匠BANK.P インタビュー企画【特別枠】 第1回
合同会社 DMM.com
アミューズメント事業部
岡崎 翼 事業本部長
匠BANK.P特別取材レポ初の【特別枠】インタビュー
第1回目は、全国のパチンコ・パチスロホール情報を無料で閲覧できる
『DMMぱちタウン』(https://p-town.dmm.com/)の事業起案者である
合同会社DMM.com アミューズメント事業部 事業本部長の岡崎様にお話を伺いました。
ぱちタウンを立ち上げたきっかけから、遊技業界のIT活用、組織力を上げる人材育成についてまで、様々なお話を伺うことができました。
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匠BANK.P(以下 匠)>
本⽇は、お時間をいただきありがとうございます。
岡崎様(以下 岡崎)>
人前とか出るのすごい苦手なんですよね...。うまく話せるかどうか...
匠BANK.P>
まずは、ぱちタウンを立ち上げて今に至るまでの経緯をお伺いできますか?
岡崎様>
もともと、パチンコやパチスロは大好きで、学生時代からずっとやっていました。
仕事のキャリアとしては、ベンチャーや大手など経験した後、7社目としてDMMに入りました。当初は別のサービスに携わっていましたが入社して半年くらいで、ぱちタウンの事業を起案しました。
匠> なぜ、ぱちタウンを起案しようと思われたのですか?
岡崎> 昔から、ユーザーとして打っている時にパチンコ業界以外のウェブサービスや情報メディアはどんどん進化しているのに、この業界だけはあまり進化していないなーと感じていました。なので〝この分野でウェブサービスをやったら勝てるんじゃないか〟という考えをもともと持っていました。
しかし、過去いた会社の中で考えた時に、大手企業は遊技業界にはがっつり投資をしにくいだろうし、小さいベンチャーは逆に投資する余裕がないと思っていたので、ずっと心に留めてきました。
そこで、DMMに入社した時、この会社ならきっと話に乗ってくれるのではないだろうかと思って起案しました。
最初はBtoCのモデルで作っていたのですが、すぐには会社の理解を得られず…。
そこから1年ぐらいかけて調査と交渉を繰り返しました。
会社から正式にGoが出たのは、3つめか4つめの提案で、当時各メディアのスマホ対応がうまくいっていなかったことと、ちょうど大多数の人がスマホに移行していく時流だったので、その波をうまく取り入れるモデルということで、採用されました。
匠> 立ち上げから6年経って、現在苦労されている点や、力を入れている部分はありますか?
岡崎> 苦労や課題でいうと、他のメディアさんも同じだと思うのですが、まずは規制ですね。急に来月からこの自主規制を施行しますとなり、一気に売上がガクンと下がったり・・・。
二次的などうしようもない要素での影響なので本当にきついですよね…。
今力を入れているのは、事業部の組織力を上げることです。
色々な業務が属人的になりすぎているという点が私たちの課題だと感じてます。なので、例えば人が入れ替わっても仕事の質が落ちないなど、全体の営業力・組織力を底上げしていきたと考えています。
僕は以前リクルートという会社で働いていたのですが、リクルートは人を育ててどんどん排出すると言われている会社で、人が入れ替わっても組織力・営業力が大きく落ちないんですよね。しっかりと成長した後もぱちタウンで頑張ってもらえるのが一番ありがたいですが、「ぱちタウンで働いたことによって、どこに行っても活躍する人材に成長できる」という様な組織作りをしたいと思っています。
匠> 具体的にどのようなことをされるのですか?
岡崎> 入社して最初の研修をして、現場に配属され先輩社員やマネージャーが教育をしていくのは今までと変わらないです。その後一定レベルまで育ったら、大きく分けて2種類の研修の導入を考えています。
〈1〉汎用性の高い対人スキルを身につける研修
入社半年〜9ヶ月くらいで、それまで営業してきた中での個人としての課題を理解させ、解決する為にどう課題に向き合うかというマインドを育てていきます。
〈2〉課題解決型の営業スキルを身につける研修
〈1〉の研修を行うことで、一度は広がりが出てくると思うのですが、そのあと必ず新しい課題にぶつかると思うんですよね。そこで次はこの研修を行う想定です。
前職まで、僕もずっと営業をしていたのですが、〝これを買ってください〟は誰でもできるんですよね。顕在化されたニーズを解決するのは当たり前で、潜在的な課題を見つけ出すことが大事だと思います。
クライアント様は必ず何か困っていることがあるのですが、それを聞き出すこと、言語化して共通認識にすること、これが難しいんです。
課題解決型の営業ができるようになると、相手が潜在的に抱えている悩みや問題を聞き出し、それを解決していくスキルが身につきます。これはどんな仕事でも通用するスキルですし、「課題解決型」の考え方は何にでも応用が効くので全員に身につけて欲しいと考えています。
うちの事業部の成長=会社の成長に繋がるような人材育成をできる組織にすることが理想です。ぱちタウンは遊技業界に特化していますが、提供しているサービスはとても幅広いので、汎用性の高いスキルが身につくと思っています。今後もどんどん新しいサービスを作ろうと考えているので、さらに幅広い展開に期待していただければと思います。
匠> 岡崎様が直接営業の指導などをされることもあるのですか?
