世は、イジメの百花繚乱である。生徒もイジメられれば、先生も、そして、校長先生までもイジメられる。


それにしても、あの頃、あんなに尊大だった校長先生、いつの間にこんなにヤワになったのだろう。我々が小・中学生の頃、父兄など校長先生はおろか、平教員さえ腫れ物に触るようにし、「触らぬ神にたたり無し」とばかり敬して遠ざけていたものだ。教員に敢然と抗議をするような父兄など、ごくごく稀にいたとすれば、よほどの怖いもの知らずか、熱血漢だった。


ところが、今はどうだ。たいがい、父兄の前に平伏して詫びを入れている校長先生の悲哀に満ちた姿が、連日、マスコミの好餌にされている。“私設捜査機関”のマスコミに糾問されて、おどおど狼狽した姿も連日映像で垂れ流され、すっかり、茶の間の風物となった。して、校長先生も、自殺する。


どちらがよいのか、悪いのか。それはともかく、校長先生が権力者、平教員がプチ権力者だった我々のころ、特に小学校まで、そこには、自由もないが“兵舎”の中の秩序は確実にあった。そして、それが跡形もなく廃滅した今、校長先生に何を期待してもムダだ。哀れな校長先生を、あまりイジメないで。