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1980年のアルバム(その29 One Step Closer/Doobie Brothers)
1980年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャート最高位 No.3のアルバム
ということで・・・
このシリーズでは常連である・・・
The Doobie Brothers
1979年2月の日本公演あたりを最後に・・・
Jeff Baxter、John Hartman
が脱退
解散とも言われていましたが・・・
ちょうど同じ頃に・・・
アルバム Minute By Minute、シングル What A Fool Believes
が全米No.1
それで解散撤回というわけではないかもしれませんが(苦笑)新メンバーに・・・
元CloverのJohn McFee
、Cornelius Bumpus
、Chet McCracken
活動を再開
そして1980年、第22回グラミー賞では、そのWhat A Fool Believes
Record Of The Year、Song Of The Year
の主要2部門受賞
授賞式には、新しいメンバー7人で登壇しました。
これが決定打となり、Michael McDonaldの評価は絶対的なものに
Michael McDonaldを意識したようなサウンドが音楽界に台頭し始め・・・
Robbie Dopreeの Steal Away
などは、最たる例のように言われ・・・
日本のミュージック・シーンには明らかに、Michael McDonaldのパクり
そのような楽曲が溢れ出していました。
その状況下で、期待された Doobie Brothersの新譜
先ずシングルが登場
、タイトルは・・・
Real Love
シンセサイザー音で始まり、メロウなメロディ・ライン、そして・・・
Michael McDonaldのあの歌声
やはり、唯一無二の Michael McDonaldの楽曲でした。
そして新メンバーによるニュー・アルバム、こちらはタイトルは・・・
One Step Closer
やはり、Michael McDonald中心に作られているよう・・・
日本盤もすぐに登場
自分にとって、Doobie~のアルバム
を発売と同時に購入したのは・・・
初めてでした。
レコーディングは、1980年・・・
カリフォルニア州、ハリウッド Sunset Sound Recorders
カリフォルニア州、ノース・ハリウッド Warner Bros. Recording Studios
ミシガン州、デトロイト United Sound Recorders
ニュー・ヨーク州、ニュー・ヨーク A&R Recordersにて・・・
The Doobie Brothersメンバーは・・・
Patrick Simmonsギター、ヴォーカル
Michael McDonaldキーボード、シンセサイザー、ヴォーカル
John McFeeギター、バッキング・ヴォーカル
Cornelius Bumpusテナー・サックス、ソプラノ・サックス、ヴォーカル
Tiran Porterベース
Keith Knudsenドラムス、バッキング・ヴォーカル
Chet McCrackenドラムス、ヴィブラフォン、マリンバ
準メンバーとして・・・
Bobby LaKindコンガ、ボンゴ、バッキング・ヴォーカル
Ted Templemanタンブリン、カウベル、マラカス
その他、前作に続きNicolette Larson
等、曲ごとにゲストの参加があります。
尚、Tiran Porterは、レコーディング直後に脱退
その後すぐに、Willie Weeksが加入しています。
マスタリングは、Kendun Recordersにて、Kent Duncan
、Tim Dennan
ミキシングは、Sunset Sound Recordersにて・・・
エンジニアリングは、James Isaacson
セカンド・エンジニアリングは、Gene Meros
マネージメントは、Bruce Cohn
プロダクション・コーディネイションは、Susyn Schope
プロダクション・アシスタントは、Joan Parker
そして、プロデュースは、勿論、Ted Templemanです。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクション、デザインは、Jim Weich
写真撮影は、Norman Seeffです。
A面1曲目、流れるような曲調で、リズミカルなギターのカッティング・・・
Dedicate This Heart、軽快にリード・ヴォーカル
は、Michael McDonald
Michaei McDonald、Paul Anka
