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takacciの「見た・観た・聴いた・読んだ」

音楽に関すること、観たこと、読んだことへの感想などを書いていきます。(文中敬称略) 2019年4月より別サイトで掲載していた写真の記事も同居させましたが、20年7月に元に戻しました。

本ブログの無断転載はお断り致します。

日時: 2022年8月14日(日)14:00

場所: サンパール荒川大ホール

曲目: 「アテネの廃墟」序曲、「カレリア」序曲、ドヴォルザーク交響詩「真昼の魔女」、ブラームス・交響曲第2番

指揮: 高橋俊之

 

楽団名は彩恵と書いてあやと読むそうだ。

前半のステージは多分聴いたことの無いような演目ばかりで、退屈するかなと思いきや、しっかりと曲の解釈が演奏に行き渡っていてじっくりと聴くことが出来た。こういう意欲的なプログラムを組んでもメインステージ以外の演奏はイマイチなことがアマオケでは多々ある、という印象を私は持っているが、今回は違った。それでも、あまり聴いたことの無い曲を聴いてすぐ素晴らしさを理解できる鑑賞力は持ち合わせていないので、上手な演奏だな、割りと良い感じの曲だな、と思うものの、序曲二曲はさささっと終了した。「アテネの廃墟」にあのトルコ行進曲を思わせるような共通する印象は無かったし、「カレリア」序曲は少しあの聞き覚えのあるマーチの雰囲気があったが曲としてはあまり分からなかった。帰宅後調べてみたら、あのマーチはこの組曲の第三曲のようだ。あのマーチでなくこの地味な序曲を選ぶ辺りにこの楽団の志向性の強さを感じる。「真昼の魔女」は前半の中で一番良かった。聴いていてプログラムの解説で読んだ曲の構造が良く分かった。この作曲家の交響詩はアマオケが取り上げることが結構あるのだけれど、構造が分かって楽しめたのはこれが初めてだった。但し、解説の筋書きによると最後は悲嘆にくれて物悲しく終わるのかと想像していたのが、予想外に劇的な結末だった。であるから、曲はまだ終わっていない、と思っていたのに指揮者が終了のポーズをしたのであれっと思ってしまった次第。

 

メインステージは私が常々、アマオケには難し過ぎるのではないかと思っているブラームスの交響曲。これが、予想外に終始曲を楽しめて、驚くとともに大変ありがたく思った。他のアマオケのブラームスの演奏で一番大変そうに見えたのが、曲の本流部分に「加わっては離脱する」を繰り返し、全体に彩りを添えつつ表情を微妙に変化させる管楽器群だった。多分難しい指使いなのだろう、表に目立つ箇所を懸命に吹き終えても、短い休符のあと再び同じリズムの本流に乗らねばならなくて、息絶え絶え、運指メロメロに成りがち、リズムも追い付けなくなり、かろうじて「抜け」は免れても全体の響きを汚してしまう。ところがこの日の演奏では健闘が実りやり遂げていて見事だった。

これでブラームスの交響曲は、数か月前に楽しめた1番とこの日の2番、二曲の良い演奏を経験したことになる。ラッキーラッキー! 3、4では未だそういうことが無いので(特に4)、曲自体の良さを疑り始めている始末。良い出会いが来るよう願いたい。

日時: 2022年8月13日(土)14:00

場所: ミューザ川崎シンフォニーホール

曲目: エニグマ変奏曲、アルプス交響曲

指揮: 和田一樹

 

この演奏会とTBSK(手羽先?)オーケストラ(夜公演@ティアラこうとう)とどちらに行くか、或いは頑張って両方行ってしまうか、かなり迷ったけれども結局は台風接近で否応なく夜は断念。でもTwitterには「こう行けば両方行けるよ。」との時刻表付き投稿もあったくらいだから、実行した人も居るのだろう。

 

演奏団体は自らを「アマチュア」と名乗っているけれど高レベルの演奏だった。おかげで苦手にしているエニグマの曲の姿がこれまでよりくっきりと見えた。それでもこの曲はまだまだ聴くための勉強が(私の中で)足りていないらしく、曲に浸るまでは行けなかった。

アルプスの方も大変レベルの高い演奏で充分堪能。とてもダイナミックで鮮明な4K映像を見ているように感心する。頻繁に演奏される曲ではないから、こういう立派な演奏で聴けたことに大いに感謝。だが、R.Straussって大好きかと問われればそれ程でも~と、普段から持っている印象が変わることは無かった。

 

