以前、須田桃子氏の書いた「ねつ造の科学者」という本を買ったが、私は読まずにそのままにしておいてあった。読み気がおきないというのがその理由だ。しかし、何かそこに情報は無いかと思い始めた。
そこで、本の表紙の不快なカバー写真(関係科学者3人の写真)と取り除き、少し読んでみた。
このカバー写真だけでも、名誉棄損になっても良さそうなひどい扱い方だ。

まず、最初に写真が数点あるが、最初の写真だけは、理化学研究所提供とあるが、その他の写真は、著者(須田氏)入手写真等によるとかかれている。
小保方氏が提供したとは思えないような冷凍マウスの写真なども載っている。

以前、擁護派の方がブログに書いていたが、マスコミによるねつ造論は、他人のうちに土足で踏み込むような行為を犯していると言っていたが、まさにその通りの行為であると感じた。

写真には335頁参照と書いてあるので、最初、誰かに謝辞しているのかも・・・と思ったが、そうしたものではなさそうだ。335頁を開いてみたが、“断り”のような記載は一切ない。

須田氏はこうした写真を自分のものとすることに、あまり抵抗が無いように感じた。

(もしかすると、「ねつ造の科学者」の他のページで何か、断りのようなことが書いてあるのかもしれないが、今のところ。私はまだ読み進めていないので、そこは把握できていない。)

記者であれば、社会正義のために、疑惑となる証拠は確保してよいのだ!と言わんばかりの書き方である。
多分、須田氏はそう、思っていたのだろう。

須田氏に限らず、科学論文関係の記者らは、科学者たちに特別扱いにされることが普通だと思っている節があるようだ。

科学者たちは、論文や業績を、新聞記者が高い評価で記事を書いてほしいと望み、世間に広めて欲しいと思うので、記者たちをちやほやするのではないか?

本を読み進める最初の部分だけでも、須田氏は、マスコミは情報を入手できて当たり前、マスコミに協力するのは科学者の義務!、と言わんばかりの書きぶりである。

そうしたマスコミと科学者の甘い関係を示唆するかのように、この「ねつ造の科学者」も、笹井氏から須田氏への特別の招待メールから、本文の記述が始まる。
笹井氏から須田氏への返信メイルは、「STAP発表記者会見には、須田さんは「絶対」に来るべき」である。

以前から、須田氏は笹井氏と面識があり、笹井氏は、熱心ではきはきした須田氏を気にいっていただろう。
彼女は若くて長い首筋の美人だ。

科学者が自らの研究の広報活動のために、記者に親切にするという作戦はありなので、須田氏は、科学者たちから特別に扱われることに慣れていたのだろう。

一般的にマスコミは、疑惑のあるもの、問題の生じてものは、他人の持ち物であっても写真を撮ることは当然と思うのだろう。さらに、須田氏は、自らの本に載せてしまったわけだが、こうした行為にあまり抵抗はないのだろうと感じた。

写真解説に誘導されるまま、たまたま開いた「ねつ造の科学者」339頁にこのような事が書いてあり、私の目にとまった。青字

同僚の取材によると、1月の論文発表直前、理研本部で小保方氏と会った野依理事長が「彼女を守れ」と周囲に指示したという

理研本部の。野依理事長のこの言葉は、私にとって興味深い。
私は当ブログで、理研の一部の人は、GRASの解析結果を知っていて、著者らに十分な情報提供をしていなかったのではないか?!という仮説を紹介している。

以前にも当ブログに、論文発表前に、笹井氏と小保方氏は理研本部に呼ばれて、理事長や理事と会話をした出来事について書いた。

呼ばれた理由は、「あの日」にも書かれていないが、発表後の事であるのかも・・・と思える。

、“想定とは違う”という爆弾のようなGRAS解析がCDBにあるのだ。理研には、他人の論文チェックに熱心な学者たちもいるし、そのネットワークの実力たるや、研究所の歴史だろう。
遠藤氏がわざわざ、自身はインサイダーではないと断っている様から、かえってインサイダーが他にいることを暗示しているかのようだ。

発表後に起きるかもしれない不穏な事件を予測できていたかもしれない。

野依理事長らの本部は、理研の一部の研究者たちの不穏な動きを察知しており、GRASの解析についても何ら
かの情報をつかんでいたのではないかと想像しても良いものと思う。

そうした意味からしても、論文発表前の野依理事長の「小保方を守れ!」は、その後の出来事を考えれば、しかるべき懸念だったのだろう。

理研の調査結果が何度か、発表されたが、この論文発表前のGRAS解析の程度について触れたものは無かった。
世の中の人たちは、こうした事前の証拠があるという情報が知らされていない。
小保方氏のコメントでも、この点に触れているものが一つも無いのは残念だ。
弁護士たちは、この点をどう考えているのだろうか?

