今日掲載の連載記事あり
日本経済新聞(夕刊)連載「あすへの話題」
今日(4月9日、金曜日)は執筆者のひとり、THE ALFEEの高見沢俊彦さんの担当日。
高見沢さんの第14回目。テーマは「風曜日、君をつれて」。
まず1986年リリースのTHE ALFEEのシングル「風曜日、君を連れて」が生まれたエピソードを紹介する。余談だが、この曲は私もリアルタイムで聴いて知っている。
そこから風にちなんで、西洋占星術では「風の時代」に入ったことや、ヨーロッパでは現在「風力発電」が見直され、利用が盛んになっていることを伝える。
最後は、一刻も早くステージに立ってこの「風曜日、君をつれて」を演奏したい、「勿論!その時は有観客で」とコラムを締めくくっている。
そう言えば、「風の詩」「北風の中」「風の中」「風の歌がきこえる」「風に抱かれて」「風よ人よ」「風よ」「風になって」…など、応援している松山千春にはタイトルに「風」を使い、「風」を歌ったものがとても多いことに改めて思いをめぐらした。
風曜日、君をつれて――ミュージシャン高見沢俊彦(あすへの話題)
2021年4月9日本経済新聞 夕刊
年に120本以上のコンサートをやっていた1980年代。今日が何曜日なのかわからなくなるぐらい多忙な日々、スケジュール確認でカレンダーをボーッと眺めていて突然ハッと気づいた。曜日に月や火や水はあるのに風がないのだ。ならばと勝手に特別な日を風曜日と命名し、「風曜日、君をつれて」というタイトルで曲を作ってみた。デモの評判もよく、トントン拍子に86年3月発売のアルフィーのシングル曲に選ばれた。まさに忙しさが生んだ偶然の産物だ。
今は風の時代だという。西洋占星術の世界では昨年、星の配置が変わり、土の時代から風の時代へと移行し、今後それは200年続くらしい。風が目には見えないように、今後は知識や情報など形のないものが重要視され、物質文明の名残である土地や現金に執着しない生き方が注目されるという。信じるかどうかは自由だが、コロナ禍以降、我々の生活様式は大幅に変わってしまい、今までの価値観も形骸化しつつある。そう考えると強(あなが)ち否定は出来ない。
最近、ヨーロッパでは風力発電が見直され、その導入が盛んになっていると聞く。風力発電は有害物質なども排出せず、環境に優しい利点があり、これからのエネルギー問題において、ベストな選択だと推し進められている。ただ風が弱いと使い物にはならないデメリットもある。とはいえ風の時代のエネルギー源としてはピタッと収まりがいい。音楽自体も目には見えない。耳で聴いて心で感じ、人の心を癒(いや)す役割を担っている。風の時代、一刻も早くステージに立って「風曜日、君をつれて」を演奏したいものだ。勿論(もちろん)! その時は有観客で。
2021・4・9
第13回
第12回