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Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

Surf’s-Upイースト・ロンドンを拠点に活動している4人組、ジャンゴ・ジャンゴのファースト。中心人物であるデイヴ・マクレーンは、かつてThe Beta Bandを率いていたジョン・マクレーンの弟だとのこと。先日はフジロックにも出演し、早い時間だったにもかかわらず多くのお客さんが集まり、自然にこだまするビートに会場全体が揺れていたことを思い出す。


 オープニングは、どことなくアニコレを彷彿とさせるイントロダクションから、電子音とトライバル・ビートが徐々にグルーヴィーに展開していくHail Bopへとつながっていく。シンプルなメロディーをコーラスワークで深みを持たせていくという、この1曲で彼らの魅力をかなり知ることができる。続くアンセムナンバー、Defaultではギター・カッティングとさらに飛び交う電子音が聴き手の脳を揺さぶってくる。なかなか言葉では説明できないが、適度に力が抜けていてそれが何とも心地よい。


 大陸的なビートに薄っぺらい電子音、その軽重とさじ加減で独特のグルーヴ感を生み出しているとともに、牧歌的でシンプルながらよく練られたと思われるメロディー、そして巧みなコーラスワークを組み合わせてサイケポップな音空間を作り出している。僕の第一印象は、「フリート・フォクシーズmeetsクラフトワーク」だった。


 雑多な音楽性をベースにしているのは明らかで、音楽の情報量としては明らかに多い方だけど、重苦しさを全然感じさせない。祝祭的なグルーヴを描いていても不思議と濃厚な感じがない。この辺はレイヤーサウンドのセンスの良さがあると思うんだけど、アニコレのように徹底的にサイケデリアの世界を描写していくのではなくて、ジャンゴ・ジャンゴの場合はもっと淡い色彩で、アートとポップのギリギリの境界線にあるものを見せようとしているように感じる。それゆえの「親しみやすさ」がこのアルバムにはあると思う。


 デビューアルバムとしては出来過ぎなんじゃないかと思うくらい完成しているのが逆に今後不安に思わせるところはあるけど、手放しで賞賛したくなる一枚。中毒性も非常に高い。


★★★★☆(17/08/12)





Surf’s-Up前作Teen Dreamが大絶賛を受けた、ボルティモア出身男女デュオBeach Houseの通算4作目。夏のけだるい午後を感じさせるような、ドリーミーなポップを奏でる彼らであるが、今作もプロデューサーに前作と同じクリス・コーディを起用。前作で培ったものをさらに洗練させたような、質の高いポップソングが並んでいる。


 ポップソングとは言っても、決して明るいものではなく、ヴィクトリアのややアンニュイな歌声とがっちりリンクするような幽玄性を持ったものだ。メロディーの質もすばらしい。ソローテンポでテイストが似た曲が並んでいるが、アルバムのコンセプトが明確な分、あまり飽きがこない。


 そして個人的にはサウンドプロダクションを一番評価している。レイヤーサウンドのデザインセンスが抜群。ギターノイズの歪み、ピアノやドラムの響き、残響音の拡がりなど、かなり緻密に計算されて作られたような感がある。そして、徹底してモノクロームな世界を描くことに見事に成功していると思う。


 オープニングのMythのイントロが鳴った瞬間に聴き手のメランコリーにじんわりと侵入し、外界の余計な一切から目を閉じさせ、Lazuriで手を取りダンスに誘い、The Hoursで夜道をあてもなくドライブし、Ireneのアウトロに酔いしれながら、再び覚醒させられる。夢のロードームービーのサウンドトラック、そんな佇まいがこのアルバムにはある。それはもちろん、彼らの真骨頂の世界観でもある。


 忙しくて、休みが取れない。でもどこかに行きたい、なんて思っている人は、これを聴いて1時間ちょっとの旅に出るのはどうですか?


