あさひのブログ -24ページ目
「超級快逓」(2016年 監督/宋嘯 主演/陳赫、宋智孝、David Belle)
90分

※日本語版はありません。

――バイク便会社「超級快逓」配達員のマーは社内でもNo.1を誇るスピード配達が自慢だ。だが安月給で、恋人のナナにプロポーズするも彼女の母親から結婚したいならダイヤモンドの結婚指輪を用意して来なとはたき出された。
ある日お得意様の富豪・ワンの家へ荷物を届けると見たことない女が出てきた。不審に思うマー。見るとワンは二階で猿轡を噛まされ縛り上げられている。逃げようとするが女に捕まり同じく二階に拘束された。
と、新たに不審な男二人組がやってくる。彼らはワンを殴りつけるとマーが運んできた荷物を開封し出した。中には金色の猫の像が6体。実はこの中の1体がフランスの博物館から盗み出された芸術品なのだ。男らはその猫像を盗み出した一派だった。マーを拘束した女はマギーと名乗り、その博物館の保安員で猫像を取り戻しにきたのだと言う。マーはマギーに協力して男らを撃退しようとするが男は猫像を持って逃亡、マギーはその後を猛然と追いかけて行った――

で、猫像を取ったり取り返したりという王道パターンのアクションコメディなんだが、最後まで主人公が活躍しねえッ!!(´Д`;)
宅配便の兄ちゃんが大事件に巻き込まれて愛機にまたがり町中をブッ飛ばすという、リュック・ベッソン監督の「TAXi」シリーズの二番煎じかパロディだと思わせておいて、全然ブッ飛ばさないし腕力があるわけでもないし恋人を人質に取られても自分で助けられないしもうなんでこいつ主人公なわけ!??
おそらくこの主演のチェン・ホー(陳赫)は人気コメディ俳優か芸人なんだと思う。だから人気者の彼が出てるだけで興行収入が得られるような、そういう作品と思われる。見た目にもまったく冴えない彼がしかし主人公だからと期待させておいて全く活躍しないので肩透かしもいい所!すごいB級映画。

でも冒頭のつかみからアクション映画として面白くできてたんだよなぁ。ヒロイン役のソン・ジヒョ(宋智孝)は韓国の女優さん、悪役のダヴィッド・ベルはフランスの俳優さんで、この二人の並々ならぬ身体能力を見せるアクションシーンがこの映画の最初から最後まで引っ張ってってる。完全に主役喰ってる。とにかくベルが凄まじくて建物の屋根から屋根、梯子やなんやらをスパイダーマンのようにヒョイヒョイ飛び回って。それこそリュック・ベッソンの「YAMAKASI」みたいだと思ったら彼はまさにその「YAMAKASI」に出演していた一人だった!
どんくさい主人公に比べて悪役の彼があまりに格好良すぎてちぐはぐじゃん。本当になんでマーが主人公なんだか理解できない。(コメディだから、がその答なんだけどね…。)あとフランス人という設定のマギーやゲイリーが堂々と英語を喋っているのはどうすりゃいいんだろうねぇ。(これもコメディだから、で許されるのだ…。)

コメディにしてはマギーとゲイリーの戦いがシリアスすぎて、場外でボケてるマーやワンらが本当にバカみたいじゃんってなってて…やっぱり主役間違えてるわぁ。


YOUKU
広告さえ見れば無料。
福山雅治、チャン・ハンユー(張涵予)W主演の日中合同作。

「マンハント」(2017年 原題「追捕/Manhunt」 監督/呉宇森 主演/張涵予、福山雅治)
106分

※日本語版は8月リリース予定。

日本の作家・西村寿行の「君よ憤怒の河を渉れ」を原作とした映画のリメイク作品らしい。

――天神製薬の顧問弁護士を務める杜丘。大阪で開かれたパーティの夜に遠波真由美と名乗る美しい女に会う。彼女とは楽しく話をしただけで終わったが、翌朝目覚めると自宅のベッドの上で、隣には見知らぬ女が血を流して死んでいた!よく見るとそれは昨夜のパーティで色目を使ってきていた女だったが、一体何があったのかよく思い出せない…。杜丘は自ら警察を呼ぶが、家政婦が杜丘が殺したと騒ぎ立てたため動揺して警察の手を振り切り逃げ出してしまった。
殺人事件の容疑者が大阪繁華街を逃げ回っているとの報せに県警捜査一課の矢村と百田は容疑者の足取りを追う――

