Surf’s-Up -18ページ目

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

いよいよ初日のヘッドライナー、The Stone Roses。


実は彼らのライブは厳密には2度目。

しかし、初めて見たのが2ndリリース後で、レニがすでに脱退していた。

しかも、直前にジョンが自転車事故で鎖骨を骨折(確か)、一度延期になりました。

よって、セットリストもちょっと2ndから多めでした。

ちなみに自分は2nd好きですよ。


初来日は高校生の頃で、当然行けるわけない。

でも、雑誌ではまさに賛否両論。

ロッキン・オンでは、当時の編集長増井さんが大プッシュ。

一方ミュージック・マガジンではこき下ろされていました。

実際うまくはなかったんだろうけど、かなりの衝撃を与えた初来日でした。


で、自分が見たときは、というと、噂ほどではなかったんです。

イアンもちゃんと歌っていたし、なにせジョンのギターがよかった。


今回の再結成のキーマン、僕はレニではなくてずっとジョンだと思っていました。

もちろんレニの体力や勘、マニとの連携も大切ですが、

ジョンがソロパートをしっかり弾きこなせるかどうかが一番心配でした。


結果、それは全くの杞憂に終わりました。

よかったんです、ジョンが。

ただ、以前ソロでやっていたときの方が切れてはいました。

でも、ローゼズのギタリストとして考えると、今の手数に走らないようなギターの方がいいですね。


セットリストもほぼ完璧でした。

で、恐ろしいことに、全く古くなっていない。

20年以上前に生まれたものが、「今生きている音」として鳴っている。


みんなが感動したのは、実はそこにあるんじゃないだろうか。

再結成と言われるものが、ノスタルジーのみに終わり、がっかりさせることが多いのに対し、

彼らのサウンドは全然色あせていない。

むしろ輝きを増しているようにも見える。


ただそれは、ローゼズ誕生以降、UKロックがめざましい進歩を見せていないということなのかもしれないが。


本当によかった。よすぎた。

This Is the OneからI Am The Resurrectionのあたりは、もう冷静に振り返ることができない。

「もう絶対アンコールはないな」と思ったくらいかな。後は無心で踊り、歌っていた。

でも、ふと素に戻った瞬間があって、リザレクションのアウトロでイアンが何か持ってカメラに向かって動いている。

なんとブルース・リーの人形を2体持っていてそれを自分で戦わせている。

子供の人形遊びじゃんか!!

よほどやることなくて、暇だったのかな(^_^;)


正直言うと、泣いてしまいました。

どこで泣いたかというと、最後の最後。

イアンとジョンの抱擁で。

彼らの長き確執を考えると、やっぱり奇跡の瞬間だったと思う。

こんなことって、あるんだな。

これが、今年のベストアクト。間違いないと

初日にして確信しました。

グリーンでThe Birthdayを見る。

彼らも毎年出てるんじゃないだろうか。

確かにライブありきなバンドだもんな。

そして、彼らの姿を見ないと「フェス」って感じがしないんです。


この日の一番のめあては、もちろんThe Stone Roses。

ライブに備えて、「Tシャツ買ってやる」と意気込んで

我慢して並んでいました。

しかし、あっさりと売り切れていた。すごい。

自分も持っていたローゼズTを着ていきましたが

とにかく着ている人が多かった。

これは純粋に彼らのファンなのだろうか?と疑問を抱くくらい。


でも、前日に新潟観光をしていたときも、普通の店にローゼズの写真を使ったTシャツが売っていました。

おしゃれフォトTとしてもローゼズはよく使われています。


で、気がつけば、グリーンはブンブンが終わっていました。

次はBeady Eye。

次のローゼズのためにスタンディングゾーンへ、と僕も進入していきました。

でも、日本ではBeady Eye人気あるだろうから、入っていけるかなと、最初は警戒していました。


ところがところが・・・

意外とスペースには余裕が。

入りは結構多い方だと思うけど、びっちりというほどではない。


そんなもんなんですね。


今年の夏から解禁すると宣言していたオアシスナンバー。

Rockn' Roll StarとMorning Gloryを完コピでやりきりました。

で、当然ながらそこが一番盛り上がった。


でも自分が一番ぞくっとしたのは

1曲目Four Letter Worldですね。

リアム、絶好調でした。

クリス、またスティック落としていた。

あとのメンバーは、全然目立っていなかったな。


本当にほめる人・ほめるメディアが少ないんだけど

個人的には好きです。


なんというか、好きなものを何言われようとやる。

そして、それが世界で一番だと胸を張って言う。

そういうバンドもいないと、なんかおもしろくない。


それでいて、ローゼズにはしっかり謙虚。

リアムはちゃんとその後のライブを楽しんでたようです。

ノエルもどこかにいたんじゃないだろうか?

