筒井康隆 エロチック街道 (新潮文庫1984)より表題作
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この本の表題作で一番最後に載っています。
海岸沿いの鉄道の駅のある根岸舞子なる街へ行こうとしていた語り手の男は、「帰りの燃料がなくなりそうだから」というので途中の根岸で街でタクシーから降ろされてしまいます。運転手が言うには映画館もあれば酒を呑ませる店もある街なので別のタクシーを拾えるはず。ところが映画館は閉館して5,6年は経っていそうだし、居酒屋はあったけど食事はできず、空腹をまぎらわせるのはおつまみの干物だけ。
居酒屋の女中に目的地への行き方を訊くとタクシーは普通はこの街へは来ず(電話で呼べないのかな?)、バスは最終から2番目が出たばかりで最終バスが来るのは1時間半後、根岸舞子への交通手段としてお勧めなのは「温泉に乗ること」。街道を商家が尽きるまで歩くと岩山が見えてきてそこに根岸から根岸舞子へ続く「温泉隧道」の入口があったのです。隧道には「トンネル」とルビがあります。歴史は古く701年の火山の噴火でできたと考えられ、源頼義が安倍氏平定の際に発見したとの伝説がありますから、モデルは青森か岩手のどこかでしょうか。
岩ばかりの崖にはさまれた狭い道を歩いたところにある思いがけず立派な二階建ての建物、脱衣所は広間風の座敷、浴衣を着た3人の女性が待機。その一人は閉館したままの映画館にあったポスターと同じ顔…主人公はもう映画には出ないのかと尋ねます。「そうなのよ、やめたの、私の映画みたの?」「一本だけ見たよ」というような会話をしているところへこの元女優の妹がやってきます。
温泉隧道の中には熱湯が噴き出ていたり、尖った岩があったりして初めての人が一人では危険。そこで着湯所へ行くついでがある元女優の妹が案内するのです。語り手の男には浴衣が貸し出されますが彼女は何も着ません。そしてギリシャ神話のニンフのように堂々と
湯の中で泳いだり、水泳の練習に使うピート板を使ったり…エロチックな地下の道行。
前回の本レビューの『遠い座敷』では子供の頃の記憶がよみがえってきたけれど、この小説では今までの旅の記憶がよみがえってきます。駅、バス停など乗り物から降りたところから繁華街へ出るまでの道が静かすぎて心細くなること、そんな時にふいにウィスキーの水割りかオンザロックが飲みたくなること、でも酒屋らしいところにたどりついて清酒の匂いがしてくるとそれにも心惹かれる変わりやすい旅人の気分。
間口が広いけど奥行がない呉服店、どこに通じているのかわからない階段、呉服屋と二階がつながっている居酒屋、呉服屋と居酒屋を同じ家が経営している?…数年前に閉業した時のポスターがそのままの映画館…だから映画館がある街という運転手の言葉はまちがいではありません。ひょっとしたら廃業ではなく、休館したまま再開のめどがたたない?…そんな不思議も田舎町あるある。
そういえば…私の生まれた町にも70年代初頭まで映画館があり、一度だけ父に連れられていきました。そう父が母に「実以を一度映画へ連れて行こう」と言って…見たのはアニメでゆうれい船のお話、なぜか人体が溶けてなくなって服だけが道路にある場面があり、細かいことは忘れたけど怖かった…もっとかわいい少女漫画風の映画を見せてくれてもよかった気がするけど、きっとあの映画館には来なかったのでしょう。跡地に3階建てのデパートが建った後もその前の街灯には「○○映画館」という看板が何年もついたままでした。

とついつい思い出話をしてしまいましたが、『遠い座敷』では主人公の冒険が始まるまでの前置きが余計な感じがしましたが、この小説ではその前置きに魅力を感じます。地酒の丁太夫はお勧めだけど権太夫は根岸舞子の酒だからとすすめたくない居酒屋の女中…隣町への対抗意識? 岩肌を切り崩して作った入湯所の入口、「温泉隧道入湯所」という輝く鮮紅色のネオン、漂ってくる温泉の香り、帳場の前の板の間のソファや肘掛け椅子、
熱帯樹の植えられた中庭。きっと著者はいろいろな温泉を旅して、
その経験が繊細な描写に結実しているのでしょう。
温泉隧道の設備の中で一番気になるのは入湯所で脱いだ客の衣類を根岸舞子で受け取れるようにする「送衣路」。これがあるのでこの洞窟温泉は交通手段として機能…語り手の男も「温泉水を利用してもう一つ小さな隧道を作り、密閉した容器に衣服を入れて流すのだろうか」と考えています。私としては送衣管から服が出てくるところまで書いてほしかったけど、そうすると
ロマンスの余韻がなくなるかしら?