ひでえ・・・頑張ったけど50分でリタイア。アイドル映画だからどうしても安っぽくはなるとはいえ、これは安すぎる!
カドカワ映画って誰が監督しようがみんな同じテイスト。主演俳優の知名度に頼り切った火曜サスペンス。安ぅ。これ日本で公開されてたんだろうか?大阪が舞台で役柄もハンユー以外はほぼ日本人の設定だけど日本語版ではみんな日本語喋ってるのかしら?だとしたら大阪弁…ハンユーや福山みたいな端正な顔立ちのイケメンがコテコテの大阪弁喋るのはあんまり見たくないかもしれない。
W主演の割には福山は地味だし、おそらく日本人は福山目当てに見るだろうけど消化不良じゃないかな。いやもしかしたら最後にめちゃカッコイイことになるのかもしれんが退屈で最後まで見られない。ハンユーは格好良いわよ、でも弁護士役なのに軍人にしか見えん!(´д`lll)  すっかりアクション俳優になってるけど彼は人間ドラマ演らせても素ん晴らしいのに、こんなやっすい映画で脳筋役やらされるなんて…orz

でもあざとく天神祭り風の山車を繰り出させたり大阪城を画面に食い込ませたり、大阪市営地下鉄の特に綺麗な場所を選んで撮影したりハルカスやグランフロントみたいな新しくて綺麗な所ばかりを狙ってて、世界にOsakaをアピールするのには良い作品になってるので大阪府民は推した方がいいと思う。


こちらが最初の映画化作品らしい。中国でも「追捕」のタイトルで公開された。

原作の小説。
「九門提督」(2018年 監督/張博 主演/虎虎)
85分

※日本語版はありません。

――明代、皇帝の命により秘密監察部隊「九門」が設立された。彼らは普段は一般市民として生活しているが、命があれば密かに行動しその任務を果たす一流の暗殺者なのだ。
九門のリーダーの趙鐸は、密かに軍を集め謀反を図っている兵部尚書・楊尚賢を粛清に行く。仲間らが楊尚賢の徒党を暗殺しその首を楊尚賢に見せつけ追い詰める。趙鐸は他にいるはずの仲間の名を吐けと迫るが、その時九門提督(親方)の息子である魏超が楊尚賢を刺殺してしまった。

九門提督・魏信は趙鐸に任せた作戦をぶち壊したと息子をこっぴどく叱りつけた。実は魏超は優秀な趙鐸が自分を差し置いて九門のリーダーを任されていることに嫉妬しており、ある日金を積んで仲間らを買収し九門を乗っ取る計画に出る――

[ここからネタバレ------
趙鐸は楊尚賢の事件の手掛かりを追ってとある賭博場へ。襲い掛かって来る郎党らを次々仕留めていく。その頃、献王の妃に内定している娘・妙云の屋敷を魏超らが襲撃し一人残らず殺害した。
妙云の護衛は九門の担当だった。ありえない失態に魏信は怒りに震える。事件当時九門の兵は魏超が父の令牌を使って遠ざけていた。魏信は息子を詰問するが、魏超は事件の捜査のために兵が必要だったと釈明し、妙云を襲撃し殺したのはただ一人別行動をとっていた趙鐸に違いないと告げ口する。趙鐸はその昔戦場で殺されそうになっていたところを魏信が助けてやった孤児だった。義理の息子として魏超と共に育ててきたのに恩を仇で返すと言うのか…魏信は九門のメンバーに趙鐸を殺せと命じる。

密かに思いを寄せていた妙云が無残に殺されているのを見て趙鐸は慟哭し、急ぎ魏信の元へ戻ってきたが、妙に嫌な雰囲気で仲間らの視線も冷たい。なぜか自分が妙云を殺したことになっていた。九門の仲間らが一斉に趙鐸に襲い掛かる。だがその中で趙鐸の剣の師匠である呉塵が彼の危機を救い屋敷から追い出すようにして逃がしたのだった。