Django Djangoの後は、腹ごしらえをしようと「ところ天国」へ。

ホワイトステージのそばにあり、合間になると立ち寄りたくなるお気に入りのスペースである。


ここで食べたくなるのが「天国バーガー」。

フェス飯のなかでも有名ですが、確かにおいしい。

というか、ビールに合うんですね、これが。


行列はできていたけど回転率がよくて、すぐに注文することができました。

近くで座って食べようと移動。

しかしこのとき、ビールも注文していたのですでに両手がふさがった状態。

紙皿にチョコンと乗ったバーガーを運びながらの移動はなかなか難しい。


そこで不運が。

そよそよとふいた風に上側のバンズがひらっと・・・

いや、実際はボトッと・・・


その後もレタス、付け合わせのポテチなど被害は拡大。

700円出して買った「天国チーズバーガー」は、半額分くらいになってしまいました。


暑かったら、時折ふく風は気持ちよかったんだけど、

このときはなぁ・・・


その埋め合わせをしようと、一気にオアシスまで移動し、五平餅やらなんかいろいろ食べたような気がするなぁ。


「朝がっつり、昼は軽めに、夜はすべてが終わった後にビールを飲みながら」という基本サイクルが

初日にして一気に崩れました。

Surf’s-Up
 時々好きなミュージシャンの中で「この人、音楽をやっていなかったらどうなっているんだろう?」と思う人がいる。でも、どんな職についてどんな人生を送っているかということに興味があるわけでなく、ただただ「音楽やってなかったら生きてることすら想像できないな」って思うだけだ。


 で、ふとそんな人をリストアップするとすぐに数人浮かんでしまうけれど、必ず入るであろうジェイソン・ピアーズ。音楽があるからかろうじて生きているような雰囲気がある。もしくは、音楽の神様が簡単に死なせてはくれない。


 スピリチュアライズド4年ぶりのニューアルバム。これがまた凄まじい。簡単に言うとゴスペルあり、サイケあり、ガレージありと、彼のキャリアを総括したような作品。幾分メロディー寄りな作りにはなっているが、「Lazer Guided Melodies」、「宇宙遊泳」、「Let It Come Down」など、色の強いアルバムに引けをとらないくらいの充実感が漲っている。


 流麗で壮大なストリングス、Huh?からHey Janeへとなだれ込み、アルバムはスタート。挨拶代わりのガレージ・ゴスペルだが、まさにアルバムの世界に突入していくぞという誘引力をもったナンバーだ。ひたすらメロディーをリフレインし、8分を超えるが、不思議と重々しさがない。


 キャッチーなメロディーと、壮大なアレンジ。その基本線は以前から根底にあったものだが、今作ではその側面を巧妙な仕掛け無しに、素直に前面に出しているような印象を受ける。某メディアのインタビューで、ジェイソンはポップなものを避けようとしないで素直に音楽を作ったと語っていた。「規格外」のものを求めてしまう自分には、少し物足りなく思えてしまうところもあるのだけど、何度も聴くうちに「シンプルさ」ゆえの凄みのようなものが感じられるようになった。実際は練りに練り上げて作られたサウンドのレイヤーも、アシッド的作用をもたらす感じがなく、メロディーをより美しく伝えるための手法として作用している。そういう意味では彼はまた新しい扉を開けたと思う。


 ただ、歌の世界観は全く持って不変だ。どうしてこうも不器用で、届かないような愛ばかりを追い求めるのだろう。ただそこには幾分かの共感を持つことができるし、だからこそ、彼は音楽と向き合い続けているんだろうと思う。痛々しく思われるかもしれないが、そうやって彼は生きてきたんだと思う。



僕の母が、ひどく心配してこう言った


「火遊びをしなければ、火傷しないで済むわ


炎に触れなければ、気づかないで済むわ」


僕の母がこう言った


「愛とはそういうものなのよ」




だけどもう手遅れだよ、僕は心を決めたんだ


愛がいつも示してくれる


目があれば盲目になり得るものだと


もう手遅れだよ、それが僕の学んだこと


愛が炎に火をつける


心があれば燃え上がり得るものだと




~Too Late~


★★★★☆(03/08/12)







