ミハイロ・カラチェウスキー(Михайло Калачевський)ウクライナの作曲家 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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Михайло Калачевський

Калачевський Михайло Миколайович - сайт Кременчука


【ウクライナ名】

ムィハーイロ・ムィコラーヨヴィチュ・カラチェウシクィイ

Михайло Миколайович Калачевський

【ロシア名】

ミハイル・ニカラエヴィチ・カラチェフスキー

Михаил Николаевич Калачевский

【ラテン文字表記】

Mikhail Nikolaevich(Nikolayevich) Kalachevsky


ウクライナの作曲家、ピアニスト、弁護士。

1851年、ポピウカ(Попівка)生まれ。


ライプツィヒ音楽院で、同郷の作曲家ミコラ・リセンコ(ムイコラ・ルイセンコ)

が学んだのと同じ教師から学ぶ。


ウクライナ民俗音楽の影響を受け、レクイエム、弦楽四重奏曲、ピアノ曲、

ロマンス、合唱曲などを作曲。


1907年没。


【主な作品】

・ウクライナ交響曲(1876)

Українська симфонія

・弦楽四重奏曲

Струнний квартет

・ピアノ三重奏曲

Фортепіанне тріо

・ロマンス

Романс

・ピアノ曲

Фортепіанні твори

・レクイエム

Реквієм

・合唱曲

Хорові твори


【資料】

Калачевський Михайло Миколайович(Wikipedia, Українська)


未CD化交響曲の色々(ロマン派・国民楽派・無名作曲家限定!!)

記事のコメント欄より、

もにりくちなしさんからウクライナの知られざる作曲家による

掘り出し物の曲の存在を知らされたので、

早速それについて調べてみました。


Wikipediaはウクライナ語版しか今の所作られていないので、

如何に無名なのかがそれで分かると思います。




『ウクライナ交響曲』というのですが、

まさか“ウクライナ”の表題を持つ交響曲が書かれていたとは・・・。


チャイコフスキー

が、1872年に、ウクライナ民謡を用いた

交響曲第2番『小ロシア』(別名:ウクライナ)

を既に書いていますが、「小ロシア」の表題を与えたのは、

ニコライ・カシュキン(Николай Кашкин)であり、

チャイコフスキー自身がそう名付けたわけでは無いそうです。


更に調べてみると、実は、18世紀末に、チェコ系ロシア人作曲家である

アルノシュト・ヴァンチュラ(Arnošt Vančura, 1750-1802)

が『ウクライナ』の表題の交響曲を既に書いているとか、

カラチェウスキーのWikipedia頁に出ています。

(ロシア語表記:Эрнест Ванжура)

(ウクライナ語表記:Ернест Ванжура)

(ロシア語・ウクライナ語読み:エルネスト・ヴァンジュラ)


ヴァンチュラのWikipedia頁にも出ていますが、厳密には、

『幾つかのロシア、ウクライナ、ポーランドの歌による3つの交響曲』

Trois Sinfonies nationales a grand orchestre arrangées

de plusieurs chansons russes, ukrainiennes et polonoises.

らしいです(何故フランス語?)。

Ернест Ванжура(Wikipedia, Українська)


そのヴァンチュラの交響曲『ウクライナ』が、YouTubeに出ています!!


古典派時代の曲なので、古典派的要素があるのは当然ですけど、

民謡の旋律が古典派的要素に負かされている感じはせず、

国民楽派の遥かな先取りの様な気がする、

魅力的な曲に思いました。

アルノシュト・ヴァンチュラ

交響曲第1番ハ長調『ウクライナ』

Symfonie č. 1 C dur, “Ukrajinska”(1790)

http://www.youtube.com/watch?v=0CiTbrJ9cks




さて、カラチェウスキーの『ウクライナ交響曲』は、Wikipediaによると、

ライプツィヒ音楽院の卒業作品として書かれたそうです。


私が思うに、通常はこの手の作品というのは、とりわけ何の特徴も無い、

ドイツロマン派風の作風が多いと思うのですけど、

卒業制作で既に民族主義を意識した作品を書いてしまうとは

流石だと思いました。


YouTubeに出ているとの事なので、早速聴いてみた所、

無名の作曲家にしては中々の出来栄えで、

無名なのは不当過ぎると思いました。

http://www.youtube.com/watch?v=p3kjITViw10


メンデルスゾーンやシューマン的ベースに、

ウクライナの民俗的要素を加味した作風?


もにりくちなしさんは、

初期のチャイコフスキーに似ていると仰っていましたが、

まさしくその通りだと思いました。


全体で40分以上もかかる大曲で、聊か長く感じますけど、

情感のこもった魅力的なメロディに溢れているので、

退屈さを感じません。


盛り上げる所はしっかりと盛り上げ、

中々終わらない所が聴かせてくれます。

卒業作品でこれ程までに高いクオリティとは、凄いと思いました。

だからこそ、無名なのはとても勿体無いと思うのです。


でもWikipedia情報によれば、

それ以外はこれといった作品を書いている様には見えません。


余り作品を書いていないのか?

それとも埋もれた知られざる曲が未だ眠っているのか?


音飛びしている箇所があるので、LPから録られたのでしょうね。




【追記】2016年1月23日

ミハイロ・ミコライオヴィチ・カラチェウスキー

ムィハーイロ・ムィコラーヨヴィチュ・カラチェウシクィイ


ミハイル・ニコラエヴィチ(ニコライェヴィチ)・カラチェフスキー

ミハイル・ニカラエヴィチ・カラチェフスキー


煩わしさ回避の為に、記事タイトルの

「ミハイロ・カラチェウスキー」はそのままです。


肖像画像追加。




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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11309490404.html

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