ガヴィの里を訪ねて 〜 その3 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

やっと州をまたいで自由に身動きできるようになり、ワインの買い付けに出かけてきた。

 

2年ぶりのガヴィ。

 

日曜日はカンティーナは閉まっているが、「ミラノの日本人の⚪️⚪️です。」と電話をしておけば、いつも開けておいてくれる。もうなんだかんだ20年弱通いこんでいるが、お値段は当時のまま。(少なくとも電話で値段交渉は出来ないが、顔をみて、ああ...と交渉成立。爆)

 

ガヴィはピエモンテ州の南東で生産されており、地区の名前なのだが、コルテーゼという種類のぶどうで作られている。フルーティでありながら、かつすっきり辛口。ガヴィは1998年にD.O.C.G.(統制保証原産地名称)ワインに昇格している。

 

いつも行っているところは、1945年にニコラ ベルガリオによって設立され、1970年より自社ワインのボトリングを始めた。現在は息子と孫により運営。 標高300m、17ヘクタールの畑を所有し、樹齢40年とクリュ畑の、樹齢60年のコルテーゼ種のみを栽培してるという。 

 

最近では、息子くんが出迎えてくれる。通い始めた当時はまだ高校生だった彼も今や30代半ばだ。だんだんお父さんに似てきて、声だけだったらお父さんと間違えてしまうくらいだ。


生産は、Gavi di GaviとMinaia。樽で熟成させるCiaponという銘柄もある。個人的にはMinaiaが大好き。お手頃なお値段なので、夫に気兼ねなく飲めるのが嬉しい。笑

 

 ワイン畑

 

 ご自宅兼ワイン工場
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 ラベルなしのテーブルワイン用ガヴィ 

 

 バルベーラの赤も少しだけ作っているという。
 
2000年のワインは4月にボトルに入れられた割に、すでにまろやかであった。19年の方が辛口に感じられた。今年はまだ寒く、花も咲いておらずどうなるか様子見だと言っていた。
 
今回初めて知ったのだが、ガヴィにはロマンチックな話があったのだ。
 

6世紀の頃、時のフランク王クロドメールの娘、ガヴィア(Gavia)は父親の警備係の男性と恋に落ちたという。身分違いの結婚を反対された二人は、逃亡を決意。アルプスを越え小さな村にたどり着く。ある夜、宿泊先で美味しい白ワインを飲んで気分が良くなり、これまでの事を宿の主人に話してしまったのが、運の尽き...?!主人は早速フランク王に使いを送り、居場所を教えてしまう。(この裏切り者め〜!)王に送られた軍隊により捕まる二人。(ちなみに宿の主人は賞金をちゃっかり!)しかし陳情する娘の涙に負け、王は二人の結婚を許したのだそうだ。二人は結婚祝いとして思い出の小さな村をプレゼントされ、娘の名前をとって“ガヴィ”と名付けられたとさ...。めでたし、めでたし!!

 

そんなロマンチックな伝説の残るこのガヴィワインだが、大変繊細ですっきり、ほんわりまろやかフルーティ。石灰質土壌特有のミネラルが魚介類にとても良く合い、生臭さはガヴィの爽やかな風味で消えてしまうし、和食ともバッチリ。おすすめです。