一発目はDJANGO DJANGOと大分前から決めていました。

とにかくアルバムが好きで、今でも良く聴いていて。

牧歌的なメロディーと奇天烈なサウンドのマッチングが絶妙、自分好み。


あついあついと言いながらホワイトステージへ移動。

しかし、すでに結構な人がいる。

ジャンゴ・ジャンゴの知名度のせいなのか

それともきわめて多い動員数のせいなのか。


並び疲れていたので、椅子を出して座りながら楽しむことにした。

ちなみに今年は椅子を新調。

超軽量の椅子に。

わずかな重さでも削ることによって、疲労度が変わってくるからだ。


メンバーはおそろいのTシャツ姿で登場。

いきなりの電子音とトライバル・ビートに心躍らされる。

気が付けば、その場で立ち上がっていた。


演奏の方は適度にまとまりつつも、時折ぎりぎりのフリーキーさを見せながら

アルバムの世界観をよりダイレクトに伝えることに成功していたと思う。







今年もフジロックに行ってきました。


年を取るごとに・・・なのですが、フェスに参加する姿勢がどんどん緩くなってきています。


セットリストをメモすることもなくなりました。


なので、今年は思いついたことや考えたことなんかをとりとめなく書いていこうと思います。


ライブレポートの要素は少なめです。あしからず。



で、今年のフジですが


前売り券がSold Outになったことから想像できるように、とにかく人が多かった。


もう、人・人・人。


昨年の反省から早め早めに動いたけど


初日はシャトルバスで1時間半待ち、


着いたらリストバンドを交換するのに1時間待つって感じ。


シャトルバスの行列はこれまであったけど


リストバンド交換の列は今まで見たことない。


当然帰りもシャトルバス待ちで1時間半。


これは体力的にもかなり辛かったです。


天気は良くて、割と過ごしやすかったんですけどね。


確かにフジは体力が要ります。


個人的には、マラソンの「脚作り」には良かったんじゃないかと思っているんですが(^^;)




あと、困ったのがスマホの電波状態が悪かったこと。


例年、タワレコのブースでタオルをゲットするんですが、


スマホからサイトにアクセスできず、あきらめました。


で、つながるのに時間がかかるから、電池の減りも早い。


こんなことは今までなかったなぁ。


新潟に前乗りしています。

明日からフジロック。一年に一度の命の洗濯です。

先ほどまで、新潟の地酒や海の幸をいただいていました。

まだ始まっていないのに、すっかりありがたい気分です。

明日はDJANGO DJANGO,Beady Eye,そしてThe Stone Roses,締めにJames Brakeで行こうかなと。

This Is The One!


iPhoneからの投稿

今年2回目のハーフマラソン。


行きたかったジョイン・アライブ(あぁ、源くん・・・)をあきらめて、このレースに参加しました。


というのも、このレース、他のハーフとはちょっと違うんですよね。


昨今のランニングブームで、どの大会でもだいたい人が増えてるし、


年々「ランニング始めましたよー」っていう初々しい雰囲気が広がってきている。


でも、この士別ハーフマラソンは、全然そんな感じがない。


実際は人も増えているんだろうし、初体験の人もいっぱいいるんだと思う。


だけど、そこに漂う雰囲気は、「ストイック」。


実際平均記録も高い。真夏のレースなのに。



レベルが高いのには理由があって、この時期北海道士別市には多くの実業団が合宿に来ている。


そのため士別市は「合宿の里」とも呼ばれている。


今日昼食を取ったホテルにも、ダイハツ、ノーリツ、そしてトライアスロンの五輪代表まで宿泊していた。


彼らは、レースに出た後、走ってホテルまで戻る。山道を3キロくらい。


だから、アップの様子を見ていてもちょっと一般ランナーとは違う。


それがすごく面白い。


そして、そのせいか大会全体にピリッとした空気を感じるのだ。


北海道とはいえ、この時期は普通に25℃は超える。


マラソンに適した気候ではない。


そんな中、わざわざ21km走るランナーはやっぱりストイックなんだと思う。


でも、そのヘロヘロ、クタクタになる感じが逆に心地良いのだ。



で、今回の結果は、今年初めて満足のいくものでした。


参加は今年で3回目になるんですが、自己ベストが出ました。


前半は「ダメっすね」と思うくらいスローでした。


でも後半ギアを入れることができた。


明らかにスタート時より気温は上昇しているはずなのに、ピッチを早めることができた。


で、19km以降はキロ4分を切っていた。これは自分でもびっくり。


ラストの1kmは3:40。ちょっと信じられない。


前半の遅れはさすがに取り戻せず、1時間30分は切れなかったけど、


昨年よりちょうど1分早い、1時間32分21秒でゴールしました。



今の実力ではこんなものかなとは思いますが、


実力をちゃんと出せたことに満足しています。


あと、少し体重を落としたのが良かったのかな。


自転車に乗ってるのも良いかもしれない。膝に負担がないし。


個人的にイーブンで行くよりも、前半落として後半ガッツリ上げる方が気分的には良いし


記録も良くなるような気がします。あくまで感覚の問題ですが。



ちなみに優勝は、あの川内選手でした。埼玉からお疲れ様です。


自分は見ることができなかったけど、めちゃめちゃ速かったらしい。


そりゃそうだ。

Surf’s-Up
 英ノリッチで結成されたSennenの4th。あのRideの曲名がバンド名の由来になっているように、これまではポストロック・シューゲイザー色の強い攻撃的なノイズを出すバンドだった。


