1977年のアルバム(その60 LivinOnTheFaultLine/DoobieBros)
1977年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.10のアルバム
を続けていますが、次に登場するのは・・・
奇しくも1976年のシリーズも60枚目だった・・・
The Doobie Brothers
1976年の初来日公演には来なかったTom Johnston
も元気に復活
正式に7人編成となった、Doobie~には本当に期待していたのでした。
そして、1977年の秋になった辺りに、遂にそのアルバムは登場しました。
タイトルは・・・
Livin' On The Fault Line
邦題は「運命の掟」
原題とは違いますが、Doobie~らしいタイトルと思いました。
The Doobie Brothers
メンバーは・・・
Patrick Simmonsギター、リード&バッキング・ヴォーカル
Michael McDonaldキーボード、シンセサイザー、リード&バッキング・ヴォーカル
Jeff Baxterギター
Tiran Porterベース、リード&バッキング・ヴォーカル
Keith Knudsenドラムス、バッキング・ヴォーカル
John Hartmanドラムス
そして、Tom Johnstonギター、リード&バッキング・ヴォーカル
あとサポート・メンバーとして・・・
Bobby Lakindコンガ、バッキング・ヴォーカル
その他曲ごとにゲスト・ミュージシャンが参加
さらに、Ted Templemanパーカッション
David Paichホーン&ストリングス・アレンジメントとクレジットされています。・・・
レコーディングは1977年・・・
カリフォルニア州、ハリウッドの、Sunset Sound Recorders、Western Recorders
カリフォルニア州、北ハリウッドの、Warner Bros. Recording Studios
エンジニアは、Donn Landee
セカンド・エンジニアは、Kent Nebergall
プロデュースは、勿論、Ted Templemanです。・・・
A面、ギターではなく、キーボードの音から、ドラムスが入り、スタートするのは・・・
You Made That Way
歌うは、Michael McDonald
従来のDoobie~のサウンドがより洗練された感じ
全体的に、Bobby Lakindのコンガがリズムをより強化
バック・コーラスには、メンバーと、Michaelの妹のMaureen McDonald
が参加
、Michael
、Jeff Baxter
、Keith Knudsen
の共作
、邦題は「思いのままに」
です。
2曲目、心地よいキーボード音から、爽やかな歌、Echoes Of Love
Patrick Simmonsの歌、そのPat
と、Willie Mitchell
、Earl Randle
の共作
、Doobie~
従来のコーラスに、Michael
が加わることで、まさに「鬼に金棒」といったところ、タイトル通り、軽快に響きます。
Tom Johnstonの声も印象的で、アルバム中、1番Doobie~
らしいナンバーと思いますが、第2弾シングルとしてリリースされ、全米No.66
でした。・・・
3曲目、パーカッションの音からリズミカルにスタートするのは・・・
Little Darling (I Need You)
そう、Marvin Gayeの1966年のヒット曲のカバー
作者は、勿論、Holland-Dozier-Holland
ここでの歌は、Michael、日本でもお馴染みのRosemary Butler
も加えたメンバーのコーラスをバックに楽し気に歌っている様子が伺えます。
後の時代に、カバー・アルバムを出すほど、MichaelはMotown大好き
なのでしょう。後半のギターも印象的
・・・
このアルバムから、先行シングルとしてリリース、全米No.48
でした。
4曲目、一転、キーボード音のイントロから、Michaelが静かに、そして力強く歌い始める・・・You Belong To Me
Carly SimonとMichael
の共作、ここでもRosemary Butler
のコーラスが印象的
、以前のDoobie~
には考えられなかったナンバー
尚、翌年1978年に、共作者のCarly Simonが大ヒット(全米No.6
)させます。
5曲目、ギターのカッティングに、Victor Feldmanのヴィブラフォンが入ってきて・・・タイトル曲、Livin' On The Fault Line
、「運命の掟」
Patrick Simmonsの作品で、先ずPat
が歌い、コーラスが入り、そして歌はMichael
へ・・・
