フジロック雑感(5)~We Are Resurrection | Surf’s-Up

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いよいよ初日のヘッドライナー、The Stone Roses。


実は彼らのライブは厳密には2度目。

しかし、初めて見たのが2ndリリース後で、レニがすでに脱退していた。

しかも、直前にジョンが自転車事故で鎖骨を骨折(確か)、一度延期になりました。

よって、セットリストもちょっと2ndから多めでした。

ちなみに自分は2nd好きですよ。


初来日は高校生の頃で、当然行けるわけない。

でも、雑誌ではまさに賛否両論。

ロッキン・オンでは、当時の編集長増井さんが大プッシュ。

一方ミュージック・マガジンではこき下ろされていました。

実際うまくはなかったんだろうけど、かなりの衝撃を与えた初来日でした。


で、自分が見たときは、というと、噂ほどではなかったんです。

イアンもちゃんと歌っていたし、なにせジョンのギターがよかった。


今回の再結成のキーマン、僕はレニではなくてずっとジョンだと思っていました。

もちろんレニの体力や勘、マニとの連携も大切ですが、

ジョンがソロパートをしっかり弾きこなせるかどうかが一番心配でした。


結果、それは全くの杞憂に終わりました。

よかったんです、ジョンが。

ただ、以前ソロでやっていたときの方が切れてはいました。

でも、ローゼズのギタリストとして考えると、今の手数に走らないようなギターの方がいいですね。


セットリストもほぼ完璧でした。

で、恐ろしいことに、全く古くなっていない。

20年以上前に生まれたものが、「今生きている音」として鳴っている。


みんなが感動したのは、実はそこにあるんじゃないだろうか。

再結成と言われるものが、ノスタルジーのみに終わり、がっかりさせることが多いのに対し、

彼らのサウンドは全然色あせていない。

むしろ輝きを増しているようにも見える。


ただそれは、ローゼズ誕生以降、UKロックがめざましい進歩を見せていないということなのかもしれないが。


本当によかった。よすぎた。

This Is the OneからI Am The Resurrectionのあたりは、もう冷静に振り返ることができない。

「もう絶対アンコールはないな」と思ったくらいかな。後は無心で踊り、歌っていた。

でも、ふと素に戻った瞬間があって、リザレクションのアウトロでイアンが何か持ってカメラに向かって動いている。

なんとブルース・リーの人形を2体持っていてそれを自分で戦わせている。

子供の人形遊びじゃんか!!

よほどやることなくて、暇だったのかな(^_^;)


正直言うと、泣いてしまいました。

どこで泣いたかというと、最後の最後。

イアンとジョンの抱擁で。

彼らの長き確執を考えると、やっぱり奇跡の瞬間だったと思う。

こんなことって、あるんだな。

これが、今年のベストアクト。間違いないと

初日にして確信しました。