「あの日」には、小保方氏は、GRASの解析をしっかりしていれば・・・と後悔を書いている。
GRASの解析が出た時点で(すなわち、桂報告書発表時だが)、小保方氏と弁護団が理研に対し、何らかのコメントを出しても良いのだと思う。


「あの日」142頁には以下のように書かれている。青字

 論文発表後に理研に届いたメールの内容は、“私(小保方氏)が筆頭著者の過去の論文に、PCRのゲルの使いまわしの疑義があるというものだった。悪質な研究不正を行うことが明白なので、耳が痛い話とは思いますが、容易に信用しないようになどと書かれていた。
・・・・・
このメールに記載されていた内容と同じPCRのゲル写真の情報が、インターネットを通じて広範に出回るようになった。
・・・・・・
3月に入ると分子生物学会の大隅典子理事長から声明が出され・・・・論文に関する生データの取り扱いや実験方法記述について・・・・多くの問題点が指摘されていることを・・・
これら論文に対する適正な対応を強くお願いします。・・・・・

これらの出来事からわかることは、分子生物学会は、ネーチャー発表論文についての、図表や記載の問題を指摘しているのである。

しかし、今になれば、分子生物学会は小保方氏の新人研究員たるが故の問題点を指摘しようとしたわけではないことは、明らかである。

2014年12月25日、最終の調査報告書が発表された後に、分子生物学会の感想を私なりに想像してみた。
、「私たちの指摘した実験手技のミスや画像の取り間違えが認められたことは、大変意味があった。」と分子生物学会はコメントするだろうか?もしそうなら、以下のような感想であるはずだ。

以下、学とみ子の作文です。茶字 下手な文章であるとお断りしております。

「分子生物学会会員は、新人研究者の書いた論文に多くの問題あるミスをみつけた。学会あげて、論文中の未熟なミスを探し、問題視すべき事を公表した。そして、こうしたミスの多い論文を取り下げるよう著者や理研に勧告した。
しかし、学会が多くのミスを追及していく過程で、さらに大きなねつ造の事実をつかむことができ、理研はねつ造の有無について調査にのりだした。そして、論文そのものがねつ造であったことが判明した。
学会は、発表からすみやかに、論文の未熟性と問題点を見通せた。これは、先見の明と言って良いだろう。」
とか・・・

実際に分子生物学会から、どのような公的コメントが出たのか知らないのだが、どなたか教えて欲しい。
遠藤氏の総括と同様に、”ねつ造は許さない” だったのではないだろうか?

遠藤氏は最初から、“捏造を世界に公開しているのです”として、小保方氏を非難していた。
そうした意味では、論旨ははっきりしているし、彼は素直である。遠藤氏は、笹井氏の政治力が強くて、ねつ造がそのままになっていることを憤慨している様子であった。

しかし、遠藤氏が、そうが言えるのは、2月末の公開データ以後である。遠藤氏がいつから公開データ解析に着手したかは不明だが、相当に早い!であろう。

証拠がないと非難されることをあえて書くなら、公開データ前からかもしれない。
すでに、GRASのデータは、1年目前以上から“十分に解析されず”にGRASにあるのである。

もちろん、解析には著者らの許可が必要であることからして、実験をおこなった研究員には、勝手な解析はご法度なのだろうが、小保方氏ら著者らは遺伝子解析の専門家ではない。

解析の意味するところは、専門家にゆだねなければ結果は引き出せない。
少なくとも、「あの日」で見る限り、小保方氏は解析結果を知らない。アクロシン入りであることを知るのは、発表後の騒動以後である。

騒動勃発後の出来事は、「あの日」に書かれている。NGS担当者は、解析することを止められているのである。

GRASと、関係研究者らとの情報のやりとりの経過は、裁判にならない限り、明らかにされないかもしれない。
もし、著者らに解析データが入らず、勝手に解析されたデータが外部に流出していたとの証拠がつかめれば、この事件に新たな展開が見えてくる。

前回当ブログで紹介した「あの日」の文章では、理研の上層部は、なぜ、私(小保方氏)の言い分を聞いてくれないのか?と悲痛な思いを書いています。

これほどの規模ではなくても、一般人が、今まで仲間と思っていた人たちから、バッシングを受けた場合、バッシングされた側は、とにかくその原因を考えてみるしかありません。

小保方氏の周りの上司たち、相澤氏、竹市氏も、小保方氏をかばいながらも、最終的には小保方氏を見放してしまった理由を考える必要があります。
彼女が虚言癖の人であることがバレた!とかでは、決してありません。

STAP事件が、これだけ非難が大きくなったのは、遠藤氏も指摘しているとおり、“ねつ造であるデータを世界に向けて発信している奴らがいる”との怒りが大きかったからです。
最初は、科学者やマスコミを中心に、その後は広く社会に広まりました。

遠藤氏がkahoの日記で STAP細胞の非実在について  2014年03月05日 15時10分に発信しています。
日経サイエンスには、2014年3月には、若山氏が簡易検査をして、STAPは、親マウスと遺伝子が違うことがわかったとしています。

理研が小保方氏を守れなかったのは、論文発表前のGRASの解析の影響が絶大だったからでしょう。
小保方氏が単に新人女性だからとか、論文ミスが多いからではないのです。

日経サイエンス2015年の46頁中頃には、若山氏の言葉として
「今回、僕はテクニシャンだった。なのにコレスポにしてもらって申し訳ない気がする」と、古田氏は書いています。
この言葉は、「あの日」では権利を強く主張していたとする若山氏とは、大きく隔たります。
その若山氏は、3月にはすでに、自らの簡易検査をして遺伝子齟齬を指摘しているのです。

2014年、3月には遺伝子の齟齬は広く報道されようになります。
6月に入れば、遠藤氏の解析とか、アクロシン入り情報が公然としたものとなります。

それでも、論文発表後1週間の分子生物学会の抗議のメイルは、その後の公開データや若山氏の簡易調査では説明ができません。
この速さを説明するには、もっと前から、ねつ造派が論文発表前のGRASのデータを入手している必要があります。

証拠を得ていたねつ造派は、上層部に正式遺伝子解析を迫るようになります。3月になれば、さらに圧力を上層部に強めます。

論文発表前のGRASの解析結果を知っていれば、ねつ造派が人質をとっているようなもので、理研上層部との交渉に有利なツールとして使えたでしょう。

自己点検グループの中核となるねつ造派にとって、論文発表前のGRASの解析結果は、理研の上層部との交渉ツールでした。

上層部は、流出し始めた証拠を抑えておくことができませんでした。
もし、上層部が解析を抑えたら、上層部もねつ造の協力者になってしまいます。
どう考えても、理研はそうした立場には決して立てません。