★★★★☆(09/08/12)





北海道の夏は短い。


夏休みももうすぐ終わります。


来週から「通常営業」。


ふぅ・・・



今年の夏フェスも終わったので、


昨年同様にリストバンドをストラップにしました。


フジとライジングサンはともに布製のリストバンド。


ビニール製のものよりはずっとおしゃれなんです。


なので、捨てるのはもちろん、ただ取っておくのも


なんだかなぁと思って、ストラップに加工して


1年間、車のキーにつけておくようにしました。



作り方も割と簡単です。


ネットで検索すると作り方が結構ヒットするので、ぼけた写真を付けて、ここではざっくりと。


まず、バンドから留め具を外します。


リストバンドは、一旦締めると元に戻らない構造になっています。


黒いプラスチックの中に、金属の刃が入っていて、逆に力が加わると


布に刺さるので、戻らないのです。


マイナスドライバーを差し込んで、その刃を持ち上げて布を外すようにします。


ここが、ストラップ作りの一番難しい作業でしょう。



Surf’s-Up

刃を浮かせて片方ずつ布を引き抜きます。


力を入れすぎず、慎重に。そうすると・・・


Surf’s-Up


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このようになります。


このプラスチックは後で使います。中に金属の刃が残っていますが


簡単に取れるので、外して捨てて下さい。



次に、リストバンドを適度な大きさに折りたたみます。


折ったところには、Dカン(15ミリ)をつけておきます。


そして、ポンチで穴を開けて下さい。僕は皮ポンチを使っています。


で、穴を開けるとこのような状態に。



Surf’s-Up

ちょっと見づらいですが、穴が開いているのわかりますか?


そしてその穴にカシメを打ちます。打ち棒と台があったほうが良いです。


カシメで留めた後、さっきの黒いプラスティックを反対からはめます。


無くても良いんですが、あった方が丈夫になります。



Surf’s-Up

こんなのができました。


上と下では折り方を少し変えています(ロゴの見せ方を考えて)。


これを眺めながら、来年に思いをはせるのです。










北海道で一番高い山、旭岳へ!

Surf’s-Up



毎日その姿を眺めていながら、なかなか行くことのなかった旭岳。


たまたま割引券が手に入り、かなり格安でロープウェーに乗れました。



Surf’s-Up

普段そんなに植物に興味のない自分でも


高山植物にはそそられます。


写真はエゾオヤマノリンドウ


旭岳はすでに秋の装いを見せ始めていました。


Surf’s-Up

道もそれほどひどくなくて、歩きやすいです。


なぜか後ろ姿ばかりを写されました。


気温は15℃くらい。


リュックを背負っていても汗をかきません。


実に快適。


Surf’s-Up

活火山なので、噴気孔があちこちに。


いやー、楽しかった。


終わった後は、もちろん温泉と



Surf’s-Up

昼ご飯とデザート、入浴料で1,500円です。


安い!


次回はちゃんと山頂まで行きます。




楽しい時間に夢中になると、周りを顧みなくなってしまうのが自分の悪いところ。


今回もライジング終了後、早く帰らなければいけないところを、


いい気になってすっかり引っ張ってしまった。


迷惑をかけてしまった。そういうのは雰囲気でわかる。


猛省しております。





今回行く前に職場の人にロックフェスの話をしたら、


なぜか多くの人が興味を持ち、「行きたい!」と騒ぎだし


来年は僕をツアコンにして、みんなでライジングサンに行こう!という話にまで発展しました。


正直僕は嫌なんですが。


でもその中で、「来年はみんなで行って、楽しかったら、その次の年からは旦那と行く」って言う人がいて。


旦那さんもロック好きなんだと思ったらそういうわけではないらしい。


「じゃあ、なんでですか?」と尋ねたら、


「だって、楽しい時間は好きな人と過ごしたいじゃない」とストレートに言われました。


周りは「えー!!」って言う人と「わかるー」って人と半々くらいでしたが


説得力のある意見は「わかるー」って方からでした。


簡単に言うと、好きなことを通して繋がることよりも


少しずつお互いの世界を理解して、共有していく方がずっと愛がある、って言うんです。


「その過程がいいのよ。女ってそういうものなのよ。」


「なるほど・・・(だとしたら、ツアコンの俺は単なる踏み台か・・・)」




来年のツアー計画が立ち消えになることを


強く願います(笑)


