福島第一原発の想像される現状と周辺のエリアモニターのリンク集を再掲を含め集めておきます。

・格納容器は今後も大きく吹っ飛ぶことはなさそうです。

 2号機、もしくは3号機も?の経験から格納容器の「枝管」やバルブ等
 「弱い所」が破断し圧力が抜ける壊れ方をする様です。今後も放射化物を
 含んだ蒸気が漏れ続けますが、燃料を敷地外に撒き散らすことはなさそうです。


・使用済み燃料プールは一進一退を続けているようです。

 放水が定常的にできれば燃料棒の溶断は防げるので今のレベルを維持できるかも
 知れません。放水で若干線量が下がったのは恐らく「がれきに水をまいた」効果
 だと思っています。「解体現場でホコリが立たないように水をまく、、」という
 事が効いたと思っています。本質的な問題は良くも悪くもなっていないようです。
 
 3号機は最期の定期点検が2010年9月の様です。このときの148本がプールにある?
 http://www.tepco.co.jp/cc/press/10092301-j.html
 4号機のプールの一部140本ほど?は2010年11月頃の定期点検です。
 http://www.tepco.co.jp/cc/press/10112901-j.html
 全部の履歴は判りませんが直近の交換燃料は運転後それぞれ160日、あるいは
 100日程度経過しています。熱出力はだいたい0.1%程度以下かも知れません。

 格納容器の燃料棒が停止後1週間で約0.5%の熱出力とのことですのでプールの発熱は
 (全体の本数と交換時期は判りませんが)炉心の数分の1程度かも知れませんが、
 まだまだ何ヶ月も対応が必要になりそうです。

 3月18日asahi.comに使用済み燃料棒に関する情報が出ました。転載しておきます。
 http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY201103180577.html
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ーーーーーーー日頃外出する前に確認しているエリアモニターのリンク集ーーーーーー

・茨城県東海村 原研付近のモニター
 (茨城北部のリアルタイム計測:例えば 500nGy/h=0.5μSv/hと換算します)
 http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html

・茨城県つくば市 高エネ研のモニター
 (茨城南部のリアルタイム計測:サンプルも時々採取して公開してます)
 http://www.kek.jp/quake/radmonitor/index.html
 http://rcwww.kek.jp/norm/

・文部科学省が発表する福島近県、及び全県のエリアモニター
 (福島は全部壊れているので原発と福島市の間の国道を車で巡回し測定。
  時間変化は追えないので、遠くの方が高い値にもなることがある。)
 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303732.htm
 リアルタイムではありませんが東京などが0.1μSv/h以下な事を確認できます。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm
 グラフ化したものはこちら
 http://atmc.jp/

・原発などの環境放射線モニター
 (一部リンク切れもありますが、女川原発などの値をリアルタイムで見れます)
 http://www11.plala.or.jp/sennin/link/link04/link04.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今後は短くても数ヶ月、長いと年単位で環境放射線の値を気にしながら暮らすことに
なると思いますので、単位や数値に慣れることをオススメします。


10kmも離れると原発の事故現場からの放射線を直接に浴びることは殆どありません。
微粒子や水蒸気に含まれてたガスなどから間接的に被曝しますので「風」が最も重要な
要因になります。

安心するか心配になるかは判りませんが「ある日の様子」を示したマンガがあります。
2つ例をリンクしてみます。当然ですが大半が太平洋に拡散しており立地の良さが判ります。
夏になり海からの風が吹くまでには「囲い込み」に成功せねばなりません。

・フランスのIRSN(放射線防護原子力安全研究所)が行った福島原発からの放出放射能の
 大気中拡散シミュレーション(3月12日~20日。セシウム137をトレーサーとしたもの)
 http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/animation_dispersion_rejets_17mars.aspx

・ドイツの雑誌に載ってるシミュレーション(ヨウ素I-131をトレーサーとしたもの)
 http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/bild-750835-191816.html
福島第一原発の事故による放射線リスクについて前回記事に書きました。
http://ameblo.jp/study2007/entry-10831764124.html
原発作業員などの方が浴びる100mSv/h程度の線量率とは違い、
10万人単位の公衆が浴びる1mSv/h以下の被曝は「避けるべきかも?」という内容です。

1.では何km離れれば「殆ど」ではなく「充分」安全なのでしょうか?
  また水や野菜は大丈夫でしょうか?

