パーソナリティー障害10タイプの内の
「４つ目」の紹介になります。
今回からB群のパーソナリティー障害となります。
※パーソナリティー障害のタイプについては
こちらのブログをお読みください。↓
◇B群パーソナリティー障害
（演技的、情緒的で移り気なグループ）
・境界性パーソナリティー障害
DSM-5によりますと次の項目の5つ以上に
当てはまることで診断される可能性があります。
１．現実に、または想像の中で、見捨てられることを避けようと
するなりふりかまわない努力（基準５は含めないこと）
２．相手を極端に理想化したり否定したりする
不安定で激しい対人関係となる
３．不安定な自己イメージを持続してもつ
４．自己を傷つける可能性のある衝動性で
少なくとも２つの領域にわたるもの
（例：浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、過食）
（基準５は含めない）
５．自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し
６．強い不快気分、いらだたしさ、不安感などの
感情の不安定性
７．慢性的に虚しさやはかなさを感じる
８．不適切で激しい怒りが湧き上がる、または怒りの制御が困難
９．被害妄想や解離症状（記憶、思考、感情、身体イメージなど
が分断されて感じられる）
☆ここでは、診断に関わる他の条件は割愛しており、
分かりやすい言葉に変えたり、注釈を加えたりしている
箇所もあります。
☆上記に多く当てはまったと感じたからといって、
単純に診断されるものではありません。
境界性パーソナリティー障害の人たちの背景には
「不安や恐怖」の感情が多く存在しています。
「見捨てられるのではないか」
という不安・恐怖に駆られたり
「自分は何者か」ということに自信が持てず
不安や恐怖、虚無感を感じたりしているのです。
そして
楽しく過ごしていたはずなのに
急に不機嫌になったり
誉めていたかと思いきや
些細なことで憎しみの感情が湧き起こり
否定・貶めることをすることもあり
とても不安定な態度や行動となってしまいます。
周囲の人たちからすると、信用ができなくなり
トラブルが起きたり、距離を離されてしまうということに
なりがちです。
人間関係がとても不安定なものとなってしまうでしょう。
「見捨てられるのでは」という不安感からは
相手のアドバイスや少しの態度に対して
「自分を拒絶しているのでは」という「絶望感」
が湧いてしまいます。
このようなことから
激しい怒りの感情が湧き起こり
衝動的に、極端な言葉を発したり
破壊的な行為に及んだりします。
自傷行為へとつながることもあるでしょう。
このような境界性パーソナリティー障害の人たちは
「不安」を緩和し、相手には相手の個性、環境
事情などがあることを理解していくことが
必要になってくるでしょう。
人間関係においての「適切な距離感」
というものを感じる意識が大切です。
そして「不安」の緩和には、本人の学びだけではなく
周囲の穏やかで温かな眼差しが必要になってくるでしょう。
ただ、周囲の人たちが境界性パーソナリティーの人たちに
「巻き込まれ、振り回される」ことは避けなければなりません。
周囲の人たちの態度は、一貫性を保ち
自己犠牲的な接し方ではなく
「まず自分自身を大切にしている」
というような意識も必要とされます。
その上で
境界性パーソナル障害の人たちの背景にある
「不安・恐怖」の存在を理解し
「変わりたい」と思う本人の気持ちや態度、学び
に寄り添い、援助をしていくことが大切だと感じています。
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