 前作くらいからタイプの違った曲が見られるようになったが、今作ではより一層サウンドの幅が広がっている。オープニングのColderは枯れたギターサウンドとメランコリックなリフレインが淡く広がっていく。その色彩はややSigur Rosにも通じるものがある。また、2曲目Learn To Love The DarkはもろにTFC。ハーモニーの心地よさはもちろんのこと、所々でグロッケンを使ってるところまでそっくり。3曲目Wasted Heartはこれまたオーソドックスなギターロック。フィードバック・ノイズの海はここにはなく、ひたすらにメランコリックなメロディーラインを丁寧になぞっている。


 Vultures、Our Lost Historyのような攻撃的なリフの曲もアルバムにはあるが、存在としてはやや控えめ。やはり際立っているのは、シンプルで心地よい響きのリフがある曲。そんな影響もあるのだろうか、全体的に非常に聴きやすい。


この一気に角が取れた感じが、どう映るかが評価の分かれ目になりそうであるが、曲のクオリティーの高さを一番感じることのできるアルバムであることは確かだと思う。やや小粒な印象はあるけど、単なるグッド・メロディーではなくて、展開の抑揚で曲想をコントロールしていくような「うまさ」を感じることができる。


  ライナーノーツにも書いてあったが、数多のシューゲイザー・バンドが解散か方向転換を図っていったという歴史の中で、Sennenも方向転換の道を歩んでいるのかもしれない。でも、方向転換を図っていく中で、道を見失い、かつての輝きを失ってしまったバンドがあまりにも多い。Sennenは自分達のストロングポイントを軸にしている分、今後の展開にまだまだ期待が持てる。


★★★★(19/07/12)





Surf’s-Up
 ソカバンの3rd。いつだって火傷しそうな想いを生真面目にロックンロールへと昇華させることに全力を注いできたソカバン。それ故に1st,2ndともにサウンドスタイルも表現も大きく変わることがなかった。変わりようがないというか、それほどの迷いの無さがシンプルで荒削りながら最高にかっこいいロックンロールを生み出してきたのだ。


 しかし、この3rdではそのスタイルに大きく様変わりを見せている。けっして迷っているわけではない。哀しみや苦しみを塗りつぶすほどのポップネスを全面に押し出すのではなく、むしろ哀しみや苦しみを焦点化し、リアルな姿を浮かび上がらせることに重きを置いている。これまでのようなハッピーなグルーヴの曲は「恋をするなら」「サマーフェスティバル」の2曲くらいで、曽我部恵一の多面的な音楽性がこれでもかと詰め込まれたアルバムになっている。サニーデイでいうと「24時」のような、とりとめもなく溢れ出てくる感じ、そんなテイストがある。

 オープニングを飾る「ソング・フォー・シェルター」から、これまでのシンプルの対局を行くような饒舌さで、曽我部恵一は思いをぶちまける。一人部屋で曲を書きながら、いろんな事に思いをはせるという曲であり、そこには混迷する社会の中でも変わらず光り続けるものが描かれている。


 「街の冬」は、おそらく札幌で起きた姉妹がそれぞれに病死・凍死した事件を材材としている。生活保護を受給できずに困窮する姉妹を知的障害の妹の視点で歌っている。でもロックンロール・マナーに乗っ取って、決して直接的な表現はしない。暖かな二人の幸せな風景を描きながら、無情にそれを奪ってしまうようなアウトロで終わる。この曲はそのアウトロに全てがある。単なる政治批判ではない。「こんなことってあるかい?」というどうしようもないやるせなさが満ちている。


 もちろん「月夜のメロディ」「兵士の歌」夜の行進」「クリムゾン」のように十八番であるメロウなナンバーもある。相変わらず良い曲を書きまくっている印象だけど、今作は不思議とメロディーの美しさが中心となっている気がしない。やはりどうしてもサウンド・言葉両面のダイレクトさに耳が行ってしまう。ラフなナンバーから、きれいなアコギのナンバーまで、スタジオで作り上げてるというよりは、今目の前でライブしているような感じ。ライブアルバムのような、スタジオアルバムだ。


 ラストを飾る「満員電車は走る」。この曲はかなり前からライブで披露されていた曲。毎日変わらず走る満員電車。そこに居合わせる人々の人生はそれぞれでも、同じ所を目指して走る。その光景は決して美しいものではないし、ある種の不条理があるけど、それでも僕には「満員電車に乗る」という行為自体が、一つのファイティングポーズの様に感じられる。人間って、やっぱり強いんじゃないだろうか。


 と、思いがあふれてくるばかりで、この文章もなかなかまとめられずにいるんだけど、その感じがちょっとこのアルバムに似ているような気がするので、このままに。

 ★★★★☆(12/07/12)