読むとこんな温泉があったらいいなと思う方もいらっしゃるかもしれません、
洞窟温泉と言われるものはあちこちにありますが案内人が何も着てなかったらきっと違法になりますね。一方、脱衣所で語り手が自分の美しさに見とれていることに気づいた元女優の妹は「自分を抱きたいか」という意味のことを言い、それが商売なのかと聞き返されると否定して「あなたのような人が好きですから」と答えます。商売じゃなくて希望して行動を共にするのだから違法でもないのかな?
洞窟温泉をネットで調べると「昔ながらの混浴が多い傾向があります」「水着やタオル着用で入れる宿や湯あみ着を貸し出しているところも」…ということはご本人さえかまわなければこのお話のように何も着なくても入浴可能なところもあるのかしら?
そもそもタクシーの運転手は根岸にお金を落としてもらうために主人公を
降ろしたのかもしれません。主人公の人となりはわからず、小旅行の時のバッグに入れてある地図をみれば…という言葉から、小旅行中なのでしょうが旅そのものの目的も書かれていません。でも居酒屋の中年の女性が「こんな真面目そうな人にあんなものを勧めちゃいけないよ」とたしなめているから何となくある程度若くて、堅実そうなタイプのような…この女中はひょっとして入湯所の元女優に電話して「お宅の妹さんに向きそうな人が来たら案内しましたよ」なんて言っていたりして……だからこの一帯は『エロチック街道』なのかも。
この本の最初の『中隊長』や知識階級の家の描写から始まる『遍在』は風刺ユーモア小説なのかなあと思って読んでいるといきなり性的なお話になって閉口しますが、『エロチック街道』は題名のわりにはどぎつくなく、私は読みにくさは感じませんでした。むしろどこか温泉の旅へ行きたい気持ちだけれど行けない時、読むと癒される小説かもしれません。
ちなみにこのブログの写真は上から2012年に同級会のあった戸倉上山田温泉のネオンサイン、暮れ方の善光寺境内から見た通りの灯り、上田市で宿泊したホテルの向かいの蕎麦屋、新横浜ラーメン博物館の中に再現されている昭和30年代の映画館です。小説の雰囲気にあうので入れましたが、戸倉上山田にも善光寺にも上田にも新横浜にも洞窟温泉はありません(笑)。
春分の日、南夕子の白木蓮、自家製?ショートケーキ
昨日は雪が降って大変でしたが、本日、春分の日は晴れました。
でも父は寒がって車椅子散歩に出ませんでした。
その分、今年も咲いた南夕子の?白木蓮をじっくり見ることが出来ました。(注1)
今年は春先の寒さのせいか、同じ樹でも箇所によって咲き方がちがうのです。この樹も日当たりのいい樹の上の方は満開、あるいは散りかけているのに樹の下のかぶりつきで写真がとれそうなところはつぼみのまま。
昨夜、近所のスーパーではちみつかすてら、いちご、ホイップクリームを買いました。
ホイップクリームは既に絞袋に入った状態のもの
父が時々、いちごショート風のお菓子を食べたがるのですが、
値段も高めだし、ケーキを家に持ち帰るのが大変なので、
家で作りました(笑)。ぶかっこうで恐縮です。
カステラを切るのに苦戦してしまいました。次回は既に切れているロールケーキにしようと思います。父には喜んでもらえました。ホイップクリームと
いちごのコントラストに気分があがるらしいですね。
いちごパックは400円ちょっと、ホイップクリームは200円ちょっと、
カステラは300円ちょっとどれも安くない気はしますが、ショートケーキを3人分買ってくるよりは安上りだったかな? 余ったホイップクリームは
パンに塗ったり、コーヒーに入れたりして楽しめました。
注1 筆者の書いていることがわからない方は『ウルトラマンA』28話、38話をごらんください。
”春近し!” 南夕子が現れそうな風景…朧月夜のオオカンザクラ、そしてカンヒザクラ
女優の星光子さんがカンヒザクラとメジロの写真をブログにアップされています。