  →私の理解では(3月18日午前時点で)100km離れていれば
   充分と思います。理由は0.1μSv/h以下だからです。
   水や野菜も大丈夫だと考えます。避難は必要はないと思います。

 
 この低線量なら本当に足し算しなくていいか?管理された科学的な評価は私は知りません。
 ですが、人間は微生物の頃から0.05~0.2μSv/h程度の環境で生きてきました。
 もし放射線に対する生体防御が一切なければとっくに全滅してるはずです。
 「人類が今まで生きてこれた事」こそが最も強力で確実な「証拠」だと考えます。

 これは米軍やフランス大使館や東大教授の想像などよりも遥かに、客観的で普遍的で
 再現性のある「事実」なはずです。水戸より南、仙台より北は安全と考えます。
 2~3時間ぐらい1μSv/hを越えても1日の大部分が0.1μSv/hレベルなら問題ないと思います。
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2.では20kmから100kmの住民はどうすればいいのでしょうか?
   そのエリアには立ち入りは禁止ですか?

 →取りあえずは屋内退避を推奨します(外出を控える)。
  巡回車のデータを注視し平均して10μSv/hを越え続けるようなら
  妊婦と子供は「早めの春休み」を検討してもいいかも知れません。
  10μSv/h程度なら1ヶ月くらい居ても「殆ど」問題ないと考えます。


   この「殆ど」とは10万人中40人程度の健康リスクという計算値を意味します。
   米国やイギリスは「殆ど」も防ぐという立場なのだと想像します。

   下図は原発から169km地点のつくば市の放射線エリアモニターの推移です。
   http://www.kek.jp/quake/radmonitor/index.html
   放射線量率が野外(極めてしょぼいプレハブ)で一時的に0.6μSv/hに上昇
   しましたが屋内(普通のビルの1階)では落ち着いていることが判ります。
   屋内退避は放射化物をやりすごすのに大変な効果があります
   (1/10ぐらいになると考えられています)

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3.避難するとして期間はどれくらいですか?
 →1~2週間ぐらいで退避期間の見当がつくと思います。

  格納容器についての最悪のシナリオは既に起こったと思います。これだけで
  あれば10km圏外については避難も屋内退避も1~2ヶ月で解除されるはずだった
  と想定していました。ですが、より大きな問題は燃料プールだと思います。

  温度上昇は1日4~6℃程度?の様です。作業が功を奏さなければ1~2週間で燃料棒
  が溶け出す可能性があります。その場合は数ヶ月から年単位の期間を要すると思います。
  10km~100km圏内の環境がどうなるか?今後どうすれば良いのかは燃料プールに向けた
  放水作業に掛かっています。
  
  最悪の場合、漏れ出した使用済み燃料になんとか手が出せるレベルに下がるまで
  2年程度かかる可能性があります。(東電にデータを貰わないと正確にはわかりませんが)
  また遮蔽作業ができるかどうかにより、半径何kmが退避地域になるか決まると思います。

  ですが、そういった「最悪のシナリオ②」になったとしても、
  ・半径100km以遠は大丈夫、かつ
 ・半径100km以内で避難する場合も1~2ヶ月の時間的余裕がある

  と考えます。

今後状況が変わるようであれば、またブログで緊急情報として記載する予定です。
あくまで個人的な見解ですが、判断のための一助になれば幸いです。
国際放射線防護委員会(ICRP)では原爆などの人的被害から放射線被曝に
関する制限や勧告をだしています。最近では2007年に更新されました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/02/16/1290219_001.pdf

それによると致死的な癌、および遺伝子的な影響の長期的リスクを以下のように評価してます。
肺 :0.85%/Sv
骨髄:0.50%/Sv
皮膚:0.02%/Sv
食道:0.30%/Sv
致死がんの合計:全体で5%程度(低線量被曝の積算1Svあたり。1990年勧告)


2007年勧告では致死がんと非致死がんをまとめる形で(死亡に相当する損害を)、
全がんに対して:5.5%/Sv
遺伝的影響  :0.2%/Sv と修正されてます。


ひとつ重要な点を言うと、自然放射線程度の弱い被曝について有意な発ガンリスクは
確認されていません。たとえば地震前のように
「1時間あたり0.05マイクロシーベルトμSv/hであれば問題はない」と思われています。