馬に乗って逃げた趙鐸だが途中で力尽きて地に倒れる。そこへ通りがかった小坊主が彼を助け和尚の元へと運んだ。和尚は彼の正体を詮索することはなく、怪我が治るまではと面倒をみてくれた。趙鐸はわんぱくな小坊主を見るうちに殺伐とした心が癒されて行き、怪我が治った後も小坊主の遊びや修行の相手をして穏やかな生活を送るようになった。
だが九門では王妃殺害犯を即刻捕えよと皇帝からの命令が下っていた。この指令を果たせなければ九門提督の命を代償にすることになろう。寺にやってきた魏超は和尚に趙鐸の身柄を引き渡せと迫るが和尚は何も答えない。憤慨した魏超は寺を焼き払った。
出先から帰って来た趙鐸と小坊主。自分のせいで和尚が殺されたことを知った趙鐸は泣きじゃくる小坊主に必ず仇を取って帰って来ると言い剣を手に旅立つ。

都へ戻ろうとする趙鐸の前に次々と九門の手練れ達が襲い掛かって来る。昔共に戦った仲間らを、しかし趙鐸は己の目的のために容赦なく切り捨てていく。その中で実は魏超が楊尚賢と結託し謀反を唆していたことを知った。魏信の元へ戻った趙鐸は真実を告げる。魏信はまさか実の息子が自分を裏切るような真似をしていたと知り愕然とするのだった。

九門のメンバーが次々と趙鐸に倒され次は自分と危機感を募らせた魏超は、父親に早く趙鐸を殺してくれと泣きつくが、魏信は息子を張り倒し今すぐ都を脱出せよと屋敷から追い出した。魏超は自宅に隠してあった大量の金塊を持って逃げようとするがそこへ趙鐸がやって来た。魏超はここの財産を全てやるから見逃してほしいと膝をつくが、趙鐸は和尚や愛する妙云を殺した彼を赦すことなどできなかった。趙鐸は剣を魏超の胸に突き立てる。
雨の中一人歩く趙鐸の前に九門の兵の一団が姿を現す。趙鐸は襲い掛かって来る兵士を片っ端から屠っていく。そして後ろの車から降りて来たのは魏信だ。
「義父上、魏超は私が殺しました!」そう言う趙鐸に魏信は剣を抜いて襲い掛かる。あの日戦場でお前を助けたばかりに我が息子を失うことになった!猛然と突き立てるその剣を、趙鐸は避けることなく胸に受けた。「義父上、助けてくれたあの日から、私の命はあなたのもの、お返しします。」そう言って彼はゆっくりと雨の中倒れて行った。

自分の他に誰もいなくなってしまった屋敷で魏信は回想にふける。本当の兄弟のように仲良く育ってきた魏超と趙鐸。分け隔てなく育ててきたはずの二人の"息子"はもういない。(終)
-----ここまで]

劇場公開の映画ではなくネット限定の映画らしい。若手監督が撮りそうな作風。スローモーションを多用し画面や動きの美しさなどの芸術性に重きを置いた、映画コンペに出品してそうな作品。
物語はこれもしかしたら有名な故事なのかなと思うようなシンプルさで、その物語を詳細に語ることはなく情景を切り貼りするような形で見せる手法が面白い。序盤は普通のアクションものっぽい体裁なのに後半にはアクションをほぼ全て間接的に映し、しかも結果を先に出してから回想ぽく事実を映すという手法を幾度も繰り返していて興味深い。クレジット後のエピローグ的な部分では時系列がてんでバラバラになっていて、でもこれで一連の事件について深みを持たせ本作のテーマが何だったのかを示すものになってる。(正直ここがないとこの物語で何が言いたかったのかはわからないだろう。クレジットが出てきてもラストまで見ましょう。)

暗殺者として世間からその存在を知られてはならない"影"として生きる九門のメンバー。孤児で九門提督に拾われたために影として生きることを宿命づけられた主人公の趙鐸は、命令に縛られることなく自由に恋もできる普通の生活に未だに少し未練がある。しかし突然降りかかった災難で九門を追われ、しかしそんな自分を受け入れてくれる人々がいた。ただ誰かが共にいてくれる、孤独ではないこと。それだけのことが何にも代えがたい幸せであると気づく。趙鐸は彼の幸せを破壊した仇への復讐と、九門提督が与えてくれた"幸せ"に報いるために、自らの命をかけて事件の幕引きに行く。

