前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト -132ページ目

その説はもしかしたら天動説かもしれませんよ

今日は気分を変えて天動説のお話。天動説のことを振り返ると、色々な学びがあります。
 
1.賢い人が精緻化した天動説
そもそも、天動説というとどういうイメージをお持ちでしょうか。おそらく、一枚目の画像のようなテーブル状の地球の上に天球があり、そこに星が張り付いている、といういかにもおバカな世界観を想像する方が多いように思います。
実は私もある時まで、天動説とはそういうレベルのものだと思い込んでいました。
しかし、高校生の時だったと思いますが、天動説について調べて驚きました。
実際にコペルニクスやケプラーらが論破したプトレマイオスの天動説はそのような粗雑なものではなく、観測データを踏まえて惑星の動きが矛盾しないよう数学的に説明がなされた高度なものでした。これが二枚目と三枚目の画像です(以下の画像は放送大学の「太陽と太陽系の科学」より)。
球状の地球が宇宙の中心にあり、太陽や惑星がその周囲を回る、というモデルであり、地球から見た内惑星(水星、金星)と外惑星(火星、木星、土星)の動きの違いをはじめとするデータを踏まえ、それらをいかに矛盾なく説明できるモデルを作るか、という視点から緻密に作りこまれていました。宇宙の中心である地球を回る軌道に惑星があるのではその動きが説明できないので、地球の周囲を回るある点の周りを惑星が回っている、と仮定することによりその動きを説明する、というのは言われてみれば理解できなくもないわけですが、常人にはここまでたどり着くことは不可能でしょう。
特に彼らが手こずったのは各惑星の軌道が真円である、という仮説にとらわれ、楕円である、という事実を知らなかったことによる矛盾ですが、プトレマイオスはこの点もエカントという概念を考え、惑星が運動する際の中心となる点を地球の外に出すことによりある程度解決してしまいます(実際には観測データと完全には一致しなかったようです。そして、観測技術の進歩により観測データが緻密になるにつれてその矛盾が大きく認識されるようになります)。
(四枚目の画像)
 
2.観測技術が向上するまではそもそも観測データと矛盾していた地動説
 
そして、当時の観測技術では、実は地動説こそ観測データとの矛盾を説明できないとされていました(いわゆる年周視差は肉眼による観測では認識できない、という話)。どういうことかというと、地球が太陽の周囲を回っているなら、恒星も動くはずだが、恒星は動かない(実際には、動くのだが、動きが微妙すぎて当時の肉眼による観測では判別できない)じゃないか、だから地動説は成り立たない、という批判に効果的に反論できなかったのです。
 
3.コペルニクスとケプラー、そしてニュートン
 
さて、そういうわけで、地球を中心とした世界観(宇宙観)が恐ろしく複雑な仮説により構築されていた16世紀初頭、コペルニクスは太陽を中心として地球やその他の惑星がその周囲を周回し、月は地球を回っている、というモデルを着想し、理論的な裏付けを行い、彼の死後、その著作が出版されました。
さらに、ケプラーは惑星の軌道は真円でなく楕円であることを発見し、地動説の優位を決定的なものにします。この発見はその後、ニュートンによる古典力学の完成にまでつながって行くのです。
ちなみにコペルニクスの地動説発見は実は再発見というか、古くから知られていたものの精緻化で、賞賛されるべきは楕円軌道という今まで知られていなかった概念を理論化したケプラーという話もあります。
ただ、そうなるとコペルニクス的転換ではなく、ケプラー的転換になってしまいますね。
 
4.そこから学べること
 
これでブログ記事を終えると単なる天動説と地動説の説明になってしまうのですが、要するに自然科学にしろ、社会科学にしろ、測定や観測の精度というのが非常に大切だというのがまず一つの結論ですね。不幸にして恒星が遠すぎたために、年周視差が肉眼では観測できず、よって地動説は事実であるにもかかわらず、事実であるとの認識が遅れた。
もう一つ大切なのは、議論の出発点を誤ると、秀才や天才がいくら緻密な計算をしても正しい結論にはたどり着けない、ということ。膨大な観測データを踏まえて、へんてこな理論で説明してしまう、同様のことは他の分野でも起こりうることです。
 
たとえば、極端な話、国債をいくら発行しても日本政府はデフォルトしない、という考え方があります。他国とは次元の違うGDP比の国債を発行しても確かに目に見えるようなえぐいインフレは起きていません。日本経済は他国の経済とは違う、とか、日本の国債消化はメインが国内だから大丈夫、とかいろいろと小賢い人が理屈をこねくり回していますが、要はこれらは日本政府はデフォルトしない、という誤った前提でデータの都合のいい部分を見たり、理論を考えた、その結果ですよね。
実際には、これまでもギリシアに代表されるように政府のデフォルトはあるし、そもそも「特別」と言っていた日本経済ですが、一人当たりGDPではすでに世界で40番目ぐらいの水準まで落ち込んでいます。日本は普通の国になりつつあるのだから、気づいたらデフォルト、なんてことも案外近い将来にあるかもしれません。日本人がうっかりしているうちに日本経済はびっくりするほど劣化しています。
一方で、これまで、デフォルトするすると言われながらもデフォルトには至っていません。これは、日本経済の規模や国債のあり方など、さまざまな要因から成り立っていることですが、これをもっていくらでも借りなさい、とはならない。むしろ、災害などの危機に至った際に、どんどん借りるために、日頃は健全財政が必要なのです。
 
5.トンデモに陥らないためには!?
 
