2024年、楽しんで視たドラマ『大秦帝国』『永楽帝』『始皇帝』 | 実以のブログ

2024年、楽しんで視たドラマ『大秦帝国』『永楽帝』『始皇帝』

2024年に熱心に視た歴史ドラマについて書いておこうと思います。たまたまですが全部中国時代劇です。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』も悪くはなかったと思うのですが、紫式部つまり女性が主人公なので筋運びの中心が恋愛になるのが、個人的は口に合わないと申しましょうか、料理なら砂糖入れすぎみたいな感じ。中国時代劇でも身分違いの恋がかなうまでのようなお話、それから史実ではなくて仙界?などがからむファンタジーものはなじめません。

1つは2023年末から2024年2月にかけてBS日テレで放送された
『大秦帝国』題名はこうなっていますが。まだ秦が始皇帝によって統一した帝国になる五代ほど前からお話。秦が強大になっていくきっかけとなった商鞅の改革が中心。商鞅は魏の出身ながら秦の孝公に認められて重用されますが、あまりに自分の作った法制度を厳しく用いたために他の王族や貴族の恨みを買い、孝公が亡くなると追われる身となって刑死した悲劇の政治家。

2008年の制作とあって中国時代劇でも近年のものにはない真面目な作り方にひきつけられました。商鞅役(王志飛)、孝公役(侯勇)はもちろん俳優の演技が素敵。女優では孝公の母の太后役の呂中さんが凄いと思いました。ドラマの序盤で毒矢を受けて亡くなる孝公の父、献公は即位の前にも流浪したとのことですが、たたずまいだけで過酷な運命を生き抜いてきた女性であることを感じさせました。

商鞅が魏の国に残してきた恋人、白雪と秦に来てから妻になる武闘派の公主熒玉の女優さんがどちらも眼のぱっちりとした彫りの深い美人で似ているので、時々混乱してしまいました。

BS日テレサイト

 

 

 

 

 


次がBS12で春から放送された『永楽帝~大明天下の輝き~』。明王朝の基礎を築いた第3代皇帝のお話。信長の旗印にもなっている永楽銭はこの皇帝の時代から鋳造されていて日本人にもよく知られている皇帝なので是非視たいドラマでした。ただし日本のあちこちにある永楽銭は必ずしも明から入ったものではなく、鋳写しといわれるコピーが多いそうですが…

BS12サイト

https://www.twellv.co.jp/program/china/eirakutei/


ともあれ、主人公の父、明王朝の太祖洪武帝朱元璋は農民から皇帝になった日本で言えば秀吉のような人。ドラマの中でも洪武帝とその妻、馬皇后は宮殿の中に作らせた畑で昔を思い出しながら鍬を使っていたりします。

 

少年時代の主人公はやんちゃで宮殿から抜け出して漠北の戦いへ行こうとします。建国まもないころのせいか、皇帝夫妻と息子たち、家臣、武将たちの距離が近く、温かい感じ。主人公の導き手となり、舅にもなる徐達が皇帝夫妻、皇太子と食卓につき、皇后自らが料理した鵞鳥が出された時、自分の好物を出すということは何か厄介事を命じるつもりなのだろうといい、皇帝に「哥哥」(gege, 兄者)と呼びかけ、「お宅の四男坊とうちの娘が!」と驚くといったホームドラマ風のシーンもあります。

 

しかし皇太子が病のため早世、その子朱允炆が2代皇帝に。やがて主人公はよき兄の遺した甥と戦うことに…

鄭和に大遠征をさせ、日本の足利義満とも交流、中国史の中の偉大な皇帝の少年時代から遠征先で亡くなるまでを描いた超大作なのですが、その割には45話で完結。物語がテンポよく進みます。ヒロインが宮廷に入って皇帝に愛されたり疎まれたり、流産したり他の人を好きになったりで80話もあるようなドラマよりは私には視やすく感じました。

 

現在、BS12の深夜から早朝に放送されているのも時々視ています。まあ女性が主役の宮廷愛憎劇もわりと視ちゃいますけど。

次が夏から秋にかけてBSイレブンで放送された『始皇帝 天下統一』。先述した『大秦帝国』の続続続編になるドラマ。十数年かけて4部作で始皇帝の天下統一までをドラマ化。壮大な企画ですね。日本で例えば大化の改新で中臣鎌足が歴史に登場してから藤原道長が権力を握るまでの藤原氏の物語を4年かけて放送したりしたら視聴者がついてくるかしら? BSイレブンで1月10日早朝からまた放送されるそうです。

詳細はこちら

 


秦から趙へ人質として送られた嬴異人と趙の女性との間に生まれた主人公。嬴異人が妻子と別れて呂不韋と趙を脱出するところから始まります。父荘襄王が秦王に即位できるまで、さらに荘襄王の病が重くなり、主人公が即位をじゃまされそうになる華陽の変、即位してから親政ができるようになる加冠の儀の騒動などがじっくり描かれます。じっくり過ぎてちょっとつらいところもあったけれど、やはり引き込まれて視てしまいました。


策略家の華陽太后を演じている女優ヴィヴィアン・ウーさん、見おぼえがあるなと思いましたら、ジョン・ローン主演の『ラスト・エンペラー』で溥儀の第2夫人を演じられていたそうです。離婚を決め、「雨は降っているけど傘は要らないの」と言って出てゆくシーンが忘れられません。ラストエンペラーの第2夫人がファーストエンペラーの前に立ちはだかる太后になるなんて大出世?というか壮大な俳優人生?



始皇帝の母趙姫の愛人、嫪毐が謀反を起こすまでも微細に映像化。趙姫を演じている女優朱珠さんの美しさと演技力のせいか、淫蕩というよりむしろ悲恋に泣いた女性。呂不韋は自分の恋人だった趙姫を嬴異人に近づけて出世のきっかけにしたとも言われていて、このドラマでも秦にたどりついた趙姫が呂不韋と二人きりになると「ひどい人!」となじることからそういう関係だったのだと察しられます。夫も息子も王となり、自らも権勢を得ても、出世のために恋人に売られ、夫にも長期間敵国に置き去りにされた癒えない心の傷のせいで嫪毐に夢中になってしまったのかと感じさせます

今まで読んだ本などでは悪人だと教わっていた李斯もこのドラマでは悪人ではなく、才子として描かれています。秦王に仕えることを拒んだために捕らえられた韓非の牢を友人として訪ねて毒薬を与え、死んでゆく韓非を抱きしめるシーンはまるでBL?

本来王太子だった兄を追い出して父の死後ちゃっかり即位する趙王、
少年時代は無二の親友だった秦王と敵対することとなり、ついには暗殺を画策する燕の太子姫丹など脇の人物、ストーリーも魅力でした。

当たり前ですが、登場人物たちの服装、髪型は始皇帝陵の兵馬俑にそっくり。ですので、2023年の兵馬俑展の写真を入れてみました。