色々議論はありますが、これくらいなら幾ら積算しても大丈夫かも?と仮定してます。
発ガンはしても人体の免疫力で処理できるレベル、、、という事なのかも知れません。


ところが今日、福島第一原発から100km離れた茨城県東海村で1μSv/hを超えました。
20倍です。これくらいだと修復が追いつかず「有意に」発ガンに寄与するかも知れません。
放射線量 :1μSv/h
1ヶ月滞在:約700時間
健康リスク:6%/Sv
とすると、長期的に癌になる確率は:1μSv×700時間×6%=0.004%程度です。

「胸部レントゲンが一回50μSvなので、それに比べると小さい」とテレビでは言います。(注1)

ですが原発などの広域災害の場合は解釈は異なります。
多数の「生きてる人間」が被曝するからです。


同じ条件でも仮に10万人が被曝すると、
(致死的癌を)発ガンする人数は、0.004%×10万人=4人程度となります。
10万人を非難させる苦労よりは4人くらい癌で死んでもかまわないという
理屈に基づいて「ただちに健康には影響しないので冷静に」と報道されます。

今回の事故は多発型ですし処理も大変ですので長期化するかもしれません。
仮に1年程度こういうレベルで増減するようですと「10万人中、50人」です。
少し微妙になってきますね。でもこれぐらいもやっぱり我慢しましょうか?

問題は30km圏内です。距離の2乗で線量・粉塵が増加すると仮定すると
100km離れた東海村に比べ被曝量は「10倍」となります。平均10μSv/hぐらいですと、

1ヶ月滞在で:10万人中40人の健康リスク
1年滞在で :10万人中500人の健康リスク
と見積もられます。
この状態が長期化するようなら退避を考慮すべきと思います。


特に妊婦(胎児)や幼児は比較的放射線リスクが高いですし、
平均余命も長いですので、長期の不利益は無視できないと私は考えます。
(テレビの解説では大丈夫とのことですが、、、)
(注2)

今朝、大慌てで(まだ壊れてなかった)iPhone4から記事をアップしたのは
こういう見積もりに基づいています。30km以遠~100km以内の方は個々人でご判断下さい。

テレビの解説では敷地境界外側で1mSv/hでも問題ないと放送していましたが、
これは原子核や炉工学実験では普通に「管理区域」となる値です。なぜなら
「1ヶ月滞在した場合10万人あたり4000人程度に健康被害の恐れがある」からです。


注1:ICRPの2007年勧告では0.05μSv/h程度のバックグラウンド低線量についても
   人間の健康を守るとの観点から「直線・しきい値なし評価」を採用しています。
   ですが、低線量付近では(おそらく生体防御の寄与が期待されであろうから)
   過大評価になるであろう、との判断で疫学的な調査に用いるのは禁止しています。
   つまり1μSv/h位にこの比例則を用いるのは過大評価である可能性はあります。が、
   私や私の子供の命は個人的には比較的優先度が高いので安全サイドに考えています。
   
   今優先すべきは「疫学的調査の正確性」ではなく
  「人間の安全を守る為の放射線防護」だと考えます。


注2:「積算被曝量が100mSvを越えない限り胎児を含め健康被害はない」との意見が
   散見される様になりましたが、それは急性障害をもたらすような「確定的影響」
   についてだと思われます。事故現場で作業している人達に用いる尺度であって、
   広範な被曝による長期的なリスク(発がんなど)については「確率的影響」で
   評価されるべきだと思います。

   (テレビやネットではこの2つが混同されて議論されていると思われます。)
格納容器の一部が破断したと思われます。


あくまで自己判断ですが、
100km以内の妊婦、幼児は、圏外に出ることを推奨します。

ただし、慌てる必要はないと思います。
1週間程度、様子を見てもかまいません。

100km以内成人の場合は、今日は屋内退避のうえ、
一週間程度は様子見が適切と考えます。
福島第一原発から100kmほど南の茨城県東海村周辺のエリアモニター
のリンク先を張っておきます。
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html


単位はnGy/hです。通常は「数十」程度ですが、今朝は数千まで上昇しています。
(気象条件の変化にも変動し、例えば雨の日は少し上昇します)


例えば3000nGy/hなら=3マイクロSv/hと思っていいです。(細かい話は省略)

          =0.003ミリSv/hとも言えます。

1時間その場所に居ても0.003mSvしか浴びませんし、胸部レントゲンの1/100くらい
ということになります。

・この場所ならかなり「薄まる」という事を示していますが、
・100km離れてこの値というのは現地で相当なことが起こっていることを示唆しています。




他の地域のエリアモニターのリンク先も張っておきます。
http://www11.plala.or.jp/sennin/link/link04/link04.html
先ず明確にするのは、私は福島で最悪のシナリオが起こったとしても(3月14日現在)

