
SONPO美術館『カナレットとヴェネツィアの輝き』
既に終了している展覧会で恐縮ですが、父の通院で有休をとった12月18日、SONPO美術館の『カナレットとヴェネツィアの輝き』を鑑賞しました。新宿西口に行くのは久しぶりな上に工事中、美術館へたどりつくまでにきょろきょろしてしまいました。
展覧会サイト
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2023/canaletto/#anc1
98年にツアー旅行で訪れて以来、ヴェネツィアは私にとって特別な場所。行った後、行く前より自分がよい方へ変わったように感じるのです。そんな風に思っているのは自分だけかもしれませんが。一緒に行った友人は20回以上も欧米を旅行している人ですが、彼女が行った中でもここはベストな場所と言っておりました。
ヴェネツィアにひきつけられる人は多いようで、小説や映画の舞台になっています。有名なのはトーマス・マンの『ベニスに死す』ですが、ヘレナ・ボナム・カーター主演の『鳩の翼』も美しい映画…結末は苦いですが。青春時代に視た『リトル・ロマンス』もゴンドラに乗り、日没の瞬間にため息橋の下でキスをすると、ふたりは永遠に結ばれるという伝説にひかれて中学生のカップルがヴェネツィアを目指します。投獄される人が渡った橋なのに? 隅田川の橋でも似たような話を作ると観光客が増えるかも?
ともあれヴェネツィアに関する本とかテレビ番組などは気になります。塩野七生の『海の都の物語 : ヴェネツィア共和国の一千年』も読みました。今回の展覧会も新聞記事とNHKの『日曜美術館』のアートシーンで知って、迷いながらも行ってしまいました(笑)。ただ主役の画家カナレットと彼が得意としたヴェドゥータ(景観画)という言葉も今まで知りませんでした。ずっと前に18世紀のヴェネツィア絵画の展覧会に行ったので記憶していないだけで見ていたのかもしれませんが。
鑑賞ガイド
https://www.sompo-museum.org/wp-content/uploads/2024/10/Canaletto_Guide.pdf
第1章の『カナレット以前のヴェネツィア』ではヴェネツィアの鳥瞰図とティエポロらの作品。ティエポロの『ヴィーナスによって天上へ導かれるヴェットール・ピサーニ提督』はこういう構図の絵を前にも見た気がします。
第2章『カナレットのヴェドゥータ』でまず迎えてくれたのは『サンマルコ広場』の絵。