さて、演奏を聴きながら思い付いたことがあるので書き留めておく。この2曲のように長大かつ各章に表題が付けられている曲だと、その章の表題をスクリーンに表示してくれたら、或いは寄席のように捲り札を立ててくれたら、多少は曲をより楽しく鑑賞できるのではないだろうか、という点である。昔どこかの演奏会で見た覚えがあるのだが定かではない。(或いはオペラ公演での字幕表示の記憶が変質して、見たことあるような気になってるのかもしれない。) 好きで繰り返し聴いている曲、しかも繰り返し解説に目を通している曲であれば表題を持つ章に対する作曲家の意図を頭に入れることが可能だろうけど、そうでなければ休憩時間にプログラムの解説をざっと目を通す程度。それで頭に入るのは簡略化された粗筋であり、エニグマ変奏曲であれば、各章はエルガーが標的にした関係深い人たちのイニシャルだという情報、アルプス交響曲であれば、早朝に山登りを開始し、登頂し、嵐に襲われながら下山するという程度のストーリーだけなのである。自分の部屋で解説を見ながら音楽を流す、というようには行かないのである。長大な曲の演奏中、自分はそのストーリーのどの部分に居るのか分からなくて途方に暮れていると、激しい嵐はすぐ分かって「あっ、もうじき終わるな」と思う程度なのである。字幕があったら詳細を憶える必要がなくなると思うのだが如何だろうか。

日時: 2022年8月11日(木)14:00

場所: 江戸川区総合文化センター大ホール

曲目: ローマの噴水、幻想交響曲

指揮: 田部井剛

 

「幻想」は超が付くほど好きな曲であり、あまり好きでなかったレスピーギも去年「ローマの祭り」を良い演奏で聴いて目からウロコを落とした記憶が強く残っていて、指揮者もおなじみの方。となれば「Go!」でしょう。山の日という、いつどういう訳で出来たのか分からぬ休日ではあったが、団員が結集しやすい祝日が増えればアマオケの演奏会は増えるのであるからありがたく受けとめる。猛暑の続くお外を避け冷房の効いたコンサートホールで生の音楽に集中できるってのは、日本の夏の最高の過ごし方の一つかもしれないし。

 

ローマの噴水は美しい響きが耳に届き、これは楽しめそうだと思ったのが油断だったか、重めに食べたランチと(何故か)冷房がまだ行き届いていなかった2階席、感染対策のマスクを外せない息苦しさ、それに意外と聞こえて来ない舞台の音、などの要因で眠気に支配されてしまった。曲も「ローマの祭り」から想像していたような大音響の曲ではなく、拍子抜けもあったのだろう。この勘違いは今後に生かさねばと思う。機会があったら「ローマの泉」の演奏にも耳を傾けて品定めをやり直したい。

 

ぼおーっとした頭を復活させるべく休憩時間に出来るだけロビーを動いたのだが、幻想の前半はまだ楽しめなかった。しかし第4楽章、大太鼓・ティンパニの超大音量打撃で喝が入ったのか、その後乗りに乗ってフィナーレを迎えることが出来た。演奏している方々にとってはプレッシャーと闘いながらの大奮闘なのだから、今回の私のような聴き方は全く褒められるものではない。まずは、ランチの取り方から工夫しなくては、と思う。

日時: 2022年8月7日(日)14:00

場所: 北とぴあさくらホール

曲目: フィデリオ序曲、ドヴォルザーク Vn協奏曲、チャイコフスキー4

指揮: 清水醍輝

独奏: 長原幸太

 

あまり耳にした覚えのない楽団名のオーケストラ。もらったプログラムに載ってる過去の演奏会の記録を見たら、会場は大船、横浜、川崎、と神奈川が殆どであり、それもメインは大船のようだから、先ずは会場の遠さで私の行先選考から漏れていたようだ。今回の会場は王子とまあまあ活動範囲内であり、しかも三度聴いて三度とも素晴らしい音楽をプレゼントしてくれた指揮者が指揮するのだから行かなくちゃ、と、特に好きな演目があるわけでもないながら聴かせて頂くことにした。

 

最初のフィデリオ序曲ですぐ、良い響きで説得力ある演奏に引き込まれた。しかし、いいなあ、とうっとりしているうちにすぐに終わってしまった。

Vn協奏曲は無念ながら沈没。終始うとうと状態だった。目の前で綺麗な音楽が進行しているのに、こちらからは取り付く島もないといった感じで手掛かりが見付からず、ずるずると意識を失う、また目覚めて挑戦するも撥ね返される、この繰り返しを何回かやってしまった。聞き覚えのあるテーマがあちこちに出てきたのは覚えているのだが、それがどのように展開・発展するのか分からなかった。