・避難範囲は20kmで十分と信じています。
(この記事の後3月15日に格納容器の破損が起こり避難範囲
 については幼児と妊婦について拡大を推奨しました。
 http://ameblo.jp/study2007/entry-10831764124.html

 また測定が進みましたので4月10日に半径50km以内の
 避難の目安を更新しました
 http://ameblo.jp/study2007/entry-10857609472.html

・勿論「黒い雨」も降りません。
 もしも「灰色の雨」が降っても東京では気にする程ではないと思います。

・今避難している人も殆ど健康被害は無いと思います。
 勿論、遺伝的な影響も無いと信じます。
 ただし前向きのコホート研究は行うべきと思います。




「最良のシナリオ」

・このまま1週間から1ヶ月程度冷却の保持に成功する。
・2年後ぐらいに副反応による「余熱」が更に一ケタ程度低くなったら永久処理(埋設)。

処理には莫大な被曝と費用を要します。炉工学の関係者で適切な処理方法
手順について検討し、必要な器具の製作。各種試験を直ちに開始すべきです。


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                                 運転停止後の発熱量の時間変化



「最悪のシナリオ」

・炉心溶融が起こり燃料が圧力容器もしくは格納容器内に散乱。
 水蒸気爆発が起こり燃料の一部が外界に露出する。

・ただしその範囲は「核」ではなく通常の爆発事故と同等の拡がり。半径数百m程度?

・爆発範囲を丹念に調べ「放射化物」の処理を行う。海洋へ拡散した分は諦める。

この場合、処理にかかる被曝量と費用は恐らく「最良のシナリオ」の数百倍?
ただし、作業員に健康被害を与えない様にやることは可能かもしれません。
専門家はこちらのシナリオに対する「準備」も全力かつ早急に行うべきです。

この問題は「原発の最終処分」という問題に直結しています。
いまこそ物理、工学系の叡智を集める時と考えます。



福島がチェルノブイリと違う点

チェルノブイリは核分裂反応が暴走し「核爆発」がおきました。その結果、
半径200kmで甚大な被害が生じました。しかし福島はこうはならないと考えます。
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1.最も違う点は「主な核反応」が止まっている点です。
  量によりますが核爆発と通常?の水蒸気爆発とでは規模も破壊力もケタ違いです。
  運転停止から既に3日経過しており、熱出力は0.1%近くに落ちています。
  再臨界の可能性は極めて低いと期待します。

  時速300kmのF1のクラッシュと渋滞中の追突事故ぐらいの違いと考えます。
  (勿論、炉心の水蒸気爆発の実験データは無いと思いますが、、)


2.次に違うのは格納容器がある点です。
  バルブや溶接部など弱い部分の破断や燃料の露出は恐らく覚悟せねばなりません。
  しかし水蒸気爆発であるならば放射化物の大部分は敷地内に留まると期待します。

この場合はスリーマイル事故(燃料棒は溶けたが圧力容器内で留まる)よりも悪いケース
になるかも知れません。ですが20kmの距離(1km地点の400分の1に薄まる)と
その間にある構造物や地形による遮蔽を考えれば有意な直接被曝は避けられると考えます。

また飛散物も大部分は海側に拡散すると思われます。近隣においては当面外出制限に
なりますが、例えば200km離れた東京での影響は極めて低いと考えます。

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しかしながら福島第一原発は定期検査をサボるなどの不正を行ってきた歴史があります。
格納容器の信頼性は比較的低いと言わざるを得ません。どの程度の結果になろうとも
半径10km以内の地域は今後立ち入り制限の対象地域になることは覚悟せねば
ならないと危惧しています。

ーーーー福島第一原子力発電所1号機(東京電力)格納容器漏えい率検査の不正ーーーー
東京電力福島第一原子力発電所1号機の第15回定期検査(平成3年)および第16
回定期検査(平成4年)で実施された原子炉格納容器漏えい率検査において、「圧縮空
気の注入などにより正確な漏えい率を確認しなかった」とされた。
原子力安全・保安院では、安全上極めて重要な機器である原子炉格納容器の検査に
おける不正な操作は、極めて重大であり、時効ではあったものの法律違反に該当する
として、福島第一原子力発電所1号機について1年間の運転停止処分を行った。その
後、安全上の問題はなかったことが確認されている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今回現場で作業した東電、協力会社、自衛隊、関係者の被曝量は
チェルノブイリや大昔の核実験を除けば「最悪レベル」になると思われます。
巨大地震がきっかけになったとは言えここまでの事態になったことは全員で
反省すべき大問題であると確信します。
福島第一原発の概要を転載しておきます。
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/intro/outline/outline-j.html

