☆乳児健診 Q&A ~育児編~☆
日頃から、当院での乳児健診を沢山の患者様にご利用頂いております。そこで今回は、健診時によく寄せられるご質問をいくつかまとめてみましたので、何かのご参考にして頂ければと思います☺Q1 現在、母乳栄養のみですが、混合栄養にしなくてもいいのでしょうか?Ans:基本的には自律哺乳といって、「好きな時に好きなだけ」飲ませてあげて下さい。 現実には健康な赤ちゃんの哺乳量はかなり個人差があります。一般に、赤ちゃんが元気でおっぱいをゴクゴク飲んでいる音が聞こえていれば、十分な量の母乳が飲めていることが多いものです。尿量として1日に布なら6枚、紙なら5枚以上オムツがびっしょり濡れていて、色が薄く臭いも強くないのがひとつの目安になります。また少し長い目で見ると、母子手帳の成長曲線に沿って体重が順調に増えていれば、まず問題はありません。Q2 授乳時間が長くて、1時間ぐらい授乳することもあるのですが、足らないのでしょうか?Ans:授乳回数については特に制限はなく、好きな時間に哺乳してかまいません。人工乳の場合は胃を通過するのに2~3時間を要しますので、その程度の授乳間隔が必要ですが、母乳の胃通過時間は30分程度ですので、1時間程度の間隔で十分です。月齢が進むとともに授乳間隔が開いて、哺乳量にもムラが出来てくるのが普通ですが、個人差がかなりあります。 哺乳時間については生後数か月の乳児は哺乳反射で哺乳していますので、母乳の場合だらだらと長引いてしまいがちですが、実際には初めの5分で必要量の9割近い量を飲んでいますので、片方10分程度で十分です。あまり長時間の授乳はお互いに疲労しますので、休み休みの吸啜になってきたら適当にきりあげて構いません。Q3 ミルクを嫌がって母乳しか飲みません。仕事に就くため保育園に預けようと考えていますが、どうしたらいいでしょうか?Ans:保育者や保育場所に慣れ信頼関係を作ることが大切です。安心すると飲めることが多いです。慣らし保育で2~3時間預け、送迎時に直接授乳するといった段階を踏むとよいでしょう。哺乳瓶を嫌がる場合、子どもの空腹のタイミングをみて、乳首を工夫する、お母さん以外の方が哺乳瓶を使って練習する、哺乳瓶以外の方法(コップ、スプーン、スポイトなど)を使ってみるなどを試してみて下さい。また母乳を冷凍保存して使うことも可能です。Q4 離乳食はいつから開始したらいいでしょうか?Ans:もともと離乳食はわが国独自のものといわれていますので、決まった方法があるわけではありませんが、離乳食は頸が座り、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなった頃(生後5~6ヶ月)から始められます。Q5 離乳食のすすめ方について教えて下さい。Ans:離乳の目的は乳離れでなく、固形食を咀嚼していく練習です。初めは哺乳瓶が通らないようなドロドロ・ベタベタしたペースト状の食品を嚥下する練習から始め、次第に咀嚼運動が見られてきたら、舌で潰せる形態・歯茎で潰せる形態と順次進めていきます。 内容・種類・回数・量などにはあまりこだわらず、その後十分授乳されていれば1歳頃までは栄養的には問題ありませんので、急がずのんびり進めて構いません。回数も自由ですが、生活リズムを作って行くのも重要ですし、家族と一緒に食卓を囲むのも大切です。楽しい雰囲気を作ることを重視してあげてください☺ 参考文献⦅三重県乳児健診マニュアル⦆