■これなら自分もなれそうか?
なりたいとも思わないが、少し気になる教育委員の資格要件。どういう人がなれるのか。まず、資格要件を欠く人、つまり、なれない人である。
「破産者で復権を得ない者」「禁錮以上の刑に処せられた者」、こういう人は委員になれない。
その他、資格要件としては、「当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者」というのがある。要するに、東京都の教育委員になるには東京都知事の被選挙権がある人(都知事選に出ようと思えば出られる人)、千葉県柏市の教育委員になるには柏市長の被選挙権がある人(柏市長選挙に出ようと思えば出られる人)でなければだめだということだ。
だが、この資格要件は、落ち着いて考えてみれば、決して高いハードルではない。何もその選挙に出て「勝てる人」と言っているわけではないのだから、その自治体の住民で一定年齢に達している人ほとんどが対象になるわけだ。これだけなら、不肖・この私も…などとなりそうだ。
しかし、後が困る。「人格が高潔で、教育、学術及び文化(以下単に「教育」という。)に関し識見を有するもののうちから」とくる。たちまち、人を尻込みさせる言葉が飛び出すのだ。
そういう人格者が、知事、あるいは市町村長(特別区長)に選ばれ、議会の同意を得ることができて、晴れて教育委員となるわけだ。(地教行法第4条)
その他、「 委員の任命については、そのうち三人以上(前条ただし書の規定により委員の数を三人とする町村にあつては、二人以上)が同一の政党に所属することとなつてはならない」などの条件が若干つくのだが、それについての詳細は割愛。
■任期は4年。委員の中から委員長
そうして選ばれた委員の任期は4年である。そして、その中から、互選で「教育委員長」が選ばれる(前出の「教育長」とは異なるので注意)。この任期は1年となっているが、再任もまた認められる。
教育委員長は、会議を招集して主催し、対外的に委員会を代表する。委員長に事故があるとき、欠けたときは、あらかじめ指定した委員がその職務を行なうことになっている。
■教育委員も首になるのか?
そうしたすごい人たちであれば、めったに首になどなることもない。この人たちが罷免されるのは、心身の故障のため職務に堪えない場合、職務上・業務上の義務違反その他委員たるに適しない非行のある場合、同一政党に過半数の委員が所属するようになった場合である。
それ以外では、委員の欠格事由に該当したとか、資格要件であるその地方自治体の長の被選挙権を失った場合とか、地方公共団体の長と教育委員会の同意を得て自ら辞職する場合などに、その身分を失うことになる。
あと、もう一つ。解職請求(リコール)が成立した場合も身分を失うことになる。要するに、一定の法律的な手続きを踏めば、住民の意思で教育委員を首にする途はあるのだ。
だが、実際問題として、リコールも何も、住民にすれば、自分たちが選んだ委員でもあるまいに、そしてまた、それら「高潔」にして「識見」ある人たちに日ごろ見参する機会もなく、その仕事ぶりはおろか、名前も顔も知らないというのがおおかたの実情だ。それを手間隙かけて、リコールなどする理由も見つからないというのが普通だろう。
《今回は、ここまで》