匠BANK.P インタビュー企画 第10回
株式会社 kaika
三浦 真理恵 社⻑
第10回目は株式会社kaikaの三浦社長にご協力いただきました。
新入社員をはじめとする若手育成の研修や、役職者や女性活躍に至るまで幅広くユニークなテーマで研修を行っている同社。
新卒世代の気持ちをよく理解していらっしゃり、研修した社員の成⻑を⼼から喜んでいる様⼦で、時には⾝内のように研修先の社員を⾒守りながら、誠実で正直にお仕事されている三浦社⻑の親しみやすさ溢れるインタビューでした!
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匠BANK.P(以下 匠)>
本⽇はお時間をいただきありがとうございます。
改めて業務内容を教えていただけますか?
三浦社⻑(以下 三浦)>
若⼿の⽅と役職の⽅、また男性と⼥性の架け橋になるような研修をメインにやらせていただいています。
丁度私は現場で働いている⽅々と同世代くらいでありつつ、まだアルバイトさんとも比較的歳が近いので、同じ⽬線で話せて、話を聞いてもらいやすいというのが強みなのかなと思っています。新⼊社員研修でも、社外のお姉さんみたいな感覚で受講してもらえているなと思います。
匠> 現在の会社を起業するに至るまでの経緯をお伺いできますでしょうか。
三浦> 元々はパック・エックスに新卒で入りました。大学時代、卒業したらどうしても東京に出たいと思っていたんです。
ベンチャーで、なおかつ⼈材系に関わりたいと思っていたので、その条件で会社を絞り、さらに〝説明会に社⻑が来る〟という会社だけをピックアップして⾜を運びました。なんとなく、どんな⼈の下で働くことになるのか⾒てから決めたいと思っていたんですよね。その中にパック・エックスもあって、他の会社となんか違うな・・・という感覚がありました。何が違うのかはっきりわからなかったのですが、最終選考まで残り、内定をもらいました。
それまではパチンコをしたこともなければ、パチンコ屋さんに⾜を踏み⼊れたこともなかったので、正直何をやっている会社かよくわからなかったんですが、〝なんかこの会社いいな〜〟と思ったのをよく覚えています。
匠> ベンチャーに絞っていたのは、何か理由があったんですか?
三浦> そうですね、若くても仕事を任せてもらえるとか、早く成⻑できるなどもあったと思いますが、〝意識⾼い系〟みたいなのが当時流⾏っていたというか(笑)ノリもありましたね。
匠> ⼈材系をやりたいというのは、何か想いがありましたか?
三浦> 学生時代のアルバイトも接客業ばかりで、バイト仲間や店長、お客さんなど、多くの人と関わるのが好きだったんです。
世の中色んな人がいて、その中で組織を回していく大変さも感じていて、そういった部分に関われる仕事がしたいと思っていました。
大学時代はアイスホッケー部のマネージャーもやっていたので、一人ひとりのフォローをしたり、活躍を応援する・サポートする・見守る、みたいなのが好きだと気付いたのもありますね。
匠> 新卒で入社してからは、どのような仕事をされていたのですか?
三浦> 最初は営業をやっていました。
当時のパック・エックスは採用支援や研修事業の他にオリジナルの端⽟景品や、⾹りの機械も売っていたので、それらの営業の仕事です。
匠> 新卒時代に大変だったなーと思う点などはございますか?
三浦> いやーもう全部大変でした(笑)
入社してすぐ東海エリアの担当になり、月曜に愛知に行って東海三県を周って、木曜か金曜に東京に帰ってくるみたいな生活で、それがしんどかったですね。
その後半年くらいですぐ大阪支店に配属になり、そのまま2年間大阪にいました。東京に出たい!と思って就職したのですが、ほとんど東京に居ることがなくて(笑)。
匠> 東京に戻ってきてからは、どのようなお仕事をされていましたか?
三浦> その頃には徐々に研修や覆面調査など、人に関わる部分の仕事をさせてもらえるようになっていました。
その頃から、私自身も講師をやらないか?というお話をいただくようになりましたね。
匠> 独立を意識されたのはいつごろですか?
三浦> それが、独立願望は全くなかったんですよ。
むしろ最初は新卒でベンチャーに入ったから、もしいつか転職するなら大手に行ってみたいと思っていたくらいです。
匠> ベンチャー企業に入る方って、独立願望が強い方が多いと思っていました。
三浦> 多かったと思います。
ただ私はそういうわけではなく、ベンチャーも大手もどっちも経験してみたかったんです。
匠> そこから独立に至るには、何かきっかけがあったのですか?
