皆さん、こんにちは。コロナも下火になったようですが、まだいつ再燃するか不気味な感じです。でも気温も夏の様になってきて、気分は大分解放感が出てきました。元通りの生活に近ずけるかもという雰囲気は出てきましたね。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了の患者さんのご報告です。

35歳女性、主訴は上顎前突。 上顎前歯の前突により口唇閉鎖が困難でした。これではいつも口が空いていて、乾燥して歯肉炎になったり、喉からは細菌やウィルスの侵入を招きやすいなど、健康な状態を維持できないわけです。審美的にも気にされることが多いです。

 

お口の写真です。歯のサイズも平均範囲を大きく超えて大きいので、スペースも不足して凸凹もあり、虫歯や歯周病も発生しやすい状態です。

 

レントゲンです。顎関節に変形が認められています。顎運動では両側顎関節にクリックがあり、中学生ころより痛みなども認められていました。矯正治療でこの形態は回復できませんが、安定した咬合を得ることにより、悪化を防止することは可能だと思います。

横顔のレントゲンからは、下顎骨がかなり後方にある状態でした。上顎前歯の前方傾斜、下顎前歯の前方傾斜もあることがわかりました。

 

治療方針は、上顎は過去に虫歯があり金属が大きく入っている両側第二小臼歯を、下顎は右は大きく外へ傾斜した第一小臼歯、左は第二小臼歯の計4本抜歯して、上顎には両側にミニスクリューを植立して、ブラケットを用いて矯正治療となりました。

 

まず上顎にスクリューをセットしました。

 

続いて、上顎にブラケットをセットして、ゴムによって小臼歯の後方移動を行っています。

 

続いて下顎にもブラケットを接着しました。

 

治療開始から1年経過時点です。

上顎は全ての歯にブラケットがついています。下顎はまだ前歯にはついていません。

かなりスペースが無くなってきています。

 

治療開始から2年経過時点です。

下顎の前歯にもブラケットがついて、スペースの閉鎖中です。上下の正中線が合っていません。

 

治療開始から3年経過時点です。

上下の正中線は一致してきましたが、ところどころにスペースがあったり、非接触部分もあります。

このあと、8カ月かけて最後の修正を行い治療終了となりました。治療前後の写真を供覧します。動的治療期間は3年8カ月でした。

 

お顔の写真です。前歯が後退し唇は閉鎖しやすくなりました。横顔のプロファイルもかなり美しくなりました。

 

両面と横の口腔内写真です。抜歯スペースは閉鎖して歯車がかみ合うようにばっちり咬合しています。

 

咬み合わせの目んです。凸凹が無くなり、美しいアーチとなりました。歯磨きも非常に楽になります。

 

これは治療後のみです。内外側にも適切に配置して、全ての歯が接触しています。

なんでもばりばり咬めそうです。

 

パノラマ写真です。治療期間が長くなり、根吸収のリスクもありましたが、特には認められませんでした。

 

 

横顔のレントゲンです。前歯が後方に移動して、軟組織のシルエットは別人のようになりました。

 

治療終了おめでとうございます。治療期間が予定より長くなり申し訳ありませんでしたが、ばっちり仕上がりました。これからは良く咬んで安定させていきましょう。リテーナーも忘れずにお願いします。お疲れ様でした。

 

それでは、皆様、夏や梅雨の季節になりますが、体調に気をつけてがんばりましょう。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:72万円(治療期間3年8カ月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。