今年もアルペンGS(大回転)レースの草大会の最高峰、白馬八方尾根リーゼンスラローム大会に出場しています。第78大会第1日の21日は男子5部(60~69歳)に出場しました。

 

 結果はトップから約30秒遅れの2分04秒12のタイムで、完走者87人中の34位になりました。「ええっ、ダイナミック・ポジショニング・ターンなのにその順位」という声も聞こえてきそうですが、

 

 初出場の第74回から昨年の第77回までの順位と比べると、

 第74回(2020) 56位/完走者88人(63%)

 第75回(2021) 59位/完走者91人(64%)

 第76回(2022) 欠場

 第77回(2023) 53位/完走者100人(53%)

 第78回(2024) 34位/完走者87人(39%)

 

 1段1段ではありますが、ステップアップして、上から40%を切りました。今年は126人エントリーしましたが、22人が欠場。出場者104人のうち旗門不通過などによる失格者が17人もいました。

 

 前夜からの雨がレース中も降り止まず、小やみになったかと思うと、濃霧が発生して、前が見えずらくなりました。バーンが雨で緩んで荒れたせいもあって、スピードが出しづらいコンディションでした。

 

 ぼくがスタートしたのは昼前で、朝の7時半からのコースインスペクション(下見)のときとは打って変わって、がたがたのバーンで、ところどころに雪のもさもさやかたまりもあって、飛ばされそうになるところもありました。幸いスタート地点では霧が晴れていたのですが、中盤からは濃霧で旗門が見えにくくなりました。旗門を通過するときにはもう一つ先の旗門を探して、その旗門に向けてターンするのですが、一つ先の旗門がどこにあるのか、全くわからず、旗門を通過してから探さなければなりませんでした。でも、みんな同じ条件なので、言い訳にはなりません。

 

 トップとのタイム差を過去の大会と比べると、

 第74回(2020) 1分39秒43/トップ1分11秒93=1.38倍

 第75回(2021) 1分42秒54/1分17秒83=1.32倍

 第76回(2022) 欠場

 第77回(2023) 1分50秒38/トップ1分22秒64=1.34倍

 第78回(2024) 2分04秒12/トップ1分32秒96=1.34倍

 

 トップの選手がぼくの4分の3のタイムでフィニッシュしているのは今年も変わりませんでした。普通のスキーウェアで滑った昨年までと違って、今年はフランスの元ワールドカップレーサーが創設したブランドの滑降(DH)用レーシングスーツを着て臨みましたが、間断なくふりしきる雨で効果が半減したのか、劇的な効果は見られませんでした。

 

 YouTubeでライブ配信をしていたようです。

 

【ライブ】第78回八方尾根リーゼンスラローム大会

https://www.youtube.com/live/WGCV05ZhSDc?si=GHcSeAftwhWdmPlj

 

 2時間2分の前後に映っているゼッケン170がぼくです。

 

 大会第2日の22日は60歳以上の男子と女子の計94人がエントリーしているBオープンクラスの戦いに臨みます。この年になると、声援は「がんばって」ではなくて「気をつけて」なんだそうです。リモート応援よろしくお願いします。

 17日、兵庫県の氷ノ山国際スキー場で開かれたスキークロスのレースに参戦しました。氷ノ山はぼくがいつもモーグルの練習をしているハチ北高原スキー場と同じく兵庫県北部にあり、自宅から2時間で行けますが、今までに行ったことはありません。

 

 JABA(日本スノーボード協会)公認のスノーボードクロスの大会が17日、18日の両日開催され、17日のドリームクロス大会にスキーの部があることをスキークロス仲間から教えてもらったのです。

 

 今シーズンは雪不足で、もともとこの日に予定されていたモーグルの大会はとうに中止が決まり、翌週、翌々週のモーグルの大会も定員オーバーや中止でぼくの出場はありません。

 

 一方のスキークロスは、昨年初めて全日本選手権に出場したのが唯一の大会経験で、何をどうしたらいいのかわからないままです。とにかくクロスのコースを滑って経験を積む必要があるというアドバイスをもらっていたところだったので、即座に申し込みました。

 

 ところが、西日本にはスキーもスノーボードもクロスの練習環境がないこともあって、申し込み締め切りまでにスキーの部にエントリーしたのはぼく1人。完走すれば優勝ですが、いくら速くゴールしても最下位です。

 

 これじゃレースにならないし、ゲレンデを1人で滑っているのとさして変わりがないと思っていたところ、なんと浜松から加藤大二さんが当日エントリーで出場してくれました。

 

