって性格ごと変えたいです。自分の性格のまま女性になったら、ちょっと嫌ですし(笑)◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇リスペクトマインド株式会社について詳しくは>こちらをクリック<『匠BANK.P』〈WEB版〉〈iOS版〉(App 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