上層部は、小保方氏に厳しいものとなったとしても、正式解析へ進むのを了解するしかなかったと思います。
もし、小保方氏がねつ造と無関係なら、彼女はその後に裁判でも起こして戦うことは可能であるし、小保方氏自身で無実であると声明を出せるはずと上層部は判断したかもしれません。

論文発表前から、上層部のみならず、小保方氏も“発表後の暗雲たれこめる状況”は、ある程度、予期していたようです。

小保方氏は若山氏が怒っている様子にも直面していました。
若山氏が業績の分担に執着していた論文に関心を示さなくなり、それにもかかわらず、論文は、小保方氏の希望とは離れていき、むしろ若山氏の仕事寄りにシフトしていったのです。
小保方氏は不安ととまどいもかんじていたでしょう。
この時、何か、謀り事が進行しているのかもしれないと小保方氏が感じてもおかしくはないと思います。

「あの日」でも、論文発表時の喜びは書かれていません。
とにかく彼女は目立ちたくないと願い、次の仕事に移りたいと思っていた様子が書かれています。
極端にマスコミを避ける行動も、すでに発表翌日から現れています。
「あの日」158頁で、小保方氏は叫んでいる。青字 だから大騒ぎになるって言ったじゃないでと心の中で弱々しくつぶやいたが、この時にはもうなす術がなかった。

彼女はいつの時点で、”論文発表後には暗雲が垂れ込めるに違いない”と気づいていたのだろうか?
そうした気持ちで「あの日」を読んでいくと、かなり前の部分から、考えされられる記述がある。

以下は、遠藤氏のブログに載っている若山氏のコメントである。
https://srad.jp/~kaho/journal/588494/
私は科学者として、重要な新発見につながる可能性を示す根拠となる実験データを捏造することは有り得ないとの信念、並びに若い研究者を応援し、重要な新発見を世に出したいとの思いから、提示された実験データの不正を見抜くことが出来ませんでした。しかし研究室の長としての責任がある以上、たとえ博士号を持った客員研究員の出したデータであっても、しっかりと検証するべきでした。今回の調査報告書で、私については、「不正行為は認定されなかった。」と結論されましたが、「このような捏造を生じ
させたことの(私の)責任は過失とはいえ重大である。」との調査委員会のご指摘はもっともであり、私はこれを真摯に受け止めます。

このkahoのブログには、遠藤氏の貢献をたたえるコメントが多く載せられている。
コメントを寄せているのは、科学者とする人が多いようだ。

一例を紹介する。以下のようなものもある(青字)
今から思うと3月に論文取り下げていればO氏の再起もあったでしょうに、O氏とB氏が取り下げをゴネて問題を大きくしました。
理研上層部は事態収拾を急ごうと、真相解明はせず論文不正で処理しようと考えたが、Kaho氏、日本分子生物学会始めとした科学コミュニティの自浄作用が働いた結果、真相解明につながったかと思います。
常識があれば、3月にO氏・B氏は論文取下げすべきところ、何を思ったかゴネて問題を大きくし、結果S氏の自死等関係者に多大な影響を与えた事を理解しているとは思われません。

この方は、3月に取り下げていれば事件は大きくならなかったと言っているが、決してそうではないだろう。
小保方氏は、今も理研研究員でいられたか?それはありえない。
論文をすみやかに取り下げても、ねつ造派は遺伝子調査が実施されるまで激しい攻撃をしたであろう。
理研本部が遺伝子調査をしない限り、ねつ造の根拠は無いからだ。
GRASの結果を予め知っていた人がいても、理研の正式調査があるまでは、それを漏らすことはできない。

遺伝子解析でSTAP(幹)細胞と、ESが同じ細胞だと、天下に示すことが、捏造派がめざしたものだ。
論文取り下げでは納得しない。

追い詰めれれた小保方氏は、若山先生こそ、真実をはなしてくださいと、{あの日}で叫んでいる。

「あの日」151頁 青字、著者の中で若山先生だけが自由に自分が所持しているサンプルを解析し、自分の意見を社会に向けて発信することが許されていた。そして、その行為があたかも研究者の模範のように取り上げられた。・・・もし、理研内の著者らにも平等に自ら再分析する権利を与えられていたなら、社会の反応はどう変わっていたであろうか?この不公平さを助長していた理研CDBの幹部たちは、何を目的として、著者らから再解析の機会を奪っていたのだろうか?・・・調査する人の間で明確な線引きが行われているように感じられた。

小保方氏には、この叫びを続けて欲しいものである。

思ったままをしゃべるというのは女性の得意技と言える。これは、必ずしもほめられることではないと言われるが、悪い事ばかりではない。そのおかげで考えていることがよくわかる。

「あの日」では、小保方氏はかなり言いにくいことまで書いている。
女性特有の率直さだ。
しかし、高度に配慮している部分もあるため、実際に理研における出来事が読み取れない部分がある。

このブログも、社会的決着とされたものをあぶりだすようなことをしているのだから、反発が多くなるのはしかたないと思っている。
しかし、女性特有の率直さで書いているのは間違いない。

桂調査委員会が膨大な調査にかかわらず、片手落ちなのは、小保方氏本人が否定し、証拠が示せないにもかかわらず、言葉使いで小保方捏造を世間が信じるように仕向けていると、私は感じるからだ。