私も今、時々上野公園の噴水脇のカンヒザクラを楽しんでいます。今年は3月10日頃から咲き始めました。
これは翌3月11日、咲いている花が増えていますがつぼみも多いです。
天気は曇りでしたが、この花の濃いピンクは鮮やかで気持ちが晴れます。
3月14日、遠くからみてもショッキングピンク?の霧のようです。
もう一つ、南夕子が現れそうな風景を…
友人たちに評判のよかった写真です。3月10日、上野公園の入口、カエルの
噴水近くのオオカンザクラの枝の間から見えた月。曇りもよいの夜、いわゆる
朧月夜ですね。
ちなみこれは噴水の左側にあるオオカンザクラの下で撮りました。樹の全体の写真です。
この右側にある樹はさらに大きく枝をはっていてとても1本の樹とは思えないほど。
樹の下に入って見上げると花の滝を浴びている気分
これは3月5日、まだつぼみが多いですが、迫力があります。
これはその翌日6日、午前の写真です。
寒いうちに咲くせいか、花は小さめですが、ピンクはソメイヨシノなどよりも
濃いように思います。上野駅では不忍口に近く、勤め先からは遠いので
明るいうちにはあまり見に行けない桜です。写真は撮るのが難しいけど
夜、花盛りのこのオオカンザクラの下へ行くと圧倒されて、世の憂いを忘れられます。
”曽我の梅林” …南夕子が現れそうな?五條天神社、両大師(今年の梅日記)
女優の星光子さんが曽我の梅林に行かれたとのこと。
白梅の中に降り立つ白いドレスの南夕子を想像してしまいますね。
白梅と言えば…友人たちが喜んでくれたのが上野東照宮ぼたん苑に
あった鉢植え。先日のブログにアップしたものの他にもまだつぼみが
多いものや枝ぶりに迫力があるものがありました。
2月19日午後、上野の五條天神社境内の白梅です。
これは五條天神社と中でつながっている花園稲荷の鳥居脇の紅梅。花びらよりもおしべが長く、ちょっと不思議な生き物みたいです。
同じところにあった淡いピンクの梅。背景に赤い椿があるのが面白いですね。
寒い時期はついつい梅や桜が咲き始めるまでのんびりしてしまいますが、
椿にも注目すべきかもしれません。
2月15日のブログにも書いた上野両大師境内の鹿児島紅は2月19日に満開を迎えていました。
両大師の手水舎のそばの豊後梅は現在、私の身近で見られる梅の中では
一番大輪で龍のような枝ぶりも迫力満点。2月21日、咲き始めていました。
そして2月27日には見ごろになりました。
これは同じ27日、同じ両大師境内ですが、本堂に向かって右側の梅の樹です。日当たりのせいか、品種のちがいか咲き方がおそいようです。
これは3月10日の同じ本堂右側。満開状態に見えますがよく見ると散りかけているところもありました。
これはおまけ?2月27日、両大師本堂右側にある小さなユスラウメの花。
初夏につける赤い実は食べられるのです。昔住んでいた家にもありました。
ついでですが今年最初に見た梅、1月28日、上野駅公園口を出て東京音楽会館の前を通ったところで咲いている梅です。
これは同じ樹の1月31日。私の身近では一番早く咲き始める梅なのですが、
花壇の奥に植えられていて近づくことができず、鮮明な写真が撮れません。
同じところに上の写真の淡いピンクよりやや遅れて咲く白梅と紅梅。どちらも
近づけません(笑)。
今年は2月から3月にかけて寒い日が多かったせいか、梅やカンザクラの
咲き方がゆっくりで、こちらもゆったりと楽しめたような気がします。
藤井マリ即興ソロ 糸の月とあそぶ(神保町・月花舎)
3月最初の週末は集合住宅の防災備品の点検作業や自治会の会議があるのでハードだなと思っていたところに飛び込んで?来たのがこの舞踏公演の知らせ。月がテーマで会場が神保町のブックカフェとあって興味を惹かれました。
2025/3/2(sun)藤井マリ即興ソロ 糸の月とあそぶ