チャイコフスキーは期待以上に良かった。しばらく聞いていない間に曲への印象が、大きな音の出る曲、となってしまい、その上、チャイコフスキー後期の交響曲の中では構成的にも少々、、、な曲で、との先入観があって、それなりに構えて演奏に臨んだのだけど、演奏は着実にバランス良く進み、他の楽団ではよくある「金管の吹きすぎ」による他声部圧迫は第一楽章のごく一部で起きただけで、概ね全合奏においてもバランスが崩れることは無かったと思う。聴きながら思ったもう一つのことは、この曲の響きとか構成の仕方が白鳥の湖に似ているな、ということ。同じ作曲家が作った曲同士なのだから当たり前と言えば当たり前ながら、これまでそのように感じたことは無かったので新鮮に思えた。終楽章の第一主題はさすがにうるさ過ぎるけど、終始あの手この手の工夫が凝らされていて聴き応えのある曲、と見直して会場をあとにした。

日時: 2022年7月24日(日)14:00

場所: ティアラこうとう大ホール

曲目: モルダウ、白鳥の湖抜粋、ボロディン交響曲2

指揮: 田代詞生

 

何とも素晴らしい演奏だったので大変満足。嬉しかった。弦楽器特にバイオリンが安定感、まとまり、音色、表現力ともに素晴らしく、良く歌う。音色が豊潤でつやっぽささえ感じた。ダブルベースも大いに貢献していた。ヴィオラはちょっと弱いのが惜しまれる。管はアマオケらしいミスがあったけどこれはしかたない。花形であるべきオーボエ、クラリネット、フルートが場所によって不安定になっていた。しかし良い箇所では素晴らしいのだ。

 

モルダウがのっけからテンポ設定が良くびっくり。出だしにクラリネットが割れた音を出してしまうなど不安要因もあったのに説得力ある演奏を組み立て続ける田代詞生という腹の出た指揮者の力量たるや計り知れないものを感じた。大変説得力のある演奏で、始まりのモルダウの源流を描写した辺りの音楽がどのように鳴っているのかが良く分かった。他のアマオケだったら「何かもごもごやってるけど良く聞こえないな」となることが多い部分だ。自宅のステレオからこの曲が流れて来ても、だいたい途中で聴くのを止めてしまうのだが、最後までじっくり引き付けてもらい驚愕だった。これは白鳥の湖抜粋でも同じで、構成力・安定感・説得力、いずれも目を見張らせるもの。今回の抜粋はよく演奏される組曲とはほとんど違う選曲であり、退屈するんじゃないかな、との予想は大外れ。何とも素晴らしかった。

ボロディン! 演奏が始まるとそれは何回か別のアマオケで聴き、辟易していた曲だった。えーこんなの最後まで聴いていられるかなあ。しかし、この指揮者で聴いているとストーリーが分かり見通しも良かった。しっかりとした演奏。この曲は簡単に分かりやすそうなテーマが用いられているけれど、全体としてはかなりの問題作と言うか、意欲作と言うか、簡単に一般受けするような曲ではなかっただろうことが理解できた。ロシアの民族主義的でもあり、しかし部分的にはエルガーの交響曲のような響きが聞こえたようでもあった。演奏を聴き終え楽団、指揮者の奮闘に頭が下がるばかりと感じた。それでもまた近々に再び聴きたい曲でもない。

 

今回の演奏会はオケの仕上がりの良さもさることながら、田代詞生氏という指揮者に出逢えたことに、とおーっても感謝したい。いつもの指揮者ではないから今回は期待できるのかどうか、などと思っていたのだが、津田沼でやるブルックナーを袖にしてまでのらりと自転車で乗り付けたこの演奏会で、このように大きな邂逅を果たしてしまうとは何という幸運だろうか!

日時: 2022年7月23日(土)13:30

場所: 調布市グリーンホール大ホール

曲目: 真夏の夜の夢より2曲、エニグマ変奏曲、スコットランド

指揮: 横山俊允

 

コロナは社会に満ち満ちて来ていて、外出すれば感染しそうな勢い。それにも増して戸外の蒸し暑さの酷いこと! それでも家でエアコンを浴び続けていると息苦しく感じて、演奏会場の涼しさの中で妙なる音楽に耳を傾けたいという気持ちが優勢になった。家から調布への交通機関も快適で、乗り換えのため途中駅の陽ざらしのホームで待っても車内で冷えた体は多少の時間なら大丈夫だった。

 

