1976年のアルバム(その96 Best Of The Doobies)
年末というか、クリスマス・シーズンというのは、プレゼントという意味合いもあってか、ベスト盤がリリースされます。
事実、1974年~1975年は、Elton John、1975年~1976年は、ChicagoのGreatest Hitsが全米No.1ということで、年を越していました。・・・
・・・ということで、1976年も然り・・・
いくつか登場した中で、先ずは、The Doobie Brothers
Best Of The Doobies
1976年に日本では、カセット・テープのみでベスト盤が発売されていましたが、正式なベスト盤は初めて
Michael McDonaldが加入
そして、Tom Johnstonも復帰して、7人編成で再スタート
まさにちょうどそんなタイミングのベスト盤であったと思います。
セカンド・アルバム Toulouse Streetから、当時の最新作 Takin' It To The Streetsまで5枚のアルバムから、11曲が選曲されています。・・・
メンバーは・・・
Patrick Simmonsギター、ヴォーカル
Tiran Porterベース、ヴォーカル
John Hartmanドラムス
以上3人は収録曲全曲に参加しています。
Tom Johnstonギター、ヴォーカル
Michael McDonaldキーボード、ヴォーカル
Jeff "Skunk" Baxterギター、スティール・ギター
Keith Knudsenドラムス、ヴォーカル
Michael Hossackドラムス
のべ人数8人
ジャケット写真、デザインは、Bruce Steinberg
ジュークボックスの写真がキマっていますね。
プロデュースは、全曲、Ted Templeman
パーカッションでも参加しています。
A面、勢いよく、China Groveでスタート
サード・アルバム The Captain And Meから、Tom Johnstonの作品で、彼のリード・ヴォーカルによる人気曲
多くのアマチュア・バンドがコピーしたと思います。(笑)
キーボードにLittle FeatのBill Payneが参加文字通り、中華風のメロディも・・・
ドライヴ感あふれるキャッチーなナンバーだけに、全米第15位のヒットとなりました。
2曲目、イントロから、唯一無二のDoobie Brothersのギター・カッティング
Long Train Runnin'
これもサード・アルバム The Captain And Meから、Tom Johnstonの作品で、リード・ヴォーカル、そして間奏のハーモニカも
全米チャート第8位
初のTOP10ヒットとなりました。
3曲目、Takin' It To The Streets
6枚目の同名アルバムからで、当時話題の新加入、Michael McDonaldの作品で、リード・ヴォーカル
でも、コーラス、リズム等、Doobie Brothersサウンドです。
邦題は「ドゥービー・ストリート」で全米第13位のヒットに
尚、レコーディングにTom Johnstonは参加していないようですが、ライヴではプレイしています。
4曲目、Listen To The Music
言うまでもなく、Doobie Brothersのテーマ曲といえるようなナンバー
実はベスト盤ではこれが1曲目と思っていました。・・・
全米チャート第11位と、初の大ヒットで出世作
セカンド・アルバムToulouse Streetから、Tom Johnstonの作品
骨のあるヴォーカルは勿論、Tomですが、途中、Patrick Simmonsの歌が入るところは心地良く軽快に感じます。
5曲目、Black Water
4枚目のアルバム What Were Once Vices Are Now Habits (邦題「ドゥービー天国」)から、Patrick Simmonsの作品で、彼自身のリード・ヴォーカルによる、ブルーグラス風のナンバーですが・・・
最初は、Another Park, Another SundayのB面としてリリースされたのですが・・・
こちらの方が人気に
そして1975年初頭、Doobie Brothersにとって初の全米No.1ヒットとなりました。
尚、ブルーグラスのナンバーだけに、Novi Novogのヴィオラがフィーチャー
Arlo Guthrieも参加しているとのこと
Patを中心に、Tom、Tiran、Keithによる輪唱も印象的です。
尚、ライヴでは、Patは歌詞のMississippiをそれぞれの地名に変えて歌っていて、日本公演では、TokyoとかNagoyaになっています。・・・
この面の最後は、Rockin' Down The Highway
これもセカンド・アルバムToulouse Streetから、Tom Johnstonの作品
歌はTom中心ですが、歌うメンバー全員でコーラス
文字通りドライヴ感あふれるハードなロックン・ロール
1989年に、Tom Johnston中心に、The Doobie Brothersが復活した際、しばらくはコンサートのオープニング・ナンバーになっていて、この曲をタイトルにしたライヴ・アルバムもリリースされました。
B面、Doobie Brothersの売り物の1つは、ツイン・ドラムス
それを象徴するようなリズムで始まる・・・