弟も1日土曜は仕事、翌日は鉄道関係?で不在とあって今回はどうしようかなと思いましたが、幸いにも父が1日のうちに散歩と入浴を済ませてくれたので、2日夕方出かけました。
月花舎について
https://gekkasha-jinbocho.modalbeats.com/
月花舎は2024年4月にオープンしたとのこと。一番近い駅は九段下か神保町なのはわかっていましたが、定期のある神田駅から靖国通りを延々と歩いて6時前後に到着。会場まで時間があるので近くの珈琲館で夕食。サンドイッチとコーヒーのセットを頂くのは久しぶり。書店街近くで働いていたころはこんな食事をとるのは日常のことでブログネタにもなりませんでしたが…
月花舎も喫茶営業中の時間ならマフィンなどもあるようですが、この時はドリンクのみ。温かいものがよかったのでスパイスティーを頂きました。なんと申しますか、この夜の雰囲気にぴったりの飲み物でした。

入口には素敵な陶器と生け花。そしてもちろん本が並んだ棚。コンクリート打ち放しの壁にピアノやアンティークの家具。一度カフェとしてもゆっくり利用してみたいものです。
月花舎店内の様子はこちら
カフェが舞台なので今回の舞踏は観客も藤井の動きにあわせて席の移動が自由。藤井がディスプレイされた本の1冊を客に渡して朗読してもらったり、ピアノも弾いたり…
上記サイトに写真のある店内の階段も舞踏に有効利用。階段を上った中二階?から踊り手が落ちるのではないかとちょっとヒヤヒヤしましたが、本当観に来てよかったと思います。まさに心をすっきりさせてくれるスパイスのような時間。
藤井が店の外まで踊り出たところで終演。他の観客の中にはは藤井と皇居まで月見に行った人もいましたが、私は翌日が仕事なので九段下駅から帰宅。
日常の思い煩いから解放された素晴らしい夜でした。翌日ちゃんと働けるかどうか、ちょっとした冒険?でしたが。以前に神田で20年近く働いた
上に本好きの私にとって神保町は元気をくれるところなのでしょう。
月花舎では音楽のライブや読書会なども開かれているようです。これからもちょくちょくここで藤井の舞踏が観られたらラッキーですね。
冬ぼたんの続き及び真田紐バレッタ、苺大福、父、訪問医療へ
前回の冬ぼたん祭りの記事、わりと喜んで頂いているのでもう少し?
今年、初めて見る白いぼたん『不昧公』
わらを被った姿
これも白いボタン『窓の雪』。 温かい部屋の窓から雪の降るのを
眺めたりしたいものです。
これは『村松の雪』
これは昨年も見た『連鶴』 夕方の光に照らされてます。
これも今まで見たことのある黄色い牡丹『黄冠』
赤が鮮やか、まさに緋色の『緋扇』
これも名前の由来を知りたい『阿蘇の司』
このボタンの名は『博愛』 今の世界に足りないものです。
2月22日、耳鼻科通院後、上野公園で開催されている『戦国武将エキスポ』へ
寒すぎてあまりゆっくり見られませんでしたが、以前上田で買ったことがある
雁丸タオルと真田紐のバレッタを買いました。バレッタは通常1200円のところ、1000円の特価。落ち着いたデザインで日常で使えます。
2月26日、有休をとって父と整形外科へ。訪問医療の手続きを取るのに
必要な紹介状をもらいました。医者へ行くのも大変だと父が言い出しましたので。帰りにいちご大福を買いました。本当に久しぶりのおいしさ。
脳神経外科と整形外科への通院がなくなると私もだいぶ楽になります。
上野東照宮 冬ぼたん 2025(話はさかのぼりますが)
本来ならば年明け早々に友人と行く予定をたてていたこの上野東照宮の冬ぼたん祭り、友人の体調不良で中止となり、私自身もどうしようかなと
思っていたのですが、2月13日、自治会の用事で早退するついで?に
鑑賞しました。午後3時半ごろ入園しましたので、夕暮れめいた光の写真です。
このディスプレイのとんでもなく大輪の牡丹は『写楽』。大河ドラマ意識してるかな?
