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私の名は
一ノ瀬 姫華
(いちのせ ひめか)
青井くんには妻がいました
私たちの関係はどうすればいいの……?
このモヤモヤを青井くんにぶつけました……
青井くんが結婚してることを知った日の夜
私はすぐに青井くんと会う日を決めました
こんな積極的になっている私が信じられませんでした。そんなどこか俯瞰する私がいました
私たちは公園で待ち合わせをしました
こんな話を誰にも聞かれたくなかったからです
私「何で奥さんと別れられないか教えてほしい…」
青井「結婚してからそんな月日が経っていないんだ……それに入院してる状態で別れようなんて言えないよ…」
青井「そうか………」
私「奥さんが退院してからでいいから別れられない……?
別れるって言い辛いのはわかるけど離婚しても私がいるんだよ?
奥さんには申し訳ないけど、
私たちは学生の頃から知っていて、
不本意なお別れをした
ずっと私たちは好きなままで
ずっとお互いにやり残しを感じながら生きて来たよね…」
青井「うん…」
私「私たちの方が絆が強いと思う…」
青井「うん……」
私「お願い…奥さんが退院したら別れて……」
青井「…………うん」
私「東京でバッタリ会うなんて奇跡あり得る?絶対運命だと思う…」
青井「…そうだね」
私「奥さんと別れる約束だけはして…」
青井「…わかった」
私「………ありがとう………
奥さんが早く退院できるように、
積極的に奥さんの所へ看病しに行くね!」
私はとても恐ろしい女になっていたのかもしれません。私がこの世に転生する時にあえて忘れていた『意志の強さ』が、
歪んだ形で現れていたのかもしれません……
青井くんが私に押されていました
ただ私は青井くんを離したくない
そればっかりで些細なことには目が向きませんでした
もっとしっかり話し合いをすべきだったと思います………
次の日から
私は積極的に4階の青井さんの所へ行き
4階担当のフリをして
青井くんの奥さんを励まし続けました
本当に恐ろしいものです
私の献身的な姿の裏には
とてつもない欲望、渇望、嫉妬が渦巻いているなんて
青井くんの奥さんはそんなことに気付くわけもなく、私に感謝してくれているんです
私はもう戻りたくなかったのでしょう
一人で寂しく山にいたあの頃に
父親がいなくて
男性にずっと興味を持っていた寂しがりの私が
男性の丈夫であったかい温もりを知ってしまった
あの心身共に満たされる快楽を私が手放せるわけがありません
そしてなにより
こんな私を愛してくれた男性を
何が何でも手放すわけにはいかないと
もう転校みたいな災難はあり得ないと
青井くんは私と一緒にいることが
真の幸せなんだ
過去生から私たちは今世で出会う約束をしてたのだから
もう少しで手に入る……
つづく
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