 加藤さんはぼくより9歳下の1966年生まれ。ぼくが昨年の全日本で完走してFIS(国際スキースノーボード連盟)のポイントを獲得するまで、FISポイントを持つ世界最高齢の現役スキークロス選手でした。ただし、ぽっと出のぼくと違い、スキークロスを始めて20年以上という大ベテランで、毎年、全日本選手権で活躍している本物のスキークロスレーサーです。

 

 昨年の全日本で初めて会ったときから前期高齢者スキーヤーのぼくのことを気にかけてもらっていたのですが、遠路はるばる駆け付けてくれたこの大会では、ずっと付きっ切りでスキークロスのマンツーマンレッスンをしてくれました。

 

 まずはコースインスペクション(下見)。スタート台の下から入って、横滑りかハの字のいつでも止まれるスピードで移動しながら、コースの形とバーンの状況を確認します。雪不足のためキッカー(ジャンプ台)やバンク(土手)、ウェーブ(連続するでこぼこ)といったセクション(特殊な地形)はなく、自然地形の起伏を利用してコースが設定されていました。

 

 スタート直後の直線で少し登った後は左へ90度のカーブ。右が下がっているのでしっかり体重をかけないと横滑りして外側に飛び出てしまいます。コースは雨でとけた雪が凍った上に新雪が乗ってパックされている状態で、表面が少しがたがたしています。続いて右に90度のカーブ。やはりコーナーの外側になる左が下がっているので流されないようにしなければなりません。

 

 というように、加藤さんがコースのチェックポイントを解説してくれて、リフトでは滑走姿勢やストックの使い方、ターンの方法、用具の選定まで、自分が競技人生で得た数々の技術と知識、体験を惜しみなく伝えてくれました。

 

 続く公開練習はスタート台から本番と同じように飛び出します。ストックを持ったままスタートグリップに手をかけて飛び出すのですが、スタート直後にいきなりつまづきそうになる障害物があります。スタートして少し下がって、タンクという横向きの溝を越えた後、ロールというこぶを越えて、奈落の底に落ちるような急坂を滑り降ります。

 

 スタートでタンク(凹)にスキーの先端を引っかけたり、その次のロール(凸)に乗り上げてしまったりしたら、そこでゲームオーバーです。ロールの向こうにできるだけ早くスキーのトップを落として、急坂をストックで漕いで勢いよく滑り降りる体勢を作らなければなりません。

 

 1回目、モーグルのいわゆる横向きの受けこぶを越えるのと同じ要領でやってみたら、まあまあうまくできました。加藤さんのアドバイスをもらいながら、1人だけで滑って、公開練習の最後は本番同様、2人同時スタートで滑りました。スタート台のわきにいた競技役員のスロープビルダー(コース係長)さんが合図をしてくれます。

 

 「スキーヤーズレディ」Skier's Ready

 「アテンション」Attention 

 「ゴー」Go

 

 加藤さんはチーターが駆け出すがごとく、目にも止まらぬ速さで飛び出していきます。年齢差以上にぼくよりも身のこなしが軽く、素速いようです。ぼくはスタートで出遅れたうえに、コーナーワークでも差をつけられてゴールイン。スノーボードの1回戦が終わったところで、もう1回、2人で同時にウォームアップランを滑って、いよいよ本番です。

 

 ぼくは赤のビブで、加藤さんは青のビブ。スタートの下でビデオカメラを構えている妻からよく見えるように、左端のゲートに入りました。加藤さんも遅れて右のゲートに入り、ストックのストラップに手を通して、悠然とスタートグリップを握りました。スタートゲートの前に板が立てられ、スタート準備完了です。

 

 「スキーヤーズレディ」Skier's Ready

 「アテンション」Attention

 

 加藤さんが勢いよく飛び出しました。それを見て、ぼくもあわててスタート。あまりにも巨大すぎて、しっぽを踏まれても気づくのに1分間かかると冗談で言われるステゴザウルスでも、もっと素速く反応するでしょう。一生懸命追いかけましたが、もともと加藤さんの方が速いので、その差は縮まらず、10馬身ぐらい遅れてゴールイン。負けましたが、楽しさしかありません。

 

 

 

 

 ぼくのスタートが遅れた原因は、もともと反応速度が遅いことだけではありません。公開練習のときには「スキーヤーズレディ」「アテンション」があって、その次の「ゴー」でスタートだったので、「ゴー」の声がかかるのを待っていたのすが、本番では板が倒れたらスタートなので、「ゴー」の声はいつまで待ってもかからないのだそうです。昨年の全日本選手権は公開練習の後、悪天候のため、1人ずつスタートしてタイムを測る予選だけで結果が決まったので、板が倒れたらスタートを経験していませんでした。