桂調査委員会は、小保方捏造を避ける方向で結論を書けなかったものかと思う。
捏造に持っていきたい学者、マスコミの圧力に屈せず、女性研究者を助ける裁定をしてほしかった。

若山研究室は容疑者であることをしっかり明記してほしかった。
検体提出元が若山研究室であり、桂調査委員会は、そこからでしか検体入手ができかったことを断るべきだったと思うのである。

検体そのものの信頼性は100%ではない。特に、FES1は大田氏の提出したオリジナルであるかは明記していない。

結局、桂調査委員会は警察による捜査ではないこと、限界のある調査結果にすぎないとしてほしかった。つまり、この限界を、調査書の最初に明記する必要がある。
桂調査委員会は、警察による捜査ではないので、検体の保全を論文発表後は遅いのだ。それも断るべきだった。さすれば、労多き検体解析はもっと少なくて済んだのだ。

調査の結論は、論文作成前にGRASで調べたマウスの遺伝子結果で十分であった。
実は、論文発表前にGRASが行った解析結果を発表すれば、STAP(幹)細胞は、論文記載とは異なる遺伝子であったとの結果は導き出せた。

実際には、コストと時間をかけた大変な作業の遺伝子解析であったが、小規模調査で遺伝子齟齬を示せば、その役割を果たしたのである。
実際には、あれもこれも多数の細胞を解析したため、つじつまを合わせる作業は大変になってしまったと思われる。
作業は、すべて理研の研究員らによる汗と涙の結晶である。

この結果では、マスコミは納得しないであろうが、一般人は、今更、検査をしても真実解明にはつながらない事を理解するのである。

しかし、桂調査委員会は、論文発表前のGRAS結果を代表させた発表はできなかった。

その理由は明白である。それをしたら、論文前のGRASの解析結果は、なぜ生かされなかったの?なぜ、論文発表まで進んでしまったの?と、だれも気づいてしまうのである。

論文前のGRASの解析結果は、どこまで理解が進み、誰がどのような情報を持っていたのかは明らかにされていない。小保方氏も「あの日」に書いていない。
何度も言うようだが、ここに重大な事件の鍵があると思わなければいけないだろう。

理研には、普段から自己点検グループがいて他人の研究にいちゃもんをつけるのに熱心な学者派閥がいるようだ。学者は自由な人たちであり、競争社会でもあるからして、さもありなんことは納得できる。

こうした研究精度にこだわる自己点検グループの人たちは、若山研究室のようなラフな生物学的手法には、もともと反発が強いと思われるため、それこそ若山研究室が自己点検チェックのターゲットになっていてもおかしくない。

そうした研究室に、基礎学者には問題視されているバカンティ研からの突然、若い女性が現れれば、自己点検グループの恰好の点検網にかかると想像できてしまう。

疑惑の研究室から持ち込まれたGRASの解析に、自己点検派の学者たちは疑いの目をむけるであろうと思われる。
解析の結果で、遺伝子が想定とは違うと出たのは、いつの時点かは明らかにされていないが、想定と違えば、これだけで、興味深いうわさとして飛び交う条件に満ちている。

論文発表後に、理研本部に解析を激しく迫る人たちがいたが、解析すればすべてわかることを知っている人たちであろう。彼らは、論文発表前に”想定とは違う”の情報をすでに持っていたと想像できるのだ。
論文発表後1週間の短期で、高名学者たちから抗議のメイルが理研に届いているのだ。
これは発表前からねつ造の噂が、しかるべき筋から流れていたと考えるのに十分な短さ!だ。

遠藤氏に情報があったかは不明であるが、とにかく公開データ後、彼は速やかに動いたのは確かであろう。
遠藤氏は、ご自身のブログに次のように書いている。日付は2014年03月05日(青字)

どうしてSTAP細胞が存在しないといえるのか?
私はこの論文のインサイダーではありません.従って誰がどのように間違いを犯したかどのような意図を持っていたかといったことは分かりません.
しかし,彼らが公開しているデータから彼らの捏造,少なくとも完全な誤りは証明できます.彼らはそうとは知らず,自分たちの捏造を世界に公開しているのです.

この部分に関しては、「あの日」にも、記載がある。
シーケンスの担当者が小保方氏のもとに、飛び込んできて、kahoの日記の情報、上司から解析を止められたことに対して憤慨する様子が書かかれている。

それでは、この担当者は、論文発表前の時点ではどのような役割を担っていたのか?
論文発表前に、この担当者が憤慨する出来事はなかったのか?
小保方氏は、この前後の出来事については、何らかの理由により書けないのではないかと想像する。
どのような書き方をしても、あまりに影響が大きい。

スーパーの本棚に婦人公論があり、立ち読みした。
登場する生き方モデルとなっている他の女性たちは、皆、今を輝く人たちである。
婦人公論の掲載が終わらないうちに、小保方氏がマル秘となっているSTAP事情に触れたら、雑誌社にとっての飛躍の時だ。

桂報告書は、調査委員会発足後の残存検体における調査結果を中心に書いている。
残っている検体で解析したら、コレコレだったである。
この事件の真相を知りたい人は、桂報告書を読むが、論文発表後に、理研が調べた調査結果を理解しようとする。

STAP事件の真相を知りたい人は、なぜ、論文発表後に突然、ねつ造疑惑が盛り上がったのか?を注目する。、論文発表前には何があったのか?について疑問を持つのだ。
論文発表前には、どのような事実がわかっていて、研究者たちの思惑がどのようなものであったかが事件発生の鍵になると思う。