三浦> ちょうど入社して5年経って、今後どうしようかな…、と考えていた頃、別の方から「うちの会社に来ないか」と声をかけていただいたんです。
その会社はパック・エックスよりさらに小規模なベンチャーで、そちらもすごく面白そうだったのですが、今のお客様との関係を切らないといけないのが嫌で・・・。
新卒から育ててくださった方々に、成長した姿を見せられていないし、まだ何もお返しできていないのに、繋がりが持てなくなるのは嫌だなと思って、当時の上司に相談をしました。
「どっちもやりたいんです!」と正直に言ったら、「フリーになってどっちもやれば?」と言ってもらえて。「あ、なるほど!」って感じで、独立しちゃいました(笑)。
若かったですし(笑)、怖いもの知らずだったこともあり、思い切ってやることができたのだと思います。
匠> 研修内容についてのこだわりや、他と違う点などがあれば教えていただけますか?
三浦> うーん、研修中に一人も寝たことがないです!これ、こだわりになりますか(笑)?
研修はつまんないとかマイナスなイメージ強いと思うので、それは払拭させたいと思っていて、楽しく学べるように試⾏錯誤しています。
研修をした新卒の子に「次いつ会えるんですか?」と言ってもらえたり、昇進した時にわざわざ連絡をくれる方もいます。ただの講師ではなく、⼈と⼈としてコミュニケーションが取れたからだと思うので、とても嬉しいですね。
匠> わざわざ連絡をもらえるなんて、とても信頼しているというか、感謝されていらっしゃるのですね。
三浦> ありがたいですよね。「店⻑になれました!」っていう報告をいただく事もあります。
あとは研修生の上司の方からご連絡がある場合もあります。「ここが課題だったけど良くなってきた」と言ってもらえたりすると、やって良かったなと思います。
匠> 研修メニューを見させていただいたのですが、〝男性脳と⼥性脳の違い〟など面白いメニューがたくさんありますね。
三浦> 男性はロジカルに考えるのが得意で、女性は感情が入りやすいとよく言われていますよね。
それは女性の方が右脳と左脳をつないでいる脳梁が太い傾向があるという説があって、ロジカルな話をしていても感情が入ってしまうことがあるそうなんです。諸説あるんですけど。
あとは、育ちの違いとか。男は野球で育ち、女はままごとで育つという話もあります。
男性は子供のころから野球のようなチームスポーツをやることが多く、上下関係を学んだり、自分が思いっきりバットを振りたくても監督にバントを打てと言われたらバントする、などという組織の中での立ち回りを学びますが、女の子はあんまりそういうのがないんですよね。
その分女性のほうが協調性があるとか細かいところに気が利くという点があります。
違いを直そうという事ではなく、〝どんな違いがあるかをお互い理解して、どうやって一緒に仕事をしていくか〟というのをテーマにしています。
匠> 男女の違いで悩まれている方も多いと感じますか?
三浦> この業界でいうと、徐々に店長さんの年齢も下がってきていて、わりとフランクになってきたように思います。
ただやはり、もっと女性にも活躍してほしいけれど、気持ちがわからないとか、接し方が難しいという悩みもよく聞きますね。
匠> パック・エックスさんにいらっしゃる時から、若手採用や女性活躍に焦点を当てていらっしゃったんですか?
三浦> いえ、独立してから徐々にですね。
最初はみなさんご祝儀みたいな感じでお仕事をくださって(笑)、こういう悩みがあるとか、こういう研修ないかな?というお声をお客様から頂いて、それにお答えする形で少しずつバリエーションが増えていきました。
匠> すごくメニューの数も多いですね。
三浦> そうですね。ご要望にお応えする形で研修を作ってきたので、お客様に意見をもらいながら一緒に作っていただいたという感じですね。
匠> プログラムを作ったりする中で、試行錯誤された点などはありますか?