の作品
そう、勿論、あのDianaのPaul Anka
ですが、この後、Michael
とのコラボレーションも多くなっていきます。
心地よく歌をバック・アップするメンバーのコーラス・ハーモニーに、女性の歌声
そう、この時期売れっ子のNicolette Larson
彼女のLet Me Go Loveに参加したお返しでしょうか。
後半、Corneliusのサックス🎷が少し、フィーチャーされます。
邦題は「このハートをあなたに」、本作
で唯一邦題が付いています。
ヒット性があると思いましたが、シングル・リリースはされませんでした。・・・
2曲目、低音の響いたシンセサイザー音から、メローでメロディアスな曲調に・・・
Real Love、Michael McDonald
、Patrick Henderson
の作品
リード・ヴォーカルは勿論、Michael
力強くあの唯一無二の声で歌われ、バック・アップするコーラス・ハーモニーは・・・
メンバーと、ここでも Nicolette Larson
共作者のPatrick Hendersonもキーボードで参加
シンセサイザー、キーボード類が多用され、そして、Corneliusのサックス🎷も
ストリングス・アレンジメントは、Jimmy Haskell
最後はMichaelの歌とコーラス・ハーモニーでフェイドアウトしていきます。・・・
前述の通り、アルバムから、第1弾シングルで、全米No.5
、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.10
、全米R&Bチャート No.40
、全米クラブ・チャート No.70
、カナダ No.12
、カナダAC No.15
、オーストラリア No.53
・・・
1980年の全米年間チャート No.49
悪い言い方をすればこの時期、Doobie Brothersイコール Michael McDonald
そのイメージがさらに強調されたナンバーでしょう。・・・
3曲目、静かにエレクトリック・ピアノ🎹音がフェイドイン、シンセサイザー音で一転
No Stoppin' Us Now、Patrick Simmons
、Michael McDonald
、そしてManfred Mann's Earth Band
、Night
でお馴染みのChris Thompson
の作品
リード・ヴォーカルは、Patrick Simmons
で、従来のDoobie~
らしい・・・
渋みのあるロック・ヴォーカルを聴かせてくれるノリのいいナンバー
但しバックのサウンドは、キーボード主体、Michaelは歌でもバックアップ
そしてもう1人、共作者のChris Thompson、バッキング・ヴォーカルで参加
サビの部分ではパワフルに熱唱
さらには、エフェクターを効かせたギター・ソロもフィーチャーされます。
尚、Chris Thompsonは、Patrick Simmons
の1983年のソロでの来日公演
にも同行しています。・・・
4曲目、パーカッションとキーボードのラテン風のイントロから・・・
Thank You Love、新メンバーCornelius Bumpus
の作品
リード・ヴォーカルも、Michael
とPat
は、ここではバックアップ
ギター・ソロ、ヴィブラフォン、キーボード、サックス🎷、もう1度ギター
インストゥルメンタル・パートがフィーチャーされ、また少し歌
最後は再びインストゥルメンタル中心にフェイドアウト・・・
まさに当時台頭してきた「ブラック・コンテンポラリー」の典型と言えそうなミディアム・テンポのナンバーです。
B面1曲目、サックス🎷のイントロから、Motown風のポップな曲調に・・・
One Step Closer、アルバム・タイトル曲
、メンバーの Keith Knudsen
、John McFee
、そしてなんと、この当時はNick Lowe
と結婚していたあの Carlene Carter
、この3人の作品
リード・ヴォーカルは作者でない2人
Cornelius Bumpus、Michael McDonald
先ず、Corneliusがソウルフルに歌い、Michael
が加わり、サビの部分では、Motown大好きのMichael
だけに、ノッて歌っていて、Doobie~
ならではのコーラスもキマっている
よくできたナンバー
最後はCorneliusのサックス🎷中心にフェイドアウトしていきます。・・・
アルバムから第2弾シングルで、全米 No.24、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.31
、正直、もっとヒットすると思いました。(苦笑)
2曲目、ドラムスが響きいてきて、軽快なギターのカッティング
Keep This Train A-Rollin'、Michael McDonald
