匠BANK.P インタビュー企画 第11回
一般社団法人 全国遊技ビジネス振興会
曽我部 康二 会長
2019年第1回目となる今回は、有限会社NSPドクターをはじめとするNSPグループの会長であり、全国遊技ビジネス振興会の代表理事を勤められる曽我部会長にご協力いただきました。
最近オープンした全遊振の新しい事務所にて取材は行われ、仲間想いの暖かく穏やかな人柄を感じられるインタビューとなりました。
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匠BANK.P(以下 匠)>
本⽇はお時間をいただきありがとうございます。
現在までの経歴をお伺いできますか。
曽我部会長(以下 曽我部)>
大学を卒業して、最初は日拓さんに就職しまして、六本木のライブハウスでフードの仕事をやらせてもらいました。
当時はジョブローテーションをやっていて、自己申告でやりたい部署をやらせてもらえる制度になっていたので、まずはフードをやりたかったんです。その後外商部、店舗開発をやってパチンコの方へ移りました。
匠> 起業や独立を意識されたのはいつ頃からですか?
曽我部> 日拓さんは元々は不動産でしたし、フードもあり、パチンコでもすごく収益を上げていて、様々なことを勉強させてもらえる場だと思っていたので選びました。
簿記や宅建も勉強させていただいて、専門学校のように知識を学べる場でしたね。それだけたくさんの事が学べましたし、入社当時から「いつかは独立して社長ができればいいなあ」とは思っていましたが、まさか本当にやることになるとは思っていませんでした。
仕事は毎日とにかく楽しくて、休まなくてもいいくらいでしたね。だから辞めて独立というのは、具体的にはなかなか考えなかったです。
匠> 実際に起業に至るには、何かきっかけがあったのですか?
曽我部> ある部下と「将来的にコンサルタントやりたいね」っていう話をよくしていたのですが、ある時その部下が事故で亡くなってしまって・・・。
その想いを継ぎたいなと思いました。
8年間日拓さんにお世話になりまして、その後中小起業でサラリーマンをしていました。
等価交換ですとか、お店が少ない中でいろんなアイディアやノウハウがあれば稼働が上げられた時代だったので、行って成功させると口コミのようなものが広がって、いろんな企業さんに呼んでいただけるようになりました。
その後サラリーマンを辞めて、コンサルタントとして独立しました。困っている企業さんがいらっしゃればノウハウを生かしてなんとかお手伝いをさせていただきたいな、と思っています。
匠> ビジネスを始める上で重要なポイントはありますか?
曽我部> マンネリが一番よくないと思っているので、常に最先端のものを取り入れていくことですかね。
今で言えばSNSですね。もはや、やって当然という時代ですが、出たてのころは誰もやっていないような状況でしたから。
僕はLINEも当初から積極的に使うように言っていましたし、早め早めにブームを読み取ってどうパチンコ業界にそれを導入していくかが重要だと思っています。
匠> 会社経営をする中で意識していることはありますか?
曽我部> どうしても飽きられてしまうのがレジャーの特性だと思っていて、いかに飽きさせないようにしていくか、パチンコ店だったら新台やイベントをやったりするという点が重要だと思っています。
もっと大きな流れでいくと、日本の経済においてこれから何が伸びるのかという事も考えながらやっていかないといけないですよね。
少子化問題で子供が少なくなり、インバウンドで外国の方がどんどん入って来ている中で、何がこれからビジネスとして一番マッチするかを考えていく必要があります。
匠> 社員の方とのコミュニケーションの中で気をつけている点や意識していることはありますか?
曽我部> つい先日も会社で〝家族クリスマス会〟をやりました。
社員の奥さんや子供などを呼んでクリスマス会をやるのですが、会社から子供たちに事前に聞いていたクリスマスプレゼントをあげるんです。サンタの仮装をして、子供たち一人一人にプレゼントをあげています。
会社を作って17年目ですが毎年かかさずやっていて、いつもほぼ全員参加してくれます。こういった本当の家族のように集まれるイベントは大切にしています。
匠> プレゼントまで用意するなんて太っ腹ですね。
曽我部> 一応5000円以内という予算はありますよ(笑)
私は、社員は自分の子供のように思っていますので、社員同士も兄弟のように感じてくれていると思います。だから仕事に対して言いたいことがあったら、たとえ上司だったとしても気を使わず言いあっていますね。
匠> 今いらっしゃる社員の方に、共通点などはありますか?
曽我部> 結構人それぞれで、いろんな社員がいますね。
今の社員の中に中学校からずっと不登校だったという子がいるんですが、「彼はいける!」と思ったので社員になってもらいました。今では素晴らしい知識を持った優秀な社員に育ってくれましたよ。
教育をしっかりしていけば、どんな人材でも優秀になれると思います。
匠> 人材育成に関して、大事にしている事はありますか?