三浦> 最初の頃は、若手の気持ちがダイレクトにわかっていたので、役職者の方向けの若手育成講座などは作りやすかったのですが、ふと気がついたら、私、新卒の子と約10歳も違うんだ!と思って(笑)。
いつまでも若手の気持ちわかっているつもりじゃダメだなと思いました。なので、プライベートでも敢えて新卒世代の子達と積極的に関わって、気持ちを理解できるように心がけています。
匠> 私もずっと新卒気分でいたら、いつの間にかこんな歳でした(笑)
三浦> (笑)。多くの人がこうやって〝⾃分も若い頃と変わっていないつもり〟、〝若 い⼦の気持ちもわかるつもり〟と思って歳を重ねているから、ミスコミュニケーションが生まれるんだな、とも思います。決めつけずに理解しようという姿勢を持たないといけないですね。
匠> 今の若い世代の子達に、特徴を感じる点はありますか?
三浦> 毎年新入社員研修をしていると感じるのは、年々みんな素直になってきていると感じます。
最近の若者は冷静だとか言われることもありますが、アンケートを見ると「仕事に何を求めるか」という質問に〝やりがい〟と答える子が本当に多いんですよ。熱い気持ちを持っていないわけではないのですが、それを表に出す方法がわからなかったりとか、それを出して目立ってしまったらどうしよう、怒られたらどうしようと思って皆と足並みを揃えようとしている気がしますね。
匠> お金や昇進よりも、素直に誰かの役に立ちたいとか、やりがいを感じたいという子が多いんですかね。
三浦> そうですね、あとは公私ともに充実させたいという考えが強いと思います。
昔のように始発から終電まで働いて、週末は寝るだけ!とかではなく、友達との時間も大切にしたいし、インスタ映えするポイントにも行きたいし(笑)、っていうのがやっぱりあるんだろうなと思います。
匠> 思い出深いエピソードや失敗談などはありますか?
三浦> 独立してすぐの頃の新入社員研修で、結構大きな企業さんに行かせていただいたことがあったのですが、高学歴な子達ばっかりだったので緊張していたこともあり、すごく優しすぎる口調で研修を進めてしまったんです。
そしたら研修後のアンケートに〝⼦供扱いされているようで嫌だった〟と書かれてしまいまして…。40人全員がしっくり来る話し方とかペースを見出すのにすごく苦労しました。
匠> 声のトーンやペースは、数字で測れるものがあるのでしょうか?どのようにして丁度良いところを見つけていかれたのですか?
三浦> 数字では測れないので、ひたすら録音して聞いて、調整する、を繰り返し行いました。
マイクあり、なしでも声の響きも違いますし、受講生の年齢層によっても声を変えたりしています。
匠> すごく地道な作業ですね。新しいメニューだったり研修内容を作る時、これはいける!など見極めるポイントはありますか?
三浦> やはり私の場合はお客様の声をいただいて作っているので、需要ありきですね。
お仕事はご紹介やリピーターの方がほとんどなので、「こういうのやってほしい」と言われて作ります。また、飲み会や会食の場でぽろっと出てきたキーワードをもとに、それならこういう研修作れるなーとか考えたりもします。
匠> 独立して仕事をする上で、気をつけていらっしゃることはありますか?
三浦> やっぱり誠実であることですかね。
よく正直すぎるって言われるんですが(笑)、駆け引きとかがすごく苦手で、交渉とかもできないんですよね。苦手だし、好きではないので、〝まっすぐ!〟って感じです。「下手だねぇ」ってよく言われます(笑)。
匠> 独立したからこそ苦労した点などはありますか?
三浦> 全部が自分の責任で、守ってくれる上司や会社の看板もなく、営業も大変ですし、〝何かやっちゃったらどうしよう〟という緊張感みたいなものは常にありますね。
でも、私の場合は楽になった部分もあるんです。会社員の頃は、数字を上げないと部下にも示しがつかないし、自分が何かやったら会社のイメージが落ちるかもしれないとかを考えていましたが、そういう部分からは解放されたような気がします。
成績などに追われていないからこそ、お客様にも正直に対応できている部分があると思います。
匠> 若くして独立されて、すごくバリバリで強気にお仕事されてらっしゃる方かと思っていたのですが、お話を聞いているとソフトな印象ですね。
三浦> 強気になれないんですよね(笑)。
もっとビシッとしなきゃいけないのかもしれないですが。
匠> 今後の目標や展望はありますか?