の作品で、リード・ヴォーカル
心地よいリズムをバックに、あのMichaelの歌
そしてここでは、ホーンがフィーチャー
テナー・サックス🎷とホーン・アレンジメントは、Jerome Jumonville
バリトン・サックス🎷は、Joel Peskin、トランペット🎺は、Bill Armstrong
、そして多くのバンドにも参加したLee Thornburg
さらにもう1人、テナー・サックス🎷は、勿論、Cornelius Bumpus
ダイナミックなホーン・セクションをバックにソロ🎷も少し聴かせます。
キーボードでは、Patrick Hendersonも参加
アルバムから第3弾シングルで、全米No.62
となりました。
3曲目、キーボードに、ギターが加わったイントロから・・・
Just In Time、Patrick Simmons
の作品で、リード・ヴォーカル
ミディアム・テンポのナンバーを優しい声で歌うPat、これも彼の一面
バックアップするのは、Michaelともう1人、Nicolette Larson
後半、サックス・ソロ🎷も聴かれます。
4曲目、エレクトリック・ピアノ🎹とギターのイントロから・・・
South Bay Strut、新加入の Chet McCracken
、John McFee
の作品
インストゥルメンタル・ナンバーで、リード・パートは、Corneliusのサックス🎷
ギターもフィーチャーされ、途中、サックス🎷とのかけ合いも聴かれます。
トランペット🎺はLee Thornburg、ストリングス・アレンジメントはJimmy Haskell
当時のジャズ・フュージョンの典型と言えそうなインストゥルメンタル・ナンバーです。
5曲目、パーカッションに、キーボード、ギターが加わって・・・
One By One、Bobby LaKind
、Michael McDonald
の作品
リード・ヴォーカルは、Patrick Simmons
、Michael McDonald
先ずPatが歌い、そこへMichael
が加わり・・・サビの部分は、Michael
ハイトーンで盛り上げます。
ここでも、キーボード🎹で、Patrick Hendersonも参加
色々なキーボード類が多用され、これがMichael McDonaldサウンド
全般的にミディアム調で、フェイドアウトしていきます。・・・
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.3
全米R&Bアルバム・チャート No.31、全米でプラチナ・ディスク
獲得
残念ながら、この時期、強敵が多く(苦笑)前作に続いて、全米No.1
とはいきませんでした。1981年の全米年間アルバム・チャート No.76
です。
その他、オーストラリア No.18、カナダ No.18
、オランダ No.42
、ニュージーランド No.22
、そして全英 No.53
・・・世界中でビッグ・セールス
さすが、Doobie Brothersと言えるでしょう。
Michael McDonaldが、単独でリード・ヴォーカル
を取っている曲は3曲
もっと多くなっていると思ったのですが・・・
やはり、Doobie~が、Michael McDonald Band
になってしまう・・・
そんな懸念もあったのかもしれません。
一方、予想以上にフィーチャーされているのが、Cornelius Bumpus
元々、Jeff Baxterが、ギター
で、ホーンの音を出していた部分もありましたが・・・今回、彼のサックス🎷がフィーチャーされるところが多くなっています。
またソウルフルな歌も
ライヴでは、Tom Johnston
の歌
は、彼の脱退後、Michael
が歌っていましたが・・・徐々にCornelius
にシフトしていったようです。・・・
・・・とはいえ、この時代、もはやTom Johnston中心の時代とは別物
Michael McDonaldに対する期待が大きく・・・
今後、Michael中心で行くのか、本来リーダー格のPat
はどうなるのか
・・・
興味は尽きない、'80年代幕明けでした。・・・
余談ですが、1989年にTom Johnstonを中心に再結成されたDoobie Brothers
Cornelius Bumpusがメンバーにいたということで、One Step Closer
がプレイされ、Michael
のパートは、Pat
が歌っていました。・・・
一方、同時期にソロ名義でライヴ活動を行っていましたが・・・後半に歌われる What A Fool Believes等、Doobie
のナンバー
、ソロでのヒット曲も含めて、そこまでに歌われた曲とは、ウケが全く違います。
Takin' It To The Streetsは、両者ともプレイするわけですし・・・
是非一緒にやってほしい、いつもそう思っていたのでした。・・・