今年、初めて見た品種(たぶん)できれいだったのがこの『王妃』。バラを
思わせる美しさ。
似た感じですが、これは『貴婦人』
同じ淡いピンクでも『花売り娘』庶民です。
少し濃いめのピンクの『島美人』
これも今年初めて見ると思います。『不夜城』。これも大河ドラマ『べらぼう』
の舞台、吉原を連想させます。美しいけれど闇を抱えた花魁の魅力?
これは新日月。
これも名前の由来を知りたい『宜秋門』
弟の好きな菜の花。本当は菜の花が沢山咲いているところへ行けたら
リフレッシュできるのですが。
友人たちに送って好評だったのがこの鉢植えの白梅。とても鉢植えとは
思えない迫力との感想をもらいました。
樹の下で小さなパンダも梅を楽しんでいます。
今年の梅については後日、まとめてアップしたいと思っています。
筒井康隆『遠い座敷』『エロチック街道』 (新潮文庫1984)より
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今年1月3日にNHKEテレで放送された『新春スペシャル100分de筒井康隆』を視て、『遠い座敷』を読みたくなり、この本を買いました。この著者の本は20年以上?前に『乱調文学大辞典』と『文学部唯野教授』を読んだことがありますが内容はあまり記憶していません。
価格は本体630円、最近は文庫でも1000円以上するものも多いのですが、さすが流行作家の本は安くてうれしい?
ちょっとカバーなしでは電車の中では読みにくい書名(笑)。ドイツの人気観光地ロマンチック街道をもじっているようです。
『遠い座敷』は筋山という山のふもとの家に住む宗貞という武将のような名の少年が主人公。時代は昭和9年生まれの作家が少年だったころでしょうか。
筋山の頂上の家の友だち兵一の家で夢中で「兵隊双六」で遊んでいて夕食までごちそうになってしまう宗貞。暗い山道を帰っていくのを怖がっている宗貞に兵一の父は酔った笑顔で奥の座敷をずっと歩いて下がっていけば宗貞の家に行けるというのです。
「兵一の家は奥に向かって廊下がどこまでも続きその廊下に沿って両側に座敷がいくつもあり山原の斜面の勾配に応じて座敷と座敷の間は奥の座敷がそれそれ五寸から一尺低くなっていて次第に降下していくその座敷の連なりはどこまで続いているかわからぬほどだったからである。一方山麓の宗貞の家からは玄関の三和土に続く幅六間の板敷の大広間が奥へ行くにつれ八尺置きに八寸ずつ高くなっていてやがてその板の間は座敷に続き、その座敷はさらに座敷の連なりとなって山腹を奥へ奥へと座敷を仕切っている襖の敷居ごとにやはり五寸から一尺高くなって上へ続いているのだ」(本文より引用)
兵一一家に別れを告げ、廊下へ出た宗貞、廊下は暗い踏板の広い階段のようで危ないので座敷づたいに帰ることにします。最初の座敷には煤けた雪景山水の掛け軸と土人形の女達磨、次の間には牡丹の絵と木彫りの福禄寿。福禄寿の笑みを怪奇に感じる宗貞。四十燭光の電灯…ほの暗い電灯の下に置かれているために今にも声を出して笑うのではないかという
実在感が…どの部屋にも床の間などに何かが置かれているのですが、それを見ないようにしておびえて駆け抜ける宗貞。考えてみるとこれだけたくさんの部屋に電灯がついていて掃除がされているのも不思議。笑い声が聞こえたり…誰か住んでいる人がいる?そして怖い絵があったり…
それにしてもこの山に沿った座敷を外から見たら…万里の長城に屋根をつけたみたいな感じになるのかしら?