脳内で「ここ行った!」と叫び、テンションがあがります。ただこの絵には本来はここにはないはずのものも描かれているのだとか。とにかくヴェネツィアの有名な建物は全部並べちゃおう…レベル全然ちがうけど、土産物屋などで売られているペナント?
例えば東京ののペナントなら東京タワーも皇居の二重橋も浅草の雷門の絵もありますよね。私も小学校の修学旅行で東京へ来て買い、しばらく飾っていました。そう言えばペナントって最近あまり見かけませんね。
展覧会のHPには「カナレットによるヴェドゥータは、「グランド・ツアー」でイタリアを訪れた英国の上流階級が旅の記念としてこぞって求めたいわば「名所絵」。」とあります。グランド・ツアーは貴族の子女の教育の総仕上げ、つまり高級な修学旅行?
『サンマルコ広場』の説明によれば、「腕利きのヴェドゥータ画家たちは、建物のプロポーションや細部を、素描などで記録した後、それらの素材を自在に操って、望ましい眺めを描くのである」 事実とちがうからと言って適当に書いているわけではありません。つまり実際の景色を再現することにはこだわらず、ヴェネツィアの思い出と魅力を描くことに注力しているということ。
それにしても旅の記念に求める、つまりおみやげになる絵というので、手頃な大きさの絵が多いのかなと勝手に思っていましたが、わりとサイズが大きくてびっくり。グランドツアーをする階級の方はお土産をお持ち帰りしたりしなかったのでしょう。船で運んだのかしら? あれだけ細部まで描き込むためには
絵全体が大きくないとだめなのかもしれません。
『カナル・グランデのレガッタ』など149.8cm×214.8cmもあります。大きすぎて写真が撮りにくかったです。自分の身長ぐらいありますから、絵の中に引き込まれそうでした。
ヴェネツィアの重要行事の絵。
キリスト昇天祭には海とヴェネツィアの結婚式が行われ、元首が金の指輪を海へ投げ込む儀式を行うために乗る御座船がプチントーロなのだとか
『昇天祭、モーロ河岸に戻るプチントーロ』(1738)
『昇天祭、モーロ河岸のプチントーロ』1760年
カナレットの絵を家に飾った英国貴族は、毎日ヴェネツィアの風とにぎわいを
味わうことができたでしょうね。
私ならあまりごちゃごちゃしていない『サンヴィオ広場から見たカナル・グランデ』がほしいかな?
2024年、楽しんで視たドラマ『大秦帝国』『永楽帝』『始皇帝』
2024年に熱心に視た歴史ドラマについて書いておこうと思います。たまたまですが全部中国時代劇です。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』も悪くはなかったと思うのですが、紫式部つまり女性が主人公なので筋運びの中心が恋愛になるのが、個人的は口に合わないと申しましょうか、料理なら砂糖入れすぎみたいな感じ。中国時代劇でも身分違いの恋がかなうまでのようなお話、それから史実ではなくて仙界?などがからむファンタジーものはなじめません。
1つは2023年末から2024年2月にかけてBS日テレで放送された
『大秦帝国』題名はこうなっていますが。まだ秦が始皇帝によって統一した帝国になる五代ほど前からお話。秦が強大になっていくきっかけとなった商鞅の改革が中心。商鞅は魏の出身ながら秦の孝公に認められて重用されますが、あまりに自分の作った法制度を厳しく用いたために他の王族や貴族の恨みを買い、孝公が亡くなると追われる身となって刑死した悲劇の政治家。
2008年の制作とあって中国時代劇でも近年のものにはない真面目な作り方にひきつけられました。商鞅役(王志飛)、孝公役(侯勇)はもちろん俳優の演技が素敵。女優では孝公の母の太后役の呂中さんが凄いと思いました。ドラマの序盤で毒矢を受けて亡くなる孝公の父、献公は即位の前にも流浪したとのことですが、たたずまいだけで過酷な運命を生き抜いてきた女性であることを感じさせました。
商鞅が魏の国に残してきた恋人、白雪と秦に来てから妻になる武闘派の公主熒玉の女優さんがどちらも眼のぱっちりとした彫りの深い美人で似ているので、時々混乱してしまいました。
BS日テレサイト

次がBS12で春から放送された『永楽帝~大明天下の輝き~』。明王朝の基礎を築いた第3代皇帝のお話。信長の旗印にもなっている永楽銭はこの皇帝の時代から鋳造されていて日本人にもよく知られている皇帝なので是非視たいドラマでした。ただし日本のあちこちにある永楽銭は必ずしも明から入ったものではなく、鋳写しといわれるコピーが多いそうですが…
BS12サイト
https://www.twellv.co.jp/program/china/eirakutei/
ともあれ、主人公の父、明王朝の太祖洪武帝朱元璋は農民から皇帝になった日本で言えば秀吉のような人。ドラマの中でも洪武帝とその妻、馬皇后は宮殿の中に作らせた畑で昔を思い出しながら鍬を使っていたりします。
少年時代の主人公はやんちゃで宮殿から抜け出して漠北の戦いへ行こうとします。建国まもないころのせいか、皇帝夫妻と息子たち、家臣、武将たちの距離が近く、温かい感じ。主人公の導き手となり、舅にもなる徐達が皇帝夫妻、皇太子と食卓につき、皇后自らが料理した鵞鳥が出された時、自分の好物を出すということは何か厄介事を命じるつもりなのだろうといい、皇帝に「哥哥」(gege, 兄者)と呼びかけ、「お宅の四男坊とうちの娘が!」と驚くといったホームドラマ風のシーンもあります。
しかし皇太子が病のため早世、その子朱允炆が2代皇帝に。やがて主人公はよき兄の遺した甥と戦うことに…
鄭和に大遠征をさせ、日本の足利義満とも交流、中国史の中の偉大な皇帝の少年時代から遠征先で亡くなるまでを描いた超大作なのですが、その割には45話で完結。物語がテンポよく進みます。ヒロインが宮廷に入って皇帝に愛されたり疎まれたり、流産したり他の人を好きになったりで80話もあるようなドラマよりは私には視やすく感じました。
現在、BS12の深夜から早朝に放送されているのも時々視ています。まあ女性が主役の宮廷愛憎劇もわりと視ちゃいますけど。