 

 スタート後は公開練習のときほど差が広がらなかったので、うまくスタートしていたら、ひょっとしたら10馬身の差が5馬身ぐらいの差になっていたかもしれません。なにごとも経験ですね。これでまた一つ、練習課題がわかりました。「スキーヤーズレディ」「アテンション」「板がばたっ」。スタートのイメージトレーニングで、脳の反射神経を鍛えます。

 

 スキーの部はエキシビションでしたが、表彰式があって、FISポイントを持つ世界最高齢の現役スキークロス選手が表彰台を独占しました。加藤さんは久しぶりの優勝だそうですが、ぼくは勉強でもスポーツでも仕事でも、順位がつくものでは、今まで3位が最高で、2位になったのは生涯で初めてです

 

 しかも、副賞まであって、大会スポンサーの大阪府豊中市にある三幸鍼灸接骨院の特別割引券をもらいました。ぼくよりも高い料金コースの割引券をもらった加藤さんは、阪神ファンなので甲子園に来たときに使おうかなと言っていました。

 

 加藤さんはこの後、翌日、新潟県のキューピットバレイスキー場で開かれるスキークロス大会に出場するために旅立って行きました。神出鬼没の長距離移動でレースを成立させて、ぼくのコーチもしてもらって、本当にありがとうございました。次の対戦では負けないようにがんばります。

 16日はハチ北高原スキー場でモーグルの練習をしました。前日の雨で解けた雪がこの日朝からの冷え込みで凍り、その上に新雪がかぶさって、真冬並みのコンディションです。整備されたこぶのレーンとエア台で、整地でのターン、こぶの中でのターン、エアの着地からのターンと、一通りの練習ができました。

 

 家に帰ってみると、荷物が届いていました。スキークロスの全日本選手権で使うためにフランスに注文した滑降(ダウンヒル、DH)用のワンピースのレーシングスーツです。

 

 FIS(国際スキー・スノーボード連盟)公認のスキークロスの大会で着用するスーツは、防護パッドが付いていないものしか認められていません。着脱式で取り外しが可能であってもパッドを取り付けることが可能であればだめなのです。

 

 その条件に合うスーツを探してネット検索して見つかったのが、フランスのSKKILというショップ。注文した後で知ったのですが、アルペンのワールドカップ(W杯)で活躍した選手が運営している店でした。

 

 創始者はアルペンW杯表彰台15回、優勝1回、ピョンチャン五輪5位のトマス・ファナラ、アルペンW杯表彰台10回、優勝1回のビクトル・ムファ-ジャンデ、スキークロス2019年世界チャンピオンのフランソワ・プラス。ぼくがダイナミック・ポジショニング・ターンを開発するためにアルペンのW杯を見るようになったころに活躍していた選手たちです。

 

 サイズ違いで返品して再注文したため時間がかかりましたが、21日、22日の白馬八方尾根リーゼンスラローム大会に間に合いました。レーシングスーツで滑ると普通のスキーウェアで滑るのとは全然違うという話なので、今年初めて使うレスキューワックスの効果と合わせて、どれだけタイムが縮まるか楽しみです。

 

 スキークロスの勉強(イメージトレーニング)のため、イタリアのアレゲで2月3日に開催されたフリースタイル・スキークロス(SX)のワールドカップ(W杯)の決勝をFIS(国際スキー・スノーボード連盟)の公式サイトにある「FIS TV」で見ました。

https://watch.fis-ski.com/video/579619

 

 注目したいのは黄色のビブをつけたヨハネス・アウエスキ選手(オーストリア)。序盤から中盤にかけて2番手につけて、先頭を行く赤色のビブのリース・ハウデン選手(カナダ)を追いかけます。

2番手で先頭を追いかけるアウエスキ選手

 

 ところが終盤になって後ろに下がり、転倒してコースアウトしDNF(途中棄権)となってしまいました。転倒したのは3番目にゴールした青色のビブのアレックス・フィバ選手(スイス)に衝突しそうになったためのようで、最終順位はフィバ選手が走路妨害によりRAL(Rank As Last)で最下位となったため、DNFのアウエスキ選手は3位になりました。

最後尾でバランスを崩すアウエスキ選手

 

 問題は2番手につけていたアウエスキ選手がなぜ4番手に下がったのかです。

 

 転倒する前のシーンを見ると、コーナーの手前の連続するロール(ウェーブ)を先頭のハウデン選手は巧みに吸収してスキーが雪面から離れないようにしてこなしていったのに対し、アウエスキ選手はこぶを吸収できず、大きくジャンプしてしまっています。