キーボードとギターのかけ合い、そしてヴィブラフォンのソロも
後半は硬質のギター・ソロ(Jeff)がしっかりフィーチャーされ、タイトル曲だけにアルバム中、傑出したナンバーです。
B面、やはりキーボード音から、Nothin' But A Heartache
Michaelの作品で、勿論、歌はMichael
後で思えば、唯一無二のMichael McDonaldの世界なのですが、コーラスが加わると、Doobie Brothers
と実感します。
邦題は「嘆きのハート」、アルバム
から第3弾シングルになりました。・・・
2曲目、ツイン・ドラムスから、ギター、キーボード・・・ハイトーンで、Patが歌う、Chinatown
、彼の作品ですが、終始、Michael
がコーラスでバックアップ
途中の間奏部分は、Chinatownの光景・・・この部分はJeff Baxter
が中心のプレイと思われます。
そういえば前作ではジャケットにChinatownの写真が使われていました。・・・
3曲目、今度はややスローなキーボード・プレイから、There's A Light
静かに歌うMichael、彼の作品で、邦題は「光ある世界」
そして、ソロの部分では、当時はSteve Miller Bandのメンバーだった、Norton Buffalo
がハーモニカ・ソロを聴かせます。
バックのストリングス、Rosemary Butlerのコーラスも効果的です。
4曲目、ドラムスのビートにファンキーなベース、そしてソウルフルな歌声
そう、ベースのTiran Porterが歌う、Need A Lady
彼自身の作品、前作でも1曲、彼の歌(For Someone Special)がありましたが、このようなナンバーではMichael
のキーボードが効果的です。
ゲストのDan Armstrongのエレクトリック・シタールもフィーチャーされます。
5曲目、アコースティック・ギターによるインストゥルメンタル、Larry The Logger Two-Step、Patrick Simmons
の作品で、恐らくPat
1人のプレイ
彼ならではのナンバーですが、1分強と短め・・・
アンコールといったところなのでしょうか・・・アルバムはここで幕を閉じます。・・・
尚、このアルバム
自分はLPレコードの時代は、A面ばかり聴いていました。・・・(苦笑)
まさに待望のメンバーが揃った、The Doobie Brothersのニュー・アルバム
完成度が高く素晴らしい作品
そのように思ったのですが・・・
そう、Tom Johnstonの歌がないのです。・・・
メンバーとしては、クレジットされているのですが・・・
Echoes Of Loveで、少し声が聴こえるくらい・・・
休養中にリリースした前作でも、1曲、Turn It Loose
が入っていたのに・・・
でもこの時は、復帰したばかりで、きっと間に合わなかったのだろうな・・・その程度に思っていたのでした。・・・
・・・でも実際のところは、このアルバムリリース時には、既にTom Johnston
は正式に脱退してしまっていたようでした。・・・
一方、バンドをリードしていく存在として頭角を表してきたのが、Michael McDonald
やはり、Tomと2人の共存は難しかったのでしょうか。
・・・
元々、代わりのメンバーという形ではなかったと思うので、何とも皮肉にも思います。
7人編成の待望のアルバムだったのが・・・
実は、Michael McDonaldサウンドの大ブレイクへの過渡期のアルバム
だったのでした。・・・
・・・とはいえ、完成度の高いアルバム
(Echoes Of Loveとか、状況によってはもっとヒットしたかと思いますが・・・)
特に大ヒットが出なかったことで、Doobie~の中ではその後は地味な存在になっているものの、1977年を象徴するアルバム
の1枚
そして、この後の大ブレイクを示唆する1枚
そのように思っています。
(1976年のアルバム その96 Best Of The Doobiesに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12463054137.html
(1976年のアルバム その60 Takin' It To The Streetsに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12434211910.html
(1975年のアルバム その37 Stampedeに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12336369348.html
(2017年4月の来日公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12269772180.html