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押し掛けプロモーション・ビデオ計画 その3

 路上ライブをやっている若者…「東京レバーハッツ」のPVと言うか、ミュージック・クリップと言うか、とにかくそんな映像を一方的に作ってやる~! という計画である。
 全く頼まれもしていない。ホントに一方的にオヤジの道楽に付き合ってもらっている感じなのだが、そこはほれ、一応彼らは私の大学の後輩であることもわかったし、良しとしてくれいっ!

 …もっとも私が在籍していた学部は絶滅に瀕している(既に学生の募集はしていない)し、そもそも私ゃ卒業していないので先輩風は吹かせられないのだが。


 そんなわけで、彼らがCDの録音をするという音楽スタジオにまでカメラを持ってお邪魔しちゃったのである。


studio7の映像実験室-レバーハッツ夜の雰囲気

▲ちょっと「夜のジャズ」な雰囲気に加工してみたが、彼らには太陽が似合う。


 放送局の見学(一般の見学コースではなく収録現場)は4回ばかり経験がある。
 公共施設の音楽室を使ったこともある。
 広報の仕事をしていたときは、職場にけっこう立派なスタジオがあった。

 が、市井のアーティストの皆さんが集う練習スタジオというのは入ったことが無い。

 しかも高田馬場という学生街にあるスタジオなので、年齢制限で入室させてもらえないのではないか? いやまあ、そんなこたあ無いだろうが。
 

 練習スタジオとは言え、天井にはマイクが二本下がっていたり小さいミキシング卓があったり、ちょっとした録音が出来る設備も整っている。そんな部屋が8室あって、バンドやダンスの練習に使われている模様。
 
 意外と盲点なのが(彼らには不要な)各部屋に備え付けてあるドラムセットだった。
 チューニングなどで音出しをしてみると、スネア・ドラムがシャカシャカ振動しちゃうんですな。
 この「シャカシャカ」の音を出すバネ(和製英語で“スナッピー”)ってレバー操作でON/OFFが出来たような気がするのだが、このスタジオにあったヤツは紐で固定されていて面に当たりっぱなし。
 寡黙なベースマンが取り出したタオルをスネアに被せて何とか振動を抑え、いよいよ録音開始。


 上記のようにスタジオには録音設備もあるのだが、彼らが使ったのは自前のICレコーダーだった。
 これがまた、エフェクトはかけられるわオーバーダビング出来るわで、か~な~り~遊べ…いや、使えそうな代物。

 実は、数ヶ月前に私もICレコーダーの導入を考えていた。ZOOMのハンディレコーダーH2と機種まで決まっていたのだが、それより1ケタ多い金額でノートパソコンを買うこととなったため断念。
 今は、iPodをICレコーダー化出来る接続出来るLogitecのLIC-IREC03Pというマイクの導入を考えている。残念ながら、これにはエフェクトや多重録音の機能は無い…って、どんだけエフェクター(エフェクト機能が付いたモノたち)があれば気が済むんだ。
 

 さて、ごくごく一部の心ない鬼たちは私のことを“簡単にOKテイクにしちゃう監督”と揶揄する。
 別に私は妥協しているわけでもないし早撮りを売り物にしているわけでもない。
 俳優たち(鬼を兼ねる)が芸達者なおかげで、ホントに納得の行く映像が撮れたからこそOKを出しているのだ。

 東京レバーハッツの録音もまた録り直し無し! 
 1回だけ“入り”のカウントに納得が行かなかったらしく「あ、もう一回」というのがあっただけ。

 綿密な打ち合わせが無いあたりも私の撮影スタイルと良く似ている。
 「次は何にしようか。ん~、この曲を短めにいくか」
 …そんな感じでバッと録音してもバッチリ決まる。

 私が彼らに“同じ匂い”を感じたのはそんなノリのせいかもしれない。
 最大の違いは、彼らは日々練習を重ねた実績や自信という裏付けがあるアバウトさであるが、私は全く根拠が無くアバウトであることか。


 で。

 録音したのが10月31日。

 今日(11月3日)、レバーハッツのメンバーはJR中央線立川駅前の商店街のイベントに招かれて、歩行者天国で路上演奏をしたのだが。
 …もうCD出来てるしぃ~! 早っ!

 しかも、2枚!

studio7の映像実験室-オレンジトレイン


 えっと、1stアルバムのタイトルが『オレンジトレイン』なのは、当然彼らが活躍をしているのが“オレンジ色の憎いヤツ”のJR中央線沿線だから。それは良いとして。

 同時に出た2ndアルバムのタイトルは…


studio7の映像実験室-二枚目




 『二枚目』




 まんまやんけ!

 そんなノリも私好みである。

 当然、二枚とも購入(先輩だからなっ!)。

 

 …。



 ホントにこれがあんなにアバウトに録音されたものなのか?
 立派としか言いようが無い。
 
 まあ、彼ら本来の魅力は路上にあると私は思うのだが、このCDはCDでちゃんと聴ける。
 1枚、500円。

 ライブで販売される(ってか、他に販売ルートが無い…)ので、東京レバーハッツのブログ でライブ情報をゲットだ!