真夏の夜の夢からの2曲は夜想曲と結婚行進曲で、2曲とも分かり易いが夜想曲の方はメリハリに乏しく、もう一つの行進曲の方は名にし負う有名曲で、華やかさが良かった。

エニグマの方は私には難し過ぎか。何となく曲が進行していき、過半はもごもごした変奏であり、時折ティンパニーが鳴り響き大音量で似たような曲想が繰り返される、というふうに感じてしまった。曲全体だとどのようなストーリーがある曲なのか、今目の前で鳴っている音響は曲の中でどのような意味があるのか分からず、無念ながら沈没してうつらうつらしていた。こういう状態になると、着用することになっているマスクが余計眠気を助長した。

 

大好きなスコットランドは聴いていて曲に没入でき、有難く思った。実はこの曲、とても上手だと思っている他のアマチュア楽団で最近聴いており、そちらでは期待に反してイマイチ曲に入り込むことができず、ことによると思っていたより大したことない曲なのかもしれぬ、と斜め後ろ向きな気持ちを持っていたのである。それを気持ち良く聴かせて頂き、今後は好きな曲の一つとして楽しみに出来そうだ。技術的には前回の方が上の楽団なのに、どうしてこういうことが起きるのか、不思議と言えば不思議。

日時: 2022年7月17日(土)14:00

場所: タワーホール船堀大ホール

曲目: プロメテウスの創造物序曲、モーツアルト「パリ」、「英雄」

指揮: 松元宏康

 

せっかくコロナ禍から回復できそうな雰囲気が出ていたのに、またぞろ大量の感染者が出てアマオケの演奏会の今後も危ぶまれる。聴衆がシーンとして演奏を聴くクラシックの演奏会ではクラスターは起きにくいのではないかとは思うものの、素人の私としては社会のリーダーを信用し、様々なコロナ対処法に従っている。予定されている演奏会が中止の憂き目を見ないよう祈るしかない。

 

当演奏会にはパリと英雄という大好きな二曲に惹かれて参集させて頂く。メインステージには英雄が据えられていたのでそちらのほうに力を傾注しているのだろうと勝手に推測していたのだけれど、意外にもパリの方が軽妙な演奏を楽しめて、英雄の方はパート間に出来の良し悪しの差があり、一つのハイライトたるべき葬送行進曲内のフーガでバランスが崩れていたり、パート間の協奏曲のような第四楽章の変奏曲が乱れたり、で、少々聴く集中力を削がれた感じだった。こうなるのだと事前に予測できれば、パリのほうをもっと集中して聴けば良かったのだろうけども、そちらはそちらで速いテンポゆえの乱れのせいか不揃いになってテーマが聞こえにくくなったところがあったから、頑張って聴いても絶賛・感動とまでは行けなかっただろう。

 

 

 

日時: 2022年7月18日(月)14:00

場所: 新宿文化センター大ホール

指揮: 野村洸太朗

曲目: 交響曲「ハフナー」、ジークフリート牧歌、ブラームス1

 

ついにこの連休は三日通してアマオケを聴きに行った。

本日は久しぶりの新宿文化センター。

プログラムによると、この楽団は世田谷の地域の子供のための活動の一環として誕生したそうで、文字通り草の根系のアマオケと言えそうだ。

前半ステージのハフナーでは、弦楽器群の出す音が自信なさげにもじょもじょしており、人数が居る割りに演奏が聞こえて来なかった。ここ数年随分アマオケを聴いてきたが、こういう音と対峙する演奏会は久しぶりだった。二曲目のワーグナーでは速いパッセージが無かったから運指の苦労から解放されたのか、だいぶ音に響きが加わったようにも見えたけれども、弱音になると頼りない消え入るような音になって大変そうだった。

 

より演奏に苦労するはずのブラームスは如何なることに?

この心配をよそに、交響曲第1番はなかなかの堂々とした響きで始まり、驚かされた。これは練習のリソースをこの曲に重点的に注いだためなのだろうと想像。コンマスのソロにもうっとり。

大健闘しながらも終盤に疲れが出たのか、肝心なところで木管群が息切れを起こし充分な音量が出なくなった?箇所もあったように思う。それでもよく最後まで頑張った。曲全体を通して見ればなかなかの演奏だった。楽器の演奏が出来ない身として、こんな難しそうな曲を演奏し通してしまう皆さんの努力を想像すると尊敬の念を抱かざるを得ない。

 