次が夏から秋にかけてBSイレブンで放送された『始皇帝 天下統一』。先述した『大秦帝国』の続続続編になるドラマ。十数年かけて4部作で始皇帝の天下統一までをドラマ化。壮大な企画ですね。日本で例えば大化の改新で中臣鎌足が歴史に登場してから藤原道長が権力を握るまでの藤原氏の物語を4年かけて放送したりしたら視聴者がついてくるかしら? BSイレブンで1月10日早朝からまた放送されるそうです。
詳細はこちら
秦から趙へ人質として送られた嬴異人と趙の女性との間に生まれた主人公。嬴異人が妻子と別れて呂不韋と趙を脱出するところから始まります。父荘襄王が秦王に即位できるまで、さらに荘襄王の病が重くなり、主人公が即位をじゃまされそうになる華陽の変、即位してから親政ができるようになる加冠の儀の騒動などがじっくり描かれます。じっくり過ぎてちょっとつらいところもあったけれど、やはり引き込まれて視てしまいました。
策略家の華陽太后を演じている女優ヴィヴィアン・ウーさん、見おぼえがあるなと思いましたら、ジョン・ローン主演の『ラスト・エンペラー』で溥儀の第2夫人を演じられていたそうです。離婚を決め、「雨は降っているけど傘は要らないの」と言って出てゆくシーンが忘れられません。ラストエンペラーの第2夫人がファーストエンペラーの前に立ちはだかる太后になるなんて大出世?というか壮大な俳優人生?

始皇帝の母趙姫の愛人、嫪毐が謀反を起こすまでも微細に映像化。趙姫を演じている女優朱珠さんの美しさと演技力のせいか、淫蕩というよりむしろ悲恋に泣いた女性。呂不韋は自分の恋人だった趙姫を嬴異人に近づけて出世のきっかけにしたとも言われていて、このドラマでも秦にたどりついた趙姫が呂不韋と二人きりになると「ひどい人!」となじることからそういう関係だったのだと察しられます。夫も息子も王となり、自らも権勢を得ても、出世のために恋人に売られ、夫にも長期間敵国に置き去りにされた癒えない心の傷のせいで嫪毐に夢中になってしまったのかと感じさせます
今まで読んだ本などでは悪人だと教わっていた李斯もこのドラマでは悪人ではなく、才子として描かれています。秦王に仕えることを拒んだために捕らえられた韓非の牢を友人として訪ねて毒薬を与え、死んでゆく韓非を抱きしめるシーンはまるでBL?
本来王太子だった兄を追い出して父の死後ちゃっかり即位する趙王、
少年時代は無二の親友だった秦王と敵対することとなり、ついには暗殺を画策する燕の太子姫丹など脇の人物、ストーリーも魅力でした。