 ※彼らはアバウトだが、著作権はしっかり心得ている。幸いにしてディキシーランド・ジャズとかニューオルリンズ・ジャズは古いのでレパートリーのほとんどが著作権切れ。録音したある曲について私が「歌詞の著作権がまだ生きてるよ」と伝えたところ、ちゃんとその曲はCDからは外してあった。

押し掛けプロモーション・ビデオ計画 その2

【前回までのあらすじ】
 路上でディキシーランド・ジャズのライブをやっている若者たちに声をかけて「勝手にプロモーション・ビデオ」を作らせてくれとお願い。メールを何度か交わし、ついに都内2箇所でのライブ撮影を敢行。
 しかし、街頭ノイズは如何ともし難い。そこで彼らがCD録音用に借りたスタジオに押し掛け、「音」と「録音風景の画」を貰うことにしたのであった。


 ライブの様子を撮影したのが10月30日。
 スタジオ録音は翌日の31日。


 実は、彼らはアバウトである。

 演奏については、しっかりした演奏技術や感性を持っていてメンバーの息がピッタリ合っているので、そのアバウトさが良いノリを醸し出している。
 「じゃ、次はあの曲…短めにね」という打ち合わせ(?)だけで、曲のアタマから終わりまでバッチリ決まる(もっとも、それが後に私の苦労を生み出すことになる)。

 その他のこともアバウトで、30日の時点で翌日録音する場所やCDに収める曲も決まっていなかった。
 
 どうも、この緩さが私の琴線に触れたのではないかと思う。

 メールのやりとりから、彼らは私が四半世紀前に通っていた大学の学生であることが判明した。
 別に大学の風土がアバウトだとか緩いということは無いのだろうが、私の周り…つまり今なお付き合いのある漫画サークルの連中はみんなアバウトで緩い雰囲気を持っていた。
 
 アバウト、緩い、というのは、大変なことでも楽しんじゃおう、というノリのこと。ある程度の根拠なり自信なりを持って(全く根拠が無いときもあるが)「ま、何とかなるだろう」と言うことが出来る人生観と言うか。

 10月11日の路上ライブで、私は若者たちからそんな“同じ匂い”を感じ取ったのかもしれない。


studio7の映像実験室-ベース


 そんな思いを抱きつつ、10月31日に私は指定された高田馬場駅から3分ほどのところにある音楽スタジオへと向かった。
(つづく)

 
 あ…。

 書き忘れていた…。この若者たちは『東京レバーハッツ』という。
 彼らのブログはこちら↓
 http://liver-hats.cocolog-nifty.com/blog/

カメラマン失格

 技術やセンスがプロとか“才能がある人”に及ばないのは仕方が無い。
 だが、ご家庭用ビデオカメラや映像ソフトの機能を活かし切れていないのは何ともなあ。

 特に最近思うのは、私はカメラマンとしては完全に失格だということ。

 絵コンテなどがあるものなら、フレームの中にイメージした「図」を入れることは出来る。
 しかし、それを「画」にすることが出来ない。

 ホワイトバランスも取らないし(取れよ!)、色調補正などもやらない(やれよ!)。
 一発で逆光補正が出来るボタンも付いているのに、押したことがない(押せよ!)。

 ご家庭用ビデオのズームが中途半端にオートで中途半端にマニュアルという、使いづらさを極めた操作性であることも手伝って、奇麗な(&的確なタイミングの)ズームが出来ない。
 パンやティルトもヘタクソである。
 にも関わらず絵コンテには自ら「ティルト・ダウンしつつズーム・イン」とか書いたりするから始末に負えない。


 手持ちでの撮影もいただけない。

 まず、力を入れ過ぎずに脇をしめてカメラを安定させる…という基本的なことが、理屈ではわかっているのに出来ないんだ、これが。自慢じゃないが、私の身体動作能力は人並み以下である。
 ましてや歩きながら被写体に近づいたり離れたり回り込んだりというのはヒドい。本来なら腰を安定させて上半身が動かないように歩く…能の動きみたいなああいう歩き方をしなければならないのだが、私は思いっきり身体が上下してしまう。
 いずれも、カメラの手ぶれ補正機能を超越するレベルである。


 結局、編集で誤摩化すことになるわけだが、まあ、編集マンとしても失格なんだよな、実は。

押し掛けプロモーション・ビデオ計画 その1

 10月11日、“コーデュロイシャツ 990円”という新聞の折り込み広告につられてユニクロに行った。
 そこで駅前で路上ライブをやっている若者たちを見かけた。
 珍しい光景ではない。このあたりの某JR線沿線駅前ではしばしばそんな路上での演奏風景を見ることができる。

 恐らくそうしたほとんどの人たちは役所や警察への届出などはムニャムニャムニャ…という話は別として。


 まあ、通常ならそんな路上ライブはチラ見をして通り過ぎるだけの私なのだが、気づいたら「今度、皆さんをビデオで撮ってYouTubeなんかにアップしてもいいですか?」と声をかけていた。


