白馬八方尾根スキー場での3日間の練習の最終日、11日は前日降り続いた雪がやんで、視界が開け、穏やかな1日でした。前日設置したエア台とモーグルラインで、エアとターンの練習ができました。

 

 ぼくの永遠の課題は、エアの着地後のターンへの入りですが、この日の練習で、エア台を踏みきるときの体勢を変えたことによって、着地の体勢が安定することがわかりました。インラインスケートのハーフパイプの世界チャンピオン、安床栄人さん、安床武士さんに教えてもらったことですが、斜面を登るときに上を見るということです。まだ、技を入れるところまではいきませんでしたが、この踏みきりを練習すれば、永遠の課題が永遠ではなくなりそうに思えます。

 

 正月明けの平日にもかかわらず、広いスキー場は大勢のスキーヤー、スノーボーダーでにぎわっていました。その大半を訪日外国人とぼくのような年金生活者が占めていたようです。

 

<リフトトークその1>

 4人がけのリフトに乗り合わせた年配の2人の日本人男性スキーヤーが「あっちの方でもモーグルコース作って練習している人がいるなあ」と話していたので、「それはぼくです」と名乗り出ました。「一人ではなかなかこぶが育たないので、どんどん滑ってください」と言ったのですが、「変なこぶになって迷惑かけそうなのでやめときます」と遠慮されました。

 

 一人は1月4日から、もう一人も1月5日から毎日、八方で滑っているそうで、年間滑走日数は目標120日だそうです。毎日滑っても4カ月かかります。ただし、体が続かないので、リフト最終まで滑ったりせず、早めに切り上げるんだそうです。

 

<リフトトークその2>

 4人がけのリフトに4人乗りました。全員、男性です。左端の年配の日本人が右の3人に向かって Are you a group?(皆さんご一緒ですか)と尋ねました。

 

 左から2人目の外国人が No. と答えて、左端の日本人が続けて Where are you from?(どちらからですか)と聞いたのに、左から2人目の外国人がAmerica, Carifornia. と答えたところ、左から4人目(つまり右端)の外国人が Me too. Same. と言って、うれしそうに左から2人目の外国人と、ぼく(左から3人目)の前でグータッチしました。

 

 2人はカリフォルニアのどこかに住んでいるのかとか、いつもはどこで滑っているのか、というようなローカルな話で盛り上がって、ぼくはfollow(話についていく、話の中身を理解する)ができなかったのですが、右端の外国人が Blue Ridge Mountain と言っていたようなので、Your home gelaende is Blue Ridge Mountain?(ホームゲレンデはブルーリッジマウンテンですか)と尋ねたら、Yes.という返事があって、ぼくが John Denver! と言うと、右端の外国人が ♪West Virginia Blue Ridge Mountains Shenandoah River♪ と歌って盛り上がりました。

 

 ジョン・デンバーの「カントリーロード」(Take Me Home, Country Roads)は1971年のヒット曲で、2人ともぼくよりはかなり若かったので、通じるかどうか一抹の不安があったのですが、名曲に国境と年齢の壁はないようです。

 

 今度は右端の外国人がぼくに Where are you from?(どちらからですか)と尋ねました。

 

 この状況で、京都府綾部市と言ってもわからないし、京都府だけど京都市ではなくて、北の方の田舎町の中でも外れの田舎ですと説明してもあまり意味がないので、短く Kyoto と答えると、

 

Oh! It's a very beatiful place.(それはきれいなところですね)

There are too many good things.(いいところ、いっぱいありますよね)

 

 と見事に誤解されて、左から2人目の外国人が "Fushimi Inari" と言うので、正直に I've never been there.(そこは行ったことがありません)とぼくが言って、京都に住んでいるのに伏見稲荷大社に行ったことがないというおかしな話になりました。

 

 訪日外国人に一番人気のある観光地が伏見稲荷大社だというのは本当だったようです。

 

<リフトトークその3>

 次は40代ぐらいの外国人男性1人と乗り合わせました。

 

Do you enjoy Happo?(八方は面白いですか)と尋ねると、天気はいいし、風もなくて、ベストコンディションだという答えが返ってきたのですが、口調がたどたどいいので、

 

Where are you from?(どちらからですか)と尋ねたところ、返事は Australia, Sydney. 英語圏の人でした。日本人のぼくにもわかるようにゆっくり話してくれていたようです。

 

I'm happy in Happo. Happy Happo. と日本のオヤジが言いそうなだじゃれも飛び出しました。

 

 オーストラリアは今は夏。冬に雪は降りますが、少ししか降らず、雪がたっぷり積もる日本のスキー場がいいのだそうです。Happo is the best ski resort in Japan.とぼくが言ったのに同意した後、

 

 The only bad thing is that(ただ一つよくないのは)there are too many Australians.(オーストラリア人が多すぎる)だそうです。

 

 リフトを降りるときのあいさつは、 Have a nice day. Good afternoon.

 

 グッド・アフタヌーンは、出会ったときの「こんにちは」だけではなくて、別れるときにも「よい午後を」という意味で使うようです。 Have a good trip too. と返事をしました。

 

 スキーの練習だけでなく、片言英会話の練習もできた今季初スキー最終日でした。

 

終了直前のエア台と手前のこぶ

 

エア台下の緩斜面

 

急斜面の入り口

 

急斜面の下部(ここはいいこぶができませんでした)