九門を追われた趙鐸が小坊主と共に暮らすシーンに多くを割いているところが本作のテーマのカギを握っているのだけど、小坊主役の子が、いや、上手なのは上手なんだけど型どおりというのか若干大げさなお芝居で、あんまり子供らしい天真爛漫さっていうのが見えてこなくてなぁ。
九門メンバーがきちんと一人ひとり漫画みたいなキャラ付けがされてるのに、ほとんど活躍せず散っていくのが若干もったいない気も。主人公無双すぎ。でも結局のところこれはアクション(主人公の強さ)を見せたいのではなくて人間ドラマとして描きたかったという所。主人公が強すぎるのはラストシーンで本気出せば倒せるのに自ら剣を受けるその意味合いを強めるためか。まさかの魏信が準主役的立ち位置とは、終盤になるまで誰も気づかないだろうよ…。
出演している俳優さんの情報が全然入手できなくて、まだまだ無名の役者さんばかりなのかも。最初はアイドル映画なのかと思ったくらい、なかなかのイケメン揃いではあるけど。

殺陣が中国の伝統的な功夫ではなくアクションゲームのような動きであったり、逆光の中で剣士のサシの勝負を映すあたりは日本のサムライ映画や漫画の影響を受けてそう。そういう今時らしい影響がみられるところも監督が若いんじゃないかなと思う理由。


YOUKU


「唐山大地震」「大軍師司馬懿之軍師聯盟」で重要な役柄を演じてたイケメン実力派俳優リー・チェン(李晨)の監督主演作品。

「空天猟」(2017年 邦題「スカイハンター」 監督/李晨 主演/李晨、范冰冰)
115分

日本語版はありません。(2019.2追記:日本語版作られました。)

猟は狩と同じ意味。主人公が乗る戦闘機が猟天(空の狩人)号と呼ばれている。

――航空学校を卒業し中国人民解放軍の空軍パイロットとして勤務する呉迪。恩師の陸先生が退官するにあたり式典とパーティが催された。そこで呉迪は久しぶりに恋人の趙亜莉と対面するが彼女は再会を喜ぶどころか機嫌が悪い。
その直後、ずっとバディを組んできた親友の劉浩辰が海外任務に就きたいと言いだした。呉迪はショックを受けるがしぶしぶ彼の希望を受け入れる。
そして呉迪と趙亜莉は空軍の秘密特殊部隊「覇天狼」に推薦された。厳しい試験と訓練が続き覇天狼のメンバーは互いに切磋琢磨し絆を深めていった。

紛争地域のマーブ国に赴任した劉浩辰。平和な日々が続くかと思われたがある日テロリストの急襲を受け人質となる。テロリストは逮捕されている彼らのリーダーの解放を要求した――

[ここからネタバレ-------
人質には劉浩辰を含む20余名の中国人がおりマーブ国は中国政府に協力を求めた。中国政府はすぐさま覇天狼に指令を出す。覇天狼の鬼隊長・凌偉峰は志願者を募るが、この危険な任務に志願したのは呉迪たった一人。親友の危機に駆けつけないわけにはいかなかった。
凌偉峰は呉迪をバディとしてサンダー号・ハンター号の二機で出撃する。テロリストが占領する町に近づいたが察知され迎撃ミサイルに追われる。呉迪は凌偉峰の指示に従い必死に逃げ躱すが、最後の一発に逃げきれず凌偉峰のサンダー号が被弾する。かろうじてまだ飛べたが負傷した凌偉峰は目をやられてしまった。呉迪は並走しながら進路や操縦を無線で伝え、無事二人とも基地へと帰還したのだった。