友人の家に長くいすぎて夕食までもらってしまった子供のきまりのわるい思い…山道とはまたちがう恐ろしさ…少年の心理の変化、そして座敷とそこにあるものの描写は繊細でひきこまれます。
以前木曽の宿場町を取り上げた紀行番組で間口は狭いのに奥行は40メートルもある江戸時代の旅籠で育った人が子供の頃、昼間は面白がって家じゅうを駆け回ったけれど、夜は奥の方は暗くて怖かったと話していました。私も持ち家ではないけれど古くて大きい座敷がいくつかある日本家屋で育ちましたので、この小説を読むとなつかしさを感じて癒されるかなと思ったのです。その点は期待通りではありました。読んでいると幼い頃の記憶がよみがえるのです。私はよその家に行くとそこに置かれたり、飾られたりするものに妙に興味をひかれ、近寄って眺めたくなる子でした。これは大人には目障りでよく祖母や母に叱られたものです。この小説の彫り物や人形や掛け軸、茶箪笥などの描写を読む時、あの時封じられた好奇心が満たされるような気がします。

一方で妙に最初の兵一の家の食事シーンが長く、前置きが長い感じ。もっと座敷の数がたくさんあっても…つまりもうちょっと長い小説であってもよかったかなという気もします。
奥に向かって続く廊下の両側にいくつもの座敷…この建物の作り、なんとなく料亭や遊郭を思わせます。宗貞はこれらの座敷のすべてが人でいっぱいになるような時はいつか来るのか、それともかつてそのようなことがあったのだろうかと考えます。もしかすると…兵一と宗貞の家は昔、遊郭を営んでいて、この時でも時々ひそかに営業?…奥に向かう座敷には怖い絵や彫り物が飾られるのは子供が行かないようにするため? 筆者には意味が理解できないのですが兵一の家の男たちの夕食時の歌が猥雑なのはそのせい?
宗貞はふもとに向かって廊下の左側の座敷に入り、そこから下っていきます。廊下の右側の座敷は何があったのでしょうか? 夕食時に戻っていなかった兵一の家の女の子、千種が遊んでいたのでしょうか? 兵一が途中耳ににした声は右側の座敷に暮らす人のものだったのでしょうか?
メフィラス星人:私が地球を支配できたら万里の長城に屋根をつけて畳をしいて座敷伝いに北京からローマあたりまで歩けるようにしたいけど。
ウルトラマン:その座敷の全部に電灯をつけたら電力消費が大変なことになるからやめておきなさい。
リカちゃんキャッスル 久しぶりのステーキ さつま揚げマイブーム
2月13日夜、勤め先近くのマルイにリカちゃんキャッスルが出店しているので、のぞいてみました。
驚いたのはリカちゃんがとても高いこと! リカちゃんたちは下着姿で売られており、洋服は別売り、シンプルなデザインのものでも2000円以上、
ドレス風なら5000円するものも!
写真撮影OKだったのはこのブライダル?リカちゃん。
彼氏?のレン君、筆者の子供のころはいませんでした。
リカちゃんラーメンを買いました。ミニゴーフルやりんごジャムもあったけど、
これなら主食?になるので。いわゆるインスタント麺ではなく、麺はゆでてスープは丼に入れて熱湯で薄めたスープに入れるタイプ。
2月16日、弟の誕生日が近づいたので家族で外食。
久しぶりにステーキ(ミニッツステーキですが)
その後近所の神社へ…水仙が咲いていました。
ちなみに今なぜだか、朝食にさつま揚げをあぶって食べるのがマイブームです。もともとおでんの具ではいちばン好きでした。





















































































































