1981年のアルバム(その20 Ghost In The Machine/The Police)
1980年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.1から、No.2へ・・・
・・・で、登場するのは・・・
The Police
長い目で見れば、「Policeなら、当然No.1・・・」
そんなイメージですが、当時としては、ニュー・ウェイヴの騎手としての
Policeだけに、「よくぞここまで・・・」そんな印象の方が強かったでしょう。・・・
(因みにこの年、最高位No.2止まりのアルバムは、Pat BenatarのCrimes Of Passionと・・・2枚だけです。・・・)
4枚目にあたるそのニュー・アルバムも登場、タイトルは・・・
Ghost In The Machine
Arthur Koestlerの同名小説から、インスパイアされたタイトル
そして彼らとして初の普通の英語のタイトルです。(笑)
1981年初頭の日本公演あたり以降、さらに人気の幅を広げ・・・
この時代の Beatles的存在にも・・・
完全にビッグ・ネームの1つとなっていました。
そんな1981年夏にリリースされたシングルが・・・
Invisible Sun
それまでのPoliceのイメージとは一新
スローな重厚なナンバー
但し「北アイルランド紛争」をテーマにしているということもあって・・・
米国では、リリースされませんでした。・・・
そしてこのアルバムGhost In The Machineがリリース
世界的には、最初のシングルとなったのは・・・
Every Little Thing She Does Is Magic
イントロから、キーボード音🎹、楽曲の展開もユニークなキャッチーなナンバー
これは大ヒット間違いなし、と同時にPoliceって凄いバンドになった
世界中の人がそう思ったことでしょう。・・・
自分は、すぐに欲しかったので、輸入盤入荷と同時にLPレコードを購入しました。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、Jeff Kent Ayeroff、Mick Haggerty
アートワーク、デザインは、Mick Haggerty
デジタル化された3人の顔を表しています。・・・
レコーディングは、1981年6月~7月
モントセラト島 AIR Studios、ケベック Le Studioにて・・・
プロモーション・ビデオ等にはその録音風景が使われています。・・・
The Police、メンバーは・・・
Stingベース、リード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ダブル・ベース、キーボード🎹、サックス🎷他
Andy Summersギター、バッキング・ヴォーカル、キーボード🎹他
Stewart Copelandドラムス、パーカッション🥁、バッキング・ヴォーカル他
マスタリングは、Ted Jensen
エンジニアリングは、Hugh Padgham
プロデュースは、The Police、Hugh Padghamです。
一部を除いてほぼ全曲、Stingの作品です。
A面1曲目、ドラムスから、シンセサイザー音、サックス🎷も入って・・・
Spirits In The Material Worldでスタート、静かに歌い始めるSting
歌のリフレインで、パワフルにもり上げていきます。・・・
アルバムから第3弾(第2弾)として、全米No.11、全米メインストリーム・ロック No.7、全英No.12、アイルランド No.6、カナダ No.13、オーストラリア No.50、オランダ No.6、西ドイツ No.44・・・新生面を見せたナンバー
邦題は短縮で「マテリアル・ワールド」です。
2曲目、流れるようなキーボード音ピアノ🎹、それに合わせて歌うSting
Every Little Thing She Does Is Magic、キーボード🎹は、Jean Rousssel
一転して、ラテン・フレーバーも入ったポップで軽快な曲調に
後半は、Stingもハイトーンでシャウト気味、キャッチーでノリのいいナンバー
前述の通り、世界的には第1弾シングル(英国等では第2弾・・・)で、全米 No.3
全米メインストリーム・ロック No.1、1982年の全米年間シングル・チャート No.79、全英 No.1、シルバー・ディスク獲得、1981年の年間 No.41、アイルランド、カナダ、オランダでNo.1、オーストラリア No.2、イタリア、ベルギー No.3、ノルウェー No.5、ニュージーランド No.7、南アフリカ No.12、フィンランド No.15、西ドイツ No.21・・・この時点でのPolice最大のヒット曲
邦題は短縮で「マジック」です。
3曲目、シンセサイザー音がカウントとともにフェイドイン、静かにコーラスが響き・・・
Invisible Sun、語るように歌うSting、ドラムスからパワフルな展開に
エフェクターを効かせたギターがドラマチックに響き・・・
最後はコーラスとともに、フェイドアウトしていきます。
先行シングルで、全英 No.2、シルバー・ディスク獲得、アイルランド No.5、オランダ No.27、オーストラリア No.85・・・