 

大きくジャンプするアウエスキ選手(右端)

 

先頭のハウデン選手は体を深く曲げてこぶを吸収

 

 雪面からスキーの推進力を受けられなくなっただけでなく、空中に舞い上がると同時に体が空気抵抗を受けて減速してしまいました。さらに、スキーが空中にあるので、コーナーを曲がることができず一番外側を大回りせざるをえなくなりました。

 

ジャンプの後、こぶの上に着地

外側からインをうかがうもこの後転倒

 


転倒してコースアウト

 

 アウエスキ選手の最大の失敗は、終盤のコーナーの手前の連続するロールを吸収できなかったところにあるようです。

 21日、22日に開催される白馬八方尾根第78回リーゼンスラローム大会のゼッケンが14日に届きました。大会当日朝の受付はせわしないこともあると思いますが、コロナ禍以降、密を避けるために事前に送付されるようになりました。

 

 同時に送られてきた大会プログラムによると、ぼくが出場する21日の男子5部(60代)は126人が出場して、ぼくのスタートは前から40番目、22日のオープンクラス(男子60歳以上と女子)は94人が出場して、ぼくのスタートは38番目です。

 

 あとからスタートした選手が前の選手に追いつかないよう、前年大会の上位15人がシードされ、あとは申込書の記載情報などをもとに順番が決められるそうです。初めて出場したときのぼくのスタートは最後の方でしたが、だいぶ繰り上がって真ん中より前になっています。順位は毎年、真ん中ぐらいです。今年はダイナミック・ポジショニング・ターンで上位3分の1あたりに食い込みたいものです。

 

 今シーズンのモーグル初戦は、リーゼンスラローム大会の興奮もさめやらぬ23日~25日に開催される大阪府はくのりモーグル大会のはずでしたが、14日夜にネットで申し込もうとしたところ、男子は定員に達したので女子のみ受け付けるというメッセージが出てきました。

 

 申し込み期間が12日~19日になっていたので、まだ大丈夫だろうと高をくくっていたのが間違いでした。今年は雪不足で、これより前に本州で開かれるはずだった2大会がともに中止になったこともあり、申し込みが殺到したようです。全日本スキー連盟(SAJ)公認の大会に出場するようになって15年ほどになりますが、定員オーバーで出場できないのは初めてです。

 

 ぼくが出場できるモーグルの大会は残り2大会。雪がとけないことを祈るばかりです。

 

 Facebookを見ていたら、こんな動画が出てきました。

 

A year since Marco Schwarz's incredible recovery while skiing at 70mph

マルコ・シュバルツ選手の時速70マイル(約113km)での滑走中の素晴らしいリカバリーから1年

 

https://fb.watch/q7PORJailK/

 

 2023年2月9日にフランスのクールシュベルで開かれた世界選手権のスーパー大回転(SG)で、オーストリアのマルコ・シュバルツ選手がゴール寸前で大きくバランスを崩して転倒しそうになりながらも体勢を立て直してゴールしたときの映像です。

 

 確かに素晴らしいリカバリーですが、リカバリーをほめるよりも、なぜこのような失敗をしたのか、原因を探る方が大切だろうと思います。

 

 映像をコマ送りしてみました。エッジを切り返してターンの向きを変えるために立ち上がったときにバランスを崩したようです。

①左のエッジを雪面に押し付けて左ターン(低い姿勢)

②ターンを切り替えるために低い姿勢から高い姿勢に移行

③高い姿勢のまま雪面に押し付けるエッジを左側から右側に変更

④低い姿勢に移行しながらエッジングの角度を大きくしています

⑤体をターンの方向(右)に持っていこうとしたためか、ここで右のお尻が下がったようです

⑥右のお尻が下がって右スキー(内足)に体重がかかっています

⑦お尻が下がったまま、伸びていた左脚が前に出ました

⑧次の左ターンに切り替えたいところですが、体重が後ろにかかったままで右スキーが谷側に向かず、シェーレン(逆ハの字)になってしまいました

 

 ぼくが見る限り、スキーの選手は、アルペンでもフリースタイルのモーグルでも、体を持ち上げながら、ターンを切り替えています。左ターンのとき体勢を低くしながら両スキーの左側を雪面に押しつけてスキーの向きを左に変えた後、体勢を高くしながらエッジを切り返して右ターンに移行し、再び体勢を低くしながら両スキーの右側を雪面に押しつけてスキーの向きを右に変えます。体勢を高くする動作によってスキーのテールにかかる圧力を弱めて、スキーの向きを変えやすい瞬間を作り出しています。

