Surf’s-Up -17ページ目

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

案外まじめに書いていますね。


3日目。いよいよ起きられなくなってきた。


午前中はもう無理,ということでJapandroidをパス。


会場に着いたのは昼過ぎ。


相変わらず日差しが強く,暑い。


そこで,今回は初の「ドラゴンドラ」に乗ることに。


ただのスキーゴンドラだと思っていたの。



そしたら,


速い!


高い!!


おっかない!!!


想像以上に迫力あり!!!!



ゴンドラに乗ること20分近く。


やっと頂上に到着。


駅で男女数人が、ゴンドラに向かって叫んでいる。


なんか盛り上げようとしているのだろうか?


あちこちに着ぐるみ、そして秀樹みたいな格好をした人が歌っている。


下界にはない、心地よい風、緩い空気。


これはこれでありだ。


カレーパンをほおばり、ビールを飲んだ。


ここならいくらでも休めそう。


しかし、帰りのゴンドラ待ちの列が長くなってきたので


1時間も経っていないが帰ることにした。


フジロック参加5回目にして、初めて乗ったドラゴンドラでした。





Spiritualizedにクラクラしながらレッドを後にし、グリーンへ。

人の流れも自然とグリーンに向かっている。

同じことを考えている人は多い。

UK,おいしいとこどり。


歩いているとMucky Fingersが聞こえてくる。

でもすでにグリーンは満杯状態。

流れに乗っていくとプライオリティーゾーンにきてしまい、行き止まり。

何とかかき分けて前に行こうとしたが、あんまり。


前日のBeady Eyeと比べると、全然こっちの方が多い。

これが現実なんだなと実感。


やっぱりどちらにもOasisの幻影を求めてしまうのはしかたのないことで。

そういう意味ではBeady Eyeの方がわかりやすいと思うけど、

メイン・ソングライターであったということの重さは

むしろ今の方がファンの中で増しているのかもしれない。


その辺はノエルもきっと自覚しているのだろう。

脱退したのは自分でありながら,Oasisの亡霊から逃げることなく

真っ正面から受け止めている。


それゆえに,ためらいなくOasisナンバーを彼は歌う。

フジの直前までOasisナンバーを封印してきたBeady Eye。

もちろん彼らも亡霊と闘っている。


いろいろなやり方があるが

そういう意味では,袂を分かっても「同志」なんだな。


個人的にはHalf the World Awayが聴けたのがうれしかった。

これも何回もアコギで練習したなぁ。


あと,ノエルのトークに良いリアクションをしていた外国人。

英語が分かることが非常にうらやましかった。


これで,2日目終了。


シャトルバス待ちはやっぱり1時間・・・



レイ・ディヴィスの後は、しばし休憩。

かなり疲労がたまっている。

ランニングをするようになり、体力がついた気でいるけれども

明らかに年々疲れやすくなっている。

ふくらはぎとか、フェスにいるとおかしくなりませんか?


次はSpiritualized。

以前サマソニで見たときは、圧巻でした。


もうヘッドライナーでもいいくらいなんですけどね。


予想通りHey Janeでスタート!

ライブだからこういうガレージ系の曲をガンガンやるのかと思ったら、違った。

その後は、意外とスローで粘っこいナンバーが続く。


実に渋い(と思う)セットリスト。

率直に言うと、知らない曲も多かった。

Soul On Fireなんかも若干抑えめな印象。

まず新作からの曲がほとんどなかった。

そこが残念。だって新作すごくよかったし、期待もしていたので。

ただ、ほかのアルバムの曲と構成するとなじみにくいのかもしれない。


ただ終盤では、皆が期待していたであろう轟音サイケデリアがストロボ照明とともに降り注ぐ。

もうクラクラするほどに(照明のせいかも・・・)