 ソプラノ・サックス、トロンボーン、ウッド・ベース、バンジョーという編成。バンジョーが入っているくらいだからディキシーランド・ジャズである。演奏曲目は『私の青空』とか『聖者の行進』とか、イマドキの若者としては珍しい(ような気がする)。
 その曲目のせいか、わりと年配の人たちが“前に置いてある箱”に“しかるべきもの”を投入し、声をかけたりしている。
 私自身が“わりと年配の人たち”の一部であることも声をかける要因ではあったのだが、それ以上にメンバーのキャラに何とも言えない味わいを感じたのだ。

 
 押し付けがましさが無い気のいい若者が、街行くひとたちと一緒に楽しんでいる雰囲気。
 見た目もあまりにもフツー。派手さはみじんもない。
 そんな顔ぶれで『聖者の行進』である。

 “地味さ”“普通さ”が目立つと言うか。


 イキナリ得体の知れないオッサンから「ビデオを撮らせろ」と言われた彼らの反応は「いや~、そうして頂けたら嬉しいですよ…でも、ビデオ…ちょと緊張するなあ」
 事実上快諾を得たということで、しばらくメールでやりとりをしていた。  

 で、いよいよスケジュールが合って、彼らのライブにビデをカメラを携えて参上。

studio7の映像実験室-路上ライブ01

 だが、単にそんまんまの絵を撮っても「単なる街の風景の記録映像」にしかならない。
 ライブで観ているぶんには良いが、ビデオに撮ると街頭ノイズがやたらと気になる。

 そんな折り、彼らがCDを作る企画を進めているとの情報が入った。
 CD用の音源と路上の映像(&演奏前後の拍手などの音)をうまく組み合わせて編集すれば、ちょいと面白いプロモーション・ビデオが作れるのではないか?
 …いや、全く自信も根拠も無いが。


 ま、とにかく第一回撮影は無事に終了。

 マトモな映像になるかどうか…それどころか完成にこぎ着けるのかどうかというあたりも怪しいが、とにかく「押し掛けプロモーション・ビデオ計画」がスタートしたのである。

 彼らがワン・ステージの決めで演奏する『聖者の行進』だったら(黒人霊歌で、作詞作曲者不明なので)音楽著作権上ネットに演奏風景を流しても問題は無いことも調べた。

 
 そんなわけで、ゆるゆる&おバカ&余計な特撮が芸風の私が、全く未経験のジャンルの映像作品にチャレンジすることになった。
 しかも、私の方から申し出をしたわけであるからして…言い換えるとオヤジの道楽に付き合ってもらうというノリ。

 でも、とにかく新プロジェクトのスタートである。(つづく)

憧れのグリーンバック撮影

 ホントは先日のロケで別のメンバーに“この役”やってもらう予定だった。が、その人物が体調を崩してロケに参加出来なかったのと、私の準備不足でロケ日に一緒に撮影することが出来なかった。

 で、時間も無いので自分で演じることにした。

 「準備不足」と書いたが、やってみたら必要な工作から撮影終了まで15分程度で済んでしまった。


 まず、窓に緑色の色模造紙をテープで貼って背景にする。
 窓に貼るというのが一つのポイントで、グリーンバックに照明を当てる必要が無くなる。
 また今回は人物をシルエットにしたいので、逆光になってちょうど良い。

 …まあ、結果として緑の紙に“陽光が当たっているところ”と“影になっているところ”が出来てしまって、最終的にはマスクを切ることになったのだが。これも経験ということで。


 問題は、その人物のシルエットをどうやって作るか…。

 え~っと、例によって某ヒーローのパロディなので、そのキャラをイメージするようなシルエットにしたい。
 目と“胸のアレ”は、光っているというかシルエットから抜きたいので、余った緑の紙をそんな形に切ってメガネとシャツの胸に貼付ける。これで背景と同じように抜けるハズだ。

 さらに、ツルンとしたアタマに“トサカ”みたいなものが欲しい。
 私の髪型は今、長髪もじゃもじゃであるからして、まずはまとめて後ろで結び、さらにバイクのヘルメットの下に被る汗取り用インナーキャップを被る。このキャップにウレタンボードの端切れを切って作ったトサカをテープで貼る。

 さらにさらに、四角っぽい耳も付けたいところ。
 単純に、タバコの箱を二つ、大き目の輪ゴムで顔にくっつけた…その、輪ゴムが私の目と耳のラインを一周している状態である。

 敢えて写真や図解は避けるが(mixiでマイミクになっている方は、mixi日記に図解を入れました)、とにかく思いっきり情けない姿である。…だから他のメンバーにやらせたかったのだ。


 結論から言うと、まあ、それっぽい映像にはなった。キッチリとした出来では無いが、その緩さ加減が我々の作風に合っている。

 
 ただ、自分で演じるにしても、他のメンバーと一緒の時にわいわいとやりたかったところ。
 家族の留守中、一人で上記のような情けない姿をしているというのは「とってもかわいそうなヒト」になった気分である。