 

 ぼくが練習しているダイナミック・ポジショニング・ターン(Dynamic Positioning Turn、DPTディプト)では、逆に体を沈み込ませながらターンを切り替えます。一般的なスタティック・ポジショニング・ターン(Static Positioning Turn、SPTセプト)では、エッジの角度が一番小さい(スキーの雪面に対する角度がゼロになる)瞬間に体勢が一番高くなるのに対し、ディプトでは一番低くなります。

 FIS(国際スキー・スノーボード連盟、フィス)の公式サイトで、FISの公認大会に出場するために競技者登録をしている選手の成績を見ることができます。FISの公認大会というのは、オリンピック、世界選手権、ワールドカップ、アジアカップなどの大陸別大会(コンチネンタルカップ)、全日本選手権など各国選手権、各国で開催される上位大会の一部です。

 

 FIS公認大会に出場した選手には各大会の順位に応じてポイントが与えられます。上位の大会で上位になるほどたくさんのポイントが付きます。FISの公式サイトで[FREESTYLE & FREESKI]→[MOGULS & AERIALS]→[Athletes]を見ると、選手の検索画面が出てきます。

https://www.fis-ski.com/DB/freestyle-freeski/biographies.html

 

 そこで[Last name]に[sasaki]、[First name]に[taizo]と入力すると、下にぼくの名前が出てきます。

 

 左端の[Status]が[Active]になっているのは、今シーズンもFISの競技者登録をしていることを示しています。かつては登録していたけれども今シーズンは登録していない元選手の[Status]は空欄になっています(過去のFIS公認大会の成績は見ることができます)。

 

 ぼくの名前が表示されている行をクリックすると、ぼくの成績や順位を見ることができます。まず[Results]を見てみます。3大会が表示されます。

 

 一番下にある[19-02-2012 Hakuba]は、長野県白馬村のHakuba47で開催されたSAJ(全日本スキー連盟)公認A級大会です。当時のぼくの実力ではA級大会に出場することはできなかったのですが、主催の埼玉県スキー連盟のフリースタイル部でモーグルの振興に尽力された野口寛治(ひろはる)さん(2018年死去)が、ぼくのがんばりを見て、主催団体の推薦枠で出場してもいいと言ってくれたので出場申し込みをしました。

 

 その行をクリックすると、大会のリザルトが表示されます。ぼくは一番下の[Did Not Start]に載っています。DNS(不出場)ですね。あいにく、母が心筋梗塞で入院したため欠場しました。このとき、現在、モーグルのワールドカップランキング1位の堀島行真選手のお母さんが、高校の同級生だったぼくの名前がエントリーリストに載っているのを見て、高校卒業以来、一度も会ったことがないぼくがモーグルをしていることを知ることになりました。

 

 その堀島行真選手は[Did Not Finish]の欄に名前があります。DNF(途中棄権、不完走)です。昔は攻めて失敗することがよくあったようです。優勝は今、ハチ北高原スキー場のモーグルコースを管理している加藤大輔さんでした。

 

 下から2番目の大会は[12-04-2014 Nanto]。富山県南砺市のたいらスキー場で開かれた大会です。SAJ公認A級大会ですが、B級大会も同時にFIS公認大会として開催されました。

 

 この大会はDNF(途中棄権)。第1エアの着地後、前のめりになって転倒し、足首を捻挫しました。傷害保険の請求をするのに必要な事故証明書に、大会の技術代表だった村山英明さん(新潟県松之山温泉スキー場支配人)にサインしていただきました。この大会の優勝は堀島行真選手でした。

 

 そして一番上の行にあるのが、昨年4月9日に新潟県湯沢町のかぐらスキー場で開催されたスキークロスの全日本選手権。コンディション不良のため1人ずつ滑ってタイムを測る予選だけで終わりましたが、大会は成立し、ぼくは出走22人のうちコースアウトしてDNFとなった2人の上の20位でゴールイン。完走者では最下位でしたが、28.60点のFISポイントを獲得しました。

 

 現在のポイントランキングを見てみます。

 

 [FREE STYLE & FREE SKI]→[SKI CROSS]→[FIS Points]とクリックすると、フリースタイル競技のモーグル(MO)、エアリアル(AE)、スキークロス(SX)、ハーフパイプ(HP)、スロープスタイル(SS)、ビッグエア(BA)の各種目ごとに選手が保有しているポイントと順位が表示されます。


 