曽我部> 自分も転職を繰り返した中で、会社と合う・合わないが少なからず出てくるのですが、いかに〝トップが自分のことを理解してくれるか〟っていうことで違った気がしますね。
そういう会社はいい会社だなーと思いましたし、社員に対してその点を裏切らないようにしようと僕も思っていますね。
どんな人材でも、いいところを見つけてあげて、褒めて伸ばすようにしています。自分がサラリーマンだった時には、社長から細かいことでも見つけて褒めてもらえると嬉しかったんですよね。
あとは年に一回くらいは面接をして、来年の目標とか、不安・不満などを聞くようにしています。
匠> 社長業をされていて、苦労された事などはございますか?
曽我部> もし、突然自分が死んだ時に、すぐに後を継げるような引き継ぎができていないんですね。
そうなったら、みんなどうなってしまうんだろうという不安は常にありますね。少しずつ後を継いでもらう準備をしないといけないかもしれません。
匠> では、全国遊技ビジネス振興会についてお伺いさせてください。理事をされることになった経緯を伺えますか?
曽我部> 僕が全遊振の理事になったのは3年前くらいなんですが、それまで「ぱち研」というパチンコ産業研究開発機構をやっていました。
両方を一気にはできないと思って、ぱち研と全遊振を合併する形で理事になりました。
匠> いま一番力を入れていらっしゃる点はなんですか?
曽我部> ホールさんは稼働を上げるのにとても苦労されている時代だと思いますが、全遊振にはいろんな業者が来て、いいものをプレゼンしてくれたり、コストカットのヒントだったり、いろんな資料もあるので、業者さんとホールさんをマッチングさせていきたいと思っています。
会報誌において様々な活動をお知らせしていますので、ぜひご覧いただきたいです。
他の会と違うのは、会員になってないとセミナーに出られないことが多いのですが、全遊振のセミナーは非会員でも3,000円で受講できます。また、ほとんどの業界の優秀なコンサルタントと業務提携をしておりますので、ホールさんが疑問点などを持っている時は、いつでも相談ができるようになっています。
会員とコンサルタントでLINEグループを作っているので、LINE上で気軽にやりとりできるんですよ。
匠> 新しいオフィスにされたのは、何かきっかけがあったのですか?
曽我部> ありがたいことに最近会員さんが増えたので、みんなで集まる場所が必要だと思いました。
365日いつでも、ミーティングルームとしてでもいいですし、気軽にお茶を飲みに来ていただいたり、そういう場所に使っていただければいいなと思います。
匠> こういったオープンな場所が必要だと感じられていたのですね。
曽我部> タバコ吸う人は特にね(笑)、気軽に集まれる場所は減りましたね。
パチンコも喫煙問題で色々あるかと思いますが、今度この事務所に喫煙ブースを入れてみる予定です。製品の効果を体感できる場所として使ってもらえればと思っています。
このように、製品の展示やお試しの場として使っていただくのも良いかな、と思っています。
匠> 会員様を増やすためにはどのようなことをされたのですか?
曽我部> まずはセミナーの数を増やしました。以前は年に10回のセミナーでしたが、〝上野参謀会議〟というものを開始しました。
店長さん同士が意見を言い合って情報交換をするという場ということで、機械台の話や、現場の人たちの意見を聞いたりすることをメインとした会です。
毎月2回のセミナーと、上野参謀会議、ゴルフコンペが年2回あり、またバスを貸し切ってみんなで出かけるイベントもやっております。
匠> 双方向的な意見の場だったり、コミュニケーションの場を増やされたんですね。
他にはどのような活動をされていますか?
曽我部> ボランティア活動も積極的に行っています。
西日本豪雨の際は募金活動も行いながら、一般社団法人全国遊技産業経営者同友会が主催するボランティア活動にも参加しました。多摩市にある重度障碍者施設島田療育センターにて行われた『わいわい祭2018』にも、ボランティアとして参加しています。
こういった活動も積極的にやっていきたいですね。
匠> 格闘技の幹事もされているんですよね?