岡崎> 僕が直接指導することは、ちょこちょこって感じですかね。各社員とは面談したり、全体へ思ったことを投げかけたりしてコミュニケーションをとってます。
基本的には営業だけで約75名と人数も多いので、直接的な指導は各部の部長などに任せています。
匠> とても人数が多いですが、部下の方とのコミュニケーションで工夫している点はありますか?
岡崎> この1月から、僕が一方的に情報を投げるというLINEグループを作りました。誰をグループに入れるかは各部門長に任せたのですが、今100人くらいのグループです。
面白いと思った自社の情報や、日々思ったこと、面白い広告やソリューション、ぱちタウンでサービス提供したらいいんじゃないかって思うものなどを投げて、興味を持った人が反響をくれる感じですね。六本木の本社にいればいろいろ社内の情報も耳には入ってきますが、地方で働いてくれているメンバーの耳には届かない情報も多いので。
LINEはお互い気軽にできるところがいいですよね。
匠> コミュニケーションもITを駆使されていますね。ぱちタウン立ち上げから6年経ち、遊技業界のITを取り巻く環境は変わってきたと感じられますか?
岡崎> メディアは一気に増えて、競合も増えましたね。
色々な事業者が入ってきたこともあって、業界全体のリテラシーも上がってきていると思います。
匠> ITを取り巻く環境に関して、遊技業界と他の業界を比べて特徴的だと思われる部分はありますか?
岡崎> やはり規制があって自由度が低いという点ですね。DMMが展開している事業は経産省の管轄であることがほとんどなんですが、遊技業界は警察庁の関連で、判断が所轄単位になっていて通常と視点が違ったりするので、実現させられるサービスの幅がとても少ないと感じます。
「これはOK!」ということはなくて、「これはダメ!」ということが色々ある中で、どういう表現をしていくかという部分にすごく気を使いますね。
匠> こんな風にぱちタウンを使ってほしい、など伝えたいことはありますか?
岡崎> それぞれのクライアント様が抱えている問題によって、色々な使い方や解決方法を提供できると思います。そのあたりは日々営業たちがクライアント様に頑張って伝えてくれているはずです。
あえて僕から言えるのは、変化の激しい業界ですので、先を見据えて新しいものに気づいて、ぱちタウンに目を向けてくれるホールさん、メーカーさんが増えてくれるといいなと思います。そういう立ち位置になれるよう、日々新しいサービスや機能も増やしていくつもりです。
例えば集客でいうと、今は直接的な企画に目が向きがちだと思います。実際今はまだ集客ができているのですが、今後中長期で考えれば、他の集客方法を考え出す必要があると思います。その時に僕らが力になれるようにしていきたいですね。
匠> ぱちタウンに限らず、仕事の際に特に大切にしているのはどんな事ですか?
岡崎> 2つありまして、1つはいつも楽をしたいと考えてます(笑)。
〝これを作り上げれば楽ができる〟というものを作りたいんです。やらなきゃいけない事や、やりたい事がたくさんあるので、なかなか楽はできないんですが(笑)。組織にしても、各部署がしっかり自走してくれるような強い人材育成・仕組み作りをしたいと考えています。
もう1つは発想の制限をしないことです。常に新しいことを考えていたいので。
ぱちタウンを始めた後に、動画配信にVRのコンテンツプラットフォームを作ったり、今でも新規事業、サービスを3つ準備しています。
こんなに部署を跨いで自由に動くことができて、新規事業をやらせてもらえるってあまりないと思うのですが、分野が違いすぎるからできない、といった制限は全部外して物事を考えるようにしています。
匠> 発想を制限しないために、何か心がけていることはありますか?