テロリストは劉浩辰を連れ出し見せしめにネット中継で処刑しようとする。マーブ国はついにテロリストの要求を受け入れると発表。テロリストらは喝采を挙げる。浩辰は人々を助けるために軍人になったのに何もできず悪の言いなりになることしかできない自分を責めるのだった。
マーブ国政府は厳重警備の中テロリストのリーダーを解放するが、直後傍らにいた兵士が私怨でリーダーに向かって発砲、止める間もなく射殺してしまった…。
知らせは直ぐに中国政府に届いた。このことがテロリストらに知れれば奴らは必ず人質を殺すだろう、今夜中に救出せねばならない!すぐさま作戦が開始された。
闇に紛れて降下したパラシュート部隊が静かに近づき見張りを倒していく。と同時に空からは呉迪のハンター号、巴図のストーム号が襲撃する。計画通り制圧し人質が閉じ込められている部屋を解放したが、そこには現地人しかいない。中国人人質はもうひとつの基地に移されていたのだ。現地人の人質を回収しすぐにもうひとつの基地へと向かう。

テロリストらはリーダーが殺されたことを知って逆上し、人質を全員連れ出し処刑のネット生中継の準備を始める。劉浩辰はついに覚悟を決めるが、その時上空をハンター号が通過する。俺たち軍人にできることは何だ…呉迪の顔が脳裏に浮かぶ。「みんな伏せろーッ!!」中国語で叫び皆を庇うようにして身を伏せた。その直後ハンター号が地上すれすれの頭上を通過した!とんでもない轟音に皆頭を抱え倒れる。その隙に劉浩辰は銃を奪いテロリストらを射つ。間もなく覇天狼の陸上部隊も駆け付けテロリストらと激しい銃撃戦に。準備周到であった覇天狼が着実にテロリストを追い詰め人質を救護する。
テロリストのリーダー代理のラフマンは無傷の戦闘機に乗り込み飛び立つ。人質を収容した救護機を狙っている!呉迪はすぐに後を追う。空撃戦は互いの弾が尽きるまで続いた。弾が尽きた以上攻撃の手段はない、勝ったと思われたが、ラフマンは一発だけミサイルを残していた!救護機に狙いを定めている。救護機には同胞の人質、仲間達、そして趙亜莉が乗っている…呉迪は全速でラフマン機に向かい自らの機体をぶつけて破壊した。

人質らは無事救出された。しかしハンター号の通信は途絶えたまま…趙亜莉は出撃のあの日やっと自分にプロポーズしてくれた呉迪の顔を思い出し涙する。
その時空港に待機していた人々が歓声を上げる。振り返ると朝日の逆光を浴びるハンター号がこちらへ向かって飛んできていた。(終)
-----ここまで]

アイドル映画なんだけど、だけど、なんだろう、結構おもしろかった(^▽^;)
物語自体はとってつけたようで安っぽいんだけど、キャストもイケメン揃いなんだけど、皆お芝居が上手くてアイドル映画特有の嘘くささとか押し付け感がない。話に意外性はなくベタ中のベタなのにちゃんと引き込まれてしまった。

主人公の空軍パイロットの活躍を描くのではなく一歩引いて軍全体の組織的な動きを描き出しているところがハリウッド映画とは異なるし、それもそのはず、この映画は中国人民解放軍の広報部が企画したものだから!空軍の宣伝映画なのでした。(´Д`;)
というわけで撮影はホンモノの軍隊を使って行われているのでリアルなのです。宮崎駿監督が好きそうなアクロバティックな空中戦、最先端の技術を駆使した偵察活動や作戦。ミリタリー好きにおすすめしたい。昔の戦争サスペンスでは上官の命令や怒号が飛び交ったりして緊迫感を出してたものだけど現代の戦争では大声は出さない。黙々と命令を発信し現場では一切の物音を立てず身振り手振りで連絡をとり任務を一つ一つクリアしていく。セリフもうめき声も物音もなくただBGMだけが流れているという意外なものとなってる。それを視聴者も息を呑んで見守る。チームワークが見事にはまり敵を制圧するくだりは爽快の極みで「軍隊カッコイイ!」「私もこういうチームの一員になりたい!」と思わせる宣伝力抜群。よくできてるw