・1号機は46万kW 燃料棒400本、に対し2号機、3号機は74.8万kW 548本。
 3号機の爆発が大規模だったのは水素ガスの漏洩時間が長いことありますが、
 そもそもの出力と燃料の規模が大きいことが原因だったかも知れません。

・運転中の熱出力は1号機で138万kW、2号機、3号機で238万kWと倍近いレベルです。
 停止から3日ですが現在の副反応による発熱はこれらの0.1%以上と見積もられ、
 それぞれ1500kWと2500kW程度の除熱を継続する必要があるようです。

 たとえば冷却水の温度上昇を7℃で設計しているとすると、
 1号機で毎分3t、2号機、3号機で毎分5tの水を循環させる必要があります。

もちろん実際には気化熱や熱伝導もあり、配管が何十本もとりついた
複雑な系の除熱を見積もるのはなかなか難しいですが、、、。

建屋が爆発した中で、どれほどの苦労をしているか想像を絶します。


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おおまかな構造図はこちらに3Dの絵があります。
http://www.nytimes.com/interactive/2011/03/12/world/asia/the-explosion-at-the-japanese-reactor.html?ref=asia
モニタリングポストの仕様について柏崎刈羽原発の例を転載しておきます。
http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/data_lib/pdfdata/2010/kihonkeikaku.pdf
(福島第一原発についてはアクセスが集中し取れませんので取りあえずです。
 厳格に規定されてますので、恐らく仕様はそれほど違わないはずです。)

1.空間放射線については
NaIシンチレーションカウンターでのγ線測定と
ガラス線量計での3ヶ月積算値をモニターしているようです。

2.環境試料も採取していて、Cs137なども監視しています。

しかし福島第一原発周辺のモニタリングポストは地震の翌日の午後
から更新されていません。現在は移動式のモニター車で巡回監視しており
発表は(恐らく1台か2台の車からの)測定データになります。

従って、現在発表されている環境測定は
・時間的に飛び飛びになっており「瞬間的な放射線量の変化には追従できません」
・また敷地から飛散する放射化物の「ごく一部しか反映しておりません」

この値は勿論重要な尺度の一つですが、この値をもって、
・住民を避難させるかどうかの判断や、
・炉心で起きていることを議論するのは不可能です。


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・私は原発には賛成の立場です。理由は産まれたとき既に存在し簡単になくせないからです。

・今回の事故が例え炉心溶融に達したとしてもチェルノブイリ型にはならないと
 予想しています。よって半径20kmを越える避難は必要ないと思っています。
 今後どういう転機を辿ろうと、「100km」は越えないと信じています。

・ですが、パニックを防ぐことを優先し、根拠無く「安全」とか「安心」とか
 吹聴するのも問題だと考えます。現に20km避難は1日遅れました。

定量的にこれらの根拠をまとめるつもりですが、
福島第一原発1号機の事故に関する最大のニュースが飛び込んできました。
その意味だけをメモっておきます。明日は計画停電でブログが書けないと思いますので、


1号機バルブを開ける作業にあたった作業者被曝が
「年間許容値の2倍にみるみる上昇」(NHK)。
というものです。


放射線従事者の年間許容値は50mSv/年なので、
おそらく2~3分で100mSvに達した?とすると、
炉心付近はバルブを開けた際1000mSv/h程度だった?
可能性があるという事を示しています。

これは原発の処理や冷却作業に甚大な支障をきたすのに
十分な甚大な被曝量です。



モニタリングポストは通常は外界への放射線漏洩などを知る指標ですが、
今は「中で起こっていることを知るための手がかり」としての意味合いの
方が遥かに重要です。


すなわち、
・「モニタリングポストの値が低いので健康上問題ない」だとか
・「100mSvでも実際には健康被害はでないだろう、、」
などという的外れな議論は専門家であるならば慎むべきと考えます。