当たり前ですが、登場人物たちの服装、髪型は始皇帝陵の兵馬俑にそっくり。ですので、2023年の兵馬俑展の写真を入れてみました。
初詣、水仙、ショートケーキ
今年の抱負を宣言しよう!
▼本日限定!ブログスタンプ
今年の抱負…やりたいと思っていることを先延ばしせずに
取り組みたいと思います(何だか去年と同じような…)
ちなみに去年の正月用の花もセンリョウの枝と黄色いキクだったのに気づきました。
黄色じゃなくて紫の菊にすべきだったかしら? 来年はちがう傾向にします(笑)
ただ買った時にちょっとうなだれていた菊が元気になって花を開かせているのは
縁起がいいかな?
上の写真のダルマは昨年、近所の神社で買ったもの。父に目を入れてもらい、
今日、同じ神社に行っておさめてきました。そしてやはり
同じようなダルマと熊手を買いました(笑)。破魔矢を買ってもいいのですが、
長すぎて我が家には飾るところがないのです。これが今年初めて
買ったものです。今回は神社は一人で行きました。弟が好きな列車の写真を
撮りに長野と新潟へ出かけてしまいました。私の力では父の車椅子を
神社まで押していくのが大変なのです。
生前、母が初詣の度に喜んで見ていたマンリョウ。今年は実が少ないです。
その代わり、その近くのヤツデの花が目につきました。地味な花ですが、
ボンボンのようでかわいいです。
高村光太郎の詩『冬が来た』ではきっぱりと冬が来る時には「八つ手の白い花も消え」ているはずなのですが。
神社近くの公園で水仙が咲き始めていました。
水仙のよい香りで正月の眠さから醒めました。
帰りにコンビニに寄ってショートケーキの2個パックを買いました。
父が時々、こういう生菓子を通院の帰りに買いたがるのですが、
車椅子を押しながらケーキの箱を持ち帰るのが難しいのです。
普段の通勤帰りの買い物でもちょっと面倒だから、
正月ならではの贅沢? 今年初めて買ったスイーツでしょうか。
今年のおせち?正月の準備?
今年初めてコンビニに発注して年賀状を印刷してもらいました。宛名書きを
終わって投函したのが28日です。そのため私の年賀状は元旦に届いていないかもしれません。申し訳ございません。この場を借りて?おわびいたします。
昨年まではコンビニの100円おせちしか買っていませんでしたが、
今年はお休みに入ったらなるべく家にこもりたいので、100円おせちの発売より前におせちセット(税込1200円)と伊達巻を買ってしまいました。他に
数の子も。
本日、元旦食べてみました。伊達巻はやはり100円ものよりおいしいかな?
鏡餅も早めに何もついていないものを100円で買い、飾りは折り紙で
折り紙で作りました。
年末のお休みに入ってから御幣も作ってつけてみました。
これでお正月を迎えられると思った時、気がつきました。
クリスマスの飾りを片付けていないことに(笑)。
このキューピーサンタは自治会の子供向け行事に使えるかなと
思って作った新作?です。結局使わず、室内に飾っていただけです。
12月28日夕方、仏前に供えるためにマンリョウと黄色の菊を
買いました。マンリョウは一本300円と400円のものがありましたが、
ちょっと奮発?して400円のにしました。V字型に実をつけているように
見えるのがいい感じ?
12月30日、しぶる父を説き伏せて?車椅子散歩へ。
母が好きだった近所の公園のサザンカは見ごろを迎えています。
この秋の芸術鑑賞より『幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ』
またまた話はさかのぼりますが11月2日金曜日夜、月蝕歌劇団蠍座公演『幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ』を鑑賞しました。上演されたアトリエファンファーレ高円寺は高円寺南口近くのビルの地下、今まであまり入ったことのないタイプの劇場でした。
公演詳細はこちら
タイトルと昔の星図に黒アゲハが飛ぶチラシのデザイン、友人が買ったプレミアチケットの付録が銀色の蠍がついた赤い液の試験管(もちろん液は固まってます)だったことから、幻想的、耽美的、あるいはSF風のお話なのかなと想像していました。例えば白衣を着た天本英世や岸田森のような「アンタレス博士」が登場して蠍の毒から新薬を作って事件起こすというような…
確かに案内人のアンポンタン・ポカンと白いドレス(ネグリジェ?)を着た歌う患者が登場する序幕は少し幻想的ですが、その後の2つの物語はメルヘンではなく、社会の現実と向き合ったものでした。ちなみに後で調べましたがこのアンポンタン・ポカンと呼ばれる人物はタイトルの元になっている夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』の登場人物です。
第1部『ドグラ』で最初に語り出す「男」はひきこもった暮らしをしているようです。そこへ精神を病んでいる息子の望みで看護師の服装をしているというその「母」が現れます。そこへもう一人、心配そうな顔をした女性が現れます。
彼女がいうには前記の2人の話は全て「遊び」、おそるべきままごと。二人は家庭に恵まれず、ここで暮らしている子供なのだと。ここまでを全て見ていたのは取材に来た「記者」の女性、チラシでは「私」となっています。子供らしい様子で「私」にじゃれつき、おやつを半分分けてあげる「男」。二人のケア役と思われる女性は「子供」たちには保母さんのような口調と表情で接しますが、「記者」の女性には深刻な様子で彼らの問題を語ります。
