東京・表参道に、風景あり
NHK「ブラタモリ」でも紹介されていましたが、この山陽堂という書店は、東京五輪時の道路拡張により建物のかなりの部分が取り壊されることになったそうです。
しかし、この地で書店をという店主の意欲で書店継続となったそうです。
事情を知って現地を訪れてみると、この不自然に奥行の狭い建物を見て、つくづく「人それぞれに、思うところあり」を感じました。
なお、当日は大晦日のため営業はしておらず、中には入れませんでした。
2006年にオープンした表参道ヒルズの隣(メインストリートから裏側)は、2010年に創立80周年を迎えた渋谷区立神宮前小学校です。
あの表参道ヒルズに隣接した公立小学校に通学というのは、ほとんどの日本人にはイメージできないことかと思われます。
もっともネット情報によると、同ヒルズの建設に際しては、この小学校を取り込む計画もあったそうですから、街づくりもいろいろあるものです。
なお、設計は安藤忠雄氏ですが、さすがに全館コンクリート打ち放しということはないですね。
渋谷・東急文化村の後先で、街は一変のおもしろさ
渋谷駅から10分ほど歩くと、東急の複合文化施設である文化村( Bunkamura と称している)に達する。
ここまでは日本有数の繁華街で、喧噪の場である。(途中に有名な「109」もある)
ところが、そのまま自然に歩いて、この建物に沿って右折すると坂の上には有名な高級住宅街・松濤が連なり、街は一変する。
例えば、横浜の「みなとみらい」と、昔からの飲み屋が並ぶ野毛だと、線路があり桜木町駅があって一線を画しているが、ここはそういうことはなくて違う雰囲気になる。
この先を歩くと、さすが松濤、立派な松があった。
そして、進むと神山町に入り、ニュージーランドやヨルダンの大使館がある。
米国大使館や英国大使館とは全く異なる雰囲気で、大使館にはそれぞれの趣があることを再確認した次第。
(他のところでは味わえない東京ならではの楽しみだ)
なお、ニュージーランド大使館の近くには、一時話題になった元首相の豪邸がある。
豪邸には元首相だけではなく弟の表札も並んでおり、いかにも先祖さまから相続したことを表しているようで、これではまるで何百年も前の江戸屋敷に戻ったのではないかと感じた。
優雅で堂々とした英国大使館 ~140年の歴史あり~
千鳥ケ淵からみる英国大使館(千代田区一番町)
1872年からずっとこの地にあり
私は大使館の建物を見るのが趣味でいろいろとみて歩いているが、英国大使館は優雅で堂々としており、醸し出す雰囲気は独特のものがある。
英国大使館のHPでは、1872年(明治5年)に政府からこの敷地を永遠に賃借している旨が記されている。
明治5年といえ、岩倉使節団は欧米を回って新しいこの国のかたちを模索していた頃で、坂本龍馬が暗殺されてから 5年しか経過していない時代だ。
HPでは、ハリー・パークスやアーネスト・サトウなど歴史書や大河ドラマでみる名前も出ている。
特に、E・サトウは敷地内や周辺に桜の木を植えたそうで、有名な千鳥ケ淵の桜もこれが起源かも知れない。
その後、日英同盟や第二次世界大戦など幾多の波があり、執務のできない時期もあったが、英国大使館はずっとこの地にある。
約140年の時の重みがあるわけだ。
皇居以外の現在の国会や首相官邸などの建物より長い年月を誇っている。
豪邸の趣を感じさせる英国大使館の裏側
写真のように、大使館の裏も、都心とは思えないような静かで優雅な雰囲気を醸し出している。
静寂なためか、この路上でロッキード事件の舞台のひとつになったという話もある。
75年前の 2・26事件の時も、大変だったと思われる。
さすがに、140年の歴史を刻むといろいろとあるものだ。