<2244.01.28>加筆
<2023.11.26>公式音源挿入
<2019.09.15>

 

2024年1月21日放送の「松山千春 ON THE RADIO」では、2024年元旦に発生した能登半島地震などについて話し、自曲「今を生きたい」をかけた。

 

「季節は厳しいですけど、ぜひ体調に気をつけられ、お互い健康でいましょう。松山千春、今回最後の曲は、もうほんとに祈りを込めて、松山千春『今を生きたい』」

 

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今日(2021年9月15日)放送の「松山千春 ON THE RADIO」

 

千葉県下の大停電、断水を気にかけ、そこで奮闘する皆さんにエールを送った後、自身の「今を生きたい」をかけた。

 

以下、昨年(2020年)9月3日に同曲への思うところを書いた拙稿があったので、抜粋、編集して掲載した。

 

 

松山千春「今を生きたい」


シングル「君を忘れない」(1996年4月リリース)のカップリング曲。


アルバム『起承転結Ⅶ』(1997年3月リリース/オリコン最高位39位)の10曲目。

 


先日、32年来お世話になっている先輩と10年ぶりに語り合った。


先輩が語っていた。

「病気になり、退職し、郷里に帰った。そこで新しい仕事に就き、子どもたちも転校し、家族を取り巻く環境はがらっと変わった。でも、俺はこうなったからこそ分かったこと、実感したことがたくさんあった。こうなることに意味があったと心から思える。

ただ、それを誰彼に語っても、分からない。俺が負け惜しみを言っているとしか思わない。だからこの心境を語ったのはお前で3人目だ。もう他の人には語らない。語ったところで、決して分からない」

よく分かる。先輩が自己の殻に閉じこもっているわけではまったくない。そういう身になった人でなければ掴むことが出来ない境地がある。

今に至る経緯はどうあれ、今置かれた場所を受け入れ、そこで今を生きる。大きく苦労した分、自分自身が大きくなる。辛く悲しい思いをした分、自分自身が優しくなる。

松山千春は「人間らしく」という曲(1993年9月リリース、アルバム『夏の終わりに』の2曲目)で、

「すすけた顔に 微笑み浮かべ
決められた道 踏みはずしたけど
四季折々の愛に抱かれ

僕は今 輝いている」

と歌う。

 

 

その会社、業界などにその構成員の中で何となくイメージされているコースがある。誰かが一見閑職と見られる部署などに異動すると”あいつは出世コースから外れた”と言う。

でも、ひとりの人間の人生の軌道にあっては、世間的で表層的な進むべきコースや決められた道など、本来ないんだろう。

コースから外れたかな?と仮に思ったとしても、それはあくまでひとつの世界の相対的なものでしかない。

絶対的な自分自身の人生のコースの中で、掴むことができる思いがある。

変えられない過去に生きれば、とかく自分を責めたり後悔したりすることが先立つ。どうなるか分からない未来のことを考えれば、時に不安が先立つ。


やっぱり「今を生きること」に尽きる。そしていつの日か、それが本来自分の進むべき道だっと、後から思う。

 

「今を生きること」

「目の前のことに全力を注ぐこと」


その先に、これまでより一歩も二歩も深まった自身の心境を感じるのだろう。

 

 

 

涙が頬を ひとつこぼれて
どうしてこんなに
哀しいんだろう

つぶやく度に心が少し
優しくなれると思えるといい

こんな時代と 空をあおげば
白く浮かんだ 雲は流れる

過去や未来に 生きることより
二度と帰らぬ 今を生きたい


口唇強く 強くかんでも
どうしてこんなに
淋しいんだろう

つぶやく度に心が少し
強くなれると思えるといい

こんな時代と 空をあおげば
やけにまぶしい 燃える太陽

過去や未来に 生きることより
二度と帰らぬ 今を生きたい

過去や未来に 生きることより
二度と帰らぬ 今を生きたい