この第1部の題は『夢想カルテ』。今の時代の子供をとりまく厳しい状況に向き合っているようでもあり、一方でこれはこの中の誰かの「夢想」なのかも知れないという感じもします。
戯曲として秀逸だと思うのは第2部『マグラ』(三角のカド)。部屋で昼寝をしている女性(女1)がサイレンの音で目を覚まします。そこへ同じ部屋で暮らしている女性(女2)が帰ってきて「ただいま」と呼びかけます。彼女は彼氏の「エッ君」とけんかしていたけれど仲直りしに出かけていたのです。しかし「頑張ったけどだめだった」という女2。
そして女1に「この部屋にある私のもの、みんなあげるから」と言い出し、着ていた紫色のカーディガンもおいて、「時間がないの」と出ていきます。彼女が出ていった後で流れるニュースの音声…男性が女性に刺されて搬送、女性は逃走中、紫色のカーディガンを着ていたという目撃情報…女2が一度出ていった後で、忘れ物でもしたかのように戻ってきて「さっき寝てたから
もう一度言うね。ただいま」と言うところにこの二人の絆の深さが現れています。
次の場は女2とエッ君に何が起きたか…雲行きが怪しくなった原因はエッ君の浮気。エッ君の浮気相手はなんと女1…でも女1が愛していたのはエッ君じゃなくて女2。とてもずしりと来るのはエッ君が女2に向かって「オレが浮気したからって怒ったりしないよね」と言い、女2も言葉ではそれを否定しない…しかしその直後…
場面が変わり、エッ君が一人、何かに向かって語りかけています。彼は刺された後、命は取り留めたのですが、以降、女性に抱きつかれたりすると反射的につきとばしてしまうようになり…そして突き飛ばされた女性は絶命してしまったようで。
今の時代、昔に比べて恋愛は自由ということになっています。女2とエッ君も若く、結婚しているわけではないのだから、他の人に気持ちが移って別れても不思議はありません。「浮気したからって怒らないよね」…これはわりとある交際相手への甘え…女2がそういう寛大な女性だから好き?ここで「冗談じゃないわよ!」と怒り出したらそれで終わり? 浮気の事実はあっても二人は別れには踏み切れない…そんな心の葛藤が思わぬ結果に…
女1がちょっと骨太で色気のない女性であるのに対し、女2はいわゆるかわいい、イケてると言われるタイプ。エッ君と別れてもすぐに次が見つかりそう、だからそんなに思いつめなくても…と言いたくなるけれど…でも恋愛というものはそうは行かない…トラブルが起きた時のダメージは当事者にも予想できないのです。女2が着ていたリボンのついたふわふわニットの薄紫のカーディガン、持っていた形はおしゃれだけど収納力がないおもちゃのようなハンドバッグ…この女性の性格と先行きの儚さを語る小道具のように思えました。ちなみにこのタイプのバッグは流行っているのか先日電車で高校生ぐらいの女性がぶら下げているのを見ました。
今回の公演を観て以前、このブログにも書いたシアタークラシックスの
ミニプレイ集を思い出しました。
ちなみにその時のブログはこちら
興味があればお読みください。
日本でもこういう短いけれど人間を深く描き出した演劇が創作され、多く上演されて行くといいと思います。
それからこの公演をごらんになった方は皆一様にXなどで歌う患者役のオンディーヌ美帆さんの歌唱力を讃えていらっしゃいました。私も同感です。
ついでですが、観劇後に高円寺で食べたあんかけタンメンがとってもおいしかった…
2024年の展覧会より『長安・夜の宴 ~唐王朝の衣食住展~』
話はさかのぼりますが11月15日夜、日中友好会館美術館で開催されていた
『長安・夜の宴 ~唐王朝の衣食住展~』を鑑賞しました。
主催者サイト
https://jcfcmuseum.jp/events/event/2024-14/
こちらで映像もごらんになれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VYvL3704hng&ab_channel=JCFCMuseum
以前、一緒に働いていた中国人留学生が言っていました。日本人が
ぱっと思いつく「昔」…平和が長く続いてなんとなくよいイメージがあり、よくドラマにもなるのが「江戸」であるように、中国人にとって親しみがあり、誇らしくも思っている時代は「唐代」なのだと。華流時代劇などを視ていても衣装やアクセサリー、家具などがより華やかでいろいろな世界の文化がまじりあっている感じがします。だから日本人の人気も高いようで、今まで何度も日中友好会館美術館の展覧会は鑑賞していますが、あんなに人がたくさんだったのは初めてです。
パネルの展示もわかりやすいものでした。
混雑したのは琵琶の生演奏のあるナイトミュージアムの夜だったからでも
あるようです。人だかりがして琵琶の音色は楽しめましたが、演奏者―時代衣装を来た美しい女性の姿はちらりほらりとしか見えませんでした。私がわりと好きな『月亮代表我的心』も演奏されましたが、独奏ですから普通の「歌」の部分が琵琶演奏で伴奏はカラオケ。同じ感じでテレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』も演奏。器楽だけだからいいけれど、この歌、聴くとつらい時もあるのです。何と申しましょうか、私自身はどうしてもこの歌詞のような価値観が受け入れられないので…
とそのお話はまたということにして…無料ということもあって展示物のほとんどは複製、それだけにあたりまえですが色彩も輝きも鮮やかで、華流時代劇の世界に迷い込んだ気分になれました。特に楽しみだったのは衣装の展示。

