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全部一人計画 その8〜中途半端編

 まだ『how to draw Manga』に刺激されて描き始めたイラストは未完成…記事も完結していないわけです。
 「全部一人計画」も、ネタはあるものの実験が進まず放置状態のままです。


 そんなある日(…って、今日ですが)、我がstudio7ひみつ基地のひみつ宅配ボックスにひみつの荷物が入っていました。
 ウルトラなお友だちの一人であり、共に映像作品を完成させたメンバーであるケイパパさんが、ひみつプレゼントを下さったんです。いつもありがとうございます。

 が、そのひみつの袋の中に…

studio7の映像実験室-KPのminiDV

 …『大阪ロケ』…???

 4月29日に、ケイパパさんご一家はウルトラなひみつミッションを担って大阪に出動したんです。
 そこで「ロケをやります」とのお話は事前に伺っていました。

 さて、さっそくテープを拝見。
 
 ケイパパ家のお子さんたちが“そういう衣装”を着て“そういう演技”をしています。どうも特撮ドラマを撮るみたいです。
 いずれケイパパ監督作品として完成されるハズなので、内容には触れません。
 が、何と私の「全部一人計画」の実験を助けてくれるような映像が収められていたのでご紹介します。
 あ、元はハイビジョンなんですが、縦横比がスタンダードになってしまい、縦長の映像です。



 緊迫感あふれる“走り”のシーンですね。
 録画ストップをし忘れたとか、そんなんではなくて狙ったものでしょう、当然。
 この前後にどんな絵が入るのか…? 完成が楽しみだな~。

 と、思っていたら、ちょっと気になる映像…というか不穏なセリフが…。




 「あとは適当に切って(=編集して)もらおう」

 …。

 ちょっと冷静に考えてみます。

 そもそも、どうしてケイパパさんはこの素材テープを私に託したのでしょうか。
 
 …。

 か、監督ぅ~~~~?

 どうも、新たなプロジェクトがスタートしたような気がしなくもありません。

 全てが中途半端なこの『映像実験室』…。
 良く言えば波瀾万丈の展開を見せるブログです。
 
 いったい、私はどこへ行くのでしょう?

 
 

漫画の描き方 その7の予告編

 『how to draw Manga』第5章のトビラ絵としてKatyがペンも折れよとばかりに全身全霊を傾けて描いたイラストを紹介してこのシリーズを締めくくる予定…なんですが、私も一応は漫画サークル出身です。Katy渾身のイラストと同じモチーフをstudio7が描いたらどうなるか…? その実験をしてみたくなりました。

 現在、鋭意作画中です。

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 あらかじめ言い訳をしておきます。

 私はデッサンがまともに出来ません。
 私は“アニメ絵”とか萌え系の絵は描けません。
 私はペン運びが下手です。
 私は構図を作るのが苦手です。
 私は作画にめちゃめちゃ時間がかかります。

 …これって、単に下手なだけじゃん…。
 でも、Katy先生の弟子として(いつ弟子入りしたんだ?!)恥ずかしくないように頑張って描きます。

漫画の描き方 その6

 『how to draw Manga』を見る限り、著者である17歳の少女・Katyは主に製図ペンと色鉛筆を使っているようです。
 しかし、彼女は自分だけの方法を押し付けることはありません。最終章で様々な画材について教えてくれています。


 「漫画を描くための画材ってホントに沢山の種類があるわね。その中には無くてはならないものもあるし、あなたにとっては必要が無いものもあると思うの。(訳せないので中略)質の良い画材で、素敵なスタートを切りましょう!」
 弘法筆を選ばずというのは確かに真理ですが、Katyの言うとおり可能な範囲で良い道具を揃えられれば言うことはありません。


 「シャープペンと鉛筆の両方を揃えるといいわよ。シャープペンはいちいち削らなくてもいいしね」
 意外と無精なKatyですが、私も大きなイラストを描く時以外はシャープペンを使っています。
 「鉛筆で、柔らかいものは濃淡を自在に表現できるけど、注意しないと(擦れて)ぼやけちゃったり汚れちゃうからね」と、非常にまともな説明をしてくれています。まとも過ぎてつまらな…いえ、独り言です。

 鉛筆、紙、ペン、絵の具…と様々な画材が紹介されています。

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 白黒で漫画を描く際に中間調を出すためにしばしば使われる「スクリーントーン」については全く触れられていません。
 僭越ながら、私が簡単にご説明させていただきます。