論文発表後に、ねつ造疑惑が持ち上がり、次第に解明されていくとの経過を知りたいわけではない。
論文発表後は、小保方ねつ造論にむけての脚色された部分がある。

遠藤氏の解析は、すべて論文発表後になされたものである。まずは、遠藤氏は、自主的に公開データベースの解析などを行っていたが、6月になれば、遠藤氏は、若山氏から検体調査のお墨付きをもらい、正々堂々と解析をするようになるのである。

日経サイエンス2015年3月号36頁(青字)、論文への疑義が浮上したのは2014年2月から、STAP細胞は実はES細胞ではないかとの指摘は繰り返しなされていた。とりわけ、5月に遠藤氏が著者らが公開したSTAP細胞の遺伝子配列データを再解析し、・・・トリソミーであることをつきとめてから、“正体はES”はほとんど確実とみられていた
と書かれている。

あたかも、ねつ造疑惑が論文発表後にわきあがったかのように、マスコミ関係者は書いている。
もちろん、論文発表前には著者以外には研究データにはアクセスすることができないから、このように書くしかない。
しかし、今回のSTAP事件は、こうした従来の常識では考えられない問題点が多い。
論文発表後に疑惑が持ち上がったように仕組まれているかのようだ。

大事なのは、いつの時点で何がわかったのかを知ることである。
桂報告書は、この部分がぼかされて書かれている。
STAP研究中に、GRASが行った解析結果が、研究者たち(小保方氏、若山氏とそのスタッフ、笹井氏)にどのようにバックされたかはとても重要なのだが、報告書には、ただ、”想定とは違う”としか書かれていないのである。

「あの日」124頁、オーサーシップのトラブルが書かれている。小保方氏は、酸浴後の初期化は自分自身の仕事、それ以上は若山研究室のものと区別したかったが、それがだんだん、そうではなくなっていくいきさつが書かれている。こうした小保方氏の気持ちは、「あの日」が発表されて初めて、読者が意識したものである。

そして、125頁には、”若山先生の突然の責任放棄に加え、その若山先生が主張していた論調へとアーティクル論文の主題まで変わろうとしている・・・・”と書かれている。
この部分は注目して良い部分で、小保方氏が、若山氏の変心に論文発表前から十分に気づいていたことを示すのである。つまり、論文発表前から、若山氏はこの論文を放棄していたことがわかるのである。

桂報告書には、15頁から次世代シーケンサーによる解析が出てくる。
この書き方は微妙で、くり返しになるが、論文発表前にはどこまで解析でわかった事実があったのかは書いていない。想定した結果と異なるとだけ書いてある。

この時点で想定と違う事実を、小保方氏が入手できていれば、論文発表はとん挫するような出来事である。

論文発表後、2014年に調査委員会がたちあがり、その時、残された検体で詳細に解析された成績は、桂報告書に載っている。
その結果は、ねつ造論を説得させるに十分なものであった。

小保方氏のノートの記載がないとかもしっかり書かれている。
この部分は、調査委員会におけるねつ造派学者が「どうだ!これだ!」の感て自信を持って書いたと思える。

ねつ造派は、検体をGRASに持ち込んだ小保方氏に全責任をおしつけているのである。
しかし、「あの日」発売後は、疑惑の仕事をしたのは、断じて若山研究室だ! と考える人がかなり増えた。
小保方氏は、「あの日」で、この事実を必死に訴えている。

以下は、桂報告書からの引用である。この部分の重要性を重ねて強調したい。

引用開始 青字
1)実際に RNA-seq、ChIP-seq に用いた細胞株/マウス系統が論文記載、公共データベー ス登録内容と異なっている  ・・・・RNA-seq における FI 幹細胞ではマウス系統が論文記載のものと異なって おり、また ChIP-seq における FI 幹細胞、STAP 幹細胞では論文には記載のない Acr-GFP/CAG-GFP が挿入された細胞が用いられている。これらの実験は全て小保方氏に よりサンプル調製がされているため、どのようにサンプルを用意したのかを中心に聞き 取り調査を実施したが、その当時あった細胞を集めて用意したとの説明しか得られずノート等の記載も見当たらないため詳細は不明であった・・・、
・・・・・・・
第 1 回目の GRAS による RNA-seq データ解析結果が想定していたものと異なっていると の理由により、小保方氏らは、再度サンプルを2013年1月および6月にGRASに提供し・・・・

引用終わり

この出来事に関しては、「あの日」では、小保方氏は次のように深い反省を書いているのである。
・・・この時に、次世代次世代シーケンサーによる解析を深めていればその後の疑義は起こらなかったと思うと悔やまれる。・・・

小保方氏は、3回にわたる解析結果について、GRASからどのような言い方の説明を受けたのか?
若山氏や笹井氏は、想定とは違うとされた事実について何を言ったのだろうか?

STAP真相解明を望むウオッチャーにとって、小保方氏に問わずにはいられない疑問であろう。
若山氏は、いつから論文撤回に向けて動き始めたのだろうか?

