当ブログによくコメントをくださる
もにりくちなしさんのmixi日記を閲覧していて
ブラジルの作曲家であるエンリキ・オスワルド(Henrique Oswald)
を知った時、「そういえば、アレシャンドリ・レヴィやネポムセノ
のCD化状況はどうなっているのだろう?」
と思い、検索してみたところ、
つい昨年からブラジルの管弦楽作品を集めたCDがリリースされていて、
その中にレヴィやネポムセノの作品も収録されていたので、
早速取り寄せて聴いてみた所、これは買って正解だなと思いました。
有名作曲家であるヴィラ=ロボスの作品も収録されています。
では早速レビューと行きましょう!!
アウベルト・ネポムセノ
Alberto Nepomuceno, 1864-1920
(画像)Wikipedia
弊ブログで数年前に軽く取り上げた事があるネポムセノは、
レヴィらと共にブラジル民族主義クラシック音楽の
草分けとして重要な存在ですが、その割りにはCDが余り出ておりません。
また、出ていても、手に入れるのが容易では無い場合が多い。
数年前に検索をかけてみた所、Marco Poloのピアノ作品集CDや
地元ブラジルのレーベルによる
交響曲ト短調(Sinfonia em sol menor, 1893)
のCDが確認できました。
Sinfônica de Campinas - Brazilian Concert Music
たった今検索してみると、
海外のAmazonでネポムセノの管弦楽作品集を見つけました。
Série Brasileira - A. Nepomuceno - Amazon
2009年にリリースされたばかりなのですが、
何故か日本のAmazonでは取り扱っていないようです。
CDではなく、MP3の販売のようです。
何と、後述する『ブラジル風連曲』が全曲出ているではないか!!
こちらは弦楽五重奏曲なのですが、LPでしょうか?
Documentos da Música Brasileira Nº. 7 – Música de Câmara do Brasil – Alberto Nepomuceno (1979)
ネポムセノの経歴については日本語による詳細な解説がありますので、
そちらをご覧下さい↓
Alberto Nepomucenoについて - 中南米ピアノ音楽研究所
管弦楽のための『ブラジル狂詩曲』(Rhapsodie brésilienne, 1887)
が聴いてみたい!!
Alberto Nepomuceno - Wikipedia, Português
1:『前奏曲』(歌劇『いたずら小僧』より)
Prelúdio, Ópera “O Garatuja”, 1904-1920
ブラジルロマン主義文学者ジョゼ・デ・アレンカール(José de Alencar)
の小説をオペラ化。
しかし、作曲中に死去してしまったため、未完成となりました。
まず、ベルギー国民楽派(昔のディズニーアニメ)を彷彿とさせるような、
陽気で躍動感のある序奏が登場します。
その後、エレジー風の感傷的旋律が出てきますが、
こちらは如何にも北欧系国民楽派を彷彿とさせます。
その後徐々に高まって行き、
堂々とし且つ陽気な行進曲風の音形で頂点に達します。
(これも、昔のディズニーアニメに出てきそう)
このように、様々な明快な旋律によって、
幅広い豊かな表情を見せていくのですが、
それらが巧みなオーケストレーションによって見事に紡がれていて、
とても聴き応えありと思いました。
2:『バトゥーキ』(『ブラジル風連曲』より)
Batuque, para Série Brasileira, 1888
『ブラジル風連曲』とは、4楽章によって構成されている、
ブラジル民族楽派様式の管弦楽作品で、ネポムセノの代表作の一つ。
初演が1897年だそうです。
“バトゥーキ”とは、アフリカ人奴隷によって伝えられた舞踏のこと。
この陽気で特徴的なメロディ・リズムを管弦楽作品にしようという試みは、
当時としてはとても画期的であったと思います。
バトゥーキは、最終楽章に配置されているそうですが、
願わくば、4楽章全て聴いてみたいものです
(前述の海外のAmazonで販売されている管弦楽作品集には、
全曲収録されています)。
ネポムセノのウィキペディアポルトガル語版によると、
『ブラジル風連曲』を構成する4つの楽章
それぞれの作曲年が全て違います。
しかも、『サンバ』が4曲中最も早く書かれたそうです。
YouTubeに出ていました!!
http://www.youtube.com/watch?v=FJ40YDZnExc
アレシャンドリ・レヴィ
Alexandre Levy 1864-1892
(画像)Wikipedia
ネポムセノと同い年ながらも、
僅か27歳で夭折してしまった不幸な作曲家。
解説はこちらを参照ください↓
Alexandre Levyについて - 中南米ピアノ音楽研究所
今検索しても、
上記のリンク先の解説によると、ブラジル民族主義的な作品は
僅かしか書いていないそうなのですが、その僅かな仕事が、
非常に重要な仕事であったわけです。
3:『サンバ』(『ブラジル組曲』より)
Samba, para Suite Brasileira, 1890
数年前に『ブラジル組曲』がCD化されていないかどうか
ネット検索を掛けてみたものの、
レヴィの作品自体が余りCD化されていない状況に驚きました。
たった今の検索でも、まともに出てこない。
ブラジルのピアノ曲をオムニバス収録したCDに収録されているとか、
そんな感じ。
交響曲や交響詩も書いているそうですが、
CD化されているのを確認出来ませんでした。
因みに、ブラジル風味では無いようです。
さて、『サンバ』は、全4楽章中最も重要な曲で、
最終楽章に配置されているそうです。
陽気で躍動感溢れる旋律が心地よい!!
ブラジル大衆音楽をロマン派風管弦楽作品として処理する試みは、
ネポムセノの『ブラジル風連曲』と同様、
当時としてはやはり画期的で重要な仕事だと思うし、
後に与えた影響も計り知れない筈だと思うのですが、
その割にはCD化されていない状況はやはりおかしいと思いますが、
今回のアルバムがその状況の打破に繋がれば良いなと思います。
こちらもYouTubeに出ていました!!
http://www.youtube.com/watch?v=nZ7P5zgY820
それから、『ブラジル組曲』の全4楽章とも聴いてみたいものです!!
今回取り上げたアルバムは、
もっと数多くの作曲家による作品が収録されていますけど、
全てを紹介しようとすると膨大な量の文章になるため、
分割して紹介します。
ブラジル舞曲集(DANÇAS BRASILEIRAS)
演奏:サンパウロ州立交響楽団
Orquestra Sinfônica do Estado de São Paulo(OSPSP)
指揮:ロベルト・ミンチュク
Roberto Minczuk
【BIS-SACD-1430】2011年
【追記】2016年1月21日
ネポムセーノ → ネポムセノ
ネポムセノとレヴィの肖像写真追加。
リンク切れのURLを削除。
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11323911065.html
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