1979年のアルバム(その37 Van Halen II)
2020年10月6日、Eddie Van Halenさんがお亡くなりになりました。・・・
近年、一世を風靡されたロック・ミュージシャンの訃報も少なくありませんが・・・
Eddieさんに関しては世界中の多くの人を悲しみのどん底に突き落とした・・・
改めて、天才ギター・プレイヤーとしてだけでない偉大さを実感したのでした。
Rest In Peace
ということで、1979年のアルバム・シリーズ
全米最高位第6位のアルバムということで、次に登場するのが・・・
Van Halen II
神技と言える Eddieのプレイ
そして、唯一無二といえる圧倒的な個性のDavid Lee Roth
アルバム1枚で、世界中を圧倒した Van Halenだけに、大きな期待が寄せられていました。
そしてそこからのシングル・カット曲が・・・
Dance The Night Away
シングル・ヒット狙い・・・メジャーなコード進行のポップなロック・ナンバー
それでも、Daveのあのダイナミックな歌い方
随所に出てくるEddieのギター
ポップでもパワフルな重みを感じるナンバーです。
ともにチャートを急上昇、そして日本でもすぐに発売
シングルの邦題は「踊り明かそう」、まあ直訳と言えるでしょう。・・・
そしてアルバムの方は、なんと・・・
「伝説の爆撃機」
なんという邦題と思いましたが・・・(笑)
Eddieのギター、そのものを表現しているでしょう。・・・
レコーディングは、1978年12月10日~16日
カリフォルニア州、ハリウッド Sunset Sound Recordersにて・・・
David Lee Rothリード・ヴォーカル
Eddie Van Halenギター、バッキング・ヴォーカル
Michael Anthonyベース、バッキング・ヴォーカル
Alex Van Halenドラムス
ミキシングは、Westlake Audioにて・・・
エンジニアリングは、Don Landee
セカンド・エンジニアリングは、Corey Bailey、JImFitzpatrick
ドラム・テクニシャンは、Gregg Emerson
ギター・テクニシャンは、Rubin (Rudy) Leiren
プロデュースは、前作同様、Ted Templemanです。
アルバム・ジャケット、アート・ディレクション、デザインは、Dave Bhang
写真撮影は、Elliot Gilbert、Neil Zlozower
ライナー・ノーツは、Linda Hennrick
(因みに日本盤解説は、ミュージック・ライフの東郷かおる子編集長)
オリジナル曲は全曲、Eddie Van Halen、Alex Van Halen、Michael Anthony、David Lee Rothの作品です。
A面1曲目、ギターの弦の摩擦音から、低音のビートが響き・・・
You're No Goodでスタート、Clint Ballad Jr.の作品
1963年の Dee Dee Warwickをはじめとして、Betty Everett、The Swinging Blue Jeans等が取り上げていますが、何といってもLinda Ronstadtの1975年の全米No.1ヒット、邦題は同じく「悪いあなた」
スローに歌い始める Dave、そして、Eddieのギター
"You're No Good~"の部分は、Linda Ronstadtと違いシャウト気味に・・・
そして、後半、Eddieのソロがフィーチャーされます。・・・
2曲目、カウベルの音が響き、ポップなギターのイントロから・・・
Dance The Night Away、「踊り明かそう」
Daveの歌い方はパワフル、それをバックアップするメンバーのコーラス
メジャーなコード進行で、ポップでノリのいいナンバーですが、随所にEddieのギターも光っています。
前述の通り、アルバムから第1弾シングルで、全米No.15、カナダ No.28
全米でTOP20に入り、それまでで最大のヒットとなりました。
あの Jumpに繋がるナンバーと言えると思います。
3曲目、ドラマチックに始まり、ハードなギターによるフレーズのイントロ
Somebody Get Me A Doctor、軽快にパワフル、理屈抜きにストレート
ここでもDaveの歌をメンバーがコーラスでバックアップ
そしてギター・ソロ、ベースが合わせます。・・・
3分の中に、Van Halenの魅力が凝縮されたようなナンバーです。
多くのギター・キッズにコピーされました。・・・
そのように人気曲、1979年に来日記念シングルとして日本独自で発売
邦題は、なんと「必殺のハード・ラヴ」でした。
4曲目、ギターのピッキングから、ハードなブギーへ・・・
Bottoms Up!、Daveは軽快にパワフルに
コーラスのリフレインも効果的に
勿論、Eddieのギターもフィーチャーされます。
5曲目、エフェクター音がフェイドイン・・・ベースが響き・・・
Outta Love Again、早口で歌うDave
"Outta Love~" のコーラスも印象的
やはり Eddieのギター、ドライヴ感溢れるロック・ナンバーです。
B面1曲目、ギターの単音が響き、ハードなイントロへ・・・
Light Up The Sky、アルバムで1番スピード感溢れるナンバー
ここでも、Daveの歌をメンバーのコーラスがバックアップ
ドラムスもフィーチャー、ギターとベースの息はピッタリ
邦題は「輝ける空」です。・・・
2曲目、一転して、Eddieのガット・ギター・・・
Spanish Fly
フラメンコ風のEddieのソロによるインストゥルメンタル・ナンバー
1分ながら、Al Di Meolaとの共通点も感じます。・・・
3曲目、一転して、ハードなロックに
D.O.A.、"Dead Or Alive"のこと・・・
シンプルなビートに合わせて歌うDave
"Daed Or Alive~"のコーラスはポップにバックアップ
Eddieのギターを、Michaelのベースがフォローしています。
邦題は、直訳というか、「生か死か」です。
4曲目、ギターのタッピングから美しい音色に・・・それが一転、ヘヴィーな音に
Women In Love...、ややスローなハード・ロック・ナンバー
Daveと他のメンバーとのコーラスのかけ合いも印象的
随所にEddieのギターが出てきます。
5曲目、最後もやはりハードなフレーズのイントロから・・・
Beautiful Girls、軽快にリズミカル
Daveも軽快に歌い、それに合わせてEddieのギター・・・
Daveは後半、ラフな感じに歌い・・・最後はキス・マーク
アルバムから第2弾シングル、全米 No.84でした。・・・
全米最高位No.6、初のTOP10入り
カナダ No.15、オーストラリア No.68、オランダ No.11、スウェーデン No.22、西ドイツ No.24、全英 No.23・・・
そして、日本でもオリコン・アルバム・チャート No.30
全米では、500万枚突破
デビュー・アルバムに続き、大ベスト・セラーとなりました。
そのデビュー・アルバムほどの衝撃はなかったかもしれませんが、全10曲、ほとんどが3~4分台ながら、Eddieのギターも勿論、Daveのパワフルな歌、それをバックアップするコーラス・ハーモニー・・・
完成度の高いナンバーが揃っていて、大きな成長ぶりを感じる
そんな Van Halen IIであると思います。「
1979年9月、このアルバム発表直後に、2度目の来日公演が発表され・・・
なんと日本武道館公演も含まれていました。
自分は当時、そこまで行くことはできませんでしたが・・・
その後暫く日本公演はありませんでした。
そしてオリジナル・メンバー4人による来日公演はこの時が最後・・・
まだアルバム2枚発表しただけの時期ですが、この時行かなかったことを悔やむようになるのでした。・・・
1979年という年・・・
「伝説の爆撃機」の快進撃は、さらに大きくなりつつあったのでした。