だってめんどくさいよ。







今年観た中で、一番よかったのは岡村靖幸だったかな。


一番よかった、というよりも、一番感激したってほうが近いか。


なんとなく、またシルエットがふくよかになったような気はしたけど


靖幸ちゃんダンス決めまくりで、それを目の前にすると


フラッシュバック高校生ですよ。


「声が出ていない」「昔はもっと・・・」などなど


みんないろいろ言いたくなるのはわかります。


でも、なんかこう、僕は未だに純愛妄想に突っ走ってる岡村ちゃんが


そこにいるだけでいいんですよ。


「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」の


アコギのカッティングが聞けるだけでいいんです。


そんなアーティストなんですよね。


僕はそんな「北海道ベイベー」なんです。



あと、真夜中のレキシも楽しかったですよ。


池ちゃんずっとしゃべってなかなか始まらないし、


1曲がとても長いし


ネタやり過ぎだし(Let It Be→レキシー、など)。


あんなにグダグダだとは知らなかったけど、


真夜中のノリとしては最高に「あり」でしょう。


高床式~、ネズミ返し~



今回は観たいものがさほどあるわけではなかったのに


その観たいものがかぶりまくりで


フェスで初めて、曽我部恵一を観ませんでした。


なぜなら、andymoriとかぶっていたから。


これはかなり迷ったんだけど、andymoriを一度どうしても観たくて。


で、結果的にはすばらしいライブでした。


「グロリアス軽トラ」で始まったんだのはちょっと意外でした。


が、なんだかすごく新鮮で。


こういうロックンロールをライブで体感したのは久しぶりな気がして。


新曲もよかったです。だいたいライブで紹介される新曲って


微妙なこと多くないですか?