法隆寺の法隆寺の四騎獅子狩文錦に似た模様の服がありました。この連珠円文はもともとは長安よりももっと西が起源の模様らしいですが、これを見かける度にシルクロードってつながっているんだと実感。
これは華流時代劇で割とよく見るスタイル。ストールの扱いとかまねして
みたいかも。
なぜかこんな服を着て『フィガロの結婚』の『ケルビーノのアリア』を歌ってみたい気がします。華麗な鶴の刺繍は無理でも腰のまわりのベルト?みたいなのは何かで作れないかと…

アクセサリーで家にほしいのはこの真珠?とラピスラズリのヘアピン。「点翠梳き櫛」
もう少し若かったら…咲き誇る真珠の花と蛾の「とう蛾金銀珠花樹」や芙蓉冠のこんなのもいいけどつけたら頭重そう。
これは特別展示の8世紀の三彩杯。鮮やかな色彩ですが…

家にほしいのはこの青磁碗か…
白くて形がかわいくてバラかなんか生けてみたくなりますが、
日中友好会館様のXによれば、これは、中国の宴席で使用される「排酒器」
お酒を注ぐための酒器ではなく、飲み切れなかった酒をこっそり捨てるための容器。。無理な飲酒を避けつつ、宴席の礼儀を保つための工夫なのだとか。つまりこれは観賞用の壺ではなく実用品。
これは復元された越州窯の茶托と瓶。この灰色をおびた緑は秘色と言われています。うちにプレゼントするなら唐三彩よりこちらにしてください(笑)

唐代は気候が温暖だったため、冷たいお茶が好まれたとのこと。こんな今でも使いたいガラスのカップで飲んだら涼しそう。

これは薬を作る薬研かなと思ったら茶てん、つまりお茶を挽くもの。
日本の江戸時代、色街の遊女はお客がない状態を「お茶を挽いている」といったそうです。唐の王朝では皇帝のお召がない妃のお茶挽き器?も優雅に装飾が施されています。
唐代のお化粧についての掲示もわかりやすいものでした。
武則天の時代「眉尻は広げられ、眉毛から頬まで濃い紅色が塗られていた」とのこと。武則天は割と好きな中国史の人物。劉暁慶主演で90年代にNHKBSで『則天武后』や近年放送されたファン・ビンビン主演の『武則天―The Empress』も楽しんで視ていました。真っ赤なメイクがお好きだったとは
少しショックかな?
これは翡翠の笛。どんな音がするのかしら?

ともあれ、美しい音楽も聴いて唐の華麗な文化にもひたれてすてきな秋の夜でした。
『教会で死んだ男』(早川書房クリスティ文庫62)より…表題作 宇野 輝雄訳 2003年刊
表紙の写真はこちら
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000320062/
この本の表題作ですが、最後に掲載されています。
ロンドンパディントン駅からかなり鉄道に乗ったところにあるチッピング・クレグホーン村がが舞台。牧師の妻、バンチ・ハーモン夫人が花壇で育てた菊を花びんに生けているところから始まります。「ユリの花があればいいんだけど」「こんなもしゃもしゃした菊にはもう倦きたわ」と思いつつ…
もしゃもしゃした菊ってこんな感じかな? この写真は上野東照宮のダリア祭りの時、咲いていたクジャクソウです。
この部分を読んで宗旨はちがうけど子供の頃住んでいた寺の庭にもやはりもちょっともしゃもしゃした草丈の低い黄色や紫の菊があったのを想い出しました。あれもおそらくは仏前に供える目的で育てていたのでしょう。育てるというより半自生で幼い私が摘んで遊んでも怒られもしませんでした。それから黄色い芯を白い細長い花びらが取り囲んでいる、マーガレットみたいだけど
マーガレットのように花も葉も繊細ではない、今まで調べた限りではシャスターデージーである可能性が一番高いキク科の花も西側の庭いっぱいに咲いていました。
これは今年の夏に撮った白いユリ。品種にもよるでしょうけどもしゃもしゃした、つまり花の小さい菊よりユリよりもずっと育てるのに手間がかかります。。