それがあれば、まぁ十分なんです。

幸せな気分になりました。





The Heartbrakes,アルバムは結構好きで。

久しぶりにオレンジ・ジュース系のポップ・アルバムだなと。

ルックスがいいと評判ですが、そこはどうでもよかったので、

レッド・マーキー後ろの方で陣取って見ていました。


アルバム通り、清涼感のあるポップのオンパレード。

若々しく、みずみずしい。


ただ、いつも思うんだけど

こういう正統的なギター・ポップはライブだといささか苦しく聞こえてしまう。

サウンドスケープがアルバムと比べると、どうしても平坦に聞こえてしまうのだ。

これはもちろん主観の問題なのだけど。


その後はグリーンでレイ・ディヴィスを。

若者から一気におやじへ。

親父と言ってもレイはもう68歳。

自分の親父よりも年上。


キンクスはすごい好きというわけではないけど

アルバムは何枚か持っているし、

時々無性に聴きたくなる。


今回はソロ名義だけどセットリストはキンクス全開。

個人的大好きなWaterloo Sunsetをやってくれたのがうれしかった。

これがまた、アコースティックの渋い演奏で

この流れから行くと、おそらく一番有名なYou Really Got Meはやんないだろうなと

思っていたら最後の最後でやった。

そうしたら、あまり多いとは言えなかったグリーンの客が一気にヒートアップ。

レイも一気にAll Day And All Of The Nightとたたみかけて終わった。


気むずかしい人というイメージのレイだけど、

ステージでは終始ご機嫌で、観客をすごく煽っていた。


若々しさはないけど、すばらしい楽曲を携えながら

ワインのように芳醇な味わいをもたらすレイ。

決してアルバムでは味わうことができない。

これがライブの醍醐味だ。


昨日今日とキャンプに行ってきました。


ロケーションと他の利用客のマナーの良さ


本当に素晴らしかった。


湖の畔でしたが、夜には満天の星。


流れ星も天の川もはっきりと見える。


月が出ると、湖面が照らされてこれもまたきれいでした。


そして、とっても静か。


キャンプシーズンですが、人がほとんどいなく


また、テントを張っていた方々も慣れているというか


全く騒がしくない。花火をする人も無し。


まさに、この場で楽しむべきは「環境と静かな時」だってことを


ちゃんと知っている。


そういう意味でも感動したキャンプになりました。


久しぶりにキャンプにはまりそうな予感(第1次ブームは10年以上前)。



久しぶりにSyrup16gを聴いている。


ラストアルバム「Syrup16g」を。


ラストアルバムのラスト曲


「夢からさめてしまわぬように」が


どうにも心にはまって仕方がない。





この世には夢を覚まそうとすることが多すぎる。


それがとてもつらい





Surf’s-Up
 ロンドンを拠点に活動する男女5人組、Exloversのフルアルバム。これまでリリースされたシングルはどれも完売だったそうだが、それらの作品も今回再レコーディングされ、今作に収録された。このアルバムが出るまで、僕は彼らの存在を知らなかったが、シングルのプロデューサーにスティーヴン・ストリートの名前もあった。アルバムの帯やライナーノーツには「ネオアコ・リバイバル」「シューゲイザー」「ドリーム・ポップ」などの言葉が並ぶ。つまりはそういうバンドだ。


 メンバーの中心人物、ピーター・スコットはニルヴァーナやスマパンなどUSオルタナから聴き、それから後にマイブラやジザメリなど英国シューゲイズの音を聴くようになったとのこと。ほかのメンバーはベルセバやピクシーズが好きだそうだが、ギターサウンドのダイナミズムとメロディーの美しさという共通項が浮かび上がってくる趣味だ。


 オープニングは疾走感あふれるStarlight,Starlight。メロディーはネオアコ、サウンドはちょいシューゲイザーというわかりやすい構造で、新鮮味はないが女性ヴォーカルの質感がすごくマッチしている。続くThis Love will Lead You Onは13期のTFCのような轟音ギターポップ・・・


 シングル、既発曲が多数あるだけあって、キャッチーな曲がぎゅっと詰め込まれたベストアルバムのようにも聞こえる。似たテイストの曲が多いのは否めないが、メロディーの質で一気に走りきろうとする、そういう制作の意図が感じられる。そしてその走りきる速度感、そこがこのバンドの生命線であるようにも感じる。


フォーキー・ポップなI Wish We'd Never Metでゆったりしたり、ラストのMoth-eaten Memoriesのように遮二無二つっぱしったりと、その変化が心地よい。


 「こういう感じ、なんか聴いたことあるなぁ」と考えているうちに思い浮かんできたのがThe Pains Of Being Pure At Heart。1st,2ndとスタイルの幅を広げた彼らであるが、exloversの場合はそれを1枚分にまとめたような感がある。完成度という点ではかなり高い。ただ、伸び代が見えてこないという余計な心配も。


 ★★★★(06/08/12)