さて、財政再建と口にすると「財務省の手先」と叫ぶ人々がいて、先頭には頭のいい(笑)T橋Y一先生(博士殿!)などもおられますが、彼の記事なんかを読んでいるといつも「ああ、プトレマイオスを10000回ぐらい劣化コピーしたら彼になるな」なんてことを思います。この話をすると長いので別の機会に譲りますが、大切なのは適切なデータを踏まえること、議論の前提を誤らないことです。もとより、それは賢いことでも議論の多数派を占めることでもありません。
いま、SNSによる発信が全盛で、金融から医療まで、さまざまなトンデモ発信がありますが、歴史的に見ても最も緻密で力を持ったトンデモの一つである「天動説」の驚くべき緻密さと、その出発点を誤った要因に思いをはせれば、多少なりとも真実や事実に近づく一助になるかもしれません。
 

 
 
 
 
 

正午、和光市役所でも職員、来訪者で黙祷を行わせていただきました

正午、和光市役所でも職員、来訪者で黙祷を行わせていただきました。平成最後の敗戦の区切りの日。あの日の埼玉は多くの地域で今日と同じように晴れだったようですね。高見順は「烈日」の鎌倉で「蝉がしきりと鳴いている。音はそれだけだ。静かだ。」と『敗戦日記』 で述べています。蝉の声が響きます。

陛下の「お言葉」が宮内庁のサイトに出ましたので、リンクさせていただきます。
http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/30#130

翁長沖縄県知事の訃報に接して

翁長雄志沖縄県知事の訃報。
特に右翼系に評判が悪く、左翼系の支持を得ていたように世間的には見える翁長氏。しかし、実際に沖縄の保守系政治家複数からうかがっていた本当の姿は、単なる左翼とか、転向保守、というゆるいものではなく、日本は真に独立しなければならない、沖縄の負っている不当な負担を変えなければならない、とにかく高い要求をしなければ現実は変えられない、やれることは蜘蛛の糸にしがみついてでも試みる、という考えを追求する(いい意味で)こすっからいまでのリアリストである、というものです(いずれも、彼を応援する声はありませんでした)。
今まで、このことについて、私は一切発言したことがありませんが、もう故人のことだからいいでしょう。

和光市も基地を抱えるまちです。今の政権は、沖縄を含め、この基地の存在について、根本的な変化をもたらしうる政権ではありません。それは皆が認めることでしょう。
一方で、短期的には今の政権の仕事は少なくとも野党と比較すると一定の評価をしうる存在であることは言うまでもありません。短期的に見れば現政権の外交はいい仕事もかなりやってきている方だと私は思います。たとえば、海外から見た日本の存在感はもう、戦後のラジオを売りまくっていた頃より少し大きいぐらいまで急速にしぼんできています。そんな中、海外の首脳と積極的に交わり、懸命に日本のプレゼンスを保つ努力をしている、ということは多少政治をかじった人間なら皆、理解しています。

ただ、問題は中長期的な我が国の主権とか、地域の未来です。翁長さんは、今の野党の無責任な遠吠えには不満を持ち、一方で、今の与党の妥協的な姿勢の先には現状を根本的に変えうる何かがあるとは見ていなかったに違いありません。
ならば、リアリストになって、何にしがみついても現状を動かすためにあがいてやる、頼りない野党をも利用できるだけ利用する、そんな思いで最後まで戦い続けたに違いありません。
私がうかがっていたのはそんな姿です。

私は翁長さんのやり方で日米関係が変わる、とは思いませんでしたし、翁長さんの手法を支持したことはありません。しかし、翁長雄志という保守政治家が自分なりに国の将来を見据え、地域の未来を展望して足掻き、もがき続けた先に見続けた理想は決して忘れません。
米軍基地を抱える自治体の長として、少なくともほとんどの国会議員よりも何倍も長い射程で発想し、戦い続けた翁長雄志さんに心から「お疲れ様でした」と申し上げます。

平和の木が着実に育っています!

平和の木が着実に育っています!

平成22年11月21日、市制40周年と平和市長会加盟を記念して、野口保市議会議長をはじめとする約60名の市民とともに和光市役所の南側入り口付近に植樹した被爆アオギリ2世。

一度は不届き者に折られて枯れてしまうかと危惧しましたが、上記の写真の通り、順調に育って、今では見上げるほどの大きさになりました。

親木は昭和20年8月6日に広島市内(今の平和公園の敷地内)で被爆したアオギリで、2世を平和市長会の事業として広島市にご提供いただきました。

和光市は毎年、平和祈念講演会や関連事業(下記リンク先参照)を通じて、平和の大切さを訴え続けます。

http://www.city.wako.lg.jp/home/kyoiku/heiwa.html

朝霞地区一部事務組合の新し尿処理施設がオープン

朝霞地区一部事務組合の新し尿処理施設が完成。記念式典を行いました。
この施設は、汲み取り式のトイレのし尿や浄化槽の汚泥を前処理し、下水に放流できるようにする施設です。総工費は約7億五千万円。稼働から50年が経過し、限界に来ていた旧施設と比較するとコンパクトな施設です。
臭気漏れを防ぐ施設など、最新の施設で、タンクの容量にも余裕を持たせ、3日分ぐらいは溜めることができます。
なお、本日は防衛補助を受けて建設した関係で、北関東防衛局長さんにもお越しいただきました。