 2月1日までの最新のポイントリストで、SXのぼくの保有ポイントは17.16点で男子の265位です。SXのFISポイントを持っている男子選手は世界中で423人。その中にはずいぶん前のシーズンに獲得したポイントしかない選手もいるので、全員が現役選手というわけではありません。また、現役だけれども出場した大会でDNFになったりして、FISポイントがない選手もいると思います。SXのFISポイントでぼくは日本人選手の中では23人中21位ですが、世界にはぼくより下の選手が158人います。

 

 モーグル(MO)の男子でFISポイントを持っているのはスキークロスより少なくて404人。ぼくは残念ながらFISポイントがないので、ランク外で順位がありません。

 

 ポイントリストには選手の生年月日が記入されているので、選手の年齢を調べることができます。フリースタイル競技のモーグル、エアリアル、スキークロス、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアの種目のどれかに出場する選手がフリースタイル競技の選手として登録しています。2月1日までの最新のポイントリストをエクセルファイルでダウンロードして、生年月日でソート(並び替え)してみました。

 最年長はオーストラリアの1947年生まれの女性、PLOVANIC Prueさん。FISポイントはどの種目にもありません。FIS公認でない大会に出場しているかどうかはわかりませんが、FI公認大会は1999年にオーストラリアのマウント・ブラーの大会のモーグルとデュアルモーグルに出場したのが最後です。ちなみにこの大会では、ぼくがこの年にカナダのウイスラー・ブラッコムで開かれたワールドモーグルキャンプで教えてもらったタミ・ブラッドリーさんが女子のモーグルで2位に入り、デュアルモーグルでは優勝しています。

 

 FISの男女を合わせたポイントリストの2番目の年長者が1957年生まれのぼくです。ぼくはスキークロスのFISポイントがあるので、FISのフリースタイル競技に登録していてFISポイントを持っている選手としては最年長です。FIS登録をしているスキークロス選手としても最年長だと思います。

 

 FISポイントリスト3番目の年長者は日本の1959年生まれの孫守広(まさひろ)さん。エアリアルのFISポイントが1.10あってエアリアルの男子で118位にランクされています。2021年に北海道美深町の美深スキー場で開かれたエアリアルの全日本選手権でトリプルダフィーとバックスクラッチャーコザックを決めて出走11人のうちの5位に入賞しています。

 

 1960年代生まれになると、日本国内の大会で上位に入る選手がたくさんいます。イランにはビッグエアに出場している1968年生まれの選手もいます。どんな技を繰り出しているのかはわかりませんが、2019年にイランのダルバンサル(スキー場)で開かれた大会で優勝していて、ビッグエアのポイントランキングで男子の632位につけています。

 

 SAJ(全日本スキー連盟)の2月1日までのポイントリストを見ると、孫さんはエアリアル(AE)の男子で7位です。孫さんはモーグルの大会にも出場していて、モーグル(MO)の男子で、ぼくが237位、孫さんは239位につけています。

 

 ぼくの今シーズン初戦は2月21日、22日の白馬八方尾根リーゼンスラローム大会。これはアルペン競技のハイレベルの大会ですが、FIS公認でもSAJ公認でもありません。

 

 モーグルの大会は続く23日、24日に白馬乗鞍スキー場で開かれるSAJ公認B級の2024森下仁丹大阪府はくのりモーグル大会を皮切りに3週連続で6レースが予定されています。

 

 スキークロスは新潟県かぐらスキー場で4月4日に全日本選手権、5日にFIS公認大会があります。

 

 モーグルのSAJポイント237位、スキークロスのFISポイント265位から少しでも順位を上げて今シーズンを終えたいものです。

 1月9日~11日、今シーズン初スキーに白馬八方尾根スキー場に行ってから早くも3週間。その後、山の木の片付けの重労働をしたときに汗をかいたのがもとで風邪を引いてから10日ほど体調不良が続いて何もできず、24日朝から降り続いた雪でますます身動きが取れなくなり、家にこもって確定申告、消費税申告に向けて、クラウド会計ソフト「円簿」を使って、複式簿記で農業会計の決算をしていました。

 

 それが29日深夜に終わって、30日は難題が一つ片づいたということで、自宅から2時間のハチ北高原スキー場に行きました。まとまった降雪から間がなく、前日に続いて快晴の絶好のコンディション。誰が名づけたのか「ハチ北ブルー」の青空の下、上部ゲレンデでターンの練習をしました。

 フラットバーンで、独自開発のダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)の動作の確認をした後、緩斜面のこぶのトレーニングコースへ。間隔の違う3レーンがありました。