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 写真は、私が持っているスクリーントーンです。透明な亜粘着性シートにアミ点などの柄が印刷されています。この「61番」というのは10%のアミ点で定番中の定番でした(過去形…現在はラインナップが変わっているらしいです)。

 これをカッターで切って絵の必要な部分に貼ります。貼りが甘いと浮いてしまい、印刷でもバレバレになるので丁寧に圧着します。“トーンを圧着するためだけに存在する道具”も売られていますが、私はガラス瓶の底などを使うことが多いです。

 また、表面に印刷されている柄を削ったり重ね貼りするなどして効果を付けることもあります。

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 削り方が思いっきり汚いですが、これは私がKatyと同じ17歳の時に描いた漫画の一部です。
 当時の自作を見返すと、あんまりスクリーントーンは使っていません。上記61番と63番(30%アミ点)がたま~に出てくる程度です。理由は簡単で、買うお金がなかったからです。

 だからと言うわけではありませんが、最近の漫画はスクリーントーンの使い過ぎのように感じます。
 また。アミ点だけでなく、掛け合わせやフラッシュなど「手で描けよ」という柄のトーン…それどころか建物や木が印刷されたトーンまで発売されている現状はいかがなものかと思います。
たぶん、Katyも同じ思いを抱いているために敢えて説明をしなかったのでしょう。
 なお「スクリーントーン」という名称は、レトラセット社の商標です。


 さて、Katyはペンについて製図ペンを勧めてくれています。

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 …思いっきりピグマだったりします。
 昔は製図ペンと言えばロットリングだったのですが、あれは手入れが大変でした。今は各メーカーから使い勝手の良いものが出ています。
 私の手元にはサクラクレパスのピグマとパイロットのドローイングペンがあります。
 ただ、線の強弱を出すのにはあまり適していません。筆圧をかけると、ペンの先が割れたり曲がったりしてしまうからです。

 日本でも製図ペンやマーカーを使う漫画家が増えています。が、やはり「漫画」と言えば伝統的には付けペン(ペン軸にペン先を差し込み、インクに浸けて使うアレです)ですよね。

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▲これはKatyではなく、私が愛用しているペンです。左が丸ペン、右2本はGペンです。

 当然、Katy先生も付けペンについて紹介してくれています。
 「付けペンは、プロのアーティストが使ってるわ。色々な太さの線を描くことが出来るんだけど、使うのは難しいの
 …説明、以上。
 一応、これは原文の全てを引用しておきます。

Dip-pens:These are used by professional artists. You can get much more variety in line thickness with these, but they are harder to use.

…。

“but they are harder to use”

 私は英語が苦手なので、たぶん“harder”の訳し方が間違っているのでしょう。Katyは「自由自在に使えるのよ」と言いたかったに違いありません。きっとそのはずです。そう思うことにします。


 彩色用の画材についても色々教えてくれているのですが、マトモすぎて面白くないので長くなるので省きます。
 が、その彩色道具の最後が気になります。

「コンピューター:スキャナーを持っているなら、コンピューターを使って色を塗ることを考えてもいいかもしれないわね」

 さすがはKaty、新しい技術もちゃんとおさえているようです。

 現在は(日本だと)セルシスという会社からCOMIC STUDIOというソフトが出ていてコマ割りから下描き~仕上げまでの全課程をデジタルで行い、さらにそのままデジタル入稿することもできます。
 だからといって、コンピューターを使った彩色が古い技術となったわけではありません。デジタルならではの様々な表現が今なお生み出されているはずです。

 さあ、Katy先生、コンピューターをどうやって使うか教えてください!

「この本では深入りしないわ。あなたが色々研究して、凄い効果をあみだしてちょうだい」
 え"…。
 イキナリ突き放された気分。

 ちょっと英語に詳しい方の助けが欲しいところです。
 この部分、原文は「but we won't go into that in this book」。
 “don't”ではなく“won't”となっているのが気になります。“will not”の略ですよね。
 ってコトは、「~しない」という以上に「~したくない」という気持ちが込められているような気がしてしまうんですけど。
 