曽我部> ラウェイという競技の幹事をやっています。ミャンマーで1000年続いている国技なんですが、もともとは王様を守るために誰が強いかを競うものだったんです。
ムエタイの原点になっているスポーツで、戦うことが神様へのお祈りと一緒なんですね。すごく紳士的なスポーツなんですよ。グローブをつける文化がないので素手で殴り合っていて、直接ぶつかり合うので音も迫力がありますよ。
判定っていう概念がないので、どちらかがギブアップするまで続くんです。「こんだけ殴って倒れないの??」っていうくらいゾンビのように起き上がってくる選手もいます。
匠> すごく面白そうですね。もともと格闘技はお好きなんですか。
曽我部> そうなんですよ。
小学生の頃は『あしたのジョー』などを見ていて、〝ボクサーになりたいな〟なんて思っていたこともありました(笑)。
匠> 将来社長を目指している方へアドバイスをお願いいたします。
曽我部> 社長は、誰でもなることができると思います。僕でもなれたんだから(笑)。
僕は「誰でも社長になれるからね!ポジションあけとくよ!」っていう意味で、早めに会長になりました。
ただ、社長になるイコール、社員は子供と同じだと思いますので、子供を大切に思うような責任感は少なからず必要だと思います。
匠> 失敗談や苦労したお話などがあれば教えてください。
曽我部> 結構たくさんありますけどね(笑)。
お金を払ってもらえないまま、先方が倒産してしまったりとか、貸したお金が返って来ないとか・・・。本当に信頼していた人なのに、そういう事があってショックを受けたりしましたね。
でも良い勉強になりましたし、その話を聞いた人が心配してくれたり、逆に僕への信頼が上がったりしたようなので、それはそれでよかったかなと思いました(笑)。
だから失敗は恐れてはいけないですね。人に迷惑をかけるのはいけないですが、迷惑をかけない事ならどんどん挑戦した方が良いと思います。
社員にも、どんなに仲が良くても人に迷惑をかけたり、不快な想いをさせてはいけないと伝えています。
匠> 〝親しき仲にも礼儀あり〟という言葉がありますしね。
曽我部> 例えば、お店でも従業員にひどい扱いをしたら、その従業員は辞めた後にお客さんになってくれないんですよね。
それどころか周りに悪い評判を話すかもしれない。会社でも、下請け業者に冷たくしていたら、その方はその会社の製品を使ってくれなくなるでしょう。
だから僕はコンサル先では、面接に来てくれたアルバイトには、雇う・雇わないに関わらずクオカード1000円分を渡すように伝えているんです。面接に落ちても、印象が良ければお客さんになってくれるかもしれないじゃないですか。
交通費と時間を割いて来てくれていると思いますので、「今日は来てくれてありがとうございます」と感謝を示すべきですね。
匠> 一番やりがいを感じるのはどのような時ですか?
曽我部> 時々、会社の従業員を社外の方に褒めてもらえる事があって、そういう時は一番嬉しいですね。
自分のことよりも、部下のことを褒められると、従業員に対してもですが、周りの方への感謝を改めて感じます。
匠> 今後の目標や展望はございますか?
曽我部> ジャパンセミナーも全遊振の中では大きなイベントの1つとなっています。
ジャパンと全遊振がコラボすることによって、もっともっといろんな方が仲良くパチンコ業界を盛り上げていってくれたらいいなと思っています。
匠> 遊技業界の現在と今後について、お考えを聞かせてください。
曽我部> どうしても、マスコミでは依存症問題やダークなイメージばかりがオープンになってしまうのですが、全遊振が行なっているボランティアだったり、お客様が喜んでくれているところだったりをもっと発信していきたいですし、パチンコが憩いの場でストレス発散になっているという方もすごくたくさんいらっしゃるんですよね。
そういった良い部分もなんとか僕らでクローズアップできるように、表に出していけたらいいなと思っています。
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<匠BANK.Pインタビュー恒例!きいてみようのコーナー>
同じ質問を色んな方に聞いてみることによって、インタビューでは伝わりきらない人柄や個性を感じ取れるこのコーナー。
第11回の曽我部会長は、温厚な人柄と、社員や仲間想いな性格が感じ取れるインタビューでした。
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Q:平成最後の日には何をしたいですか?
A:社員みんなで歌を歌って過ごしたいですね。
長渕剛さんの『明日へ向かって』という歌を社歌のようにしていまして、ことあるごとに歌っているんです。〝一人ひとりにチャンスがある〟っていう曲で、歌うたびに泣いちゃうんですが(笑)。
この間のクリスマス会でも歌いましたよ。社員の子供たちも今は小さいですが、いつか「この曲聞いたことあるぞ!」って思い出してもらえたら嬉しいですね。
Q:歴史上の人物で勝負をするとしたら誰?
A:一応僕の祖先は長宗我部元親といいまして、四国出身の方なんです。
実は日拓時代に会長にいろんな歴史を教えてもらいました。西村会長は〝戦わずして勝つ〟という哲学の人で、僕も戦うのはあまり好きではないので、坂本龍馬のような人でありたいですね。喧嘩するなといって、お互いを引き合わせたいです。
もし戦いの場だったら、戦わずに逃げているかも(笑)。だって戦いに部下を連れて行って、死なせてしまったら申し訳ないですもんね。
命は大切にしたいです。
Q:一番のストレス発散方法はなんですか?
A:やっぱりカラオケですね(笑)。
ゴルフも好きなんですが、下手すぎてストレス溜まるんでカラオケの方がいいです(笑)。
Q:一番怖いものは?
A:〝死〟ですね。自分の死じゃなく、周りの死が怖いです。
「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉がありますが、どんなに倒産しても貧乏しても、死なないですから。
経営者に言いたいのは、「借金しても倒産しても、死ぬ必要ない!」ってことですね。生きていれば、また必ず何か新しいことができますから。
うちの社員にも「もしうちの会社が倒産したら、新しく会社起こして自分が社長になってよ!」って言っています。
Q:生まれ変わったら何になりたいですか?
A:やっぱり自分がいいかな・・・。
なぜかというと、今周りにいる人たちともう一度出会いたいですね。また一緒に仕事したりできたらいいかなーと思います。
「前世でもお前と多分仕事してたよな!?(笑)」なんて言える仲間と、また一緒に仕事ができたら最高ですね。
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