後にCDになってから聴いて、やっと良さがわかるっていうか。


でもこの日披露された2曲はどちらもよかったです。


特に「宇宙の果ては目の前に」という曲。


小山田くん、話し声もすてきでした。


僕の好きな「インナージャーニー」では、ゲストのファンファンがいいトランペットを聴かせてくれました。



フィッシュマンズは会場が合っていない気がして、やや消化不良。


でもラストの1曲前Weather reportがすごくよかったなぁ。


この曲、ライブの方がずっとかっこいいんです。


余計に屋根無いところで聴きたかった。



ラストは真夜中のボヘミアン・ガーデンで


向井秀徳アコースティック&エレクトリックとoutside yoshinoを。


これがまた、たまりませんでした。


二人も特に打ち合わせをしていないようで、やる時間も未定のままスタート。


互いが1曲ずつ歌っていくというスタイルで、お互い表現するものも全然違う。


決して、交わることはない。


なのに、共鳴しているというか、結果的にそれが二人で作り出している音楽のように聞こえる。


要は、お互いがソロでやっている時と、聞こえ方、世界観が違うように感じられるのだ。



ライジングサンって、こういう自由な空気があると思う。


アーティストが好きなことを自由にやれるというか。


フジにも似た空気を感じるけど、これこそがフェスの醍醐味であるようにも思う。


今年もたっぷり楽しみました。






8月10日~12日,ライジング・サン・ロック・フェスティバルに参加してきました。


数えてみると14回開催のうち,12回参加してる。


まぁ,北海道民だから当然か。


今年は会場レイアウトが大幅に変わって,一番大きいサン・ステージが


えらく奥になりました。


そして駐車場が会場の中になったんだけど


駐車券はあっさり売り切れ


自分は例年と同じ場所(会場外駐車場)に駐車。


例年駐車券は直前に買っていたので、その癖でもたもたしていたら


そんなことになってしまった。


で、結局どうだったかというと


会場外からだと、荷物の運搬はすごく大変になりました。


しかも、入退場の表示が甘くて、帰りは迷いました。


もう少し丁寧にしてほしかった。


日程が変わったせいか、今年は昨年のガラガラぶりが打って変わって


全体的に賑わっていました。駐車場待ちもかなりの渋滞。


ただ、会場に入るとフジほどではなく、トイレも待つことなく入れました。


人が分散しているというか、フードエリア、トイレなどまんべんなく散らばっているからかな。


オフィシャルグッズは、金曜の午後にはかなり売り切れていました。


土曜の物販では、袋もなくなったそうです。


あれ欲しくてグッズ買う人もいるのに(俺です)。


ステージはDef Garage, rainbow shangrilaという2つが新たに誕生しました。


Def Garageはヘブンズ・ゲートのすぐ近くの小さなステージ


rainbow shangrilaはレッドのやや奥にある屋根付きのステージです。


このrainbow shangrilaにはフィッシュマンズが出たんだけど


ちょっと場に合わない感じだったな。


昔あったMoon Circusならぴったりだけど。

コステロでがっつり盛り上がり、いよいよ3日目のヘッドライナー


おそらく、最高動員数を記録するであろう、Radiohead。


ステージにはいくつか分けられたスクリーンが用意される。


すごい人になるだろうと思い、位置取りをやや左横にした。


横にすると少し遠いけど、比較的人の頭が邪魔にならない。


押し寄せることもあんまりないし。


オープニングはLotus Flower。


PVの妖しいダンスを見せてくれるのかと思ったが、


肉眼ではわからなかった。


サイドのスクリーンも演出用になっていて、トムの姿ははっきりわからない。


むしろ僕の方からは、ジョニーのほうがよく見えた。


驚くのはライブでの再現力。


Bloom,Morning Mr Magpieなんか難しいんじゃないかと思っていたけど、全くの杞憂でした。


トータルではやはり,The King Of The limbsの世界観を


幽玄さを控えめに、肉体性を強く出したような感じだった。


そんな中に、過去の曲もしっかりとマッチしていた。


特に2回目のアンコールが怒濤の流れで


疲れているんだけど、そのときはすっかり忘れてしまうくらい陶酔していた。


でもでも、


ちゃんと観ているんだけど、観た気がしないというか。


すごくよかったのに、自分は何を観ていたんだろうという、そんな印象。


Atoms For Peaceの時はひたすら「すげー」って思っていたんだけど


今回は何がすごいとか、全く考えることなく、ただただ鳴っている音に身を任せていたように思う。


それこそ、トムがしゃべらなければ2時間ずっとその状態だったかもしれない。


だって、「イラッシャイマセー」とか言うんだもん。


僕が観た中で、たぶん一番ふざけていたフロントマンだったと思う(笑)


トムは間違いなく人間なんですが、


生み出されるものはやっぱり「あの世」よりでした。



僕が体験したものは何だったのか?


そして、トムはあれでいいのか?


「感動」よりは「検証」の気持ちを抱きながら会場を後にしました。


ゲートに書かれた、「See You Next Year!」の文字。


当然です。

引き続きグリーンでコステロを。


サマソニでも見たんだけど、近年のコステロのライブは最高です。


今回もインポスターズを引き連れてのライブ。


少し早めに登場に、もう頭からフルテンション。


御年58でもロックがどうあるべきかをよく知っている。


コステロ自身の音楽性はとても幅広く、アルバムごとでコンセプトが明確になっている。


でも、どの作品にも共通しているのが、エッジの鋭さだ。


で、ライブではその鋭さが格段に増す。


だから、Radio Radio,Pump It Up,Peace Love And Understandingといった過去の名曲は


錆び付くことない刃を心に押し当ててくる。


個人的にはいつかヘッドライナーで2時間くらい見たいなって思うし、


今回もベストアクト級。

ドラゴンドラですっかりレジャー気分だったが、


気持ちを切り替え、グリーンへ。


今日の1発目は、Jack White。


ジャックはなんでも男と女で構成した2組のバックバンドを連れて


その日のフィーリングで、どちらと演るか決めるらしい。


で、今回はどっちかというと


全員水色の衣装をまとった女性が登場。


なんだかクラシックでもやりそうな感じなんだけど、


ドラムの力強いビートが目を覚まさせる。


ドラマーがすごくかっこよかった。


ジャックももちろん水色のスーツで登場。


ソロの曲はあまりやらず、ラカンターズ、デッド・ウェザー


そしてもちろん、ホワイト・ストライプスの曲をまんべんなく入れた構成。


しかもホテル・ヨーバやセブン・ネイション・アーミーといった


鉄板ナンバーで盛り上げる。


バンドの演奏も全く線の細さを感じさせず、


タイトかつワイルドな音を聞かせていた。


ジャックと言えば、これがまた見事なまでの「帝王」ぶり。


Love Interruptionは女性ヴォーカリストにギリギリまで寄って歌い上げる。


その後も、ほかのプレイヤーのところへ寄っていっては


ギターと一緒に絡みを見せる。


しかもメンバー、みんなべっぴんさん。


なんか途中から若干恥ずかしくなってしまった。


ステージを去るときも両脇に女性をはべらせ・・・いやいや並べ、わずかな笑みを見せる。


やるなぁ・・・ジャック。


まさか、こんなのをやりたいからストライプスを・・・なわけないね。


ちなみにラストのセブン・ネイション・アーミーの盛り上がりはすごかったです。


終わった後もお客さんかなり歌っていました。


いや、やっぱり求めてしまうのはわかります。


自分の中で、2004年に見たストライプスのライブを超えることは


たぶんないような気がする。


でも,バランスの良いセットリストは,


そういう聞き手の率直な欲求をちゃんと理解した上なんだろう。