漫画の描き方 その4 | studio7の映像実験室

漫画の描き方 その4

 「映像実験はどうした!」というツッコミが聞こえそうな気がしますが、Katyの『how to draw Manga』の分析を続けます。

 この本はあくまで“draw”ですので、ストーリー作りとかコマ割りについては全く書かれていません。

 我が家には、アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための“アメリカンコミックス指南”みたいな本が2冊ありますが、いずれも絵の描き方についてだけのハウツー本です。

 そもそもアメコミは少年向けで、ストーリーは単純明快。必然的に“絵”が重要になってきたものと推察しています。 
 現在は日本の漫画の影響がアメコミにも波及しているらしいですし、日本人の漫画家がアメコミを描くようにもなりましたから、様子が変わってきているかもしれません。

 いずれにしても、アメリカの人たちのビジュアルに対するこだわりを感じますね。Katy先生もアメリカ人ですから、そのあたりはシビアなはずです。

 
 この本の第5章には、ペンタッチや彩色、影の付け方、質感、背景の描き方、雰囲気の出し方…と、絵を仕上げるためのノウハウが詰まっています。

【ペン入れ(Inking)】
 「ペンを使って見栄え良く仕上げるためには、色々なペン運びを練習しなくちゃね!」
 Katy先生の言うとおり、私も若い頃はペンの練習をしたものです。あまり漫画を描かなくなった今、ずいぶん下手になってしまいました。Katyの教えを乞うて、復習してみたいと思います。

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 …ちょっと作例が少ない気がしますが、これは「自分で研究せよ」という厳しい教育姿勢なのでしょう。
 また、点描が妙に荒いのは私のような老眼オヤジに気を遣ってくれたものと思われます。
 右下の筆を使った効果はあんまり見たことがありません。手抜きみたいに見えるのは、私の心が歪んでいるからだと反省することにします。

【影を付ける(Shading)】
 ここでは、球体を使った説明部分をピックアップしてみます。
 「影を付けるときに一番覚えておきたい大切なことは、どの方向から光が当たっているのかってことね。光源から遠ざかるほど色は濃くなっていくのよ」
 おっしゃる通りですね。初心者にわかりやすいように「地面からも反射がある」とか「背後からの光を入れてやると立体感が増す」などという余計なことは省いてあるようです。

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 一瞬、ボールが穴に落ちる様子を描いたものかと思いましたが、黒く塗りつぶしてあるのは穴ではなくボールが地面に落とした影らしいです。「漫画なんだからリアル過ぎてはいけない」という教訓が込められているのでしょうか。

【質感(Texture)】
 Katy先生は、「剣と魔法」系のファンタジー物がお好きなようです。「(ドラゴンを描くなら)他の動物の形を参考にするといいわ。必要なら写真や本を見て描いてね」と、架空の動物を創りあげるための秘訣まで教えてくれます。

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 凡百の作家は「ドラゴン」と言うとついつい恐竜みたいにデザインしてしまいがちですが、Katyは敢えてウサちゃんみたいなデザインに挑戦したようです。そして「ドラゴンならウロコを描かなきゃね」と…。

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 …た、た、た、多分、読者に「川の流れ」をもイメージさせようという深い意図があるに違いありません。

【背景(Background)】
 「背景をよりリアルにしようと思ったら、“遠近法”っていう技術を使うの」と、一点透視法と二点透視法について説明してくれています。

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 これについてはツッコミどころ…じゃなくて私が付け加えることは何もありません。三点透視法の解説も欲しいところですが、入門者向けと割り切って削除したのでしょう。

 Katyは透視法を駆使した完成作品をカラーで見せてくれます。

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 ごくごく普通の風景でありながら、何かが不自然…見る者のイマジネーションに訴える作例ですね。
 
 この不自然さのポイントは二つあります。
 ひとつは“キャラクターと背景の遠近法が合っていない”こと。
 もうひとつは“色の濃淡で表される遠近感を無視している”ということです。
 Katyはあくまで“透視法による遠近法”をレクチャーするために、敢えてこの二つの要素を崩したものと思われます。
 
 さて、次回はいよいよキャラクターの身体、ポース、動きの描き方を教えてくれるコーナーをご紹介したいと思います。
 顔の描き方とともに、Katyの真骨頂が発揮されていますので、どうぞお楽しみに。
 
 漫画を愛する心に国境も年齢差も関係はありません。All you need is love!