 

 まずは右端の間隔が広いレーン。吸収のタイミングが合わず、こぶにぶつかるような滑りになってしまいました。

 

 続いて左端の一番間隔が狭いレーン。バーンは硬く締まったPacked Snow。スキーが勝手に左右に振られて、途中のピッチが変わったところで弾かれてしまいました。緩斜面なのに難しい。

 

 朝は厳しく冷え込んでいたのですが、昼になると陽光がさんさんと降り注いで暖かくなりました。この日のスキーウェアは15年ほど前に買ったゴアテックス3レイヤー(防水透湿素材のゴアテックスを表面のナイロンと裏地ではさみこんだ3層構造)。アシックスが買収する前のスウェーデンのメーカー、ホグロフスのヒット商品、スピッツジャケットです。

 

 その下にミッドレイヤー(上着と肌着の間の中間着)として着ていたのは、ホームセンターのジュンテンドー西舞鶴モール店で買った作業着だか普段着だかわからない安物のフリースジャケットです。いつもはスピッツジャケットより少し前に買ったホグロフスのシベリヤジャケットというフリースジャケットを着ているのですが、ジュンテンドーのフリースもけっこう暖かいので、試しに着てみました。

 暖かくなったところで、上着のスピッツジャケットを脱いで、ミッドレイヤーのジュンテンドーフリースだけで滑ってみました。ハチ北ブルーに合わせたわけではありませんが、青色です。なんと、上着を脱いだ方が暑くて、汗をかいてしまいました。やはりホームセンター仕様は蒸れるようです。登山や山スキーを対象に開発された昔のホグロフスのジャケットやベースレイヤー(肌着)ではそんなことにはなりません。

 

 気温が上がって少し雪面が緩むとともに、コースに慣れてきたこともあって、少しずつ滑れるようになって大満足の一日。小雪に悩まされている今シーズンも緩斜面、急斜面ともに、こぶコースが整備されていて、ありがたいことに66歳でもまだまだ上達できそうです。

 白馬八方尾根スキー場での3日間の練習の最終日、11日は前日降り続いた雪がやんで、視界が開け、穏やかな1日でした。前日設置したエア台とモーグルラインで、エアとターンの練習ができました。

 

 ぼくの永遠の課題は、エアの着地後のターンへの入りですが、この日の練習で、エア台を踏みきるときの体勢を変えたことによって、着地の体勢が安定することがわかりました。インラインスケートのハーフパイプの世界チャンピオン、安床栄人さん、安床武士さんに教えてもらったことですが、斜面を登るときに上を見るということです。まだ、技を入れるところまではいきませんでしたが、この踏みきりを練習すれば、永遠の課題が永遠ではなくなりそうに思えます。

 

 正月明けの平日にもかかわらず、広いスキー場は大勢のスキーヤー、スノーボーダーでにぎわっていました。その大半を訪日外国人とぼくのような年金生活者が占めていたようです。

 

<リフトトークその1>

 4人がけのリフトに乗り合わせた年配の2人の日本人男性スキーヤーが「あっちの方でもモーグルコース作って練習している人がいるなあ」と話していたので、「それはぼくです」と名乗り出ました。「一人ではなかなかこぶが育たないので、どんどん滑ってください」と言ったのですが、「変なこぶになって迷惑かけそうなのでやめときます」と遠慮されました。

 

 一人は1月4日から、もう一人も1月5日から毎日、八方で滑っているそうで、年間滑走日数は目標120日だそうです。毎日滑っても4カ月かかります。ただし、体が続かないので、リフト最終まで滑ったりせず、早めに切り上げるんだそうです。

 

<リフトトークその2>

 4人がけのリフトに4人乗りました。全員、男性です。左端の年配の日本人が右の3人に向かって Are you a group?(皆さんご一緒ですか)と尋ねました。

 

 左から2人目の外国人が No. と答えて、左端の日本人が続けて Where are you from?(どちらからですか)と聞いたのに、左から2人目の外国人がAmerica, Carifornia. と答えたところ、左から4人目(つまり右端)の外国人が Me too. Same. と言って、うれしそうに左から2人目の外国人と、ぼく(左から3人目)の前でグータッチしました。

 

 2人はカリフォルニアのどこかに住んでいるのかとか、いつもはどこで滑っているのか、というようなローカルな話で盛り上がって、ぼくはfollow(話についていく、話の中身を理解する)ができなかったのですが、右端の外国人が Blue Ridge Mountain と言っていたようなので、Your home gelaende is Blue Ridge Mountain?(ホームゲレンデはブルーリッジマウンテンですか)と尋ねたら、Yes.という返事があって、ぼくが John Denver! と言うと、右端の外国人が ♪West Virginia Blue Ridge Mountains Shenandoah River♪ と歌って盛り上がりました。