三浦> 若手の研修はもっとやっていきたいなと思っています。
必ずみんな一度はつまづいたり、くすぶったりする時期があると思うのですが、そこで諦めたり会社を辞めたりしてほしくないんですよね。
私も今は独立いて一人でやっていますが、すごく出来の悪い社員だったと思うんです(笑)。思うように数字も上げられず、変なところで頑固だし、すごく扱いづらかったと思うんですけど、その中で道を見出してくれた上司がいて、もう頑張れない、辞めたいと思った時には同期や先輩が助けてくれて、そうやってなんとかやって来れました。
優秀な社員でいられなかったからこそ、わかってあげられる気持ちもあります。だから、研修を通して何か抜け出すきっかけみたいなものを提供し続けていきたいと思っています。
匠> 独立したい!と思っている方に何かアドバイスをいただけますか?
三浦> とにかくやってみたらいいと思います!死にはしないので(笑)。
いざとなったら転職できるし、やりたかったらまずやってみたらいいと思います。私もやりながら、試行錯誤しながらやってきています。
匠> 一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?
三浦> 受講生の変化が目に見えてあった時ですかね。
半年や一年かけて研修を行うことも多いのですが、最初はコミュニケーションが苦手だった方が、最終回の時はすごく大きな声で発表したり、積極的にコミュニケーションが取れるようになっていったりすると、やってよかったなと思います。新入社員のフォロー研修で行った時に成長が見えるのもすごく嬉しいですね。
匠> 今の業界に関して、思う点や感じる点などはありますか?
三浦> 人に関わるところでいうと、離職率や採用しづらい等が問題になっているかと思います。
遊びを提供している業界なのに、遊び心がなくなってきている気がして。どんどん厳しくなっている規制の中で、もう少し楽しく働けるような風土や、ワクワクする空気感みたいなものをどう演出していけるか、を大切にしたいなと思っています。
遊び心って言ってもサボったり適当にやるということではないので、伝え方が難しいですが・・・。働く人たちが楽しくないとお客様にも就活生にも伝わってしまうので、〝うちの会社楽しいよ!〟っていう魅せ方とか、やりがいを持って楽しく働ける要素を、研修を通してお伝えできればと思っています。
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<匠BANK.Pインタビュー恒例!きいてみようのコーナー>
同じ質問を色んな方に聞いてみることによって、インタビューでは伝わりきらない人柄や個性を感じ取れるこのコーナー。
第10回の三浦社長は、親しみやすく女性らしい性格がよくわかる回答です!
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Q:自分を動物に例えるとしたら?
A:多分、犬ですね。
すぐ人に懐くし、勝手にそこらへんで空回りしているところとか(笑)
でも願望としては猫になりたいんですよ。たまにはツンケンしたり、気まぐれに生きてみたいとも思うんですが、まだまだ犬ですね。
Q:無⼈島への持ち物は3つまでさあ、何を選ぶ?
A:TOKIOのメンバーの方を3人連れていきたいですね(笑)。
絶対生き残れるじゃないですか。村や島での活躍は任せられますよね。みんなイケメンだし、たまに歌を歌ってもらったら飽きなさそうですし(笑)。
Q:⼩さい時の夢は?
A:イルカの調教師になりたかったです。
イルカがすごい好きで、「イルカと一緒に暮らすにはどうしたらいい?」って親に聞いたら「調教師という仕事があるよ」って教えてもらいました。
なんというか、心が洗われるようなピュアな感じが好きです。邪念とかなさそうじゃないですか(笑)。
Q:何か新しいスキルを1つだけマスターできるとしたら?
A:ITリテラシーを高めたいですね。
今の時代、自分を守るためにも絶対に必要なスキルかなーと思いますね。
Q:何をしている時に⼀番幸せを感じますか?
A:これは、模範解答が良いですか?それとも正直な解答が良いですかね?(笑)
正直なほうで答えると、もう私、寝るのが大好きなんですよ。寝ている時間が幸せですね。
日曜日はもうずっと寝ているみたいな感じです。仕事では人と会うことが多いので、休みの日は一人で過ごす事が心の充電になります。
Q:特別な力を持てるとしたらそれは何?そしてどうやって使う?
A:瞬間移動!出張がめっちゃ楽じゃないですか??
会いたい企業さんにすぐ会いに行けるし、移動時間ってなんかもったいなくて。
その分睡眠時間も増えますし(笑)
Q:楽器を1つマスターできるとしたら何を選びますか?
A:ピアノです。
ピアノは結構長い間やっていたんですけど、この間実家に帰った時に弾こうとしたら、楽譜が読めなくなっていて自分でもびっくりしちゃいました。
もう一回できるようになりたいですね。
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