 深読みをしてしまうと、「私はコンピューターを使ったことがないの。だから項目としては挙げておくけど、これ以上突っ込まないで」という気持ちの表れではないでしょうか…。
 あ、いやいや、そんな邪推をしてはいけませんね。これまで見てきたように、「自分で考えろ」というのはKaty先生の教育方針です。きっとご自身はPhotoshopやPainterといったグラフィックソフトをバリバリに使いこなしているに違いありません。

 
 さて、これまで6回に渡って『how to draw Manga』に込められた奥義の概略をご紹介してきました。

 著者のKatyによる作例も取り上げてきましたが、彼女の漫画に対する思い入れやその技術の全てが込められたイラストが第5章のトビラ絵として描かれています。カラーではありませんが、まさにKatyワールドの集大成とも言うべきイラストだと私は感じています。

 次回はそのイラストを検証することで、『how to draw Manga』紹介の最終章としたいと思います。

 全米が泣いた!  Manga Super-Fanの少女・Katyがさまざまな困難を乗り越えてつかみ取ったのは、日本人も忘れかけていた漫画の心だった! この最終章を見ずして日本の漫画は語れない。

漫画の描き方 その5

 漫画を描く上で、もちろん顔や表情は大切なポイントです。
 しかし、アマチュアの同人誌を見ていると、中にはバストショットやアップだけのコマが続く作品も少なくありません。
 『how to draw Manga』において、作者のKatyは17歳の若さでそうした動向に警鐘を鳴らしているようです。

 人体というのが、おおまかにどんなパーツで構成されているのか、またキャラクターを生き生きと動かすためにはどうすればいいのか。
 Katy先生はそうしたことにも力を入れて説明してくれています。

第四章の「Bodies」では、まずとても大切な注意から入っています。

 「顔の描き方はマスターしたわね。いよいよ身体を描くときがきたわ」「(関節などは)操り人形やマネキンをイメージしてみまよう」

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 この絵でKetyは、「読者への挑戦」をぶちかましていることにお気づきでしょうか?
 …そうです。右手には左手の拳が、左手には右手の拳が描かれているんです。下手に描き慣れてくると、なかなかこういう絵は描けません。「初心に返れ!」そんなKetyのメッセージが聞こえてきそうです。

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 基本の説明については、美術解剖図に匹敵するような身体のパーツ分割を示してくれています。

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 特に、“拡げた手を正面から見たところ(図の5ですね)”という難しいアングルについて説明されているというのは特筆すべきでしょう(マジで)。
 
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 この、カカトのパーツ分割が何だかアレなのは、「リアルな人体デッサンではなく、漫画ならではの足の特徴」を示しています…と思います。
 と言うのも、こうした絵柄の場合は膝から下にボリュームを持たせることで可愛らしさなどを醸し出すという鉄則(?)があるんです。Katyはそのあたりのメソッドを十分に認識しているわけです。 

 これは、別の章の“Chibi Characters”でさらにデフォルメ(漫画の基本要素のひとつです)が加わった形で登場しています(“チビ”は“三等身”といった意味で使われているようです)。

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 余談ですが、日本で活躍しているフランス人の漫画家フレデリック・ボワレさんは朝日新聞に連載していた『フレデリック・ボワレの今様生態図鑑』というコラムで、「西洋ではくるぶしや手首は細いほうが良いとされているが、日本の女子高生はルーズソックスやレッグウォーマーで手足の先を大きくしている。これは、漫画文化によって生まれた“かわいい”という感覚が現代の美意識になった証拠」と分析、その原点の一つとして鉄腕アトムを挙げています。その時のコラムのサブタイトルは『鉄腕女子高生』。
 Katyはフレデリック・ボワレさんが分析したことを、感覚的に学んでいるのでしょう。さすがは天才少女ですね。


 こうした基礎を踏まえて、Katy先生による「デッサンに微塵の狂いも無く、人間らしい、生き生きとした動きを持ったキャラ」が出来上がります。

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 …その、「デッサンなどを踏まえた上で、自分流にデフォルメなどを加えていくことで個性が出る」ということを教えてくれている…のであろうと思いますような気がする感じがしないではないと想像出来なくはないものと推察が可能であるような無いような雰囲気が無きにしもあらずと言えることがあり得ないではないかもしれません。
 そのあたり、文章による説明が無いのは例によってKaty流の教育法です。


 さて、こうした高度な技術を持ったKaty先生は、いったいどんな道具を使って作画をしているのでしょうか?