源さんが終わった後、またまた急いでホワイトへ向かう。

Cloud Nothingsとちょっとかぶっているのだ。


自分がついた頃にはちょうど先ほどのStay Uselessが終わっていた。

そしていきなりWasted Daysへ。

アルバムの中でも大好きなナンバーで、怒濤のアウトロが聞き所。

で、このアウトロがすごかった。アルバム以上。

延々と繰り返されるインプロ、ディストーション。

苗場の空に制御不能な爆裂グルーヴが展開されていった。


この曲のインパクトがあまりにも強かったために、ほかの曲はあんまり覚えていない。

最後にNo Future/No Pastをやったのは覚えているけど、

最後に持ってきたってところが、妙にふてぶてしさを感じてしまった。


ライブになると、アルバムに入っていたポップで軽快な曲の存在がやや弱くなってしまうのかもしれない。

そこは構成でカバーできるのかもしれないが、悩ましいところかなぁ。


遅めの昼を取ろうとオアシスまで移動。

The Heartbrakesまで休むことにした。


すると、午前見逃したMy Best Fiendがアコースティックライブをやっていた。

3人でのこじんまりとした構成だったが、非常にいいライブだった。

もち豚食べながら聴いていました。

ローゼズ後のシャトルバス待ち、これもまた半端ない長さだった。

来年度は知名度は低めのヘッドライナーでお願いします。


2日目。

1発目はMy Best Fiendと決めていた。

しかし、前の日の疲労が全く抜けない。

というわけで、あっさりあきらめ、12:30からの星野源には間に合うように、と出発。

朝のシャトルバス待ちの列は、前日に比べると全然短い。

「やった」なんて思ったけど・・・


外に出てからが暑かった。駅中は日差しはないけど、風がなくて暑い。

外はその逆。頭がガンガンする。

時々打ち水をしてくれるけど、まさに焼け石にってやつで。

やっぱり1時間くらい並び、会場に着いたのはぎりぎり。


急いで向かう途中、ホワイトからCloud NothingsのStay Uselessが。

「え、13:30からじゃなかったっけ?」と思ったら、

本人確認のサウンドチェックだったようです。

最近はよくありますね。


源さんの待つField Of Heavenはすでに大勢の人。

すっかり人気者です。

昨年はまだアバロンで眼鏡かけてやってたのに。

すっかり時の人です。

遠くで見ていたせいか

なんかあっという間に終わってしまった。

やっぱり近くでじっくり聞きたい。

僕にとって星野源はそういう人です。

Surf’s-UpMystery Jetsの4作目。2006年にデビューしてからもう6年。当時はテムズ・ビートと呼ばれたりして、シーンの中で注目を集めていたが、アルバムごとにそのスタイルを変えていった彼ら。それ自体は珍しくないが、リリースを重ねていくごとに評価を上げてきているというのはわりと希なケースではないだろうか。


 とはいえ、個人的に一番好きなのは1st。明らかに音楽性の幅を広げ、しかも見事に自分たちの音に昇華させてきたのはよくわかる。でも、無軌道なグルーヴラインを描くサイケ・ロックが一番インパクトがあった。


 今作はアメリカ・テキサス州でレコーディングされている。何でもいろんな影響から開放されるような場所に行きたかったらしいのだが、そこでとあるホームスタジオをradlandsと名付け、レコーディングを始めたそうだ。そして、明らかにその影響がうかがい知れるサウンドとなっている。


 オープニングを飾るRadlands。いきなりジョン・フルシャンテのような枯れたギターで始まり、切ないメロディーが熱情的に奏でられていく。60/70年代のオーセンティックなUSギターロックといった風情を感じる。続くYou Had Me At Helloもオルガンと流麗なコーラスワークをアクセントに、ブルージーなロックを聴かせている。ややラウドなFleet Foxesのような感じだ。中にはThe Balld Of Emmerson LonestarのようにさらにFleet Foxesに近いものもある。Take Me Where The Roses Growは女性とのデュエット。ゆったりとしたメロディーに柔らかにヴォーカルが絡んでいく、ソフトでメロウな1曲だ。

 
アメリカンロックの骨太さ、土着感を醸し出しつつも、彼ら独特のUK的ウェットメロディーがいいバランスで配合されている、というのが全体の印象。フォークやカントリーっぽいものの中でも、「もろ」って言う感じがしないのはそこが大きいと思う。ただ、各曲で見ていくと個性を強調しているものもある。たとえば、ちょっと1stの頃を思い起こさせるSomeone Purerがあったり、あっけらかんとしたポップGreatest Hits,ディスコティックなThe Hale Bopのような曲まである。


 そういう意味では、ただ心地よさを追求してレイドバックしたわけではないのだろう。自分たちの冒険をしっかりやりつつ、普遍性のある音楽を作り上げる力はここでも冴えを見せている。嗅覚と技量さえしっかりしていれば、まだまだ名作を生んでいきそうな気配をこのバンドは持っている。


 個人的ベストトラックは、奈落の底へと落ちていくようなガレージ・ブルース、Lost In Austin。こういうのだけでアルバム1枚作ってくれないかな。


 ★★★★(03/08/12)