多くの人は、論文発表後に、STAP幹細胞の遺伝子が親マウスと違うことが明らかになった時からではないか?と思っている。

「あの日」によれば(152頁)青字、
(2014)年3月10日。NHKの取材に対し、(若山氏は)テラトーマの画像を理由に、「論文を撤回したほうがよい」と発言し・・・翌3月11日には追い打ちをかけるように分子生物学会理事長のの大隅典子先生から再び声明が出された。
・・・・・・・
2014年3月25日、小保方に渡したマウスと若山先生が解析したSTAP幹細胞のマウスの系統が違うとの報道が出た。・・・・

これは、若山氏が、第三者(放医研と言われている)に、検体の遺伝子解析と依頼した話だ。その解析は後で訂正になったものの、若山氏はこの時のトラブルを利用して、論文撤回を進めた。

「あの日」でも、小保方氏は自らの検体ボックスから無断で若山氏が検体を抜き取って山梨に持って行った!と、やや憤慨気味で書いている。そして検体選別の権限はすべて若山氏にあったと言っている。

若山氏が論文撤回に向けて動き始めたのは、テラトーマの件であると小保方氏は認識している。
その後の親マウス(若山マウス)とSTAP遺伝子が合わないことではないようだ。

こうした記述から予想されることは、小保方氏はGRASの2012年8月の情報を知らなかったように読める。
そして、笹井氏は、どのような状況であったかは不明だが、そのまま二人は論文の執筆を進めていた(つまり、知らない?)。
GRASが遺伝子解析の結果を、研究者たちに話さないなどということが現実にあるのだろうか?

しかし、若山氏はすでに知っていた可能性を考えて良いのではないだろうか?
それは、彼は研究の指導者でもあり、いろいろな状況を考えても知らなければいけない立場であるからだ。

2012年の時点で、GRASは研究の指導者である若山氏に情報を提供していたのではないか?と考える方が普通だ。もちろん、検体を持ち込んだ小保方氏にも、その結果は還元されるべきであった。

若山氏が、GRASの解析結果(STAP幹細胞がAcr/Cag-GFPであったこと)をいつ知らされたのかという疑問は残る。本人のみぞ知るであるが・・・・。もっとも、若山氏が、遺伝子が入れ替わってしまった経緯の一部始終をすべて知っているのかもしれないのではあるが・・・・。

マウスの遺伝子が合わない話は、論文撤回となるような重要な事実である。(事実それで論文が撤回された)
若山氏が、もしGRAS解析を知らされていたなら、このGRAS解析を契機に、自己点検委員会と若山氏は協力体制になっていったとのストリーが書けるのである。
つまり、若山氏は、論文発表前にすでに、STAP論文撤回を狙える立場となったのである。

論文発表前、ねつ造の証拠(GRASにおける解析)は、自己点検委員会はすでに把握し、そして、分子生物学会にも流れていったかもしれない・・・。ねつ造の証拠というのは、ねつ造があった(実際は無いが)と主張できる証拠という意味である。

若山氏は、笹井小保方組と、理研の自己点検委員会と、どちらとも表面的な友好を保ち、その後の顛末を見て自らの行動を決めることができる立場となったのだ。

STAP研究開始前も、開始後も、理研内に若山研究室の研究内容をチェックしている学者グループはいたと思う。しかし、ねつ造疑惑が高まるにつれて、このチェックグループと、若山氏とがつながるようになっていったかもしれない。すなわち、両者の協力体制ができあがったかもしれないのである。

自己点検派の学者たちと連携ができあがれば、流れを組む自己点検委員会によるねつ造調査に、若山氏が協力する立場となり、その結果、若山研究室は容疑者ではなく、逆に守られる立場となる展開が作れる。

「あの日」では、STAP研究のオーサーシップで研究者間にトラブルがあったことが書かれている。若山研究室は、アーティクルもレターも、ファーストオーサーが小保方氏になってしまったことに不満であったのは間違いないだろう。若山氏の心中は不明であるが、若山氏は研究員たちをなだめ、大人としてふるまったのかもしれない。

若山氏は研究室の長として、STAP細胞の無事なる出船を願う部分もあったかもしれない。
STAP幹細胞やキメラ実験の大事な仕事を、小保方氏に譲っても、長期的展望に立つ若山氏は、「武士は食えねどど高楊枝」の態度をつらぬきたかったかもしれない。

しかし、矜持の若山氏とは異なり、若山研究員たちの不満は果てしなく強かったのではないだろうか?

研究員たちは、苦労して仕上げた結果が皆、小保方氏の仕事になってしまったと考えた。
STAP研究は、小保方の仕事ではない!と考える若山研究室員の反発はますます強くなっていったであろう。

小保方氏は、「あの日」に、若山氏の主張した取り分などについて書いているが、この時の、若山氏の心境はうかがい知ることはできない。

しかし、論文発表後、ねつ造疑惑が本格化してからは、若山氏も「今だ!、今しかない!」と考えて、ねつ造論に舵をきったのである。

この時の若山氏は、いろいろな状況を考慮して、一気にねつ造論で舵をきる決意をしただろう。
実は、若山氏は、もっと早い時期から、こうした展開を予期できる立場であっただろうが・・・。

SNSで、小保方氏に強く、生データを出せ!生データを出せ!と迫る人たちがいた。
STAP研究の成果は若山研究室のものだ!と叫んでいるように聞こえる。
小保方氏が若山研究室における生データを出せる状態に無いことを知っていて騒ぐのである。
世間的に、ねつ造犯のイメージをつくりたいからである。

結局、詳細は、第三者の私には不明は当然だが、STAP事件の解明への希望を込めて、疑問を提示させてもらった。

GRASの解析結果を、小保方氏が本当に知らなかったなら、STAP事件の大事な疑問点と思うのだ。

桂調査委員会による最終報告書は、作成に向けた努力の経過はどのようなものであったのであろうか?

アンチ小保方、アンチ若山研究室、アンチCDB派の学者たちがいたであろうし、逆に、ねつ造スキャンダルを避けたい学者たち、小保方擁護派の学者や事務方も参加したであろうと思われる。

報告書の書きぶりに、対立する勢力同志のせめぎあいが感じられる。
強く、ねつ造を示唆する部分と、ねつ造を回避しようとする部分が混在しているのである。

この報告書は、今後も、未来永劫に訂正がされることはないのであろうか?