軍の予算が潤沢なのかなんだか知らないけど豪華キャスト。ヒロインが数々の映画で主役を張っている世界的美女・ファン・ビンビン(范冰冰)。特殊部隊隊長にワン・チェンユェン(王千源)、空軍上官にウー・ショウボー(呉秀波)、司令にワン・シュエチー(王学圻)とベテラン俳優がずらり。(ワン・シュエチーさんは突っ立ってるだけの本当にゲスト出演でしたが(^▽^;))
まーあ下手な芝居する人がいない中でも、特に光っていたのが主人公の親友・劉浩辰を演じるリー・ジァハン(李佳航)。童顔で人懐っこい系のイケメンだけれども、ニコニコとした明るい印象が強いだけに、それに相反する恐怖、そして立ち向かう勇気を心の中で戦わせている過程が見える迫真の演技が素晴らしかった!主人公の呉迪はイケメンでクールすぎてあまり親近感がわかないけど劉浩辰には共感できる人が多いんじゃないかな。

特に印象に残ったのが、マーブ国に赴任した劉浩辰にラフマンが言ったセリフ。「お前の講義は立派だが、お前は実際に戦争で行動できるのか?お前の国はもう何十年と戦争をしてないだろう、明日戦が始まったら?お前達は戦う準備ができてるのか?」
軍隊を持たない日本人はもちろんだけど、軍隊を持っている中国人ですら、やはり実戦というのは現実とはほど遠いものなのだと。紛争地域の人から見れば日本人も中国人も同じだろう、お前達には何が分かっている?戦争の何が解ると言うんだ?そう問われているようでドキッとさせられた。


YOUKU
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「健忘村」(2017年 監督/陳玉勛 主演/舒淇、王千源)
116分

※日本語版はありません。

中華民国時代のとある村を舞台に繰り広げられるブラックコメディ。

――山奥に殆ど人の往来のない裕旺村という集落があった。この村が風水的に幸運を呼ぶと知ったある富豪はその土地を奪うため、村人の朱大餅に金をちらつかせ村に爆薬を運べと命じる。
大餅が村へ戻ると、裕旺村の近くを汽車が通ることになったというニュースが駆け巡っていた。駅ができれば村は豊かになると村長をはじめ大喜びだ。そんな中大餅は妻の張秋蓉にひそかに荷物をまとめるように告げる。彼は大金が出に入るので今夜村を出て都会で暮らそうと言うのだ。

その夜、村では宴会が開かれた。突然大餅の家から悲鳴が上がる。皆が駆けつけるとそこには体中が黒く変色し息絶えた大餅の姿があった。ちょうどその時、村に道士(まじない師)の男がやってきた。天虹真人・田貴と名乗るその道士は大餅の遺体を調べ毒殺だと言う。村長はすぐに秋蓉を捕らえさせた。
田貴は大きな箱の中から不思議な形の道具を取り出した。これは「忘憂」…嫌なことを忘れることのできる魔法の道具、これを使えば事件の真相はすぐわかるのだと――

[ここからネタバレ-------
村長は田貴を家に呼んで歓待すると見せかけて酒に薬を入れて眠らせ縛り上げた。そして魔法の道具を手に入れるが使い方がさっぱりわからない。しかし売り飛ばせばきっと高く売れるに違いない。
大餅の家に転がされた田貴。すぐ隣で秋蓉が首を吊ろうとするのを慌てて止める。そこへ密かに秋蓉に思いを寄せる鍛冶屋の万力がやってきて秋蓉を助け出した。万力は大餅の懐から二通の手紙が出てきたと話す。遺書かもしれない。中を見ると、そこには村長ら数人の村民が実は山賊一味の手下であり、村を襲い乗っ取る手筈を整えていたことが書かれていた。そしていよいよ近日村を襲う、その合図を送れと。
山賊が襲ってくると知って肝っ玉の小さい万力は秋蓉に一緒に逃げようと言うが、秋蓉は首を振る。今朝、村長の息子でかつての恋人・丁遠から手紙が届いた。三年ぶりに村へ戻って来るという。丁遠がいない間に無理矢理朱大餅に嫁がされた秋蓉は会わせる顔がないと、偶然手に入れた毒を使って自殺しようとしたが、毒があまりに臭くて口に入れられない。そこでパンに香辛料と一緒にはさんだサンドイッチを作って食べようとしたその時大餅が帰って来た。そして彼から今夜村を出ると聞かされた秋蓉は自殺を思いとどまった。だが秋蓉がそのまま放置していたサンドイッチを大餅が食べてしまい彼は死んでしまった…秋蓉は自分が大餅を殺してしまったのだと告白する。
話を聞いた田貴は自分の魔法の道具でその嫌な記憶を消してやろうと言う。嫌な事を忘れれば人は幸せに生きられるのだ。秋蓉は田貴に言われるがまま村長の家から魔法の道具を盗み出す。丁遠と過ごした楽しい日々を忘れてしまうことは悲しかったが、今の苦しみから逃れるため秋蓉は魔法の道具を頭に被った。田貴が道具を操作すると秋蓉の苦しい記憶は切り取られ一つの繭玉となって吐き出された。