 次回は(プチネタになると思いますが)、Katyお薦めの画材について見ていきたいと思います。

漫画の描き方 その4

 「映像実験はどうした!」というツッコミが聞こえそうな気がしますが、Katyの『how to draw Manga』の分析を続けます。

 この本はあくまで“draw”ですので、ストーリー作りとかコマ割りについては全く書かれていません。

 我が家には、アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための“アメリカンコミックス指南”みたいな本が2冊ありますが、いずれも絵の描き方についてだけのハウツー本です。

 そもそもアメコミは少年向けで、ストーリーは単純明快。必然的に“絵”が重要になってきたものと推察しています。 
 現在は日本の漫画の影響がアメコミにも波及しているらしいですし、日本人の漫画家がアメコミを描くようにもなりましたから、様子が変わってきているかもしれません。

 いずれにしても、アメリカの人たちのビジュアルに対するこだわりを感じますね。Katy先生もアメリカ人ですから、そのあたりはシビアなはずです。

 
 この本の第5章には、ペンタッチや彩色、影の付け方、質感、背景の描き方、雰囲気の出し方…と、絵を仕上げるためのノウハウが詰まっています。

【ペン入れ(Inking)】
 「ペンを使って見栄え良く仕上げるためには、色々なペン運びを練習しなくちゃね!」
 Katy先生の言うとおり、私も若い頃はペンの練習をしたものです。あまり漫画を描かなくなった今、ずいぶん下手になってしまいました。Katyの教えを乞うて、復習してみたいと思います。

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 …ちょっと作例が少ない気がしますが、これは「自分で研究せよ」という厳しい教育姿勢なのでしょう。
 また、点描が妙に荒いのは私のような老眼オヤジに気を遣ってくれたものと思われます。
 右下の筆を使った効果はあんまり見たことがありません。手抜きみたいに見えるのは、私の心が歪んでいるからだと反省することにします。

【影を付ける(Shading)】
 ここでは、球体を使った説明部分をピックアップしてみます。
 「影を付けるときに一番覚えておきたい大切なことは、どの方向から光が当たっているのかってことね。光源から遠ざかるほど色は濃くなっていくのよ」
 おっしゃる通りですね。初心者にわかりやすいように「地面からも反射がある」とか「背後からの光を入れてやると立体感が増す」などという余計なことは省いてあるようです。

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 一瞬、ボールが穴に落ちる様子を描いたものかと思いましたが、黒く塗りつぶしてあるのは穴ではなくボールが地面に落とした影らしいです。「漫画なんだからリアル過ぎてはいけない」という教訓が込められているのでしょうか。

【質感(Texture)】
 Katy先生は、「剣と魔法」系のファンタジー物がお好きなようです。「(ドラゴンを描くなら)他の動物の形を参考にするといいわ。必要なら写真や本を見て描いてね」と、架空の動物を創りあげるための秘訣まで教えてくれます。

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 凡百の作家は「ドラゴン」と言うとついつい恐竜みたいにデザインしてしまいがちですが、Katyは敢えてウサちゃんみたいなデザインに挑戦したようです。そして「ドラゴンならウロコを描かなきゃね」と…。

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 …た、た、た、多分、読者に「川の流れ」をもイメージさせようという深い意図があるに違いありません。

【背景(Background)】
 「背景をよりリアルにしようと思ったら、“遠近法”っていう技術を使うの」と、一点透視法と二点透視法について説明してくれています。

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 これについてはツッコミどころ…じゃなくて私が付け加えることは何もありません。三点透視法の解説も欲しいところですが、入門者向けと割り切って削除したのでしょう。

 Katyは透視法を駆使した完成作品をカラーで見せてくれます。

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 ごくごく普通の風景でありながら、何かが不自然…見る者のイマジネーションに訴える作例ですね。
 
 この不自然さのポイントは二つあります。
 ひとつは“キャラクターと背景の遠近法が合っていない”こと。
 もうひとつは“色の濃淡で表される遠近感を無視している”ということです。
 Katyはあくまで“透視法による遠近法”をレクチャーするために、敢えてこの二つの要素を崩したものと思われます。
 
 さて、次回はいよいよキャラクターの身体、ポース、動きの描き方を教えてくれるコーナーをご紹介したいと思います。
 顔の描き方とともに、Katyの真骨頂が発揮されていますので、どうぞお楽しみに。
 
 漫画を愛する心に国境も年齢差も関係はありません。All you need is love!