多くの国ではシングル・リリースされませんでしたが、2008年2月のThe Police再結成の来日公演で映像とともにプレイされたのが印象的でした。・・・
4曲目、ホーンが響いて、軽快なリズムで、Stingが歌う・・・
Hungry For You (J'Aurais Toujours Faim De Toi)
サブタイトル通り、フランス語を交えて、力強く響きます。
5曲目、ドラムスから、サックス🎷が入り、ギターも、アップ・テンポで・・・
Demolition Man、元々は、Stingが、Grace Jonesに提供したナンバー
1981年にリリース、ここでは、いわばセルフ・カバー
邦題は「破壊者」、ビートに合わせて早口で歌うSting
Andyのギターが唸り、ベースでは、Danny Quatrochiが参加
ホーンも終始入り、ギターとかけ合い、タイトル通り、ハードなナンバー
1993年、同名映画の主題歌として、Stingはソロでもセルフカバーしています。
B面1曲目、ギターから、ホーンが響き、Stingによるコーラス
Too Much Infomation、Stingの歌、シャウトは、デビュー当時のまま・・・
バックの音は進化・・・やはり当時の社会を風刺したナンバー
後半、Andyのギターもフィーチャーされます。
2曲目、ドラムスから、Stewartが刻むアップ・テンポなビート
Rehumanize Yourself、Sting、Stewart Copelandの作品
Stingならではのハイトーンでのスピーディーな歌
そこへ、ホーンが効果的に加わります。
3曲目、スカ・ビートにやはりホーンの音が加わって・・・
One World (Not Three)、Stingのあの歌、Stewartの刻むリズム
やはり唯一無二のPoliceサウンドです。
4曲目、エフェクターを効かせたギターから、ハードなロック・ナンバーに
Omegaman、Andy Summersの作品、邦題「オメガマン(最後の人類)」
Stingがパワフルに歌い、作者のAndyが随所に凝ったプレイを聴かせます。
5曲目、シンセサイザー・サウンドから、ドラムス中心にフェイドイン・・・
Secret Journey、静かに歌い始めるSting、暗い曲調ですが・・・
サビの部分はポップなメロディ、途中ブレイクでAndyが凝ったプレイ
米国では、第3弾シングルで、全米No.46、全米メインストリーム・ロック No,29
この曲に関しては、シングル・カットされたことも忘れられています。(笑)
6曲目、ドラムスのビートに合わせて、ギターが刻まれ・・・
Darkness、Stewart Copelandの作品で、キーボード🎹も担当・・・
マイナーな曲調で、最後も静かにフェイドアウト、邦題は「暗黒の世界」です。
尚、Stewart Copelandは、2018年、Gizmodoromeで来日した際
自ら歌ってプレイしました。
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.2
全米でトリプル・プラチナ・ディスク獲得
1982年の全米年間アルバム・チャート No.10
全英 No.1、プラチナ・ディスク獲得、1981年年間チャート No.5
カナダ、オーストラリア、オランダ、イタリアでNo.1、スペイン No.2、西ドイツ No.4、ニュージーランド No.5、ノルウェー No.5、スウェーデン No.6、オーストリア No.11・・・欧州を中心に世界中で驚異のビッグ・セールスです。
そして日本、オリコン・アルバム・チャート No.29
前作は、来日公演とタイミングも合っていたということもありましたが・・・
洋楽アーティストとして、続けてビッグ・セールス
人気の幅を大きく広げ、日本でも、Rolling Stones、Queen等
同等の存在になったといえるでしょう。
そのように日本でも大人気のロック・バンドとしての地位も定着した The Police
次の来日公演は、恐らく武道館で複数回あるだろう・・・
そう思われたのですが・・・
Ghost In The Machine Tourでの日本公演は、ありませんでした。
このツアーが短かったのと、恐らく、あまりにもビッグになったPoliceとの折り合いが、容易につかなくなっていたのでしょう。・・・
この当時、親しくなっていた同年代のフランス人の知人とロックの話をしていて・・・
彼は、So Lonelyをいつも口ずさむほど、Policeが好きだったけど、Zenyatta Mondattaは、今1つだった・・・と言っていて・・・
まだ聴いていないという、Ghost In The Machineを聴かせたのですが・・・
最初「Stingは、叫ばなくなったな・・・」と言っていたのですが、楽曲が進むにつれ、特にEvery Little Thing She Does Is Magicには興味を示し、The Policeがかなり進化したことを認識したようでした。
さて、ニュー・ウェイヴ・ロック・シーンから抜きんでて超大物となったThe Police
この時点での彼らの最大のライバルは
3人編成で、最大限の音作りを行っている
Rush
それに他ならない、そう思うようになっていたのでした。