魔法の道具が田貴の手に取り戻されていたと知った村長は大餅の家へ。だがあの道具が本当に嫌な記憶を消すと聞いて半信半疑で試してみる。村長は昨日鼠のしっぽを食べさせられたことを忘れたい。田貴は魔法の道具でその記憶を消してやった。
記憶を消した部分は何も植え付けられていないまっさらな心となる。村長はそれを利用して村人を自分に従順な操り人形に仕立て上げようと画策する。「忘憂」の処置を受ければ嫌な事が忘れられる上に2銭を与えると言って村人を次々と魔法の道具にかけさせた。嫌な事だけでなく記憶を丸々消された村人は村長に言われるがまま自ら財産を差し出た。うまくいったとほくそ笑む村長だが、田貴は「忘憂」したばかりの村人に命じて村長を拘束させると彼にも魔法の道具を被らせる…。

村を完全に手中に収めた田貴は村長となり秋蓉を妻とし、都合の悪いことが起これば「忘憂」させて人々を思い通りに操った。村人は自分の名前すら覚えられず、男は甲、乙、丙など、女は一花、二花、三花と呼び名や印が顔に書かれた。村人は毎日田貴を讃える歌を歌い、田貴に指示されるがまま宝を探して村中に穴を掘った。
ある日秋蓉は村の入口にある家が気になって入ってみる。そこは元自分の家なのだが彼女はその事すら記憶にないのだ。家の中で手紙のようなものを見つけた。丁遠という人に宛てたラブレターだった。
またある日、突然元村長が暴れ出した。田貴はすぐに「忘憂」させようと道具を被せるが暴れそのまま逃亡しようとしたため万力が棒で思い切り叩きつけた。怒った田貴は元村長を生き埋めにしようとする。が、そこへ丁遠が村へ戻って来た。丁遠は父を助けようと駆け寄るが村人らに拘束された。田貴は丁遠を「忘憂」させようとするが万力が叩いたせいで魔法の道具が壊れてしまって記憶を消すことができない。その様子を覗き見ていた秋蓉はこの男が手紙に出て来る丁遠だと知る。そして彼は秋蓉という名の女性と愛し合っていたのだ…。

その夜、秋蓉はこっそり魔法の道具を持ち出して見よう見まねで操作してみた。そしてこの道具を使えば人の記憶を消すだけでなく保存し観ることができることを知った。道具は壊れていて途中で止まってしまう。だが何度か叩くと直った。そして村人の過去の記憶から大餅の変死事件や村長が村へやってきた時の事、それに自分とあの丁遠が恋人同士だったことを知ったのだった。

いつの間にか直っていた魔法の道具で、田貴は丁遠の記憶を消してしまった。さらに田貴は丁遠が山賊・烏雲の手下で、今まさに彼らが村へ向かってきていることを知った。急いで村人を集め応戦の準備を始める。と同時に宝の掘り出しも続けさせた。

秋蓉はついに魔法の道具を使っているところを田貴に見つかった。だがその時ようやく宝の箱が出てきたとの報せ。田貴がずっと探し求めていたこの宝は「回魂」…記憶を取り戻すための道具なのだった。だがまた時同じくして、烏雲の一味が村へ襲い掛かって来た!村人らが小麦粉爆弾で応戦する中、田貴は財産と魔法の道具、それに記憶が紡がれた繭をかき集めて逃亡する。逃げ込んだ洞窟で掘り出させた宝箱を開けるが、そこには「忘憂を逆にすれば回魂である」という短い文が書かれた紙が入っているだけだった。山賊を恐れて同じく洞窟へ逃げ込んでいた万力に田貴は魔法の道具を被せる…。

