1975年のアルバム(その37 Stampede / The Doobie Brothers)
Steely Danのアルバムに続いて・・・
ちょうどSteely DanからJeff "Skunk" Baxter
が移ってきた形となったThe Doobie Brothers
のStampede
ほぼ時を同じくしてリリースされました。
1975年といえば、The Doobie Brothersにおいて凄いことが起きていました。
Jeff "Skunk" Baxterの加入によってトリプル・リード・ギターに
そしてツイン・ドラムスということで、まさにLynyrd SkynyrdとThe Allman Brothers Band
が一緒になったような状況に
Skunkの加入によってパワー・アップしたライヴ・パフォーマンス
は絶賛
その前年にシングル発売されていたAnother Park, Another SundayのB面だったBlack Water
がチャートをじわじわ上昇
そして遂に初の全米No.1に
その収録アルバムWhat Were Once Vices Are Now Habitsもチャートを上昇してTop5入り
・・・そうしたら何と今度は、The Captain And Me、Toulouse Street
もチャートに再登場
まさに1大ブームが起きていました。・・・
そんな時、リリースされたこのStampedeだけに大いに期待されました。
そして先行シングルとして、Take Me In Your Armsがリリース
こちらはモータウンでお馴染みのソングライター・チーム 、Holland-Dozier-Hollandの作品
Kim Weston、The Isley Brothers
でもヒットしたこのナンバーを取り上げたとはいえ、まるでオリジナルのようなノリノリのサウンド
「君の胸に抱かれたい」という邦題でラジオでもガンガンかかり始めていました。
この歌はとにかく気持ちいい
それとこの間奏のギター・ソロ
さすがJeff "Skunk" Baxter
この部分だけ曲調が変わる
それが、このアルバムを買う動機づけとなりました。
この時のメンバーは・・・
Tom Johnston(以降、Tom
)
Patrick Simmons(以降、Pat
)
そして、Jeff ”Skunk" Baxter(以降、Skunk
)
このトリプル・ギターに、ベースはTiran Porter
ドラムスはJohn Hartmanと正式にはこのアルバムから参加した歌も歌うKeith Knudsen
さらにはキーボードとして、Little FeatのBill Payne
プロデュースはお馴染み、Ted Templeman
彼はパーカッションでも参加
エンジニアはその後プロデューサーとして一世を風靡するDon Landee
その他、曲によってゲスト・ミュージシャンが参加
Doobieも超大物になったことを示しているよう・・・
尚、正式参加の時期が遅かったので、ジャケットの馬に乗っている写真撮影時にJeff "Skunk" Baxterはいなかったとのことです。(苦笑)
A面に針を下ろすと、流れるようなBill Payneのピアノのイントロから・・・
ドライヴ感のあるギター
そして左右から、ドラムス
Tomのソウルフルな歌
が気持ちいい
Sweet Maxineでスタート
ホーンも加わり、まさにオープニングに相応しいナンバー
途中、Skunkのギター・ソロも入ります。
続いて1曲目に比べたらアコースティックな感じですが、アップ・テンポでノリのいい、Neal's Fandango
こちらはPatらしいナンバー
ツイン(トリプル)ギターも心地よく響きます。
3曲目はややスローとなって、Texas Lullaby
Tomのシンガーとしての力量発揮のナンバー
ゲストのNick DeCaroによるストリングス・アレンジメントが曲を雄大なものに
そして後半のアコースティック・ギター・ソロが圧巻です。
同じくTomの歌ですが、一転、ハードなロック・ナンバー、Music Man
Curtis Mayfieldがストリングスとホーンをアレンジ
短い曲ながら、よく出来たナンバーです。
心地よいアコースティック・ギター音から、インストゥルメンタル、Slat Key Soquel Rag
Patらしいナンバー
彼のソロといった感じでライヴ
でも定番です。
B面に移ると、そのシングル・カット第1弾、Take Me In Your Arms (Rock Me A Little While)
アルバム・タイトル通り、Stampedeといった感じ
Rock Me, Rock Me~のコーラスも気持ちいい限り
テンポが変わっての、Skunkのギター・ソロは最高です。
そしてアルバムの中での聴きもの、I Cheat The Hangman
Patの歌、そしてゲストのMaria Muldaur
を中心としたコーラスは美しく・・・
後半のインストゥルメンタル・パート、ここでもNick DeCaroのストリングス
そしてゲストのConte And Pete Candoliのトランペット・ソロがドラマチックに響きます。
尚、Patはライヴ
でこの後半部分だけをプレイすることもあります。
インタールードといった感じで、Skunkのアコースティック・ギターによるPrecis
が短くプレイされ・・・
一転、軽快なギターから、Rainy Day Crossroad Blues
ゲストのRy Cooderのボトルネック・ギターも、Tom
の歌を盛り立て、そしてここでもNick DeCaro
のストリングスで締められます。
再び熱いロック・ナンバー、I Been Workin' On You
Tomの歌を、女性コーラスがバックアップ
よりソウルフルになっています。
そしてブギー調のノリのいい、Double Dealin' Four Flusher
作者のPatを中心に、Tom
、そしてKeith
も歌っているよう・・・
途中、スローになり、そして軽快なピアノから、最後はギター・ソロでフェイドアウトしていく・・・Doobieらしい終わり方でしょう。・・・
このアルバム
本当に最高のロック・アルバムと言えるでしょう。
そして、何といっても勢いのノっている時の、Doobieだけに、Chicago
やEarth, Wind & Fire
を蹴落として、すぐに全米No.1になると思ったのですが・・・
4位まではいったものの、そこで止まってしまい・・・
さらにはノリのいい、Take Me In Your Arms~もTOP10入り直前で勢いが止まってしまいました。・・・
日本には正しい情報が入ってきていなかったのでは、と思いますが・・・
どうもこの時期に、Tom Johnstonが休養してしまったよう・・・このアルバムで半数以上の曲を歌っているTom
の休養は大きく・・・
さらには気まぐれな()Jeff "Skunk" Baxter
は一時的とは言え、Elton John Band
に参加してしまったのですよね。・・・
そんなこともあって、このアルバムリリースの時のプロモーションはしっかりできなかったのでは
と、思っています。
それと、Michael McDonald
彼はキーボード奏者のいないDoobie Brothersに7人目のメンバーとして加入
Doobieはさらに強化された
といったことが日本の音楽誌には載っていましたが・・・
実のところ、先ずはTomがいなくなった歌の部分を補っていたのですよね。
その後の、Michaelの活躍ぶりを思うと・・・何とも皮肉です。・・・
ということで、大傑作アルバムであるにも関わらず、当時の状況によって・・・
さらには、その後のMichael McDonald加入後の大活躍によって・・・
あまり目立たなくなってしまった・・・
いわば損をしたアルバムと言えるかもしれないでしょう。・・・
ところで、2017年4月の久々の来日公演
なんとBill Payneがキーボード奏者として参加
あのSweet Maxineのイントロが彼の音で
鳥肌が立つほど、感動しました。
・・・にも関わらず、この公演ではドラムスが1台だけ
いかなる理由であれ、これは残念でなりませんでした。・・・
(2017年4月の来日公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12269772180.html
尚、Doobieもキャリアが長いので、今回はStampede
周辺のことに限らせていただきました。・・・