地中海の島々
地中海には、1万以上もの島が点在していることをご存じ?
マヨルカにサルデーニャ、シチリアといった有名な島はもちろんのこと、高級リゾートであるコルシカ島沖のカヴァッロ島や、陽気な雰囲気が漂うバレアレス諸島のフォルメンテーラ島など、あまり知られていない楽園が数多くあるのです。
古代遺跡、世界有数の美しいビーチ、その地ならではのグルメ体験など、地中海にはそれぞれの目的にぴったりの島が必ず見つかります。
ここでは、忘れられないバカンスを過ごすことがきっとできる、地中海の10の島をご紹介。
1 フヴァル島(クロアチア)
フヴァル島がクロアチアで最も人気のある島のひとつである理由は、ラベンダー畑、オリーブ畑、人里離れた白い砂浜のビーチにある。
“ダルマチア諸島の女王”と呼ばれるこの島には、スタイリッシュなウォーターフロントのレストランや人の少ない入り江、美しいアクアマリン色の海などがあり、毎年夏には多くのセレブたちが訪れる場所となっている。
港で星空を眺めながら散策するのも楽しいが、街を見下ろすフォルティカ要塞まで足をのばし、島々を一望するのもおすすめだ。
2 ヴィス島(クロアチア)
クロアチアにあるヴィスも、地中海に浮かぶ素晴らしい島のひとつ。起伏に富んだ美しい海岸線、伝統的な石造りの家が立ち並ぶ村、緑豊かなビーチを持つこの島は、映画『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』のロケ地にもなっている。
ダルマチア諸島のなかでも最西端に位置しており、魅力がたっぷりだが、1989年まではユーゴスラビアの海軍基地として使われていたため、観光客がまったくいなかった。
「ヨーロッパで最も美しいビーチ」としてよくメディアで紹介されているスティニヴァ・ビーチは必見スポット。
3 シチリア島(イタリア)
不動の人気を誇るシチリア島。活火山・エトナ山のふもとに静かに横たわる地中海最大のこの島は、2022年の大ヒットドラマ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』のシーズン2の舞台となったことでさらに有名に。
ギリシャの神殿やフェニキア人の遺跡、美しいビーチに恵まれているが、イタリアの他の島々と一線を画すのは、その素晴らしい食文化だ。
スローフード運動のパイオニアであるここでは、数千年にわたる文化と文明が融合し、ヨーロッパで最も興味深いフードカルチャーのひとつを作り上げている。
4 マルタ島(スペイン)
シチリア島のすぐ南に位置する小さな島、マルタ島。地中海南部における故郷のような雰囲気が魅力で、1960年代まで英国に統治されていたため、今でも英国の影響が色濃く残っている。
首都ヴァレッタは要塞都市で、現在はユネスコの世界遺産に登録されており、歴史好きにイチオシ。精巧なバロック建築や、ローマ法王が滞在する際にミサを捧げる聖ヨハネ大聖堂なども見どころだ。
澄んだ海に恵まれており、ダイビングやシュノーケリングを楽しむ人たちからも大人気。ビーチでのんびりしたいなら、隣のゴゾ島も訪れてみて。
5 コルシカ島(フランス)
1000キロメートルに及ぶ海岸線、200ものビーチ、一風変わった単線鉄道を有するコルシカ島は、地中海で最も素晴らしい島々のひとつとして名高い。
かつてジェノヴァ共和国に統治されていたこの島は、フランスとイタリアの影響を色濃く残している。18世紀からフランスの一部となり、かのナポレオン・ボナパルトの出生地として、また魚介類やワインでも有名だ。
コルテやカルヴィ、ポルト・ヴェッキオに残る要塞を訪れるのもお忘れなく。
6 カヴァッロ島(フランス)
よりエクスクルーシブな旅がしたいなら、コルシカ島の南にあるフランスの小さな島、カヴァッロ島を訪れてみてはいかがだろう。1960年代にパリのクラブの有力者が所有していたこの島は、今でもミック・ジャガーやU2のボノ、ビヨンセといったセレブが訪れることで知られ、“地中海のマスティク島”とも呼ばれている。
現在は、島に点在するわずかなホテルやヴィラ、ビーチハウスに宿泊が可能。全長2キロメートルの島には、天国のようなビーチや宝石を思わせるブルーの海、色とりどりの魚が泳ぐダイビングスポットがあり、無人島にいるかのような体験を堪能できる。
7 キプロス島(キプロス共和国)
地中海の島のなかで3番目に大きいキプロスは、ヨーロッパの最南端に位置し、悠久の歴史、見事な気候、そして風光明媚なビーチがすべて揃う。
古代都市パフォスを訪れたり、ビザンチン様式の建造物が並ぶニコシア旧市街のストリートを散策したり、ギリシャ神話の女神アフロディーテの生誕地を訪ねたり……と、選択肢は豊富。
アヤナパやプロタラスのようなリゾート地はやや賑やかだが、白砂のビーチが広がる安全で透明度の高い海と、リラックスしたフレンドリーな雰囲気が魅力だ。
一年中降り注ぐ日差しと美しいビーチを除き、キプロスで外せないものといえば、その素晴らしい食文化。美しい大皿料理やグリル、新鮮なシーフードなどを堪能できるため、食事に困る可能性は低い。
8 サントリーニ島(ギリシャ)
ギリシャの島々のなかで最も国際的な島と呼ばれるサントリーニ島は、多くの旅好きが訪れるご存じ人気スポット。白壁の家々や青いドームの教会で有名なエーゲ海のこの火山島は、ミノア文明の遺跡から古代のブドウ畑まで、見どころにあふれている。
3000年以上前の噴火でできたカルデラをハイキングしたら、熟成されたアシルティコワインを試飲し、イアの村で夕日が沈むのを眺めて1日を締めくくろう。
9 レフカダ島(ギリシャ)
手つかずの砂浜、鮮やかなターコイズブルーの海、頭上を飛ぶフラミンゴの群れなどで知られるレフカダ島に行けば、“ギリシャのカリブ”と呼ばれていることにも納得。
イオニア諸島のひとつであるここ島は、8世紀にコリント人によって掘られた狭い水路によって区切られるまで、ギリシャ本土の西海岸に位置する半島だったという。
島を一周する道路があるため、散策は簡単。ピンク色に染まった丘の中腹の村々には、カスタード色の家々や崩れかけた礼拝堂が点在し、ノスタルジックな風景が広がる。
穏やかな海にはヨット愛好家が集い、その多くはアリストテレス・オナシス&ジャッキー・オナシス夫妻がかつて所有していたプライベートアイランド、スコルピオス島の近くまでセーリングに訪れている。
10 フォルメンテーラ島(スペイン)
真っ白なビーチと、マティーニのように澄んだ海が広がる小さな島フォルメンテーラは、知る人ぞ知る楽園アイランドのひとつ。スペイン本土からもアクセスできるが、イビザ島からもフェリーで簡単にアクセスでき、リラックスした雰囲気のなか、平和と静寂を味わうことができる。
島の探索には、自転車がベスト。主要なリゾートタウンであるエス・プホルスやラ・サヴィーナでのんびり過ごすうち、島の落ち着いたナイトライフを彩る、ビーチバーや居心地のいいレストランが見つかるはず。