事件から2年以上がたったが、この報告書は、自由参加の議論の対象となることもなく、問題点が提起されても、報告書に追加や訂正などが考慮されること無く時が過ぎている。

科学的論文であれば、その後に発見された新しい事実で、過去の論文はどんどん上書きされていく。
かつての論文の結果が、間違いであることが証明されたり、逆に、論文発表時は、信じられなかった結果が、その後の進歩で見直されたりしたりもする。

桂調査委員会の報告者は、当時、理研の粋を集めて事件解決の道を示そうとしたものであろう。
当時、調査の結果発表は、学者(専門家)、マスコミ(非専門家)、一般人(非専門家)を納得させるものでなくてはならず、批判の渦が起きぬよう、世界に向けて正しい答えを発信しなければいかなかった。

反対論が渦巻く論文の正誤を扱う場合、「やはり正しかった」というより、「間違いでした」という方が容易だ。
反対派は、命がけで反対を主張してくるので、論文を守ろうとする側は、その時の技術レベルでは証明できないことが多い。
証明できなかった研究の正当性を主張するためには、研究者は将来に向けて、実験精度を高めて何度も挑戦するしかない。

しかし、このSTAP事件の特異性は、若山研究室が二度とこの実験のチャレンジをしようとしないことである。
本来、生物科学では、次々と新しい実験を行い、過去の実験を超えていくものである。
そのため、過去の実験や、再現実験にこだわっていることはできない。

しかし、今回の特殊なケースのように、あえて再現実験をする場合、小保方氏には酸浴後の細胞の初期化実験だけで十分だったはずである。

若山研究室が参加しないキメラマウスの実験など、最初から必要なかった。
若山氏が参加しないなら、初期化後のキメラ実験は無しですむ。
実験を計画した学者たちは、キメラマウスの実験は意味が無いと強く主張してほしかった。
そうすることで、小保方氏が幹細胞作成に関与していないことが、一般人に明らかになるからである。
つまり、STAP事件の軸は、若山氏なのである。

小保方氏はレター論文には関与できなかったため、あれこれ指摘されても汚名を一身にかぶるだけであった。桂調査委員会は、誰がどのパートの実験をやったのかがキチンとかかれていないところに問題がある。
若山研究室の言い分を通すため、意図的にそうした書きぶりの感がある。
若山研究室の証言だけを報告書に書き込み、小保方氏の主張は無視した。

他の人からの指摘のあるように、桂調査委員会報告書に書かれたSTAP細胞の問題点は、多くが幹細胞部分なのである。しかし、報告書は、この重要な点を、あえてぼかした書き方をしている。

小保方氏が受け取ったのは生きた動物である。
小保方氏に渡すマウスと、このマウスと同じ遺伝子を持つ細胞がなければならない。
若山研究室が同じ遺伝子の動物と細胞を持っていることから考えて、クローン技術がないと作れない。
桂調査委員会は、小保方氏がマウスの遺伝子にくわしくないことを強調していながら、小保方氏を無罪放免していないのである。

幹細胞のからまないSTAP細胞は、ChIP-seqでも、RNA-seq でも、Cag-GFPの129xB6であり、Acr/Cagなどは入っていないことが証明されている。
小保方氏がいつから、Acr/Cag細胞と関係していくのは不明なのである。
しかし、報告書には、幹細胞検査と同じ日付けでSTAP細胞が検査されたのかは不明である。
実験の後期で、Acr/Cagの入ったSTAP細胞が存在するようになったかどうかはわからない。

小保方氏は、「あの日」にあるように、若山研究室から若山マウスをわたされて、STAPを作っただけなのだ。
問題となった幹細胞には、Acr/Cagがセットで入っているわけだが、このGRASが解析した大事な情報を小保方氏は知らない。

同じ遺伝子であるべきSTAP細胞と、STAP幹細胞において、実際には、遺伝子が異なる検査結果に、2012年8月の時点で、理研のGRASは気づいたはずである。
この情報は、なぜ、そのまま放置されてしまったのであろうか?

「あの日」の記載では、GRASのスタッフが親切にも、小保方氏の検体を優先的に扱うように指示をだしてくれたとある

小保方氏は、GRASに感謝しているとの書きぶりであるが、本当のところはどうだったのであろうか?

若山氏は、幹細胞作成の秘密などを、次世代シーケンサーで明らかになることを嫌ったはずである。
この両者の板挟みで、小保方氏が困ったのではないだろうか?

2012年8月、STAP実験中にGRASにRNA-seq用サンプルが持ち込まれた時、GFPの位置など、遺伝子型がおかしいことがわかってしまった。つまり、これらのデータ等が流出してしまえば、ねつ造の疑いが広く学会まで噂として広まったとしてもうなずける点である。
と、前回のブログに書いた。

しかし、報告書では、STAP細胞のChIP-seqについて、疑問の残る書き方である。

報告書では、16頁下から四行目に(青字)、以下のように書かれている。

第一回の「GRASSによるRNA-seqデータ解析が想定しているものと異なっているとの理由により、小保方氏からは、再度サンプルを2013年、1月及び6月に提出し・・・・

「あの日」によると、論文に採用されたSTAP細胞検体は、若山氏から提供されたマウスではないようである。
論文に採用されたChIP-seq用STAP細胞そのものを、小保方氏がGRASに持ち込んだのは、若山研の引っ越し以後のように読める。

幹細胞やTS細胞がGRASに持ち込まれた時期は、報告書に2012年8月、2013年の1月、6月の3回と書かれている。これらの時点で、マウスの遺伝子が想定と合わないことがどこでわかったのか?
その情報は、どこまで、著者の小保方氏や若山研究室にバックされたのか?
これは、大きな問題点ではないだろうか?