ーーー20km圏内は退避、それより以遠では特に危険は無いーーー

という、現状考え得る最も適切なアナウンスのみを行うべきと考えます。
(私や私の家族、友人もこの指針に従って行動しています)


以上とりいそぎ
study2007








ーーーーーーーーーーーーーーー以下は単なる書きかけのメモーーーーーーーーーー
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/date/plant/press-j.html



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原子力発電所は原子炉内で高い圧力で水を沸騰させ、高温高圧の蒸気でタービンを効率良く回し、発電しています。

原子炉は、一定の圧力になるよう運転しています。
※起動・停止時等は、圧力は変動します。

<原子炉の圧力>
・1号機   6.91MPa 以下
・2~6号機 7.03MPa 以下

MPa(メガパスカル=0.1気圧)は、国際的に使用されている圧力の単位です。


原子炉内の水は、高い圧力のもとで沸騰することにより、高温高圧の水蒸気になります。

原子炉の水温は、約280℃で運転しています。
※起動・停止時等は、水温は変動します。


原子炉の水には、水蒸気になってタービンを回して発電するほかに、原子炉内の燃料を冷やす役割があります。
このため、燃料が露出しないよう、水面から燃料頂部までの水の深さは約5mほどあります。
原子炉水位は、一定の設定値に対し、水位の振れ幅を考慮した範囲になるよう運転しています。
※起動・停止時等は、水位は変動します。

<水位の振れ幅を考慮した下限値・上限値>
・1号機     430mm~1120mm
・2~5号機  1002mm~1309mm
・6号機     800mm~1029mm



モニタリングポスト
12日16:00頃から非表示

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この状態でいつまで冷やせばいいのか?


福島第一原発の燃料残量や反応(運転)時間の履歴によりますが、
おおよその原子炉の「余熱」の推移が米国原子力委員会の古い報告
にあります。これをみると最も危なかった24時間はすでに過ぎました。

ただし半減期の長い中間生成物などもあるため、
定格(通常)運転の0.1%程度の発熱に落ちるのは「1ヶ月程度」かかる様です。

0.1%程度以下になれば大丈夫かどうか?を現在把握するのは誰にも不可能ですが、
すくなくとも24時間を経過しても「ちょっと水位が怪しくなると溶融するかも?」
という状態ですので、この1ヶ月は「余談を許さない期間」と想像します。

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14時現在、テレビ朝日の放送によると、福島第一原発では冷却水の低下が
進んでいる様です。一次冷却系の健全性が担保できていないだけでなく

「炉心溶融(メルトダウンの恐れがあるかどうかは制御棒が健全か?
によるので明確には判りませんが)」が起こった可能性がある
と報道がありました。


日本の事故史として既に最悪な事は間違いありません。
とりえず「10km以内の人は退避」して下さい。

ただし、まだメルトダウンが起きたとしても被害の程度がどのくらいに
なるかは情報が少なくて分かりません。10km以上離れている人は
落ち着いて推移を見守るべきと思います。



建屋内で納まるか?10km圏内を越えるか?
政府はただちに見込みを発表すべきと考えます。

またある程度の環境被爆は覚悟して圧力炉の保護
冷却を優先すべきと考えます。


ちなみに放射線被爆の危険度をまとめておきます。


人体に対する放射線の影響(単位はミリシーベルト(mSv))
実効線量 内訳

0.05     原子力発電所の事業所境界での一年間の線量。

0.1~0.3 胸部X線撮影。

1     一般公衆が一年間にさらされてよい放射線の限度。
        放射線業務につく人(放射線業務従事者)(妊娠中の女子に限る)が
        妊娠を知ったときから出産までにさらされてよい放射線の限度。
      ←現在の福島第一原発の敷地境界での値~1mSv/時間
         1時間で年間許容量を超えます!!

2.4     一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均。

4     胃のX線撮影。

5     放射線業務従事者が法定の三カ月間にさらされてよい放射線の限度。

7~20     X線CTによる撮像。

50     放射線業務従事者が一年間にさらされてよい放射線の限度。

100     放射線業務従事者が法定の五年間にさらされてよい放射線の限度。
        放射線業務従事者が一回の緊急作業でさらされてよい放射線の限度。

250     白血球の減少。(一度にまとめて受けた場合、以下同じ)

500     リンパ球の減少。

1,000     急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。

2,000     出血、脱毛など。5%の人が死亡する。

3,000~5,000 50%の人が死亡する。

7,000~10,000 99%の人が死亡する。