岡崎> 目の前で必要なものだけではなく、幅広く情報に触れるようにしています。
最初はもちろん、ぱちタウンにどう活かせるかを考えるのですが、ぱちタウンでは活かせないけどDMMという会社単位で考えたらこういうサービスができるかもしれない!と、考えるようにしていますね。
電車に乗っていても、周りの広告は一通り目を通して、今何が流行っているかとか、何が儲かるかなどを考えています。
あとは、パチンコホールは店舗型での商売なので、同じ様に店舗型の商売をやっている業態、例えば飲食店などはどういう広告手法を展開しているかなどのアンテナを張って、参考にさせてもらっています。
匠> 何かしら仕事に活かせないか、常に考えていらっしゃるのですね。
岡崎> 時には会社の枠も越えて、仲の良い経営者の方に話を持って行くこともありますね。
経営者の方って商売の話が好きな人が多いので、いろんな話題を持っているとコミュニケーションにもなります。
そういった意味でも多くの情報に触れておくことは必要ですね。他の事業部からスポンサーを探しているという話があれば、興味がありそうな店舗の経営者さんや遊技機メーカーの経営者さんなどに声をかけさせていただいたりもしています。
やはり決められた範囲にとらわれず動いている方が、面白いし仕事の幅も広がるな、と思います。
匠> DMMさん自体、自由な社風なのでしょうか?
岡崎> 誰でも発信できる社風ではありますね。
僕の時のように入社1年目だとしても、中身を詰めて、DMMの新規事業の当時の三つの軸のどこかに当てはまった提案ができれば、ちゃんと話を聞いてくれますし、自分もちゃんと話を聞くようにしています。
匠> 新規事業の三つの軸というのはどのようなものですか?
岡崎> 1つ目は単純に儲かるかどうか、ですね。
2つ目は、人が集まるかどうか。英会話などは分かりやすい例ですが、DMMは1つのアカウントでいろいろんサービスを使えるのが強みです。人がたくさん集まるコンテンツを作れると、そこで利益が出なくても他のサービスで利益を作れる可能性が広がるので、人が集まるのは大事な要素です。
3つ目は、プロモーションになるかどうか。話題性があったり、ブランディングに繋がることですね。実際ブランディングの効果として、この事業では使えなかったタレントさんがこっちの事業のCMには出てくれることになった、ということもありました。
そういう、採算性以外で何か生み出せる事業もやる意味がありますよね。
もちろん、中身を詰めてPLも敷いて、最終的に採算性がないと分かれば実行できないんですが、この三つの軸にひっかかっていればちゃんと話は聞いてもらえますよ。
匠> 仕事に関してはたくさんお話を伺いましたが、ご本人は昔からパチンコ、パチスロが大好きだそうで。プレイヤーとして感じるパチスロの魅力とはなんでしょうか?
岡崎> ちょっとした刺激と、ゲーム性ですかね。
数あるエンタメの中で、刺激的で面白いものの一つだとおもいます。
匠> では最後に、遊技業界の方々へ向かって一言お願いします。
岡崎> ぱちタウンは、今後まだまだ進化します!ぜひ色々な面で、お付き合いいただければ幸いです。
悩んでいることや困っていることがあれば、お気軽に相談して欲しいと思います。ぱちタウンやDMMの力を使って必ず解決できるように考えますので、うまくDMMを利用していただけると嬉しいですね。
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<匠BANK.Pインタビュー恒例!きいてみようのコーナー>
同じ質問を色んな方に聞いてみることによって、インタビューでは伝わりきらない人柄や個性を感じ取れるこのコーナー。
あまり物事に興味がないという岡崎本部長は、ユニークで合理的な、生まれながらのビジネスの才能を感じさせる回答でした!
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Q:平成最後の日には何をしたいですか?
A:うーん・・・特に何もないですね(笑)
平成最後っていう事が結構どうでもいいですね。昭和生まれですし(笑)
Q:歴史上の人物と勝負できるとしたら誰?
A:全然思い浮かばないですね…、会った事ない人に興味が持てなくて(笑)
僕いろんなものに興味がないみたいで…、このインタビュー大丈夫ですかね?
(一同笑い)
Q:一番のストレス発散方法はなんですか?
A:すごいストレス溜まりづらいんですよ。
ストレス耐性めちゃめちゃあると思います。忙しいのも嫌いじゃないですし…。唯一仕事以外でハマっているものといえば、パズドラぐらいですかね。かなり課金してますよ(笑)
Q:一番怖いものは?
A:〝自分の判断が効かない自分に関与すること〟ですね。
自分ではどうにもならないことが苦手です。今まさにそういう状況が一つあるんですけど、具体的には言えません(笑)
Q:生まれ変わったら何になりたいですか?
A:綺麗なお姉さんに生まれたいですね。
女性で、綺麗で仕事でも活躍していると目立つし、かっこいいじゃないですか。周りにも優秀な女性がめちゃくちゃ多いので、綺麗なお姉さんになりたいですね(笑)。
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