ともあれ、菊の花瓶を抱えたバンチは日光を浴びて宝石のように輝くステンドグラスのある祭壇のそばに、45歳ぐらいの男が倒れているのに気づきます。男は銃で撃たれて瀕死…バンチはに村の医師グリフィス先生を呼びますが、手当もむなしく男は息をひきとります。「たのみます」という言葉を遺して…
身元の確認にやってきたのはエクルズ夫妻。死者は夫人の弟で最近、拳銃をもったまま失踪、自殺したのだろうといいますが、違和感を感じたバンチ。
亡くなった男が発見時に口にした「サンクチュアリ」という言葉の口調が
夫のハーモン牧師と同じ。つまり男は牧師と同じような博識で教育のある
男でないかと…エクルズ夫妻には品がなく、しかも死者の名前をまちがえている…
死んだ男の背広に縫い込まれていたものを持ってバンチはミス・マープルの元へ。甥のレイモンドのロンドンのアパートに滞在中だったミス・マープルはバンチにくれぐれも身辺に注意するように言います。相手は目的のためには人殺しもいとわない何者か…
ミス・マープルが洗礼式の名づけ親だったバンチ・ハーモンは弟子、あるいは2代目?
被害者がチッピング・クレグホーンにやってきて撃たれたのは愛する者のため。ラストでバンチはまたまた菊の花を生けながら死者の願いをかなえようと心に決めるのです。
のどかな村の牧師館の日常から始まりますが、ミュージックホールの踊り子からアジアの王族、古代インドの国王のエメラルドまでからんだミステリーです。瀕死の男の言葉から始まる点は『なぜエヴァンズに頼まなかったのか』に。静かな日常にいきなり死体が現れる点は『書斎の死体』に似ていますが、
あれほど真相は陰惨ではないので、安心してお読みください。
討ち入りの夜の?クリスマスライブ
2024年の芸術鑑賞については年末年始のお休みにまとめて書こうと思っておりますが、
これはあまりにすてきなクリスマスになったので早めに…
12月14日土、先週に引き続き、午後3時ごろ家を出て図書館へ…貸出カードを更新するようにとのメールが来ていたのです。ついでに文庫本を3冊借りました。
その後、日吉駅で友人と待ち合わせてWonderWall Yokohamaへ
お店のページは下記
https://gh04200.gorp.jp/
地下にあるお店で、入ると幻想的な気分になり、浮世のつらさを忘れることができました。店へ入る階段を降りてすぐの飾り棚のクリスマスディスプレイがとってもすてき。
聴いたライブの詳細は下記、一緒に行った友人が出演の遠藤征志さんとRyu Mihoさんのお二人の熱心なファン。私もとっても楽しみました。ちなみにMC3850円は食事代といっしょに最後に支払、ライブレストランとのことなので。
https://wonderwall-yokohama.jp/schedule/christmas-with-breeze-of-you/
ライブの一部はこちらのRyu MihoさんのXで聴けます。
ちなみにこの歌は11月に同じ友人と観た月蝕歌劇団公演『二千某年のドグラとマグラ』のテーマ曲。この曲をソロで歌うのもピアノで伴奏をするのもとても技量が要りますね。
https://x.com/RyuMiho/status/1868068069102494054
テーブルに置くランプのオイルの色は好みで選べます。
私は何となくヴァイオレットにしました。ロマンティックで恋人同士でのご利用にお勧めな感じ。
菊の花びらを散らしたオードブル。映っているカップの自家製ホットレモネードも年末の忙しさの疲れに効きました。
メインディッシュは写真撮らなかったけど素材にこだわった親子丼。
食後はホットコーヒー、980円とちょっと高く…実は私史上?2番目
高価なコーヒー…でしたが、カップのぬくもりを指に感じながら、音楽に
ひたり、すばらしい時間でした。
こんなにすてきなクリスマスイベントは久しぶりです。
ちなみに現在のところ私史上もっとも高価なコーヒーは母が元気だったころ
家族4人で旅した修善寺の喫茶店のブルーマウンテンで1500円でした。
家に帰って寝る支度をしながら録画しておいた『偉人・敗北からの教訓―吉良上野介』を視ました。考えてみると赤穂浪士の討ち入りの夜ですね。
「崩壊、あるいは異邦人」ダンス公演-鈍色の光の彼方へダンスする-
12月7日、浮世絵灯籠を見た後、中野のテルプシコールで舞踏公演『崩壊、あるいは異邦人』を観賞。

劇場への行き帰りに中野駅レンガ坂通りのクリスマスイルミネーションを楽しみました。

テルプシコール様サイト
https://www.studioterpsichore.com/day.html
「崩壊、あるいは異邦人」ダンス公演-鈍色の光の彼方へダンスする-
出演:木部与巴仁 芝崎健太 秦真紀子 藤井マリ(五十音順)
照明:早川誠司 / 音:望月隼人 /
企画:moonfish art (藤井)

出演者の一人、藤井マリさんからいただいたチラシの言葉。
幼い頃眠れない夜に宇宙のことを考えた
宇宙には果てがあるの
果ての端から落ちたらどうなるの
落ちた先にはまた違う世界があるのだろうか
果てを目指して旅を続けている(以下略)
上記を読んで自分が子供の頃は宇宙の果てではなくて、死んだらどうなるか
が気になって眠れなくなったことがあったのを思い出しつつ、ステージを
鑑賞。