アンコールのハンガリー舞曲第1番では、途中で拍がずれてしまうという危機があったが、何とか演奏を続けて止まらずに済んだ。コロナ禍で演奏会が中止になり、今回は3年ぶりの演奏会なのだそう。だからアンコールをやる気持ちは分かる。であっても、頑張った交響曲第1番で終わりにした方が良かったんじゃないかなあ。

日時: 2022年7月16日(土)14:00

場所: 杉並公会堂

曲目: レ・プレリュード、前奏曲と愛の死、ブルックナー4

指揮: 東貴樹

 

最近足の遠のいていたコンサート通い。老衰の身内が気になり外出しにくいためです。そんな中、前日がかなり安定していたので、チケットを予約しひさしぶりの出動となった。

前半の二曲は好きになれない曲であり、聴いていて新たな発見があれば儲けものと考えて聴く。プレリュードの方は以前より少し、細かいところにも注意が向くようになったけれど、相変わらずあの「運命のテーマ」みたいなのが出て来すぎで、交響詩と題されていることから曲の筋を前もって読んでおかないと楽しめないのかなあ、そんなの嫌だ、とか余計なことを考えながら聴いていた。ワーグナーの方はのっけから付いて行けずたちまち集中が切れ、ぼんやりしているうちに終了。

ブルックナーは楽しんだです。あれだけ長い曲をアマチュアが弾き切るというだけで素晴らしいのだが、随所に健闘するパートソロが散りばめられた、しっかりした演奏も聴かせて頂いた。とっぷり一時間程ブルックナーに浸れた、というのが感想です。あれっ、と感じたのは指揮者のアクションの地味さ。テンポの指示と多少の音量の指示以外はただただ淡々と振っているだけに見えるのだけれど、出てくる響きは表情があってメリハリが付いている。何か不思議な感じでした。少なくとも指揮を見ているだけだったら退屈するので、主旋律を奏でているパートのほうに目を向けるようにしてました。必要な指示は普段の練習で徹底されていたのだろうか。

日時: 2022年6月18日(土)18:00

場所: 神奈川県立音楽堂

曲目: シューベルト交響曲3、ベートーベン「英雄」

指揮: 清水醍輝

 

今年に入ってからは音楽に飽きてしまわぬよう、また週末が忙しすぎにならぬよう、演奏会に行くのは週末に一回だけと決め、交通費削減のためあまり遠いところにも行かないようにしていた。この日の会場は桜木町から徒歩7分ほどであり、我が居住地からは「遠い」のが明らかであり、普通であればパスするところだった。この日楽しみにしていた女子サッカー中継を3時に見終わった時点でもパスと考えていたのだが、外語大のコンサートで素晴らしい統率力を二回も見せつけてもらった指揮者が私の大大好きな「英雄」を振ることに惹かれ、遠征を決行することにした。JRが安全確認のためベタ遅れになっていたり、到着すると予想外の雨にも見舞われながら、駅から会場への急坂でひいひい言いながら辿り着いた県立音楽堂では、しかし、予想を驚くほど上回る嬉しい演奏が待っていたのでした。

それはシューベルトの三番。未完成、グレイト以外のシューベルトの交響曲はFM放送でもたまに、アマオケの演奏会でもたまに取り上げられるけれど、親しみ易い旋律が型通りに流れるだけで面白くないという印象しか持っていなかった。それがこの日の演奏では生き生きと精彩を放つ響きと表情があって、驚きで目を開きながら、浮き浮きと全体を楽しめたのだった。えっ、こんなにいい曲があの有名な二曲以外にもあったの!?と思いつつ、大きく得した気分で聴き終えた。第三番の印象を確認すると言うか、頭に定着させるためと言うか、帰宅後YouTubeで有名指揮者の昔の演奏を流してみたのだけれど、これは私が従来抱いていたシューベルトのイメージの演奏でつまらなかった。この日立ち会った演奏は格別に私を打ったということだろう。指揮者にも楽団にも感謝感謝。

英雄のほうは各パートのバランスが良く、相当上手な方々の集まりではないかと思った。これほどの方々だと葬送行進曲のフーガで各パートが良く浮かび上がり良い。特にヴィオラがしっかりしていて、良いなあと思った。スケルツォのトリオのホルンも、フィナーレの変奏曲のフルートソロも良かった。ありがたや。好きで好きでたくさん聴いているため、シューベルトで受けたような驚愕は無かったけれど、やはりオーケストラの曲は演奏会の現場で聴くのが一番いいよなあ、と良い気分に浸りながら家路に就いたのでした。サッカー中継を観終わってボーっと過ごしていたらこんな気分には成れなかったのであり、この日の気まぐれ遠征ははっきり吉と出たのであります。