 

 ジョン・デンバーの「カントリーロード」(Take Me Home, Country Roads)は1971年のヒット曲で、2人ともぼくよりはかなり若かったので、通じるかどうか一抹の不安があったのですが、名曲に国境と年齢の壁はないようです。

 

 今度は右端の外国人がぼくに Where are you from?(どちらからですか)と尋ねました。

 

 この状況で、京都府綾部市と言ってもわからないし、京都府だけど京都市ではなくて、北の方の田舎町の中でも外れの田舎ですと説明してもあまり意味がないので、短く Kyoto と答えると、

 

Oh! It's a very beatiful place.(それはきれいなところですね)

There are too many good things.(いいところ、いっぱいありますよね)

 

 と見事に誤解されて、左から2人目の外国人が "Fushimi Inari" と言うので、正直に I've never been there.(そこは行ったことがありません)とぼくが言って、京都に住んでいるのに伏見稲荷大社に行ったことがないというおかしな話になりました。

 

 訪日外国人に一番人気のある観光地が伏見稲荷大社だというのは本当だったようです。

 

<リフトトークその3>

 次は40代ぐらいの外国人男性1人と乗り合わせました。

 

Do you enjoy Happo?(八方は面白いですか)と尋ねると、天気はいいし、風もなくて、ベストコンディションだという答えが返ってきたのですが、口調がたどたどいいので、

 

Where are you from?(どちらからですか)と尋ねたところ、返事は Australia, Sydney. 英語圏の人でした。日本人のぼくにもわかるようにゆっくり話してくれていたようです。

 

I'm happy in Happo. Happy Happo. と日本のオヤジが言いそうなだじゃれも飛び出しました。

 

 オーストラリアは今は夏。冬に雪は降りますが、少ししか降らず、雪がたっぷり積もる日本のスキー場がいいのだそうです。Happo is the best ski resort in Japan.とぼくが言ったのに同意した後、

 

 The only bad thing is that(ただ一つよくないのは)there are too many Australians.(オーストラリア人が多すぎる)だそうです。

 

 リフトを降りるときのあいさつは、 Have a nice day. Good afternoon.

 

 グッド・アフタヌーンは、出会ったときの「こんにちは」だけではなくて、別れるときにも「よい午後を」という意味で使うようです。 Have a good trip too. と返事をしました。

 

 スキーの練習だけでなく、片言英会話の練習もできた今季初スキー最終日でした。

 

終了直前のエア台と手前のこぶ

 

エア台下の緩斜面

 

急斜面の入り口

 

急斜面の下部(ここはいいこぶができませんでした)

 今シーズンもフリースタイルスキー競技のモーグル(MO)、スキークロス(SX)、アルペン競技の大回転(GS)の2競技3種目に出場を予定しています。その練習のために9日から白馬八方尾根スキー場にやってきました。

 

 8日夜に自宅を出発して、9日未明にスキー場に到着し、久々の車中泊。車の温度計でマイナス12度まで下がりましたが、2017年に大枚3万8880円をはたいて買った(今買うとamazon.co.jpで4万4540円)

 

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が役立ちました。マイナス30度の冬山で雪の上で寝ても大丈夫というだけあって、冷えた車中でも肌着1枚で朝までぽかぽかでした。

 

 夜が明けると快晴。雪が降った後の晴れで、これ以上はないコンディションと思われましたが、残念ながら山頂付近強風のため、ぼくが練習する上部のリフトは止まっていました。この日はパトロールにエア台設置の許可をもらっただけで、下部ゲレンデでクローチングなどGS、スキークロス向けの練習をしました。

 

 2日目の10日は雪降りです。セミファットスキーで1本だけ新雪のフリー滑降を楽しんだ後、持参したネトロンパイプ60本を練習に使うゲレンデに立てました。100mの巻き尺を忘れたので、長さ845mmのネトロンパイプ4本分を目安に立てました。

 

 エア台も緩斜面に作りましたが、降ったばかりの雪なので固まらず、使うのは練習最終日の11日だけになりました。

 

 11日は晴れ予報。準備が整ったエア台付きモーグルコースで練習ざんまいです。

 

※11日の練習後、ネトロンパイプは撤収し、エア台は壊しますが、こぶのラインは週末まで残るかもしれません。

作りかけのエア台と手前のこぶ

エア台の下のライン

急斜面のライン