村人を襲う山賊らの前に単身現れた万力。驚異的な技で次々と山賊を殴り倒していく。彼はそもそも気が弱いだけで、その小心さを克服するために幼い頃から体を鍛えていたのだ、魔法の道具で気の弱さをすっかり忘れた万力にはもう恐いものは何もなかった。頭領を倒された山賊らは皆逃げて行った。
万力は英雄だと皆から褒め称えられる。が、田貴が戻ってきて自分のおかげだと言い出したので秋蓉は彼が村の財産を持って逃げ出そうとしたのだと突きつけ捕らえさせた。村人らは田貴の持っていた金品を奪い合う…。
ようやく村が寝静まった頃。拘束された田貴は秋蓉に言う。一年前気が付くと自分はこの魔法の道具を被っていた。傍らには死体があった。自分が何者なのか何が起こったのかは思い出せなかった。しかし時折ある女性の姿が脳裏に浮かぶ、彼女が誰なのか、そして自分が誰なのかだけ最後に知りたい、と。自分の記憶の繭はとってあるのでそれで「回魂」してほしいと頼む。秋蓉は微笑み魔法の道具をゆっくりと田貴の頭に被せた…。

秋蓉の使う魔法の道具によって「回魂」された村人は彼女を村長に推し、村は彼女の指揮で特産品を開発して潤い、皆仲良く暮らす桃源郷となった。
・・・それは"彼女にとっての"桃源郷であるが。(終)
-----ここまで]

これすごく楽しい、おかしい、そしてゾッとする物語で超オススメ!
物語そのものは世界中にあるような昔話でどちらかというと怖い話…「板橋三娘子」とか「赤いろうそくと人魚」とか「ハーメルンの笛吹き男」のような皮肉が込められたおとぎ話だけど、それをきれいにコメディに仕立ててあるところが実に見事。笑いにしてる分皮肉が際立つ。魔法の道具が現代的に表現されていてとってもわかりやすく、他にもさまざまな面で現代的というかパロディ的な演出がなされていてそれがまた親しみやすい。
コメディならどんな人を起用してもある程度サマになるけど、これはベテラン俳優を集めてきっちりシリアス部分を描いているので単なる笑い話ではなく問題提起させるような仕上がりになってて、ちょっとした映画マニアにも納得してもらえる良作品だと思う。

主人公の張秋蓉を演じるのは「西遊記-はじまりのはじまり-」「弾丸と共に去りぬ」等でヒロインを演じてる名女優スー・チー(舒淇)。特に序盤のシリアスな物語の展開をぐいぐい引っ張って行ってくれる。でも意外とコメディもかわいい。
主役格の田貴は「誘拐捜査」の犯人役や「ブレイド・マスター」の盧剣星、「九州・海上牧雲記」の牧雲栾(皇兄)といった重要な役柄を演ってるワン・チェンユェン(王千源)。見た目にどうしてもずる賢い役が回って来るんだろうけど(ゴメン!)彼がとにかく良い味出してんの!この田貴というキャラクターは胡散臭いくせに親しみやすく、憎らしいのに同情したりと矛盾する気持ちになるけど、結局それが"人間らしさ"であり、視聴者を思わず苦笑させる愛すべきキャラ。
他にもイケメンマッチョなのにノミの心臓という万力(演:ジョセフ・チャン/張孝全)や、無表情にひたすら自転車と格闘する烏雲(演:リン・メイシュウ/林美秀)とか個性的なキャラでもりもり笑わせてくれる。

香港ギャグ系の笑いではなく日本風のシュールな笑いなので今の若者にピッタリ。定番のハリウッド映画やアイドル映画に飽きて小劇場へ見に行くような映画好きにぜひ見てもらいたい作品。ボイスパーカッションで奏でられるテーマソングは終わる頃には口について離れなくなること請け合い。ぅわんぅわんぅわぁーんわぅわわわわぅわぁぁーん♪(´0`*)


Pangzi