Jesus Is Just Alright
オリジナルは、1966年にArthur Reid Reynoldsが書いたThe Art Reynolds Singersによるゴスペル・ナンバーなのですが、The Byrdsも1969年にカバーしています。
Doobie Brothersヴァージョンは、セカンド・アルバム Toulouse Streetに収録、Listen To The Musicに続いてシングル・カット
全米第35位に・・・邦題は最初は「キリストは最高」でしたが、シングル発売の際には「希望の炎」に・・・
歌うメンバー全員でコーラス
レコーディングではTomとPatがリード・ヴォーカルを取っていますが、ライヴでは色々なメンバーが歌うようです。・・・
2曲目、一転して、Michael McDonaldの世界へ・・・
6枚目のアルバム Takin' It To The Streetsからで、勿論、Michaelの作品で歌も・・・この年、Carly Simonも取り上げてヒットさせましたが、Doobieもシングル・カット
そう、ちょうどこのBest Of The Doobiesに合わせたようです。
全米第37位とTOP40入り
尚、その後、映画FM、そしてさらに時を経て、映画Forrest Gumpにも使われました。・・・
3曲目、心地よいアコースティック・ギター・サウンドで、South City Midnight Lady
アルバム The Captain And Meから、Patrick Simmonsの作品で、彼の歌
必ずしもそうではないのですが、このアルバムに取り上げられたナンバーから、Tom Johnstonはパワフルな動のイメージ、Patrick Simmonsはアコースティックな静のイメージに思えるかもしれませんね。・・・
4曲目、Take Me In Your Arms (Rock Me)
5枚目のアルバム Stampedeからのシングル・カットで、オリジナルはMotown、Holland-Dozier-Hollandの作品で、最初はKim Westonで、その後、The Isley Brothersも、さらには、Jermaine Jacksonも・・・
Doobie Brothersの方は、邦題「君の胸に抱かれたい」
全米第11位にこの曲として、レギュラー・チャートでは最大のヒットになっています。
ここでのリード・ヴォーカルは、Tom Johnston、ソウルフルな歌を聴かせ、そして、Jeff "Skunk" Baxterのギター・ソロが印象的です。
このDoobie Brothersヴァージョンがリリースされる少し前くらい、1975年の初頭に、Black Waterの全米No.1と、Jeff "Skunk" Baxterをメンバーに加えての勢力的なツアーを行っていたことで、なんとDoobie Brothersの過去の3枚のアルバムがチャートに登場する・・・
そんなすごい状況になっていたのですが・・・
恐らく、Tom Johnstonのその時期のリタイアによって、そのパワーは弱まってしまったのでしょう。・・・
そして、このアルバムの最後は、Without You
アルバム The Captain And Meから、John Hartman、Michael Hossack、Tom Johnston、Tiran Porter、Patrick Simmonsと、当時のメンバー全員の共作、歌はTom中心ですが、歌うメンバー全員で歌っているハードなロック・ナンバー
後半の部分など、The WhoのWon't Get Fooled Againを思わせます。
尚、ちょうどこのメンバーで、1989年に復活したわけで、その当時のライヴではこの曲はアンコールにプレイされていました。・・・
このアルバム
全米チャートでは、第5位
EaglesのようにNo.1にはなりませんでしたが、やはり、クリスマス・シーズンということもあって好セールスにつながったと思います。
ただこのベスト盤、確かにヒット曲もありますが、シングル・ヒットを集めたというよりは、アルバムからの選曲が3曲もあり、さらにはMichael McDonaldの新しい曲を収録している・・・ベスト・アルバムとして予想していた内容とは少し違ったように思いました。・・・
とにかく、このベスト盤の裏ジャケットのメンバー7人の写真を見て、本当に嬉しく思ったものです。
そして、このアルバムは、1つの区切りとして、The Doobie Brothersは7人編成のスーパー・グループとして、さらに巨大化
大きなことをやってくれる・・・
この時点では大きな期待を抱いていたのでした。
(1976年のアルバム その60 Takin' It To The Streetsに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12434211910.html
(1975年のアルバム その37 Stampedeに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12336369348.html
(2017年4月の来日公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12269772180.html