はじまりは木部氏、秦氏、藤井氏がコートを着て現れ、フロアをあちらこちらへ歩きます。女性たちの頭はマフラーで覆われています。まさに旅する人々。
コートとマフラーを取った三人がさまざまな動きをしている…三人の踊り手が正面で一人ずつ踊る場面がありました。テルプシコールで男性の舞踏を観るのは初めてだったのですが、木場氏の舞踏はとても見ごたえがありました。脱いだレザーのコートを床にたたきつけるような動き…あれは何かへの抗議?
途中からから黒のスーツの芝崎氏が現れ、今までの三人を支配するような、あやつるような動作をします。他の三人がぐるぐるとまわりながら退場…まるで流しで水道から水を出すと、ものがくるくると回りながら排水溝へ行くような動きが見事でした。
途中からから黒のスーツの芝崎氏が現れ、今までの三人を支配するような、あやつるような動作をします。他の三人がぐるぐるとまわりながら退場…まるで流しで水道から水を出すと、ものがくるくると回りながら排水溝へ行くような動きが見事でした。

パンフレットにある出演者たちの言葉
誰の中にも棲んでいる異邦人がゾロゾロ集まってきて舞台に紛れ混む、もしくは
じっと見つめる、それもいいな(藤井マリ)
旅先では異邦人になる、孤独と解放感、見知らぬ風景と透明な時間、ダンスは旅、
今日も異邦人になる(秦真紀子)
外国にいる時の不安や面倒臭さ、同時に得られる気楽さ。街の看板は半分読めるぐらいが
ちょうどいい(芝崎健太)

まさに「異邦人」として旅している心持を感じる舞踏でした。誰の中にも、私の中にもいる「異邦人」に向き合い、わかりにくいのは承知の上でその言葉に耳を傾ける必要があるのでしょう。
テルプシコールの行き、帰りに中野レンガ坂のイルミネーションを楽しみました。
浮世絵灯籠の続き、ホウレンソウカレー、土曜午後からのお出かけ
12月9日月曜日、仕事が残業になって疲れてしまったので、すき家へ
牛すき鍋が食べたかったのですが、提供できないとのことなのでしかたなく
ホウレンソウカレーにトライ。何となくヘルシーそうなので。
おいしかっけど…何だか結構お腹に来ました。家で週末によく作るカレー…近所の店で売っている一番安い中辛のルー…ではこんなことはないのですが…並盛にしたからかな。月曜はたいてい仕事がきついので、夜は外で食べるようにしたら楽になるかしら?
話はさかのぼりますが…12月7日土曜日、父と昼食を取ってから午後家を出ました。家の近くの皮膚科でアトピーの診療…といってもいつももらうステロイド剤をもらうだけですが。
中野のテルプシコールの舞踏公演『崩壊、あるいは異邦人』を予約していましたが、少し時間があったので、上野公園の浮世絵灯籠の11月に見ていないところを見ました。同僚でストレスの強い立場の人は休みの日に勤務地の上野
へ行くのも気がすすまないといいます。私も何だかそんな気分もしますが、
でも今回は行ってよかったです。前回は見つけられなかったセクシー過ぎない?女性の絵も見つけましたし。ロープのためやや写真が撮りにくかったのですが。
この花見する宮女も11月に見たところにはありませんでした。
月夜の橋
ちょっと品のない宴会
雪の中のうどん屋?何か温かいものを食べながら眺めていたい絵
窓?からの梅と湖?
大名行列
カキツバタに八重桜
近所にあって春になると母と眺めていた八重桜の樹のことをふと
思いだしました。その樹がある家の方が建て替えをした際に切ってしまった
ようです。
母の生前はこの日のように午後から出かけるということはありませんでした。
母がどういうものか、私が家を出ていく時に「見送らなければ」という
気持ちが強く、出かける予定があるのに出かけるのが遅いとストレスに
感じるようなのです。「何時に出ていくの?」と何度も訊いてきたり、
「出かけないことにしたの?」と言い出したり…なので友人と会う約束や
観劇の予約が夜であっても出かける日は午前10時ごろに家を
出て、土曜日ならば通院したり、図書館に行ったり、買い物を
したり…今は午後からは出かけないことにすると…どこへも行けません((笑)

浮世絵を見ていると時代小説を読みたくなります。できれば触発されて
創作とかできるといいのですけれど。









































