もし、親の遺伝子と合わない結果が出たら、著者らにとって、すでにこの時点で大変な話であろうし、若山氏にとっても一大事になるのではないか?と思われるのである。

GRASでの解析でどのようなことまでわかったのか?、この顛末について情報がある方がいらしたら教えて欲しいと思う。

あくまで、想像の域を出ないが、この時点で、小保方氏に無断でChIP-seqがさらにくわしく解析され、その結果が、STAPねつ造の根拠となりはじめたかもしれない。

くりかえしになるが、予めの想定結果と合わない(親マウスが違う)結果が、なぜ、この時点で問題にならなかったのであろうか?
報告書では、後で残っていたサンプルで、再度NGS解析をしている。
その結果は、マウスのGFPも親マウスも、論文とは違っていたと、さらりと書かれている。
この書きぶりは不思議な気がする。

さらに、不思議に思うのは、リバイス時に求められた実験用マウスの選択に、若山氏が協力していない点である。

若山研が引っ越したのは、2013年3月である。GRASにおけるNGS検査をした2013年1月には、若山研はまだ理研にいたが、6月にはすでにいない。
GRASの研究員は、遺伝子解析結果がおかしいのはわかっていたわけだから、何度も検体提出を小保方氏に要求しているのである。

このについて、「あの日」では、どのように書かれているかというと(青字)、
126頁、

ただし、次世代シーケンサーの解析に用いられていたアンプルは、若山研にいた時に提出したものと、笹井研から提出されたものが混在してしまった。
若山研での実験の大半は若山先生が用意してくれた特殊な掛け合わせのマウスで行っていたが、若山研の引っ越しの後、私にはそれらのマウスは残されていなかったので、シーケンス解析に用いるマウスの系統をそろえる事ができなかった。

リバイスの際の話し合いにおいては、今回の次世代シーケンサーの解析は解析としては浅い解析であり、細胞の性質の傾向をみるだけにすぎない。次の研究できちんとマウスの系統を揃えられた際に、より深く解析して細胞の性質を吟味し、特異的なマーカーなどを探索しようと言いうことになった。

 多くのサンプルが若山研にいた頃に作製された。論文おデータとして使用された細胞には、若山研にいた頃に若山先生からChip(クロマチン免疫沈降)は行っても良いが、シーケンサーによる解析は行わないように指示がだされているものもあった。Chipの実験では特定のタンパク質の発言しかわからないが、シーケンサーによる解析を行えば、その細胞の由来などが詳細にわかる。

小保方氏は、なぜ、孤独にも、GRASでの検査用検体として、マウスの選択を独自でしなければならなかったのか?この検体検査におけるマウスの選択に、若山氏はなぜ、協力していないのか?
このGRASSに持ち込まれた遺伝子検査は、若山氏の反対があったのか?
「あの日」では、小保方氏が若山氏から了解をとったとあるが、GRASがさらに解析してしまったのか?
研究者間での深い溝の元なのか?
なぜ、調査委員会は、前後関係や顛末を、もっとはっきり書いていないのか?。

結局、こうした小保方氏のよる作業は、落とし穴のように、後の彼女のねつ造疑惑につながることになるのである。

ここらあたりに、小保方氏が書きたくても書けなかったSTAP事件の真相があるのかもしれない。
mou*****様からコメントをいただいた件で、桂最終報告書を読み返してみたのですが、正直言って、小保方氏がねつ造犯と思わせるような書きぶりになっています。

結論的には、桂調査委員会はねつ造と決めなかったものの、細かい言い回しの点で、限りなく小保方氏が怪しいと言っています。

小保方氏だけでなく、若山研究室スタッフも怪しいが、事故か、故意かは、判定することはできなかったとなれば、疑われた各個人は助かったのですけどね・・・。

若山氏も、「世間をお騒がせして申し訳ない」とSTAP研究の責任者として謝罪しておいた方が、逆にかっこよかったと思うのですけど・・・。
後は、マスコミが何を書こうが自由でしょう。

桂最終報告書14頁9行目には、「STAP幹細胞、FI幹細胞、キメラ、またはトラトーマの作成まで到達できたSTAP細胞は、すべて小保方氏が作成した。」とあります。

「あの日」発売以後は、この説明では通りませんね。この記載も、突っ込まれやすい文章です。
FLS3のみ、小保方氏が最後まで作ったといいたいのか?などの誤解につながります。
他の解析していない幹細胞は作成までにどのような状態なのとか?と聞きたくなりますね。

桂最終報告書16頁14行目に、実験中から、STAP細胞の遺伝子が親マウスと違う話がでてきます。
STAP細胞(幹細胞ではない)のChiP-seqデータは、今となっては、とても重要と思われますが、小保方氏が持ち込んだSTAP細胞が129B6F1ES1と同じ細胞と判定されました。
小保方氏は、ES細胞を持ち込んだとなってしまう。
これでは、まさに疑われますね。

小保方氏は、生きたマウスから細胞を取ったわけで、このマウスと同じ遺伝子型の細胞が存在するためには、クローン技術がないとだめなような気がする・・・・。1個の受精卵から動物はできるが、動物になってしまってからは、受精卵にはもどれない。だから、受精卵と同じ細胞が存在していることが必要なのだ。

2012年8月、STAP実験中にGRASにRNA-seq用サンプルが持ち込まれた時、GFPの位置など、遺伝子型がおかしいことがわかってしまった。つまり、これらのデータ等が流出してしまえば、ねつ造の疑いが広く学会まで噂として広まったとしてもうなずける点である。